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2009.03.31

鳥屋ノ丸から大丸へ・西奥山の新たな発見

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(鳥屋ノ丸南東尾根末端、中村の山神社)

さてさて・・・冬に入ってから今の今まで西丹沢通いが続いていましたが、こうも通いまくってしまうとたまには別の所を歩きたくなるのが人情というものでしょう(笑)。ということで先週末(03/28)は久し振りとなる大菩薩の山域。

今回は西奥山から戸沢 中村川中間尾根たる鳥屋ノ丸南東尾根を登路にとり、鳥屋ノ丸に上がったら吹切尾根を大丸まで南下。花咲山(梅久保山)との鞍部の林道に出たら橋倉鉱泉まで林道を歩いて、それから改訂前のエアリアで赤実線だった橋倉沢の径路を下って浅利の子安神社へ出ました。

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(アブラチャンは満開)

実は今回のルート大丸から下った林道までは丸四年前に歩いたルートでしたが、つい最近かずさんが歩かれたのを見たら、道中のことをほとんど忘れていて(笑)歩きたくなったので今回再訪したのでした。

ということで大月からバスで西奥山へ出てからのスタート。こちらもそろそろ恐怖のダイヤ改正の時期を迎えて今後のバスの状況が気がかりではありますが、軽くストレッチをしてからまずは尾根末端が延びる中村まで歩いて行きます。

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(鳥屋ノ丸南東尾根上部にて)

林道端もフサザクラにアブラチャン、キブシ。斜面を見ればスミレにフキも咲き出していて中村までの道のりもなかなか楽しいもの。そして戸沢(沢ではなく集落、ネ)との分岐に出たら戸沢方面に入ってしばらく登った所から尾根に取り付きました。

ひと登りでここは明瞭に覚えていた山神社に出ます。ここは周囲が開けた佳い所で、まずは山ノ神に挨拶をして少し休んでから先を行くと、灌木に間伐の倒木が途切れなく続いて意外に歩きづらい。前もこんな感じだっけな??と思いつつ歩いていると、をを今年お初なミツバツツジを見つけて思わず声が上がってしまいました。

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(鳥屋ノ丸山頂・周囲のヤブが少し薄くなった)

そんな灌木倒木も周囲の植林が切れるとようやくなくなり、周囲が気持ちの良い雑木林に変わるとここからが南東尾根のハイライト。スズタケの緑と裸木のコントラストが西丹沢と同じようでいて実は違う感じで、それだけにこの辺りから曇ってきたのが本当に惜しかったです。

そんな中をゆるゆる歩いているといつしか吹切尾根と合流。急登をふた頑張りほどで鳥屋ノ丸の山頂に到着しますが、植林と以前より薄くなったスズタケに埋もれた山頂は趣的には今ふたつ。少し休んだだけですぐに来た道を戻り、お次は御前ノ頭(ごぜのあたま)を目指します。

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(御前ノ頭より・鞍吾山と間明野を見下ろす)

分岐からひと下りすると尾根がかなり急になるせいか?踏跡は一旦南西の枝尾根に移って、それから東へトラバースして主尾根に復帰する段取りになっているんですけど、以前はそれなりに明瞭だったこの辺りが今は不明瞭になっていました。なので今は尾根に忠実に下った方がいいかもしれません。

この辺りをクリアすればあとは問題なく御前ノ頭に到着、ではなく三角点のあるピークは次の少し低い岩こぶだったりします。狭い山頂から見下ろす間明野の集落と鞍吾山の意外に立派な姿を楽しめるのがこの山のチャームポイントでしょうか。どうせ誰も来ないことですし(笑)今回もここでのんびりとランチになりました。

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(馬立峠にて)

ランチを終えたら尾根をなおも南へ辿ります。もう一つ岩こぶを越えたら左へ直角に曲がるように急降下。下りきった鞍部が馬立峠でここは戸沢と間明野を結ぶ明瞭な道筋が尾根を乗り越しています。とくに戸沢側の雑木林が美しくてこの峠道も一度は歩いてみたいものです。

