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2009.09.29

色づき始めた南アの稜線へ 3(熊ノ平~北岳~広河原)

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(三国平付近より塩見岳を振り返る)

前日の天気予報でもこの日は下り坂と言っていたので天気は期待してなかったんだけど、いざ起きてみると、あれあれ目の前に聳える農鳥がちゃんと見えているというか、空には晴れ間すらあるじゃん!

これはラッキー!という事で朝食もそこそこにさっそく歩き出します。

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(農鳥小屋への捲道と富士山)

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(三峰岳も間ノ岳のこの時点ではまだ見えていたのに)

小屋からしばらくは樹林帯でしたが、それもじきに抜けて周囲が一気に開けます。目の前の三峰岳に間ノ岳、仙丈に甲斐駒。振り返れば塩見もまだまだ見えていて、これはもしかしてこのまま行けるのかなぁ?とちょっとワクワクしてきました。

・・・が、その目論見も三峰岳につく頃にはあっけなく崩れ、周囲はガスに覆われて・・・。ここから間ノ岳へ登る間は草紅葉が見事だったんですけど、強い風も吹き付け始め淡々と登っていくしかありません。

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(イワオトギリ)

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(間ノ岳への登りしな・甲斐駒とこの日唯一の北岳)

それでも、途中では一旦ガスが晴れて左手には北岳がほんの一寸の間だけ姿を見せてくれました。でもこれがこの日最初で最後の北岳の姿。熊ノ平からから二時間ほどでガスに覆われた間ノ岳の山頂に到着しました。

わかっちゃいたけど、ここで人が一気に増えます。塩見もそれなりに多かったんだけど、さすがに北岳が絡むと一桁違いますネ。パンを食べつつ休んでいると次から次へとハイカーがやってくる。晴れていればのんびりしたかったんだけどねぇ。。。

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(中白根山への下りしな)

とういことで適当な所で腰を上げ、北岳を目指します。ひと下りするとガスから抜けて草紅葉や展望を楽しむ事ができたんですけどお高い北岳はやっぱり↓↓この有様。

中白根から北岳山荘に降り、ちょっと休憩してから北岳を目指します。

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(北岳が再び姿を現す事はなかった)

山荘からの登り返しはやっぱりしんどいですね。ガスの中風に吹き付けられながらヘロヘロ登る事小一時間でようやく北岳の山頂に着きました。

もちろん山頂は相変わらずのガスで、今年は先ほどの間ノ岳を含め3つの3100m峰に登ったというのにそのどれもでガスられたのは・・・遠出の山行きは基本天気が良かったはずなのに・・・これはやっぱり不運だったのでしょうか(笑)。

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(ミヤマダイコンソウ)

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(北岳から小太郎尾根分岐までは草紅葉が見事だった)

時間のせいでしょうかね。山頂は間ノ岳よりも人が少なく意外にのんびりできましたけど、空は明るいのにやっぱりガスは晴れてくれません。この日は最終バスの16時までに下ればよかったので、のんびりまったりする予定だったのに・・・それも変更してさっさと下山する事にします。

北岳から小太郎尾根分岐までが今回の山行きで一番草紅葉の見事なところだったのが何とも惜しかったんだけど、コレはもうしょうがないですね。スタスタ下って大樺沢右俣コースの分岐に着くと、その下に見える草すべりの広場にはハイカーがうじゃうじゃいたので、今回は右俣を下りました(笑)。

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(大樺沢右俣コース・下ってきた草原を見上げる)

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(左俣の雪渓が見えると二俣は近い)

右俣の方もお花となるとホソバトリカブトにヤマハハコ、オヤマボクチにセンジュガンピ、シシウド、そして咲き始めのリンドウが目立ったぐらいでしょうか。でも草原をよく見てみると花の種類が多そうなのが藤四郎のボクでもなんとなく判る感じでした。

いろいろお花を撮りながら下ったのに分岐から二俣まで一時間とかからずに到着。何もない河原にポツンと建つバイオトイレが気になったけどまだそんな状態ではなく、利用できなかったのも心残りでしょうか。

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(この時期になんとクガイソウ!)

でもでもこの二俣で驚いたのが、ミソガワソウの群生の中に咲き残りのグンナイフウロやなぜか今や盛りのクガイソウが咲いていた事でした。秋のお彼岸だというのに!7月は奥多摩ばかりだったのでまさかこんなカタチで今年初めてクガイソウにお逢いするとは思ってもいませんでした。

この辺りの事情は全くわからないんですけど、あの辺りは雪がかなり遅くまでの頃所なのでせうかね??

