初夏の小金沢連嶺・ツツジを愛でる稜線
(狼平より小金沢山)
梅雨入り前後のせいか今ひとつ不安定な天気や個人的な所用もあって久しぶりに山行きが二週程あいてしまいましたが、今週の土曜(06/13)はさすがに天気もそれなりに良かったので、もちろん歩いてきましたヨ。
今回はこの時期に歩いたことのなかった小金沢連嶺をヒネりなしにごく普通に辿るコース。これも去年バスが開通したときに小金沢連嶺を歩いて、その時に見かけたサラサドウダンなど稜線のお花の状況が気になっていたのでした。
(狼平のレンゲツツジは咲き始め)
んで今回はバスではなく珍しく塩山駅からタクシーで小屋平、じゃなくてその上の林道(小金沢へ繋がるらしい林道)の登山口まで出てからのスタート(¥6200)。ここへタクシーで出るのは初めてだったけど意外に安く済んだことに驚きました。大峠や湯ノ沢峠へ出るよりも安いんですね。さすがに1800m近いこともあって爽やかな空気の許、気分良く歩き出します。
この標高だとミズナラもダケカンバもまだ新緑と云えるような緑で見ているだけで嬉しくなってしまいます。するとさっそくキンポウゲにツルキンバイ、マイヅルソウ、シロバナノヘビイチゴ、ズミの白い花もなかなか見事です。そしてお目当てのキバナノコマノツメがあっさりと咲いていて本当に嬉しかったんですけど、ちょっと拍子抜けでもありました。
(ウラジロヨウラクはほとんどが蕾だったが・・・)
そんなお花を愛でたりカメラに収めたりしているとじきに笹の稜線が見えてきて、すると小金沢山の隣にほんとうにうっすらと富士が確認できましたけど、やっぱりコレがこの日唯一の富士の姿。ラッキーでした。まもなく石丸峠に着き、とりあえずは天狗棚へ向かいます。
天狗棚に着いたら少し休憩。うっすら晴れた周囲の展望を楽しんでいると、小金沢側にトウゴクミツバツツジと思しき紫の塊が見えました。けどこの花はまだ先でも見られる筈なのでそのまま狼平へ降り、小金沢山へ向かうと行く先に朱い塊が・・・そうだここはレンゲツツジがいたんでした。
(・・・開いたお花はなかなかキュート ^^)
レンゲツツジは咲き始めでなかなかキレイな状態。数こそ多くはないですが、シカの影響で弱っていた木が復活している感じも見受けられて、もしかすると今後は増えるのかもしれません。
そんな笹原から黒木の林に入るとまもなくサラサドウダンが出てきた!と思っていたら次から次へと出てきてビックリ。この辺りはサラサドウダンがこんなに多いんだー、と今更ながらに初めて気がついたのでした。花付きは決して良好とは云えないけどそれなりに花はついている様子で、まだ堅いつぼみも多く、見頃は来週どころか再来週でも良さそうな感じです。
(小金沢山への登りしな)
そんな様子に気分を良くしていると次はウラジロヨウラクが出てきてまたビックリ!この花が近場でも見られることがわかってからそれなりに探して幾年月。ようやく逢えたこともあってひとり興奮していると今度はコヨウラクツツジが出てきてまたまたビックリ!!この花も同じく探しまくっていたお花なのでした。頭上にはサラサドウダンが相変わらず目に入るし、ここはツツジが多い所なんですねぇ。。。
小金沢山に近づくと見かけるシャクナゲはおそらくハクサンなのでとりあえず一瞥しただけで通り過ぎると小金沢山に到着。山頂周辺のサラサドウダンはシカに囓られながらも枯れることなく見事に花をつけていてなかなか壮観でした。
(こやつは赤が強いけどサラサドウダンでしょう・小金沢山にて)
小金沢山を過ぎるとそれまで程ではないにしろサラサドウダンはいるし、コヨウラクツツジがありふれている程いることにも驚きました。これは花といってもぱっと見小さい実のようだし、花を知らなければ見過ごす存在なのかもしれないけど、お陰でちょっと特徴のある木を覚えることができた?かも??そしてズミは木の一部だけに花をつけているのが多くて、花つきとしてはあまり宜しくない感じでした。
あと稜線のスズタケも茂るどころかご多分に漏れずこちらも後退しているようで、こんな様子なら今後盛夏になっても朝露に濡れるようなこともなさそうですね。
(コヨウラクツツジは稜線を通して見られた)
そんなこんなで思いもかけずというか毎度のごとく?のんびりペースになってしまい、今年初となるツマトリソウを見かけたらまもなく牛奥ノ雁腹摺山に着いて、この時点でお昼ちょい前。この日は風が強かったので、風の通る賽ノ河原は避けてこちらでランチと相成りました。
ここから先は大峠や湯ノ沢峠から来ているのかそれなりにだけどハイカーとすれ違うようになります。風の通る爽快な賽ノ河原からせっせと川胡桃沢ノ頭へ登り返すと、今まで微妙に遠い所でばかり咲いていて、まともに見ることも撮影することもできなかったトウゴクミツバツツジとようやくマトモにご対面。
(賽ノ河原にて)
そして足下にはこちらもシロバナノヘビイチゴ。そしてもう一つ盛りは過ぎたもののお目当てのフデリンドウを探して探して必死に探して・・・今年もなぜか春先に見る機会がなかったので・・・ようやくこちらも見つかりました。
ここまで来れば黒岳はもう間近。黒岳までも小金沢山附近ほどでないにしろサラサドウダンにコヨウラクツツジが見られて、やっぱり花の季節は時期を変えつつ何度か訪れないとわからないことが多いなー、と改めて思ったのでした。
(トウゴクミツバツツジは盛りすぎ・川胡桃沢ノ頭附近)
