新緑の秩父 日原・黒ドッケ沢からカロー谷へ
(大血川東谷の吊橋・なんと架け替えられていた)
本格的な新緑の季節を迎えて、日原通いはまだ続くのでした。。。(^^ゞ
ということで今週の山行きは日曜日(05/10)。久し振りに秩父側は大血川から、長らく懸案でもあった大血川と日原を結ぶ古道が通っていた黒ドッケ沢の径路を辿って大血川峠に上がり酉谷山へ。それから長沢背稜/都県界尾根の縦走路を東へ行き、ハンギョウ尾根からカロー大滝を経由するカロー谷の水源林巡視路を下るコースを組んで歩いてきました。
(ケンカ平歩道のひとコマ)
今回も西武秩父駅から東谷林道のゲートまで長駆タクシーを走らせて(¥6110)のスタート。先週は雨が続いたせいかゴウゴウと音を上げて豊富に流れる東谷の様子にわくわくしつつ、新緑眩しい東谷林道~ケンカ平歩道~林道と歩きます。そして初訪の時に徒渉場所を探した教訓を生かしてケヤキ林の手前・・・モノレールの所から東谷に降り、左岸の径路を拾いました。
しかし、しばらく径路を行くといきなり崩落地のトラバースを強いられて先が思いやられるなぁと思っていたら、じきに現れた見覚えのある堰堤に前にはなかった板が渡してあってきちんと渡れるようになっていたのには思わずガックリ。それでも気を取り直して先を行くと、前は朽ちかけた桟道がかかっていたと思しき所に真新しい桟橋がかかっていてえっ??と思っていたら、なんとその先の通行止めになっていた吊橋も真新しいものに架け替えられていて、今度はビックリ!
(樹間越しに黒ドッケ沢の連なる滝を見つつ・・・)
そんな吊橋を渡ってひと登りすると分岐があり、目的の黒ドッケ沢の径路は左の道。さっそく左に入ると道は大黒尾根(黒ドッケ沢左岸尾根)をぐるりと回り込んで、こちらも水量豊富で脇を歩いているだけで涼しい黒ドッケ沢に沿っていくようになります。
道は何度か対岸へ渡りつつ行く感じですがあまり明瞭とは云えないかも。沢は水線だけ見れば滝の続く良い雰囲気の沢なハズなのに、実際は崩落地や大量の土砂に倒木を乗り越えていく所も多く、雰囲気的にそう言う所で損をしているというかなんか惜しい感じもしますね。
(こんな所を行きます)
やがて右岸側から巨岩が迫って石門のようになった所に出ますが、そこから先は廊下のようで、ここは右岸側を高めに捲くと明瞭な道が現れました。おそらく手前でその分岐を見落としたのでしょう(笑)。右足下に廊下の中を勢いよく蛇行しながら迸る流れを見ながら、そして右手には樹幹越しながら滝の続く少し上流側を見ながら歩く所は短いながらもこの径路のハイライトでしょう。
そして道が再び沢に近づき、土砂を乗り越えつつ少し登ると明瞭な二俣(正確には三俣)に出ます。地図を広げるまでもなくここが1170m圏の二俣だと言うことは容易にわかる所で、大血川峠へ行くのは滝のかかる左俣。ここで休憩がてら道の通りそうな所を探しみたんですけど、どこも見ても急な斜面ばかりで結局径路を探すのはここで諦めました。
(明瞭な二俣からはこちら側へ・黒ドッケ沢1170m圏二俣にて)
とうことで休憩を終えたら左俣に入り、目の前の滝を捲くと間もなく伏流になって辺りはもう源流の雰囲気。でもまだ500mほどの登りが残されているので行く先が急なのは当たり前。それに水が涸れれば暑くなるのも当たり前で、周囲に咲く花は一瞥するだけであとは淡々と登りつめるだけです。
登って登って小黒大黒(酉谷山)の吊尾根が近づくと右に小滝のかかる二俣に出ますが、なんとその滝には細いながらも水流があって思わず狂喜してしまいました。
(二俣の滝を捲いたらあとはひたすらに詰め上げる)
顔を洗って水をしこたま飲んだら、沢歩きはここで打ち切り。右岸の枝尾根にとりつき急斜面を慎重に登り、尾根上に上がると吊尾根はもう目の前。左手には大血川峠の撓みが見え、このまま尾根を行くと峠の少し南に出そうな感じ。