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(二俣から広河原へ向かいます)

思いもかけない出逢いにちょっと気分を良くしたら、あとは向かいの鳳凰を眺めつつ、ルンルン気分で広河原へスイスイと向かったのでした。(^^)(^^)

最後の間ノ岳・北岳はちょっと残念でしたけど、今回の遠出も天気に恵まれとても楽しい山行きになりました。個人的には塩見から歩いて、ようやく南アルプスらしさというのを感じる事ができたのかな、とも思いました。こうなると次の南アはやっぱり南になるのだろうな。。。
 
・・・・・☆
 
◆ 2009.09.22 (Teu)  曇
熊ノ平小屋 05:10- 三峰岳 06:30/06:40- 間ノ岳 07:20/07:30- 北岳山荘 08:30/08:45- 北岳 09:40/10:00- 小太郎尾根分岐 10:30- 二俣 11:25- 広河原バスターミナル 12:35

 
バス(広河原-甲府駅+協力金) ¥2000
 

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2009.09.24

色づき始めた南アの稜線へ 2(三伏峠~塩見岳~熊ノ平)

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(雪投沢の下降点附近より塩見岳を振り返る)

昨晩星空が凄かったわけですから、翌日も天気が悪い訳がありません。とはいえ3時過ぎに起床したので起きたときはまだまだ星空。三伏峠小屋では4時から朝食が摂れるというのが、この日の行程が長目だし、それがたいへん嬉しいことでした。(^^)

おかげで4時半前にはもう出発。ヘッデンつけてさっそく歩き出します。暗い内から歩き出したのも久しぶりの事だけど、星空から徐々に明るくなって周囲の山山が見えてくる様子というのはなかなかいいものです。

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(朝の塩見小屋)

本谷山に着くと夜も明け、しばらくは展望を楽しみつつ稜線歩きが続きますが、やがて稜線を離れてシラベ林のトラバースに変わります。日中なら涼しくて良いのでしょうが、朝の内は日陰だし結構寒かったです。

そして再び稜線に上がるとそこは塩見新道との分岐。20分ほどで塩見小屋に着きましたが、塩見小屋って本当に小さい小屋なんですね。実物を見て本当にビックリしました。塩見岳自体が深田百名山だし、これでは完全予約制になるのもしょうがないかなぁ、と一人勝手に納得したのでした。

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(ウラシマツツジ)

小屋からは塩見岳の山頂に向け本格的な登りに変わります。決して広範囲を云う訳ではありませんがウラシマツツジなどの草紅葉も見頃になっていてなかなか見事でしたけど、見た目通りなかなかキツいですね。ヘロヘロしながら登って、なんとか三角点のある東峰に到着。

この日は若干霞んではいたものの、南ア南部の山々や雲海の奥に浮かぶ高山たちもしっかり見えます。

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(富士と塩見岳東峰)

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(北俣尾根の奥に荒川三山)

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(中央アルプスと塩見岳西峰)

個人的には以前から読んでいた永野(敏夫・正子)さんの歩かれた尾根をようやく目のあたりにできてちょっと感慨深かったです。いつかはそれらの尾根を歩きたいなぁ、と思いつつ山頂でいろいろな方とお話ししながらのんびり。

あと蝙蝠岳への稜線も完全にボク好みの緩やかなカタチで、ここもいつかは歩きたいと思いました!

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(イワベンケイ)

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(蝙蝠岳の稜線も気になります)

しかしのんびりしているうちにもハイカーが三伏方面から続々とやってくるのでそろそろ潮時かな、と腰を上げて先を行きます。山頂から北俣岳の間がこの辺りで一番草紅葉の見事なところでもありましたが、何が良いってここからは人が一気に減ってくれた事です。

人が減ると本当に落ち着くますネ。もちろん連休ですから熊ノ平から人は来ますが、三伏~塩見間に比べればほとんどいないも同然。北俣岳からの急降下をこなせばあとはゆったりした稜線歩きが待っていました。(^^)

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(間ノ岳・農鳥山の左脇に仙丈と甲斐駒も見える)

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(北荒川岳・旧テン場の小屋も見える)

