« 春の花を探しに久し振りに坪山へ | トップページ | そろそろアカヤシオの季節・・・ »

2009.04.13

道志と前道志、二つの気になる沢を歩く

B090413a
(大旅川・山ノ神沢出合の山ノ神)

ここのところずいぶんと暖かい日が続きますね。とはいえ高い所はまだまだ冬木立なのでやっぱり低めの所を・・・と思案していてふと浮かんだのが、気になりつつも今の今まで放置したままだった道志は朝日山へのクラッシックルートでもある大旅川(沢)と、一昨年に一部歩いて宿題になっていた前道志の津成(つなし)沢の事。ということで今回(04/11)は大旅川と津成沢、二つの沢を歩くためのコースを組んで歩いて来ました。

上野原から無生野行きのバスに乗ったのは何年ぶりのことでしょうか。坪山のヒカゲツツジが見頃に入って飯尾行きのバスは立客が出るぐらいの入りなのに、こちらの方は発車直前に乗り込んでも悠々と席を確保できます。

B090413b
(サンショ平にて)

今回は西タンノイリ沢からサンショ平へ上がる道を歩くつもりだったのでバスが転回する赤倉岳まで送ってもらってのスタート。この辺りですでに桜は満開。芽吹きも始まり良い気分で南へ延びる林道に入ります。

20分ぐらい歩くと林道終点に着き、そこには「赤鞍ヶ岳」と書かれた小さい道標があったのでこの先も道が整備されているんだろうな~、とのんきに思っていたら左岸から堰堤をいくつか捲いた所であれあれ道が?ない??というか周囲を見回してもサンショ平へ向かう西タンノイリ沢の東俣(あくまで仮称です)の道は見当たらず、西俣の方に若干薄い道筋だけが延びていたのでした。

B090413c
(大旅川への下りしな)

まぁ例のごとくどこかで見落としたんだろうけど良い機会なのでその西俣の道をなおも辿ってみると、道は植林の沢沿いに沿ってしっかり延びており、しばらく行って道が沢から離れて小尾根に乗ったなと思ったらあっけなく雛鶴峠とサンショ平を結ぶ稜線上にあがってしまいました。(おそらく日向舟<927m>と912m峰間の鞍部の一つ北側のピーク)

少し休憩をしたらサンショ平へ向かいます。この道を歩くのは何年ぶりだろう?道中さすがに灌木やスズタケが被る箇所もありましたけど、それでも以前のことを考えると思いの外スッキリしていると思います。

B090413d
(大旅川最奥の堰堤を見上げる)

サンショ平に着いたら間伐されてスッキリした東の王ノ入川側からの展望を少し楽しんで、さっそく西の大旅川の下降に入ります。とはいえ大旅川側はどこもスズタケの茂るカラマツ林で取り付くというか下り出すしまがありません。ここは朝日山との最低鞍部まで降り、そこからひと登りしたピークから西へ延びる枝尾根を拾って下り始めました。

下りだし当初はカラマツ林のもと灌木が煩く歩きづらかったのですが、すぐに伐採跡になってどうして??と思っていたらそれは大旅川に降りるとすぐに周囲の測量を行っていた人達に会って疑問は氷解。そこからひと下りで↑↑の真新しい堰堤に飛び出し、そして真新しい林道が右岸側に延びていました。

B090413f
(大旅川・林道より下は径路が比較的残っている)

その堰堤を過ぎても林道ではなく沢筋を歩いたのですが、沢は放置された倒木が散乱してかなりヒドい事になっています。しかしそれもカツラの大木が目印な地形図に載っている最奥の堰堤を越えるとようやく落ち着き、すぐ下を横切っていた菅野盛里林道を過ぎるとそれらしい雰囲気になってくれてホッと一息。

林道からは径路もわかるようになって何度か渡り返しながら下っていき、道が右岸に移ると山道と云うよりは林道と思しき広い道に変わって、おっと!一度は目にしたかった山ノ神があっさり見つかりました。

B090413e
(エンレイソウ)

意外にしっかりしていた祠の様子に驚きつつも参拝して、なおも下っていきます。道は相変わらず林道といった感じで地形図の破線がこの林道なのでしょう。林道が高捲き始めた所で沢に降りて沢沿いに行くと周囲は植林が多いものの、意外なナメに滝も見られて雰囲気をそれなりに楽しめました。

そして先ほど別れた林道が左岸から橋を渡って合流するとすぐ先が最奥の民家で、そこから林道をひと下りで雛鶴峠を越える県道に出て大旅川はこれでおしまい。今度は高畑山へ向うので目の前のカマノ沢右岸尾根に取り付きます。