ここからは植林にアカマツ混じりの雑木林が続いて、遠目から見てもその姿の通りの名のついた大丸へ向かいます。

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(ダンコウバイも満開)

もうこの辺りまで来たら登りだしに見かけたミツバツツジとの再会があるだろう、と思っていたら意外や全く見かけず、その代わりに見かけたのがなんとヤマツツジ。ほんの一部ですけどもう開いたのもいて、三月に見かけたのは初めてのことでした。

それでも今の時期、お花と言えばやっぱりダンコウバイとアブラチャン。花が木々や梢の間をほんのりと、柔らかな黄色に染める様子はこれまた何とも言えず美しく、春ですねぇと言いたくなってしまう光景がどこまでも広がっています。

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(大丸南峰にて)

そして緩いながらも登り切ったピークが大丸の北峰。ここは落ち葉の積もった広いピークなのですが、三角点のある南峰の方がより明るいので少し休んだらすぐ南峰へ向かいました。

じきに南峰の広~い一角にさしかかると、終わりかけながらも道志の時には見つからなかったチョウジザクラが見つかりちょっとした撮影大会になって南峰に到着。周囲を散策するとウグイスカグラに、マメザクラも状態良く咲いていて、ありふれた花だけど初物だけに嬉しくなってしまいます。

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(林道に出た所より花咲山<左>)

そんなわけで南峰ではかなりのんびりしてしまいましたけど、ここまで来れば大月駅まで歩くのも可能ですのでもうお気楽です。それからなおも尾根を下って行くと↑↑↑周囲の開けた造成地みたいな所に出て、すぐ下が林道でした。

ここから林道を東の橋倉温泉へ下り、そこから改訂前のエアリアでは赤実線、地形図で破線路にもなっている橋倉沢沿いの径路を下りましたが、今となっては分岐からして不明瞭。でも下りだしてみれば藪に灌木倒木、そしてちょっとした崩れが絡むものの道筋は至って明瞭で、途中で悩んだ分岐も直進するように行ったら正解のようで無事に橋倉沢沿いの車道に出ました。

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(橋倉沢の林道で見かけた馬頭観音)

あとは車道を歩いて子安神社へ向かったんですけど道中は馬頭観音をいくつか見かけて、この道は西奥山と真木を結ぶ道だったんだなぁ、と改めて気がついたのでした。それに道中の風情もなかなかで、道中歩きながら大月の辺りでもまだまだ知らない所が沢山あるんだなぁ、とこれまた改めて気がついたのでした。

この辺りも歩かなければいけない所、まだまだあるなぁ。。。(^^)
  
・・・・・☆
 
◆ 2009.03.28 (Sat)   晴 後 曇
大月駅 07:30→ 西奥山 07:50- 山神社(中村)08:20/08:30- 954m峰 09:50/10:00- 鳥屋ノ丸 11:10/11:20- 御前ノ頭 12:10/13:10- 馬立峠 13:40- 大丸(南峰)14:30/14:55- 林道 15:20- 橋倉鉱泉 15:25- 子安宮沢神社 16:10
 

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2009.03.22

菰釣山南面と東面で遊んで、ミツマタも

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(梅ノ木沢右岸尾根上部にて)

この冬は雪がマトモに積もらなかったこともあって、結局ミツマタの花期な今の今まで西丹沢通いが続いてしまいましたネ。ということで今回はミツマタのお花見・・・だけだと人は多そうだし若干面白味にも欠けるので、お花見の前にふた遊び??