本や雑誌でその名前だけは知っていた雪投沢や北荒川岳のテン場跡をこの目で見られたのも少々感慨深かったです。

その北荒川岳西側の崩落地を見るとここで道は稜線の東を捲くようになりましたが、森林限界附近のせいか歪曲したダケカンバの風情が印象的。ダケカンバやナナカマドの紅葉もそろそろ見頃の感じでしたけど色づきとしては今ひとつかも。でもそこは強烈な日差しでカバーしてくれて、なかなか見事でした。

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(木々の紅葉は見頃だが色つきは今ひとつか)

ダケカンバ林のお花畑はシカの嫌いな枯れかけたマルバダケブキやコバイケイソウばかり、いやあとおそらく枯れたミヤマコウゾリナも結構いましたけど、咲いている花となるとホソバトリカブトやハクサンフウロ、キオン辺りがちょこっと咲き残っているぐらい。

道は時折稜線上に上がりますが、基本的にはそんなダケカンバ林に黒木のそれらしいシラベ林を交えつつ稜線を東に捲きながら行く感じです。この標高で日差しを避けられる所に事欠かないのはさすがに南ア、というかこういうのが南アのイメージなのかなぁ、とおのぼりさんのボクは思ったのでした。

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(熊ノ平が近づくとガスってきたが・・・)

時間に余裕がある事もあってのんびり歩いて行きましたが、やがて安倍荒倉岳に近づく頃、とうとうガスが出てきて後ろの塩見岳が、そして目の前の間ノ岳が消えかかってもうこれまでか・・・と思ったけど、これがなかなかしぶとい。結局熊ノ平の小屋まで天気がもってしまいました。ラッキー。

熊ノ平は黒木に囲まれた所で小屋もそれらしい雰囲気なのがいいですね。水も豊富でコレで昔のように風呂に入れたらなぁ・・・なんて云っちゃぁいけませんネ(笑)。

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(本日のお宿・熊ノ平小屋)

小屋閉めを翌日に控えているため、ビールが夕方前には売り切れてしまったり(ボクは早く着いたのでたてつづけに二本も飲んでしまったのでした・笑)、食事もそれらしい感じではありましたけど、小屋番さんを始め話し相手にも恵まれ楽しい一夜を過ごす事ができました。
 
・・・・・☆
 
◆ 2009.09.21 (Mon)  晴
三伏峠小屋 04:20- 本谷山 05:20- 塩見小屋 06:35/06:45- 塩見岳西峰 07:35/07:55- 塩見岳東峰 08:00/08:40- 北荒川岳 10:45/11:10- 安倍荒倉岳 13:00- 熊ノ平小屋 13:35
 
 
熊ノ平小屋 一泊二食 ¥8000
ビール(ショート缶)x2 ¥1200
 

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2009.09.23

色づき始めた南アの稜線へ 1(鳥倉林道~三伏峠)

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(周囲の木々もぼちぼち色づいてきた)

例年秋のお彼岸の頃は秋雨の時期という事もあって計画しても天気が悪くて潰れるパターンが多くて、今年は5連休にもかかわらず計画を全く立てていなかったんですけど、予報を見ると晴れマークがずらり!これは神の思し召しだろう、とここで密かに行けたらなぁ・・・と思っていた丸三年ぶりとなる南ア行きを急遽決めました。

ということで日曜(09/20)は朝から鈍行を乗り継ぎ乗り継ぎ、伊那大島へ。飯田線なんて何年ぶりに乗ったのだろう。快晴の許、右手に中央アルプスをそして左手には巨大な仙丈ヶ岳を眺めつつのんびりしているとついついそのまま豊橋まで行ってしまいそうですが、ここはきっちり伊那大島で下車。ハイカーは私一人だけでした。

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(豊口山コースの登山口)

やっぱりな・・・と思いつつタクシーに乗り込み、一人でリッチに鳥原林道のゲートまで(¥12000)。一時間ちょいで着いたゲートの周辺にはさすがに好天の連休とあってたくさんの車が止まっていて、下山を終えたハイカーもぞろぞろ。

まずは登山口までの林道歩きがあるんですけど、よくこんな所に道を付けたものだなぁと思いつつ展望の良い林道をてくてく。30分ほどで着いた登山口の手前で軽くおにぎりを食べてからさっそく登山道に入ります。

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(豊口山コースのひとこま)

のっけは一面にコウシンヤマハッカの咲く、スッキリしたカラマツ植林の中をせっせと登っていく感じ。それから道は一旦小尾根に乗ってもすぐに東へトラバースするのでかなり歩きやすいですね。別に急いでいる訳でもないのに30分ほどで豊口山の鞍部に着いてしまいビックリ。