B090413g
(雛鶴峠から高畑山への登りしな)

カマノ沢右岸尾根は伐採後の灌木低木の若干ヤブっぽい尾根で明るいのは良いんですけど、この日は日差しが強くかなり暑かったのでそれがしんどかったです。県道から実働50分程で雛鶴峠~高畑山の稜線に出て、個人的な稜線の未踏区間をつなぐために(日向舟と高畑山の間が未踏だった)一度南の日向舟に寄ってから、来た道を戻って高畑山へ向かいました。

あとは芽吹きの始まった雑木林の稜線をゆるゆる登って行きます。右岸尾根の登りしなは暑くてしんどかったのに稜線は涼やかな風が吹き抜けてなんと気持ちの良いこと!あと盛りは過ぎているもののマメザクラがやたらに咲いていて驚きましたけど、これは花が当たり年なのかそれとも単にマメザクラの多い所なのか。。。

B090413h
(やっとこ見つけたミツバツツジ・今年は外れ??)

ようやく高畑山に辿り着くと時間が時間のせいでしょう先客さんが一人だけで、目の前に見えるはずの富士も春霞の中何とか確認できるぐらい。パンを一つ食べたら最後は津成沢です。

山頂からひと下りして着く仙人小屋跡とも云われる植林下の小平地から、直角に右へ曲がる登山道と反対に延びる薄い道を追うと、じきに植林を抜けて見覚えのある小平地に着きます。そこには気になる穴があって(前の時はスルーした)それをよく見てみるとどうやら井戸のようです。水は涸れていましたけど。

B090413i
(この岩のバンドを辿ると・・・)

なおも道を追うと今度は高畑山から延びる590m圏二俣の中間尾根に上がりますが、尾根の下り(北方向)には前にはなかったマーキングがありました。個人的に津成沢の径路はこの尾根を下っていると思っているんですけど、前は590m圏二俣の左(東)右の沢を歩いたので今度は右(西)の沢を降りるつもりでなおも先を行くと、次の植林の小尾根を前にして道が薄く分岐していたのでここから降りてみました。

当然のごとくその後は道はあるのかないのかわからないまま津成沢に降り立つと沢床には径路らしきものが通っていて驚きましたが、すぐ下には堰堤があったのでそれはおそらく大桑山の北面を捲く林道からの径路のような感じ。荒れた沢筋を下って右に潰れ小屋を見るとじきに水流が現れ、小滝が続くようになり、あれあれ踏跡が沢を捲き初めて↑↑のようなちょっとスリリングなバンドをこなすと・・・

B090413j
(このような滝を捲きます・津成沢にて)

左に↑↑のような滝と一緒に径路も急降下。滝はトータルで20mちょいあるでしょうか。水はさすがに細いですけど、ここにもこんな滝があったのかー!とちょっと嬉しい出逢いでした。(^^)

この急降下をこなせばあとは難場もなく、じきに見覚えのある590m圏の二俣に到着。その下の560m圏二俣に出ればあとはもう通い慣れた?道。最初こそヤブっぽいものの地形図通りの径路がついていて、下るにつれ周囲が芽吹いてくる様子にウキウキしながら帰路についたのでした。

B090413k
(シロバナエンレイソウ)

今回は大旅川があんな感じだったので結構ガッカリしていたんですけど、その後の尾根道、そして植林は多いものの最後の津成沢がなかなか楽しめました。大旅沢の方は毛嫌いしないでもう少し早い段階(4、5年前)で歩いていればあんなひどい状況で歩くことはなかったでしょう。ボクがこういう場で断言しちゃうって事は実は結構少ないと勝手に思っていますけどあのコースはもう歩く価値がない・・・のかも。
 
・・・・・☆
 
◆ 2009.04.11 (Sat)   快晴
上野原駅 08:28→ 無生野 09:20- 林道終点 09:45- 稜線 10:10:10:20- サンショ平 10:55/11:05- 最奥の堰堤(林道終点)11:25- 山ノ神 12:05- 県道 12:25-(途中休憩15分)- 日向舟 13:20- 高畑山 14:30/14:40- 最奥の堰堤 15:20- 560m圏二俣 15:55- 津成 16:30- 鳥沢駅 17:05
 

|

« 春の花を探しに久し振りに坪山へ | トップページ | そろそろアカヤシオの季節・・・ »

