やっとこ遠出のお山へ 5(笠ヶ岳~笠新道~新穂高温泉)
(笠ヶ岳山頂・右奥は乗鞍に御嶽)
前日は早めに着いたもののさすがに疲れが出たようで今朝は4時までぐっすり。山頂でご来光を迎えようとしている人たちがバタバタする中、この日は怠けて寝所から迎えるつもりだったのでしばらくはうとうと。
前日までは5時ぐらいには日が出ていたのに、笠ヶ岳は東側に槍穂の稜線が聳えているせいか5時を回ってもなっかなか出てこなくてちょっとイラっとしてきた頃、なんと槍の穂先近くからお日様が現れてビックリ。ってーことは「ダイヤモンド槍」なんてのもあるんでしょうねぇ。。。
(なんと槍の穂先附近からご来光)
それから美味しい朝食をとり、まずは昨日寄らなかった笠ヶ岳の山頂へさっそく出発。10分ほどで着いた山頂はご来光直後のお陰か人が少なく、思う存分周囲の360度の展望を楽しむことができました。富士山もしっかり見えるんですねぇ。
山頂から南へ延びるクリヤ谷への稜線も気になりますが、この日はお盆で土曜日。しかも諏訪の花火大会もあるので今回の所は笠新道を下るのが穏当な所。後ろ髪引かれる思いで来た道を戻ります。
(クリヤ谷の方も気になったけど・・・)
なんか今までの疲れがどっと出てきたようで、歩いていてもどうもペースが上がりません。とはいえ後は下るだけだし、帰りのバスにも余裕があるので無理することなく展望を楽しみつつ名残惜しむように稜線をまったり歩いて、昨日同様抜戸岳に上がってから笠新道に入りました。
最初は草原の中をぐんぐん下って行く先に見える杓子平へ向かいますが、この辺りも気持ちの良い広がりですね。なんか下るのがもったいないというか。ただこの時点でガスが上がってきていたのがちょっと残念だったかも。
(抜戸岳への道すがら笠ヶ岳を振り返る)
花や雷鳥を撮りつつ急な斜面を下り終えると、杓子平の草原をトラバースするようになり杓子平の標識のある広場に到着。う~んガスがなっかなか晴れないのが悔しくてしばらく休んでいたんですけど、やっぱり晴れないので諦めて先を行きました。
すぐ先で抜戸岳の南尾根を乗越すと、ここからが噂に聞く急降下の始まり。尾根を乗越した途端、アカバナシモツケやオオバギボウシ、チダケサシなど低山系のお花が混ざるようになったのは象徴的で、それは山行きの終わりが近いことも示していました。当たり前だけど。
(杓子平へ下ります)
しっかしここからは道は急で狭いし、道には岩・石が乗っかっててただでさえ降りるのに気を遣うのに、下り登りに人が多いのにも気を遣います。まぁ自分のその一人なのでもちろん文句は言えないんですけどね(笑)。
それと、この道のしんどい理由が下れば下る程に暑くなる、ということ。下っていてもしんどいのに、このクソ暑い中を登ってくる人も多く、すれ違うたびにただただ偉いなぁ・・・と思ってしまうのでした。
(杓子平から稜線を見上げる)
ということで下って高木が出てきても暑さはあまり変わらず、というか高木帯に入ると今度は足下の岩・石が濡れてたり苔むしていたりと要は滑るようになって一層歩きづらくなったのにはちょっと参ったかも。
そんな中を下って下って、杓子平から二時間近くかかってようやく見覚えのある登山口に降り立ちました。でもここの水場が枯れていたのは想定外でしたが、林道を下ると間もなく水場があってようやく一息つけました。
(アカバナシモツケ)
あとは林道をちんたら歩いて、毛穴谷が合流したあとは毛穴谷の奥に聳える笠ヶ岳から抜戸岳の稜線を何度も振り返りつつ、ちんたらと新穂高温泉へ向かいます。
バスターミナルの温泉がなくなってしまったので、今回は最奥の宿でもあるホテルニューホタカで一浴。入浴中、先に入っていた方から「何日お風呂に入ってなかった?」と聞かれて思わず笑ってしまいましたが、数えてみたら丸五日近かったです(笑)。こぢんまりした所でしたが、掛け流しで良いお湯でした。
(杓子平を過ぎると低山系のお花が出てきた)
そんなこんなでようやくバスターミナルに着いたらレストハウスで一人打ち上げ・・・と思ったらここでも笠ヶ岳で同宿だった方と一緒になって、最後も楽しいフィナーレになったのでした。(^^)(^^)
今回の山行きは天気に山に、そして人に恵まれた素晴らしい山行きになりました。おかげでここ二ヶ月間の遠出が潰れまくったストレスもキレイさっぱりなくなりました。天気を待って本当に良かった・・・というか追い込み馬の追い出しを我慢する騎手のキモチがちょっとわかったような・・・(笑)。とにかくみなさまほんとうにありがとうございました!