まず最初に菰釣山の南面、梅ノ木沢右岸尾根を下降してから梅ノ木沢910m圏二俣中間尾根を登り返して菰釣山に戻り、お次は菰釣山の東面、菰釣山南東尾根たるシキリ尾根~シキリ沢右岸尾根を下降して忍橋へ。そして富士見林道を歩き地蔵平に出て、屏風岩山西尾根を登り、それからミツマタのお花見をしながら東尾根を降りました。

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(朝の菰釣山)

相変わらず青根~道志へ出るバスは思いの外盛況で、これから暖かくなるからハイカーがもうチト増えそうかな?でもこの様子ならこの路線もしばらくは安泰かもしれませんね。

ということで毎度のごとく下善の木でバスを降りたら今回は通い慣れたサガセ東沢ではなく西沢の方へ。林道沿いでフサザクラが咲き始めていたのは予想通りだったんですけど、前に見かけたハナネコノメが全くいなかったのは予想外。実のところ個人的にこれはかなりガックリだったんですけど、それでも気を取り直して菰釣山へ向かいました。

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(梅ノ木沢右岸尾根中部辺り)

この日の行程が行程なので若干早めに歩いたとはいえ、まさか歩き出しから1時間半で菰釣山の山頂に着くとは思ってもいませんでした。山頂で富士を見つつ少し休んだらさっそく南のスズタケ被る道に入ります。

南の三角点から大栂へ向かう尾根と別れて、梅ノ木沢右岸尾根の下降に取りかかります。上部は尾根と言うより自然林に覆われた広~いそしてなかなか素敵な斜面で、スズタケもさほど濃くなく、のっけから辺りを彷徨うように降りていく感じ。

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(梅ノ木沢 水ノ木沢出合)

周囲の木々を愛でたりカメラに収めたりしながら南へカーブする尾根をとらえて下っていくのですが、尾根は終始藪が覆っているのではなく時折切れたりしてかなり歩きやすかったのは意外・・・と思っていたらやっぱり地形図通り出てきやがったヨ。モミの植林が(笑)。

やっぱり水ノ木は植林が多いです。それでもまだ少しは周囲が明るくスズも残っていたんですけど、それもまもなく全面ヒノキのスッキリした植林に変わってあとはただ下るだけ。じきに梅ノ木沢と水ノ木沢の出合に降り立ちました。

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(梅ノ木沢910m圏二俣・右の5m滝)

綺麗な沢の水で顔を洗ったら、今度は右の梅ノ木沢を行きます。すると岩陰にハナネコノメが咲いていて思わず狂喜してしまいました。花自体沢に沿ってポツポツとしかもまだ咲き始めでしたが、個人的に春の花はどれでも二年ぶりですので喜びの方もひとしお。

そしてじきに右から5mほどの滝がかかる910m圏の二俣に出ます。滝は左右とも縁を捲けそうでそのまま詰めれば大ダルミへ行けるのですが、時間の都合もあり、今回は左から回ってザレを登りその二俣の中間尾根に取り付きました。

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(梅ノ木沢910m圏二俣中間尾根・植林をようやく抜けた所)

しかし尾根に取り付いてみると、この尾根も左側が植林されて放置された??モミの植林になっていてちょっとガッカリ。でもなぜにちょっとかといえば、植林のお陰でスズタケが薄いんですね(笑)。そんな訳で時折灌木や倒木が邪魔をするぐらいで思いの外登りやすい道のり。でも趣という点ではやっぱり、ねぇ。。。

そんな登りも尾根の広がる1000m圏を境にようやく終わりを告げ、明るい雑木林に変わってちょっとホッともしました。同時にスズも被ってきましたけどそれもさほどではなく、あとはゆるゆる尾根を登っていくだけ。

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(大栂が近づいてきた・梅ノ木沢910m圏二俣中間尾根にて)

そして右手に大栂のピークが近づいてくると周囲は立派なブナも散見される自然林に変わって、まもなく菰釣山と大栂を結ぶ吊尾根に飛び出しました。

そして菰釣山に戻ると周囲はにわかに曇ってきて、朝はくっきり見えた富士ももう消えかけています。例によってダニチェックを終えてからランチにしようとしたら、先ほど尾根に上がった所の後方にいた大パーティがやってきて居場所がなくなったので、先を行くことにして今度は南東尾根・・・どうやら「シキリ尾根」が正しい名前のようです・・・に入ります。

