やっとこ遠出のお山へ 2(大天井岳~西岳~槍ヶ岳)
(東鎌尾根のひとこま)
前の日が寝不足だったこともあってこの日はぐっすり眠れて、まわりがごそごそしだした4時には目が覚めそのまま起床。窓から外を見ると晴れた空の下には雲海が広がっています。とはいえ小屋から大天井の山頂は10分とかからないので、しばらくうだうだしてから準備をしても余裕なのがいいですねぇ。
ということで5時ちょい前に山頂に着けば、まもなく東の空から太陽が出てきてご来光。朝焼けに染まる山並みをしばらく眺めたら、小屋に戻って朝食をとりさっそく出発です。
(大天井岳からのご来光)
この日は行程的にはかなり余裕のある日なんですけど、残念ながら天気は下り坂。なのでできれば晴れているうちに槍の穂先まで行きたいという思惑が実はあったのでした。今はクリアに見えているけどあっちに着く頃にはどうかなぁ。。。
槍穂や行く先の喜作新道を見下ろしながら、意外や結構しんどい西の捲き道を下って大天井ヒュッテに出て、ここから喜作新道に入ります。
(喜作新道のあるお花畑・オタカラコウ)
ヒュッテへの下りしなに見えた喜作新道の尾根のアップダウンの多さにちょっと嫌な感じがしていたんですけど、実際に歩いてみると道は見事に尾根を捲いていて歩きやすいことこの上ありません。しかも尾根を捲いているお陰かお花も多く、オタカラコウやミヤマキンポウゲ、そしてコバイケイソウ(盛りは過ぎていたが当たりかも)などのお花畑を次々と通っていきます。
貧乏沢の下降点に標識があったことに驚きつつ先を行くと、じきに道は尾根上に上がって、そこがビックリ平。いきなり↓↓のような槍ヶ岳が眼前に聳えて、こんなボクでもその姿にしばし見とれてしまいました。
(赤岩岳の手前辺りからだったと思う)
ビックリ平からは基本的に尾根上を行く感じで、好天の許 眼前の槍穂や周囲の山稜を眺めつつゆるゆる行けるところ。個人的にはビックリ平から西岳ヒュッテまでがこの日一番気分良く歩けた箇所でしょうか。
西岳はハイマツがうるさくそのまま尾根通しで行けなかったので、捲いてしまいました(笑)。
(タカネヤハズハハコ)
そんなに急いでいるわけでもないというか、お花やなんやと撮影にいそしみ普段よりも遅めに歩いていたのに二時間ちょいで西岳ヒュッテに到着してしまったのには驚きましたが、これも先のことを考えると神の御業??少し休憩したら水俣乗越へ急降下。道はもちろん急な上にハシゴもいくつかあってさすがに歩きづらくなってきます。
そして水俣乗越からが東鎌尾根になるのでしょうか?その名の通りアップダウンのしんどいギャップをいくつも乗り越える道のり。よくこんな所に道を付けたなーと半ばあきれつつ、あとは暑さに耐えつつ淡々と登っていくしかりません。
(北穂高岳を見つつ・ヒュッテ西岳への下りしな)
登って登ってもまだ槍の穂先はクリアに見えていたので、コレは行けそうかな-?と思った矢先、あー思たとおり西の方から徐々に雲がやってきて、じきに穂高はガスに包まれ。。。
そんなわけでこちらもとうとう曇ってきたけど、まだ槍の方は大丈夫。とはいえこちらもいつ消えるかわからないので、お弁当を食べるつもりでいた大槍ヒュッテに着いてもちょっとの休憩で先を行きます。
(東鎌尾根はこんなハシゴもあった)
んが、やっぱりというかヒュッテを出たらしばらくして穂先もガスに包まれてジエンド。それでもめげずに先を行ってやっとこ槍ヶ岳山荘にあがると、そこは曇りどころか西から強風が吹き付ける荒れた天気になっていました。
そんな状況でもザックを置いて穂先に登るハイカーは結構いるものなんですね。ボクはザックを背負ったまま(昔ザックを丸ごと盗まれた経験があるので・・・)天気にもめげず穂先へレッツゴー!
(槍の姿は本日ここまで・大槍ヒュッテより)
穂先へはちょっとした渋滞があっても20分ほどで到着。驚いたのが下であれだけ風が吹いていたのに、上では風が無く、しかも妙に暖かかった(岩が灼けていたせい?)こと。これは穂先の形状のおかげで吹き付ける風が上へ行ってしまうせいでしょうかね??