あまり早くに小屋についてもしょうがないのでここからペースを落として行くと、道は尾根の北側へ移り、今度はそちら側をトラバースする感じで行きます。

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(仙丈・甲斐駒はこう見えるのか)

水場を過ぎ、徐々に上がっていくと周囲の木々も色づいてルンルン気分で歩いていると、あれあれもう塩川との分岐に到着。これじゃぁ15時前に小屋に着いちゃうよ。もっとペースを落とします(笑)。

すると周囲が開けた所からは甲斐駒や仙丈、農鳥岳、そして主稜線の奥に顔を出している塩見岳が見えて、登りの人はみんな立ち止まってあれやこれや同定をしています。もちろんボクもその仲間入りさせてもらいました。

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(塩見岳は主稜線から顔を出す感じ)

それだけのんびりしても14時半には小屋に到着。さすがに連休のせいかほぼ満員との事でしたが、一人布団一枚とは行かないまでもB寝台ぐらいの個別スペースが割り当てられていてホッとしました。ここは普段からこういう方針なのでしょうか?ね??

それから小屋に荷物を置き。暇つぶしにビール片手にお花畑の方へ向かうとお花は終わりかけたタカネマツムシソウぐらいでしたけど、そこから稜線に上がると南ア南部の山山が間近に見えて、ボクの中でそちらの方も少し現実味を帯びてきたかな。あとはただただボーッと眺めて過ごしていました。

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(本日のお宿・三伏峠小屋)

そして夜は満天の夜空というか☆が多くてどれがどれだか判んねー、と外に出た人が口々に言っていた夜空をしばらく楽しんでから就寝。明日も良い日になりそうです。
 
・・・・・☆
 
◆ 2009.09.20 (Sun)  快晴
鳥倉林道ゲート 11:40- 登山口 12:15/12:25- 豊口山東鞍部 13:10- 塩川分岐 14:05- 三伏峠小屋 14:35
 
 
タクシー(伊那大島駅-鳥原林道ゲート) ¥12000
三伏峠小屋 一泊二食 ¥8000
ビール(ショート缶) ¥600
PETお茶2本 ¥800 
 

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2009.09.15

富士をお供に・初秋の小金沢連嶺と南大菩薩

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(石丸峠附近より)

しかし9月に入って今までの鬱憤を晴らすかのように好天が続きますねー。先週末も日曜(09/13)がきっちり晴れてくれて、今回選んだのは御坂と同様、今年の盛夏は全く訪れなかった南大菩薩。バスの事もあって石丸峠から米背負峠までお花の様子を見つつさらりと歩いてきました。

甲斐大和からのバスに乗るのは彼のバス運行初日以来ほぼ一年ぶり。この日も満員御礼で20分後に臨時便が出るとの盛況ぶりでしたが20分の差は大きいので最初のバスに乗ったんですけど、バスが小屋平に着き、出発の準備をしていたら5分と経たずに後の臨時便がやって来たのにはかなりガックリ。

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(狼平より天狗棚・熊沢山を振り返る)

それでも空は晴れ渡り、涼しい風が吹き抜ける爽快な朝とあっては気分が悪い訳ありません。若干色づき始めたカラマツ林の中をせっせと歩いて40分ほどで石丸峠に到着。風が強いわ!でも東側はまだ曇っているものの、正面には富士。そして西側には南アの主立った山ほぼ全山が久しぶりに見渡せて、しばらくは展望を楽しみながら歩く感じ。

天狗棚は風が強すぎたので一旦下った狼平でようやく一息つけ、それから小金沢山へ向かいます。でもわかっていた事とは云え草原にはお花がほとんどいませんでした。ウメバチソウにハコネギクを数株見かけるぐらいだとちょっと淋しいですね。。。

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(牛奥ノ雁ヶ腹摺山から賽ノ河原への下りしな)

小金沢山には周囲のサラサドウダンがすこし色づいていました。そしてここからは好天の許、気持ちの良い稜線歩きの楽しめる所で、ここは歩くのが楽しかったところ。ただお花は先ほどのとプラスしてアキノキリンソウにキオンが一株。。。

それも牛奥ノ雁ヶ腹摺山を越えて賽ノ河原へ下ると、終わりかけながらマルバダケブキ、ツリガネニンジン、ノコギリソウ、ウスユキソウ、ノコンギク、ハンゴンソウと徐々にお花の種類が増えてきて、こちらも徐々に楽しくなってきます。