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(菰釣山南東尾根<シキリ尾根>上部のブナ林)

ひと下りすると例のブナ美林帯に出て、その辺りの藪のない所でランチの思惑だったんですけど、今度は風が吹き付けるくらいに強くなってとてもそんな気になれず、とりあえず適所を探しながらなおも下ることにしました。

南東尾根は1年ちょいぶりぐらいでしたが、こちらも徐々にですけどスズタケが薄くなっている印象でした。シカも増えているみたいだしその辺りの影響もあるのかなぁ。。。

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(道中アセビが咲き始めていた)

そして道中アセビが咲き始めていたのも、花の少ない所ゆえ嬉しかったんですけど、ここまで来てもマンサクの花が見つからないというかマンサクの木自体目に入りません。

そんなこんなで結局シキリ沢源頭の1000m圏まで降りてしまい、ここから下は別の意味でも適所がないので結局この狭いピークでランチ。そして少しのんびりしていると、えーっ先ほどの大パーティが降りてきてまたビックリ。この尾根もこういうパーティが入るような尾根になったんだなぁ。

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(シキリ沢右岸尾根にて)

しかも少し話をするとそのパーティさんもボクが降りる予定だったシキリ沢右岸尾根を降りるようだったので、途中何度か前後したものの先を行ってもらい、のんびり降りました。

そして823m峰に着いたら意外や時間に少し余裕があったので、富士見林道に降りたら先の忍橋に寄って、それから地蔵平へ向かいました。こちらも道中はフサザクラにダンコウバイがちょうど見頃で、もしや・・・と思っていたマメザクラ(フジザクラ)さすがにまだ蕾でした。

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(地蔵平の辺りはフサザクラが満開)

そして地蔵平に着くと先ほどの大パーティさんは休憩中。とりあえず地蔵堂に寄って手を合わせたら、今度は屏風岩山西尾根を登るので、右手の適当な斜面を探して適当に取り付きます。

西尾根を歩くのは丸二年ぶりでしたがこちらは以前よりもシカが格段に多く、フンもずいぶん増えたなーと思ったら、リョウブだけでなくとうとうモミが囓られはじめていたのには愕然としました。このままだと数年後には世附の山もモミがおおかた枯れて、丹沢の他の所のようになるの・・・かも。

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(屏風岩山西尾根にて)

そして尾根上のスズタケもほとんどなくなっていたお陰ですいすい歩けて丸一時間で屏風岩山に上がりましたが、山頂にはとうとうガスが・・・。ほとんど素通りのまま東尾根を下くだりはじめました。

笹子沢へ降りる南南東尾根との分岐の辺りではまだ蕾だったミツマタも、下るにつれ徐々に開花したものになって、お目当てだったミツマタの濃い東尾根の下部はちょうど見頃で↓↓↓うひょひょこんな感じ。v(^^) 今年もミツマタの花に香りに触れることができたことを感謝して大滝橋へ向かいました。

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(ミツマタはこの辺りで見頃・屏風岩山東尾根下部にて)

今回はバス利用だけど世附の自然林とミツマタを両方楽しもうというかなり欲張ったコース取りでしたが、終わってみれば焦ることなく、しかも好き勝手に歩けたのにあっさり17時台のバスを捕まえることができた。いろいろな意味で会心の一日でした。でもまだ中川の温泉に入ったことがないから一度は温泉につかってみたいものです。ということで魅惑の西丹沢訪問は本当にいつまで続くのでせうか。。。
  
・・・・・☆
 
◆ 2009.03.21 (Sat)   晴 後 曇
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 下善の木 08:25- サガセ西沢ゲート 09:05- ブナ沢乗越 09:30- 菰釣山 09:55/10:05- 梅ノ木沢出合 10:55/11:05- 梅ノ木沢910m圏二俣 11:15- 尾根に出る 12:00- 菰釣山 12:20/12:30- 1000m圏シキリ沢源頭P 13:05/13:30- 823m峰 14:00- 忍橋 14:10- 地蔵平 14:45- 屏風岩山 15:45- 大滝橋 16:55
 