黒岳で少し休んだらあとは湯ノ沢峠へ下るだけです。今回は黒岳からひと下りして出るカエデの高木に覆われた「黒岳の広葉樹林」のカエデは何ぞ?を調べるのも課題だったので、木に近づいて葉っぱをいろいろな角度からパシャパシャカメラに収めて見たところ・・・おそらくですけどオオイタヤメイゲツだと思います。
そこから緩く登るとまもなく周囲がパッと開けて白谷ノ丸の草原に飛び出します。草原のお花こそキンポウゲ辺りが目立つぐらいでまだまだ淋しかったのですが、ここでようやくヤマツツジとのご対面。お花はちょうど見頃で、花付きもよろしくなかなか壮観でした。
(木々はオオイタヤメイゲツか?黒岳の広葉樹林)
そんな草原を過ぎるとあとは湯ノ沢峠へ向かって急降下。途中、白くて細長い花のついた木をみかけて何かな~?とカメラに収めましたけど、さて正体はわかるのでしょうか?やがて傾斜が緩むと、あーっとスズランを見つけて喜んでいたらすぐ先が峠でした。
ここからタクシーに乗るにはコストパフォーマンスがあまりに悪いので、もうひと頑張り。峠でタクシーを予約してから焼山沢の道を下りました。こちらはサンリンソウにヒロハコンロンソウ、クワガタソウにクリンソウも何とか見られたお花の多い楽しい道のりで、最高というにはちとオーバーだけど、喜びがじわじわと湧いてくるようななかなかのフィナーレでした。
(ヤマツツジは花付きが良さそう・湯ノ沢峠への下りしな)
しかし木を見ただけでそれが何かわかれば良いんですけど、そうでないボクのような藤四郎には花がつかないとね、やっぱりそれがなっかなかわからないもので、今回歩いた小金沢連嶺も結局そう言うことでした(笑)。本当にサラサドウダンの多い所なんですねぇ。ここはこの花に合わせて訪れるのも一つの好機かなぁ♪と思いました。
でもそれを気づかせてくれたのもあのバスのお陰、なんだよなぁ。。。(^^)
・・・・・☆
◆ 2009.06.13 (Sat) 晴 時々 曇
小屋平上の登山口 08:10- 石丸峠 09:00- 狼平 09:30/09:40- 小金沢山 10:40/10:50- 牛奥ノ雁腹摺山 11:30/12:20- 黒岳 13:30/13:40- 湯ノ沢峠 14:40/15:10- 湯ノ沢峠登山口 16:00
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コメント
そう、これは小金沢山にいたのなんだけど明らかにチチブではなく、ベニサラサというには本場で見るのとはちょっと違うような気もしますのでとりあえずサラサドウダン。でもサラサドウダンはこの色の付き方の違いを楽しむお花なのかもしれないね。
かずさん所見てたら御坂には白いのがあったようだし、しばらくはこの手のツツジも気にしてみようかと思ってます。(^^)
投稿: komado | 2009.06.18 22:34
サラサドウダンの花つきいいね~。
しかも赤が鮮やか~。
時間が経つと色が褪せてくるんだよね?
っていうか僕が見たのとちょっと違うなあ。
僕が御坂で見たのは、下部だけ赤いけど、komadoちゃんが見たのは、上まで赤いよ~!
こんなのもあるんだね~。
できればこちらを見てみたいなあ。
ウラジロヨウラク可愛いなあ。
ってツツジの展覧会みたいなコースじゃない?
楽しそ~。
投稿: かず | 2009.06.17 05:45
涼さん、ba_sobuさん、AKIOさん、
さっそくのコメントありがとうございます。
当初はこの時期の小金沢連嶺を歩いたことがなかったのでどんな様子なのだろう、と探るのが目的でした。まぁしいていえばキバナコマノツメがいそうというのはありましたけど、まさかここまでいろいろなツツジを楽しめるとは正直思ってもいませんでした。特に花の時期は最低でも月一ぐらいで歩いていないとその山の植生ってやっぱりわからないものですね。ヒネりなしの行程でしたけど天気にも恵まれてとにかく楽しい一日でした。(^^)
ズミは花付きがよいのとイマイチなのとの差が大きかったですね。そうそう歩き終えてからずいぶん経った昨日のなって、以前7月に歩いたとき道ばたにドウダンの花ガラが大量に落ちていたことを思い出したのでした(笑)。
投稿: komado | 2009.06.16 23:16
こんばんは。小生も7日に歩いたところなので、自分の歩きを反芻しているようでレポートを読んでいて楽しかったです。もっとも、小生はウラジロヨウラクやコヨウラクツツジには気が付きませんでした。湯ノ沢峠の駐車場のトイレの横のズミ(だとおもいましたが)が満開だったのが今でも印象に残っています。歩かれた日もやはり北行ハイカーが多かったようですね。
投稿: AKIO | 2009.06.16 19:33
追加
ヨウラク「瓔珞」というのは、仏像の天蓋などにつける垂飾りのこと だそうです。
といってもよく分かりませんが・・・
投稿: ba_sobu | 2009.06.16 17:32
こんにちわ
写真に気持ちが現れてますね
ウラジロヨウラクとコヨウラクツツジの 可愛いお姿。
ああいうふうに写せるなんて 「なんてかわいいんだろう」というkomadoさん想いがにじみ出ている気がします。。。ホンと かわいい
まいりました
投稿: ba_sobu | 2009.06.16 17:27
こんばんは
最近何かと忙しくて、気持ちがザラザラしています。
そんな中、すてきなレポートと花々の写真に、ホッとした気分になっています。
ありがとうございました。
投稿: 涼 | 2009.06.15 21:41