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(こちらのヤマトリカブトもとうとう??・黒岳の広葉樹林にて)

黒岳山頂の周りが少し伐採され、周囲が明るい雰囲気が変わっていたのには驚きましたが、今回一番驚いたというか驚愕したのがその下の広葉樹林に生えるヤマトリカブトの事。どこを見ても↑↑↑のようなのばっかりで、あの一帯のトリカブトの9割ぐらいは丸裸になっていました。これを見た瞬間は2000年代前半から丹沢で猛威をふるっている病気(テングス病??)か??と思ったんですけど・・・

彼の病気の特徴でもある黒く変色して枯れるような株は見られないようだし、よ~く見てみると葉も花もキレイに取られている感じにも見えるので、もしかして動物が食べた??。それでも例えばシカ(毒草でも啄む姿を確認済)がこんなに器用に花と葉っぱだけを食べられるともあまり思えないし・・・実際はどうなのでしょうね。とにかく病気だったりすると丹沢ではその影響が長期間続いているのでかなりやっかいなことにはなりそうなのは確実です。来年以降、周辺のトリカブトは要注意かもしれません。

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(白谷ノ丸より)

せっかくの自然林をあまり愛でる事もなく緩く登り返すとそこはもう白谷ノ丸の草原ですが、残念!この日は先客さんがいたので、さっさとケルンのあるピークへ移動します。でも総量では減ってはいるもののさすがにお花が増えて、ヤマハハコにタムラソウ、ノハラアザミ、ヒメヒゴタイ、ハバヤマボクチ、タチコゴメグサ、コウゾリナ、カイフウロ、ヨツバヒヨドリ、ハンゴンソウ、セイタカトウヒレン、シシウド、マツムシソウ。

ケルンのピークで展望を楽しみながらのんびりランチをとったら、また先を行きます。湯ノ沢峠への下りしなではヤハズハハコにノブキ、シオガマギク、そしてゴマナ。先週の横尾山では終わりかけだったので綺麗なゴマナを見れられたのがちょっと嬉しかったです。

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(この日見かけたお花の一部)

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(大蔵高丸より)

湯ノ沢峠から秋の花咲く草原を抜けて、大蔵高丸に着くとやはりお花はここからが本番でした。良くても盛りすぎ、大抵はそろそろ終わり近かったんですけど前述の花花が濃くなって、以前に比べると花の減った今でもまだまだ見応えがあります。

そしてハマイバ丸を過ぎて天下石へ向かうと、近年一番ヤブの濃かったこの辺りの道にもようやく刈り払いが入って、すこぶる歩きやすくなっていました。

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(ハンゴンソウはまだまだ盛り)

ハマイバ丸から一段下るとここでヤマハッカの登場。花はさすがに盛りで、実はこの花を見るまでヤマハッカの存在をすっかり忘れていたのは秘密です(笑)。まぁこれは今年の盛夏に御坂へ行かなかったせいでしょうけど。。。

やがて天下石が現れると長く続いた草原歩きもお終い。樹林帯に入るとまたヤマトリカブトが出てきましたけど、こちらの方は黒岳のと違ってどれもしっかりと葉っぱを付けて花を咲かせていたので本当にホッとしました。

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(天下石への下りしな・中央は大谷ヶ丸)

ところで米背負峠といえば、自分で勝手にブナハバチ基準木にしているブナがあって、その状態が気がかりでまたまたドキドキしながら峠へ下ると、いましたいました!よかったー、まだ生きていました。とはいえ葉は僅かしか展開させていないし、その葉も実は喰われている(笑)。

でも葉を喰われていても春先からの葉のままで、周囲のブナも同じような感じ。ハバチの発生は今年も小規模にとどまった模様です。

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(米背負峠のこのブナも何とか生きながらえていた)

周囲の自然林が美しい米背負峠ではこれまた忘れかけていたアズマレイジンソウを見つけて、それをカメラに収めたら、ここから稜線を離れて米背負沢の道に入ります。

米背負沢の道は近年ほぼ放置状態で若干荒れていたのですが、去年の夏以降最小限ながら道の改修が入った模様で、草や藪の被る箇所はあるものの慎重に行けば道筋をたどれるようになっていましたし、道標も増えたので今の段階なら初心者でなければそれなりに歩けるでしょう。ただ、また大雨でも降れば倒木が道を簡単にふさいで判り辛くするでしょうから、基本的にはある程度慣れた人向けの道である事に変わりはないと思います。