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2009.03.17

春を探して道志の低いところを・・・

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(金波美峠から阿夫利山への道すがら・Part1)

ここ数週の菜種梅雨もどき??がようやく終わって気温も上がり、そろそろ春の花の情報がぞくぞく入ってくるようになりましたね。そんなわけでキレイに晴れ上がった日曜(03/15)はそんな春の花を探しに道志主稜の低い所を歩いて来ました。

去年のこの時期は諸般の事情により山歩きができなかったので、この時期のお花に逢うのは丸二年ぶりのこと。それだけに短いコースでしたけど楽しみにしていたのでした。(^^)

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(ダンコウバイ・咲き始めた)

今回は藤野駅からやまなみ温泉でバスを乗り継いで菅井下からのスタート。一旦508m峰に上がってから東海自然歩道の通る主稜筋に出る段取りで、山を越えて自然歩道と合流したらををーっっ!!さっそくダンコウバイとご対面。ありふれた花も二年ぶりともなると出逢いの感激もひとしおですね。

そんな訳で妙にテンション上がったまま花を探しながら雑木の美しい稜線を行くと、キブシにウグイスカグラ。足許にはスミレが見られるかと思ったけどまだ一週間程早かったようです。

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(平野峠より西は雑木林の快い道)

尾根を北へ捲く自然歩道を別れて尾根通しに舟山<587m>に上がって天神峠に。ここで東海自然歩道と別れてなおも稜線を西へ行きます。道中ダンコウバイはそれなりに見られるものの、う~ん、もう一つのお目当てであるマンサクがなっかなかみつかりません。

途中でマンサクらしきねじねじのヤツをいくつか見かけたんですけどどれも花はなし。個人的にマンサクとはどうも相性が良くありません。でも平野峠を過ぎ、その先しばらくは雑木林がなかなか素敵でこの辺りがこの日一番気持ちの良い所でもありました。

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(富士も終始くっきりと見えていました)

やがて植林が出てきてアカマツ林に変わると何の変哲のないムギチロの山頂に到着。これで道志主稜で未踏だった平野峠とムギチロの間がようやく繋がりました。(^^)

ここまでは天気がいいこともあって終始富士とおつきあいしていたんですけど、富士が見られるのもこの日の行程的には巌道峠までなのでそれまでにいっぱい見ておいて(笑)、やがて巌道峠に降り立ちます。

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(安寺沢林道より安寺沢を繞る山並み)

ここから大タギレへ行くのに一度鳥居立まで登るのはあまりに徒労なので、今回は一旦安寺沢林道を下って、林道が安寺沢の本谷を横切った所で沢を詰めて大タギレへ向かいました。

実際に歩いてみると峠から本谷までは林道歩きで15分弱。そしてそこから植林の中、暗く若干荒れた沢筋を遡ること10分程であっさりと大タギレで、ジェットコースターのように尾根を伝うのと時間的な差はわからないけど体力的にはかなり楽なはずです。

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(大タギレ・4年前と変化なし)

周囲には意外やスズタケも残っていて以前とあまり変化のなかった大タギレの様子に少々驚きつつ、池ノ上へのしんどい登りをこなしたら、あとは多少のアップダウンはあるもののもう楽な道のり。

降り立った金波美峠には上野原町でつけられた新しい道標があったのですが、阿夫利山はともかく、あれあれ安寺沢の方向がおかしいですね。これに従うと反対側の神野へ行っちゃいますよ(笑)。(私自身未確認ですが、おしり道下さんより、ここは一度神野側に降りてから、尾根の真下を通っているらしいトンネルを通って安寺沢方面へ戻るかたちなのでは?というご指摘がありました)

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(この日見かけたお花達)