・・・・・☆
◆ 2009.08.15 (Sat) 晴
笠ヶ岳山荘 05:55- 笠ヶ岳 06:05/06:20- 抜戸岳 07:30- 杓子平 08:30- 笠新道登山口 10:25- 新穂高温泉 11:30
温泉(ホテルニューホタカ) ¥500
生ビール&おつまみ(レストハウス) ¥1100
かつ丼(レストハウス) ¥900
特急バス(新穂高温泉~松本駅) ¥2800
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コメント
そうそうあの温泉はなくなったのよーと言っても入ったこと無かったんだけど(笑)。
でも来年には中崎山荘の辺りだったかな?に立派な施設ができるそうですよ~。
投稿: komado | 2009.09.08 19:40
槍の穂先からの御来光。ついでに見れちゃった感じだけど、運がいいね~。
北アの魅力がいっぱい詰まったレポを腹いっぱい堪能して、飛んで行ったような気持ちになりました。
え~~~!
新穂高温泉の確か無料だった温泉無くなったの~?
時代の流れを感じるなあ。
施設は確かに古かったけど。
これからも楽しいレポ待ってま~す。
投稿: かず | 2009.09.07 13:14
SAKURAさん、
ようこそいらっしゃいました。
ホント今回は自分でも驚いているんですけど、結果として優等生的な早めの小屋入りでしたね。れれちゃんのレスでも書きましたけど、今回は荷物が軽いせいかホント歩いていること自体が気持ちよくって、お花もそこそこについすいすい・・・という感じでした。
ダイヤモンド槍のことは笠ヶ岳の小屋に詳しいことを聞いておけば良かったとちょっとだけ後悔してます。(^^;;;
投稿: komado | 2009.08.30 17:39
素適な山旅を素晴らしいお写真と供に楽しませていただきました。
停滞は1日あったものの、ず~っとお天気に恵まれ快適な稜線歩き、小屋も割と混雑してなかったようだし…
素晴らしい山旅ですねぇ~♪
槍~笠までは地図で見ても相当ありますが、はやめに小屋にご到着ですね。お写真も撮りながらなのに健脚だわ!
ダイヤモンド槍状態も素晴らしく素適なお写真がいっぱいですね。
投稿: SAKURA | 2009.08.27 22:57
AKIOさん、
ボクもそろそろ布団に二人とか経験するのかなー、と思いつつ今年も運良くそう言う場面に遭遇することなく山行きを終えることができました。
以前にもお盆は昔のように混まなくなったと聞いていましたけど、今回は本当にその通りだったようです。いろいろな方から聞いた話で今回混んだのは穂高の小屋だけだったようです。
ただ不景気に天候不順、インフルエンザにトムラウシの影響があるかもしれないなー、とある小屋の方がぼそっと言ってたのを思い出しました。それなりに空いているのは良いけど、今後が心配でもありますね。
投稿: komado | 2009.08.27 19:54
カセージンさん、
えっ、そうだったんですか!
なんか日帰りっぽいですね~。クリヤ谷から上がって弓折まわりで(笑)。
投稿: komado | 2009.08.27 19:49
タカさん、涼さん、
こちらが勝手に楽しんでいるものを楽しんでもらえたと云ってもらえて、それだけで嬉しいやら恥ずかしいやら。。。(^^ゞ
とにかくしょうもない駄文におつきあいいただき、まことにありがとうございました。
投稿: komado | 2009.08.27 19:48
こんばんは。
山々の写真もこれだけ続くと迫力がありますね。今回は「花のひかり」というよりも「峰のひかり」といったところでしょうか。
三日目の沈殿は正解でしたね。小生の昔の経験では、テントだと雨の撤収がいやなので比較的簡単に沈殿する気持ちになるのですが、小屋泊りだと「最悪途中の小屋に転がりこめばいいや。」という気になってしまいがちでした。
山小屋も意外と空いているようですね。このレポートを読んでいると、「来年は久しぶりにこの界隈に足をのばしてみようかな。」という気持ちになってきたというのが正直なところです。
投稿: AKIO | 2009.08.27 19:37
なんと!
15日は同じ道を・・・
投稿: カセージン | 2009.08.27 08:35
タカさんと同じです。とても楽しかったです。
ありがとうございました。
投稿: 涼 | 2009.08.27 08:07
とっても楽しかったです。
投稿: タカ | 2009.08.27 06:58