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(米背負沢の道は最低限ながら改修された)

30分ほどで登山口に出たらあとは林道歩きを残すだけ。途中でショートカットしたお陰で県道までは一時間とかからなかったので、バスの時間に余裕があり、久しぶりにそのまま甲斐大和へ向かいました。

とはいえもう16時を過ぎているので田野の湯が終わっているのがとにかく残念。福祉施設なのでビールは買えないけど、お湯が大変に良い(個人的には天目山温泉より断然良いと思っている)のでここは時間が合えば浸かりたい温泉なんですよね~。
 
・・・・・☆

◆ 2009.09.13 (Sun)  晴 時々 曇 
甲斐大和駅 08:10→ 小屋平 09:00- 石丸峠 09:40- 小金沢山 10:25/10:35- 牛奥ノ雁ヶ腹摺山 11:00- 黒岳 11:55- 白谷ノ丸 12:10/12:55- 湯ノ沢峠 13:15- 大蔵高丸 13:40- ハマイバ丸 14:05/14:15- 米背負峠 14:55/15:05- 登山口(大蔵沢二号橋)15:30- 県道の大蔵沢橋 16:15- 甲斐大和駅 17:05
 

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2009.09.07

横尾山~飯盛山・草原と藪の交錯する稜線

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(横尾山への道すがら・八ヶ岳は早々に消えてしまった)

結局今年の夏は涼しく、天候が不順なまま終わってしまった感じですね。そんな訳で近場のお花畑はお花が徐々に減っている上に今シーズンはかなり少ない事もあって、8月の山行きはお盆の北アだけになってしまいましたけど、今週末はひっさしぶりにちょっとだけ遠いけどホームに近い山歩きをしてきました。

ということで今回は個人的にも懸案であった奥秩父の西端部ともいえる横尾山から飯盛山のへ縦走。稜線は藪っぽいようだけどお花も多そうだし楽しみだなー、と土曜(09/05)は雲一つない快晴のもと、わくわくしながら韮崎駅からタクシーに乗り込み、まずは一路信州峠へ向かいます(¥9800)。

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(ヒメヒゴタイ・今年もなんとか逢えました)

道中、甲斐駒鳳凰に八ヶ岳が見え見えな車窓を楽しみつつ50分弱で信州峠に到着。車から出るとヒャッと涼しい・・・というよりチト寒いぐらいの風が吹いて驚きましたけど、いざ歩き出せば晴れていることもありじきに汗が出てきます。

40分ぐらい登ると樹林帯を抜け、周囲の開けた草原に出ます。富士は見えたモノの八ツにはすでに雲がかかっていてちょっとだけガッカリでしたけど、そこは今の時期の草原ですからそこはもちろんお花畑。マツムシソウに、ノコンギク、タムラソウ、ノハアラアザミ、ハナイカリ、アキノキリンソウ、トモエシオガマ、オミナエシ、コウゾリナ、オケラ、ヤマトリカブト、ヤマハハコ、ウスユキソウ、ゴマナ、ハンゴンソウ、シロヨメナ、エゾカワラナデシコ、タチフウロ、カイフウロ、それに咲き残りのシモツケにシモツケソウ。ヤマラッキョウとヒメヒゴタイは一株だけ・・・などなど。

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(木賊ノ頭へ向かうと途端に笹藪が出てくる)

途中、大きい石に十字の彫られた恩石標?に驚きつつ、そんな草原の中を歩くとじきに横尾山に到着。まだ先も長いので休憩を短めにして稜線を西へ行きます。

するといきなり笹薮に灌木、カヤトの藪と出てきますが、藪はさほど濃くなくよーく探せば踏み跡も見つかる感じ。晴れているお陰もあってすいすい歩けます。ただお花は一気に減りますね。

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(木賊ノ頭直下より行く先の 槍と三ツ沢ノ頭)

明らかにソレとわかった豆腐岩から緩く下って登り返すとじきに槍への稜線が左へ分かれますが、とりあえず木賊ノ頭に一度寄ってから、分岐に戻ってしばし休憩。ここは稜線の西側が開けていて、槍、三沢ノ頭、そして奥には飯盛山まで見えてちょっとやる気が出てきます。