と言うわけで阿夫利山への道もとうとう整備されたという訳ではないようで、伐採後の灌木に雑木林の明るい尾根をゆるゆる行って、阿夫利山に着いたらそこは以前とあまり変わらないヤブっぽい山頂でした。

阿夫利山から再び美しい雑木林に変わって、落ち葉を蹴りつつゆるゆる行くとじきに金剛山<632m>とのジャンクションである井戸沢ノ頭に着きます。で、ここから地形図の破線路と思しきマーキングが井戸沢へ向かってたくさんついていましたが、新たに設置された道標の道もおそらくこれなのでしょう。これならエアリア基準でみるとまだ赤破線が妥当な所でしょうね。

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(金波美峠から阿夫利山への道すがら・Part2)

ここで登山道?と別れて東の尾根を辿っていき、やがて思いもかけず出くわした露岩のちょっとした登りをこなすとそこが金剛山でした。そこには古峯神社の祠があって、祠の脇には「安寺澤 富岡 一古澤」と周囲の集落の名が彫られていて地元の信仰の篤さが伺われます。

ここからはその信仰からか、ろくすっぽ歩かれていない感じではあるけどしごく明瞭な道が下っていて、あとはこの日の行程を反芻しながらルンルン気分で富岡へ向かったのでした。

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(金剛山<632m峰>にて・古峯神社の祠があった)

この日もそうだったし今年に入ってから山で人に出会った山行きって、いまだに先月の鳥ノ胸山だけなんですけど、富岡のバス停にはパーティがいたし帰りのバスも中央線もすでにハイカーで一杯でした。

今はもうかなり暖かくなったのでそれだけの人出があっても不思議ではないんですけど、そんな様子を見ること自体かなり久し振りだったので、なんか不思議な気分でした。とにかくお次の山行きではマンサクに逢えるといいな。フサザクラとかカツラとかハナネコノメとか水辺のお花はどうしようか・・・今年もそんなことをあれこれ考えるのが楽しい季節になったんですね。
 
・・・・・☆
 
◆ 2009.03.15 (Sun)   快晴
菅井下 07:20- 508m峰 07:40- 舟山 08:30- 平野峠 09:35- ムギチロ 10:10- 巌道峠 10:40- 大タギレ 11:00- 金波美峠 11:35-(途中休憩45分)- 阿夫利山 12:55- 金剛山 13:40/13:55- 富岡入口BS 14:40
 

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2009.03.08

白石沢、フジモク沢周辺の尾根をぶらぶら

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(白石沢830m圏二俣<桃ノ木沢出合>にて)

・・・ということで西丹沢の世附通いはまだ続いています。今回(03/07)は一年ちょいぶりに白石沢、フジモク沢あたりをぶらぶら。(^^)(^^)

今回もまたまた道志側から城ヶ尾峠に上がり、久し振りに甲相国境尾根を西へ中ノ丸手前の1220m圏峰まで行ってから、南へ延びる白石沢830m圏二俣中間尾根(桃ノ木沢右岸尾根)を末端まで下降。そこから右岸の中ノ丸南尾根に這い上がり、西へトラバースして南西へ伸びる枝尾根をとらえてフジモク沢(本水沢)790m圏二俣に降り立ち、その中間の尾根を登って菰釣山の避難小屋へ。それから国境尾根を東へブナ沢ノ頭まで戻り、その南東尾根(フジモク沢870m圏二俣中間尾根)を末端まで降り、ここで先ほど登った右岸側のフジモク沢790m圏中間尾根の907m峰附近を越えて忍橋林道に出て、あとはそのまま地蔵平。そして二本杉峠を越えて細川橋へ下山、というかなりややこしいとしか云いようのないコース(笑)を歩いてきました。

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(朝の城ヶ尾山・左奥に富士山も見える)

行きの電車ではまだ曇っていた天気も道志に着く頃にはすっかり晴れ上がり、富士や白くなった御正体山を見ながらのスタート。例によって城ヶ尾峠に上がったら今回は久し振りに国境尾根を西へ向かいます。