なのでそのまま尾根を行こうとしたら、吊尾根に上がる直前に左へトラバースする踏み跡が目に入ったので、試しに辿ってみると想像通りそのまま大血川峠へ導かれました。
(バイカオウレンとコミヤマカタバミ)
当初は大血川峠からなおもトラバースして避難小屋へ向かおうとしたんですけど、もう暑さにバテていたのでそのまま酉谷山へ上がってしまいました。若干荒れ気味な黒木林の許には少ないながらも久しぶりとなるバイカオウレンに、咲き始めのコミヤママカタバミが少々。
そして酉谷山に着いてもやっぱり暑かったので、そうそうに人のこない日陰に逃げてランチもそこそこに昼寝をしてしまいました。そういや周辺にもコミヤマカタバミ、結構いるんですね。
(酉谷山避難小屋より)
そして自然に目を覚ましたらスッキリしたので避難小屋(使用禁止です)の様子を見て、それから縦走路を東へ行きます。
縦走路も芽吹きが始まっており、オオヤマザクラにオオカメノキの花もポツポツ見られて、普通だったら爽やかな気分でそんな様子を愛でながら歩ける所なのでしょうけど、とにかく暑くて暑くて・・・なかなかそんな気分にもなれません。
(縦走路のアカヤシオは盛りを過ぎた)
七跳山を捲き終えるとアカヤシオが出てきましたが、こちらはさすがに盛りを過ぎて終期に入りつつある感じでした。でもその割には花の色はとても鮮やかで、それなりに見応えがありました。
ハナド岩も立って休憩するぐらいでなおも先を行き、板形ノ峰の手前で縦走路と分かれて巡視路を下り始めます。
(ミズナラ美し ハンギョウ尾根)
しかしこの尾根もモノレールが通り、スズタケも枯れて雰囲気はずいぶんと変わってしまったけど、上部の芽吹きの始まったミズナラ林が相変わらず素敵な所です。もちろんブナ・ミズナラの巨樹が多い尾根下部も素晴らしいけど、急斜面なのが玉にキズ。こちらは伸びやかでお昼寝する所に事欠かないのも良いですね。
ということでこちらでもまたお昼寝をしてしまい(笑)、それからカロー大滝へ向かいました。
(ようやく訪れましたよカロー大滝)
ハンギョウ尾根を東へ外れてから二度出くわす分岐はみんな直進すると大滝へ行けるのですが、二度目の分岐からはトラバースする感じで滝へ行くのかなと想像していたら、これがけっこう下るんですね。
でも辿り着いた大滝はその水量の豊富さと相まって想像より立派だったのが嬉しかったです。しかもその脇で休んでいると風としぶきがかかってなんと気持ちの良いこと!先の昼寝とこの滝見のお陰で暑くてバテていた体も完全にフッカツしました。
(カロー谷の巡視路は新緑に包まれていた)
そんなわけであとは新緑に包まれたカロー谷の巡視路をルンルン気分で下っていったのでした。(^^)
しかし今回の暑さだけは想定外でしたが、昨秋に大黒尾根を歩いた時に実は黒ドッケ沢とかなり迷っていて、その時は紅葉の時期で寒いから尾根を歩くことにして沢は新緑の頃にしようと決めて今回歩いたんですけど、テキトーに決めた割には大正解でした。黒ドッケ沢は沢が荒れ気味なので通う程ではないにしろ、それなりには趣もあったので・・・いつかは紅葉の時期も歩いてみたいですね。
・・・・・☆
◆ 2009.05.10 (Sun) 晴
東谷林道ゲート 06:55- 吊橋 07:40- 1170m圏二俣 09:00/09:25- 大血川峠 10:30- 酉谷山 10:50/11:30- ハナド岩 13:05-(途中休憩40分)- カロー大滝 14:30/14:40- かろう橋 15:20- 東日原 15:55
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