そしてこの分岐から槍までが笹の敷き詰められた、ミズナラの疎林が美しい尾根で、涼しい風が吹き抜けることもあってこの山行きで一番気持ちの良い所でした。ただ木賊ノ大ダルへ下りきる手前のピークで明瞭な道が西の枝尾根へ分かれているので、引き込まれないよう注意が必要かも。

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(槍までは雑木林の快い道が続く)

サラシナショウマやハンゴンソウの咲く、少々藪っぽい木賊ノ大ダルから気持ちの良い尾根道は続いて、槍への登り返しもさほどキツく感じません。おかげで予想よりも少し早く槍に到着。ここは意外に展望が良いんですね。ただ周囲の高山はガスがかかって瑞牆山がかろうじて見えるぐらい。

山頂もちょっと狭いんですけど、まだそれなりに暑い最中とあっては誰も来ないだろうしここでのんびりランチと相成りました。(^^)

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(大ダルへの下りしなより三ツ沢ノ頭)

槍からはカヤトの藪をスブスブ降り、そして笹の広尾根を降りきると三沢ノ大ダルなんですけど、カラマツ植林下の笹原とあっては正直趣に欠けるので休憩もそこそこに三ツ沢ノ頭へ登り返します。

登り返しも笹の中の踏み跡を探りながら登る感じで、ようやく登り切った三ツ沢ノ頭も一面笹原で休む場所もなく、ちょっとガッカリしながら先を行くと、おっといきなり周囲が開けたと思ったら、ここで飯盛山までの稜線が一望。この稜線の奥には本当は八ヶ岳がいる筈なんだけど、あいにくこの日は雲の中。もし八ツが見えてたら↓↓この写真ももっと様になっただろうに、惜しいなぁ。。。

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(三ツ沢ノ頭を過ぎると牧柵が現れ、展望が良くなる)

そんな展望に気をよくしながら降り始めたんですけど、下に見えた草原は牧場なんですね。でもハイカーは藪の多い牧柵の外を歩かされ、しかも思いの外歩き辛くてコレが何とも悔しい限り。

それでも下っているとやがて刈り払い道になってようやく一安心。するとお花も再び現れ、西へ向かうにつれ徐々に増えていきます。道中特にサラシナショウマが多くて今回で何年分も見てしまった感じです。

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(アサマフウロ・お初でした)

そして今回初めてお目にかかれて嬉しかったのがアサマフウロ。最初はその見た目からタチフウロとカイフウロの交雑種??と思っていたんですけど、徐々に沢山見かけるようになるにつれ、もしやこれはアサマフウロかも・・・とハッと気がついて家に帰って調べたらビンゴでした。

ちなみに横尾山側にはタチとカイがいて飯盛山側にはアサマとカイ。あの藪っぽい稜線がタチフウロとアサマフウロの境になっているようですね。

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(マツムシソウもまだまだ盛り)

そしてマツムシソウもまだまだ盛りで、あとはヤマハハコ、ウスユキソウ、ヤマトリカブト、ユウガギクなどが目立ちましたけど、様々なお花がポツポツと咲いている感じの横尾山とは違い、飯盛山周辺は一つの花が塊をつくって咲いている感じ、と違いがあったのが印象的でした。

そんなわけで飯盛山には15時ちょうどに到着したんですけど、気軽に歩ける山のせいなのか?ポツポツとはいえハイカーがまだ上がってきているのにはビックリ。でもエアリアを見ると飯盛山って一時間そこそこで登れる山なんですね。

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(飯盛山の手前から歩いてきた稜線を振り返る)

ここまで来ればあとは平沢峠に下るだけ。今までの歩きを反芻する間もなくあっけなく峠に着いたら、着替えをし、獅子岩に登り、タクシーを呼んで野辺山駅へ(迎車・¥1580)。

野辺山は久しぶりでしたけど夏の観光シーズンも一段落して周囲はガラガラでした。おかげで帰りの小海線も席を確保でき(清里だったら席の確保は難しかったでしょう)、今回も無事に山歩きをシメることができたのでした。
 
・・・・・☆

◆ 2009.09.05 (Sat)  晴 時々 曇 
信州峠 08:00- カヤトの原 08:50/09:00- 横尾山 09:40/09:50- 豆腐岩(1734m峰)10:35- 木賊ノ頭 10:50/11:00- 槍 11:40/12:40- 三ツ沢ノ頭 13:20- 飯盛山 15:00/15:10- 平沢峠(獅子岩)15:45
 

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