ちなみに稜線の雪は多くても5cmほど。城ヶ尾山で一休みしてから中ノ丸手前の1220m圏峰まで稜線を行き、ここでも一休みして南へ延びる白石沢830m圏二俣中間尾根の下降に入りますが、こちらは明らかな二次林のもとのっけからスズタケが枯れ始めていて尾根上はすっきりしていました。

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(白石沢830m圏二俣中間尾根<桃ノ木沢右岸尾根>上部にて)

なので何の躊躇もなく下降を始めるとしばらくはそのままで、その中で伐り残されたブナやミズナラを見るような感じでしょうか。下るにつれ一時的にスズタケが出てきて歩きづらくなりましたが、それもほんのひととき。

あとはそのまますいすい下ると、お隣の白水ノ沢 白石沢中間尾根と同じようにイヌブナの立派な株が目立つようになって、あっけなく白石沢に降り立ちました。

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(ヤブの濃い箇所はごく一部。白石沢830m圏二俣中間尾根にて)

この830m圏の二俣辺り(桃ノ木沢出合・トップの写真)は小広い沢床が広がっていて、思わずのんびりお休みしたくなるような所でしたが、先はまだ長いので休憩はほどほどに。ここで右岸側(中ノ丸南尾根側)の適当に上がれそうな斜面を探してみたらそれなりのがあっさりと見つかったので、その斜面に取り付きせっせと登って行きます。

ぐずぐずの斜面を登り切るとそこは↓↓中ノ丸南尾根910m圏附近モミやブナの目立つ広い緩斜面で、ここは一目見ただけであぁあそこか!とすぐ思い出しました。そんな様子に思わず南尾根をそのまま詰めたくなってしまいますが、それを抑えてここはなおも西へトラバースをして南西へ延びる枝尾根をとらえます。

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(中ノ丸南尾根910m圏の緩斜面)

南西の枝尾根も辿り着いたときこそ同じように広々としたモミ、ブナの立派な木々が並ぶ快い所でしたが、その枝尾根を下り始めるとすぐに尾根右側がヒノキの植林になってちょっとガッカリ。

それにもめげずその植林に沿って慎重に下っていき、ここで去年も見かけた荷干径路と云われるらしい尾根を横切る明瞭な道に出るとそのすぐ下がフジモク沢で、そこはちょうど良く今度登り返す予定の尾根が延びる790m圏の二俣でした。

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(フジモク沢<本水沢>790m圏二俣にて)

ここ二週程ぐづついた天気が続いたせいでしょうか?フジモク沢の意外な水量の多さに驚きましたが、もっと驚いたのがその中間の尾根と右岸側の斜面がほぼ全面植林だったこと。

やはり林道が近くまで来ているということは奥まった所でも当然そういうことになってしまうんでしょうね。この辺りから曇ってきたこともあって何となく気の向かないまま、しょうがなし??スズタケの茂る植林の中間の尾根に取り付きました。

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(ようやく植林を抜けて・フジモク沢790m圏二俣中間尾根にて)

尾根は見た目と違って植林のお陰でスズタケのない所を選んで歩けるものの、どうしてもただ歩くだけになりがちです。906m峰もそんな中の趣に欠ける平頂でもちろん素通り。

ただただ登って登って1000m圏を過ぎるとようやく植林を抜け待望の自然林に変わりましたが、今度はスズタケが行く手を阻み、先が思いやられる感じだったんですけどそれもつかの間。まもなく藪は薄くなってそれなりに歩きやすくなりました。

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(フジモク沢790m圏二俣中間尾根上部にて)

そんな気分を象徴するように天気も回復してきて、あとは藪を分けつつ立派な木々を探りながら尾根をゆるゆる登って行きます。やがて左手の菰釣山の存在が大きくなるとあっけなく国境尾根の登山道に飛び出し、そこから西へひと登りでようやく避難小屋に到着。