【前道志・道志・丹沢 2009】」カテゴリの記事

コメント

タカさん、

やっぱりあそこで左手を気にすれば良かったのですね。あそこは破線ながらも赤線だし、道標もあったのであんな感じになるとは・・・実は思ってました(笑)。前にAKIOさんが積雪時、道通りに下れたかどうかわからないと仰っていたのでもしかしてとは思っていたのでした。

投稿: komado | 2009.04.18 22:12

SKさん、

そうですか日原の方もそう言ってましたか。それなら納得。そおいや今年のお正月にようやく入手した原全教の奥秩父を見ると大血川の今は釣り場の敷地をまたぐ橋も今はわからないけど、当時は無明橋となっていて驚きました。

投稿: komado | 2009.04.18 22:10

かずさん、

津成沢の下りはじめはもう一本西のでも結局あの滝に出ますからね。確かに踏み跡はあったけど、急降下する所を見ると本当に登山道が通っていたのかなぁと思ってしまいます。ただそのあいだの尾根にしても沢に降りる所は急斜面な訳だし、あそこは綿密に歩いてみないとちょっと判断がつかないかもしれませんね。

そうそう山の神は大木(栗か)が倒れていましたね。もしかしてアレがご神木だったりして??

投稿: komado | 2009.04.18 22:07

西タンノ入沢東俣(左俣)

そうそう、あそこ右への方が踏み跡がしっかりして
いますよね。

昨年はあそこを左へ入ったら、ほどなく山腹を上がる
道がしっかりしていました。それで、サンショ平へ
まっすぐ登れました。

で、今回は欲を出して、右俣の踏み跡を上がって、
尾根へは上がらずに、沢底を歩いて、927mと912m
の間の最低鞍部に登りました。

あそこからサンショ平まで長かったですね~。

投稿: タカ | 2009.04.16 07:27

橋の名前ですが バス停から橋まで下降する道を、たまたま畑にいたおじさんに確認した時に、「無妙橋はこっちですか?」と尋ねたら「そうだ」と答えてくれたので、たぶん間違った呼び名ではないようです。

投稿: SK | 2009.04.15 22:36

山ノ神まだ健在だったんですね~。
周囲に倒木があり、いつか別の木に押しつぶされるのではないかと心配したのを思い出しました。

権現様が祀られているという、岩殿という岩窟を探すために、山ノ神から沢沿いを上がって行こうと思っているのだけど、倒木が散乱ですか~。これは覚悟しないとなあ。

真新しい堰堤には驚きました~。林道延伸の陰に堰堤が作られていたわけですね~。

仙人小屋跡からkomadoちゃんが下られた沢付近は、昔のガイドブックやエアリアにしっかり道が表記されているんですよね~。
でも、候補の沢が二つあって、どれを下るか迷っているうちに月日が流れてしまいました。
komadoちゃんが下った沢、楽しそうだね~。
4段か5段の滝も見てみた~い!
参考になるとても楽しいレポ、ありがとね~。

投稿: かず | 2009.04.15 20:37

SKさん、こんばんわ。
あぁ、あの橋とうとう掛け替えられたのですね!

しかし日原橋とは仰るとおりう~~むと云いたい所ですけど、あの橋の名前は宮内本から来ていますし、前の橋自体行政で無妙橋と呼んでいたかどうかも正直怪しいですよね。それでもボクも無妙橋にして欲しかったとおもっています。

そおいや林道ができる前の天祖山表参道が孫惣谷を渡る橋は雪隠橋。どちらも妙な曰くのありそうな名前ですよね。そろそろ日原に呼ばれているのでボクも一度確認したいと思います。ありがとうございました。(^^)

投稿: komado | 2009.04.15 20:24

 いつも拝見させていただいております。前に一度投稿させていただきましたSKと申します。
 4月12日(日曜日)に鷹ノ巣山はカラ沢尾根を登りに行きましたが、このサイトの記録も参考にさせていただきました。(その前はネズミザス尾根も同様に参考にさせていただきました)小規模ながらも岩稜歩きが楽しめて鷹ノ巣山登山にアクセントつける意味でいい尾根でした。
 アプローチのつり橋ですが立派な頑丈な橋に付け替え(08年)られておりました。おまけに「日原橋」と名前も変わっているようです。「無妙橋」のほうが趣があっていいと思いますが・・・あと関係ありませんが、ウトウの頭のプレートもなくなってしまいましたね、なにか寂しい気がする今日この頃です。また記録を参考にさせていただきます。もちろん自己責任で!どしどし登って更新お願いいたします。

投稿: SK | 2009.04.14 13:10

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 道志と前道志、二つの気になる沢を歩く:

« 春の花を探しに久し振りに坪山へ | トップページ | そろそろアカヤシオの季節・・・ »