そんなわけで山頂は人も少なく意外に快適だったのでここでオベントを食べていると、一瞬だけ晴れて双六方面が見えましたが、今回はもうコレで充分。心ゆくまで滞在したら山荘目指して下り始めたんですけど・・・
(タカネシオガマとシコタンソウ)
山荘前に着いたらそこは風どころか雨も混じって吹き付ける天気になっていました。山荘の中はすでに雨を避けたハイカーで一杯で、そんな様子にここはボクの来るべき所ではないかも・・・と思ってしまい、そのままヒュッテ大槍へ戻っていったのでした(笑)。
まぁ実の所この間でシコタンソウやタカネシオガマ、ミヤマオダマキなどなど新たに見かけたお花が多く、それをカメラに収めたかったこともあったんですけどネ。
(いちおう槍の穂先にも上がったので・・・)
そんなわけで急遽変更した大槍ヒュッテ。さすがに建物はかなり古かったんですけど、お客はほどよく少ないし、朝まで有効のフリードリンク(インスタントコーヒーやティーバッグの紅茶だけど。これは特に翌日大変ありがたいものだったのでした)はあるし、燕山荘系らしく食事は美味しく、食後はバータイムと称してアルコール類も豊富。パソコンだってあるしと、いたって快適な小屋でした。
この日は食事で一緒になった方達とワインをしこたま飲んで、あとはへべれけになっていい気分で寝てしまったのでした~。
・・・・・☆
◆ 2009.08.12 (Wed) 晴 のち 曇
大天井岳 06:05- 大天井ヒュッテ 06:40- 赤岩岳 07:45- ヒュッテ西岳 08:20- 水俣乗越 08:55- ヒュッテ大槍 10:25/10:30- 槍ヶ岳山荘 11:05- 槍ヶ岳 11:30/12:15- ヒュッテ大槍 13:05
ヒュッテ大槍 一泊二食 ¥9000
ビール(ヱビス・ショート缶) ¥500
フリードリンク ¥400
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コメント
うわ・・・バレてしまいましたか(笑)(^^;
west-riverさま、黙っていて大変失礼いたしました。
なんかですね・・・どうも自分からブログやってますとはこっ恥ずかしくて言ええないんです。最近はぼちぼち声をかけられることもあるんですけど、それもかなり恥ずかしいものがありますね。
それはともかくあの夜はワインごちそうさまでした。本当に楽しいひとときでしたね。笠ヶ岳も楽しかったし今回は山に天気に、そして人に恵まれた山行きでした。 west-riverさまには重ねてお礼を申し上げます。みなさまにもどうぞよろしくお伝えください。
そして、まだどこかで逢えると良いですね。
投稿: komado | 2009.08.25 18:48
komadoさんこんにちは。
「やっとこ遠出のお山へ 3,4」楽しく拝見しました。1と2についてはヒュッテ大槍(8.12)でワインを飲みながらお聞きしました。そうkomadoさんが「ワインをしこたま飲んで、あとはへべれけになっていい気分で寝てしまった」夜です。翌朝、赤いザックを背負って槍ヶ岳の方に歩いていく姿が印象的でした。その後のkomadoさんが3,4ということですね。
ヒュッテ大槍では保証期間の切れた私たちに楽しい時間をありがとう。感謝しています。どこかの山でまた交差したいものです。
komadoさんはきっとブログを持っていると思いチェックしたらヒットしました。ちょっと驚いた?。
投稿: west-river | 2009.08.24 02:18
涼さん、
いえいえ、そう言ってもらえてちょっと嬉しいです。(^^)
何せ今シーズンはとにかく天気に恵まれず遠出が潰れまくりだったのでストレスたまって、お盆の山行きが潰れてたらマジな話気がおかしくなっていたかも知れません(笑)。
投稿: komado | 2009.08.22 19:11
こんばんは
読ませて頂いただけで、ご一緒しているような気分になります(ご迷惑ですよね)。
ホーッと吐息です。
ありがとうございました。
投稿: 涼 | 2009.08.22 00:40
タカさん、
なんやかんや言っても槍ヶ岳はやっぱり絵になりますね。こんなボクでも別格だと思っています。できれば晴れている時に穂先にあがりたかったんですけどね~。
投稿: komado | 2009.08.21 19:26
やっぱり槍はいいですね~。
風景写真に人物や山小屋が入ると味わいが
違ってきますね。
投稿: タカ | 2009.08.20 07:02