一息ついて落ち着いた所でまずは全身のダニチェックを丁寧に(笑)。すると再び曇ってきたこともあり妙に寒くなってきたので、菰釣山までは行かずにそのまま小屋の中でランチにしました。

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(菰釣山避難小屋)

大パーティさんの脇でちょこまか貧しいランチをとったら、今度は国境尾根を東へブナ沢ノ頭まで行きます。この辺りも積雪は多くて5cmほど。ただブナ沢乗越を過ぎるとこの辺りはあまり刈り払われていないのか?道をスズタケが覆うようになりましたが、道筋自体は至って明瞭でした。

とりあえずブナ沢ノ頭の山頂と思しきピークまで足を伸ばしたら少し西へ戻って南東尾根の下降に入ります。

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(ブナ沢ノ頭南東尾根<フジモク沢870m圏二俣中間尾根>にて)

こちらはスズタケが茂っている上に南東尾根に乗るまでは急なので慎重に下りましたが、若干東へズレてしまいその修正にけっこう時間を食いました。これなら上まで登り返して下り直せば良かったかも。

尾根に乗って1010m圏の顕著なピークに緩く登り返せば、こちらもそれなりの濃淡の変化はあるもののスズタケは適度に薄くなり、周囲の林を愛でながら降りられます。そしてスズタケが切れるとこちらでもイヌブナが目立つようになりましたが、ちょっとした露岩帯を慎重に降りると幸いにも植林のないままフジモク沢(870m圏二俣)に降り立ちました。

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(フジモク沢870m圏二俣にて)

今回は沢をそのまま下るのではなくここから忍橋林道に出なければいけないので、ここで植林に覆われた右岸側(フジモク沢790m圏二俣中間尾根側)の登れそうな斜面を探して取り付きます。

そして先ほど登ったフジモク沢790m圏二俣中間尾根の907m峰の西鞍部あたり越えてそのまま一つ南の枝沢に降り立ち、その沢を少し上がると・・・はいはいマーキングがすぐに目に入って、その右岸側には明瞭な道筋が延びていました。

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(忍橋林道のひとこま)

その道をひと登りすると忍橋林道の終点に出て、あとは林道の通りかかる菰釣山南東尾根(シキリ尾根・ミキリ尾根)の末端部には目もくれず地蔵平までそのまま林道を下りました。

小一時間程の林道歩きでようやく地蔵平に着いたらもう15時半。これではセギノ沢の方は時間的に無理なので、お地蔵様に道中の無事を祈ったらあとはのんびり二本杉峠を越えて細川橋へ下りました。ちなみにミツマタの花は下部というか麓に近い所でようやく咲き始めといった所でまだまだ蕾が多く、これからの天候次第ですけど見頃はお彼岸以降になると思われます。

B090308m
(ミツマタは一部咲き出す・見頃はお彼岸以降か)

今回は懸案でもあった白石沢・フジモク沢周辺の尾根群を一気に歩いた充実した一日でした。こちらの辺りは間近に林道や径路が通っていることもあって、林相的な妙味と言う点ではイデン沢やバケモノ沢流域の山稜に一歩ちょいは譲りますけど実際の歩きとしてはなかなか楽しいものでした。この日は一部でとうとうダニが出始めたというのに魅惑の西丹沢訪問はいったいいつまで続くのでせうか。。。
 
・・・・・☆
 
◆ 2009.03.07 (Sat)   晴 後 曇
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 下善の木 08:25- 水晶橋 08:55- 城ヶ尾山 09:40- 白石沢830m圏二俣 10:30/10:40- 中ノ丸南尾根910m圏附近 10:50- フジモク沢<本水沢>790m圏二俣 11:05/11:10- 菰釣山避難小屋 12:30/13:00- ブナ沢ノ頭 13:15- フジモク沢870m圏二俣 14:15- 忍橋林道終点 14:40- 地蔵平 15:30/15:40- 二本杉峠 16:30- 細川橋 17:05
 

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