赤沢から戸沢へ・世附の濃密なブナ林へ再び
(城ヶ尾峠まであと少し・赤沢左俣930m圏二俣中間尾根のひことま)
しっかし西丹沢通いはいつまで続くのでせうか・・・(笑)。毎度ほとんど同じような写真であいスミマセン、ということで土曜(02/21)はまたまたな世附入り。今回はそのブナ自然林の様子から西丹沢の核心でもある菰釣山南東面のイデン沢流域と双璧をなすであろうバケモノ沢流域は赤沢の探訪でした。
ということで今回は道志側から城ヶ尾峠に上がり、赤沢の右俣と左俣を分ける920m圏二俣の中間尾根を下降。それからその西隣の左俣930m圏二俣中間尾根を登り返して再び城ヶ尾峠に戻り、地蔵平へ向かう途中の1084m峰南東尾根を下降して、今度は戸沢を遡行。そして戸沢の最奥の1000m圏二俣中間尾根を登ってモロクボ沢ノ頭に出て、畦ヶ丸を回って西丹沢へ降りました。
(藪は思いの外薄い・赤沢920m圏二俣中間尾根上部にて)
城ヶ尾峠までの道のりはもう何度も云ってるので詳しく云いませんが、道志へのバスは今回も意外な盛況。そして峠までの道のりは前日の雪がうっすらと積もっていて多くても5cmほどでした。
城ヶ尾峠に上がったら大界木山方面へ向かい、鳥ノ胸山・浦安峠からの尾根が合流する手前に南へ分かれている尾根が最初に降りる赤沢の920m圏二俣中間尾根。梢越しに見える真っ白な富士や北岳??に挨拶してからさっそくスズタケを分け尾根に入ります。
(赤沢920m圏二俣中間尾根のひとこま)
しかしスズはすぐに薄れて適度に疎と言った具合になり、歩きやすくなってやること、と云えば尾根上や周囲のブナ見でしょう。天気は良いしのっけからルンルン気分です。(^^)
しかも下っていると下道は「道」と云いたくなるような立派なものに変わって、なんで??と思っていたら、狭い一角ながらヒノキの植林が出てきてまもなく尾根を横切る旧東海自然歩道(奥野歩道)に飛び出します。しかしそこから下は道がなく、倒れたスズタケの中をムリヤリ行き、なんとか尾根末端の赤沢920m圏二俣に着地しました。
(赤沢に降り立ちました)
さっそく沢で埃だらけの顔を洗い、少し休憩してから左俣を少し行くとすぐに930m圏の二俣で、その中間の尾根が今度登り返す城ヶ尾峠に上がる尾根。青い空の許、そこには鮮やかなスズタケの緑が広がって、パッと見こそ美しいのものの実際にはそれが倒れていて(笑)、思わずやる気をなくしそうになりましたが、しょうがなし取り付きます。
実際に上がってみるとスズ自体は思いっきり密ではないものの倒れているので、結局潜りながら進むと意外に早く旧東海自然歩道を突っ切りました。それからしばらく行くとようやく顔を出せるようになって、あとは素敵な林を愛でつつのろのろ藪をこぐ感じ。
(赤沢左俣930m圏二俣中間尾根、末端部はこんな感じ)
それでも時々藪のない小さなスペースがあったのには助かりました。そして登るにつれ尾根上やその周りにも立派なブナが目につくようになり、スズタケも若干薄くなって歩きやすくなります。
木々を愛でつつ写真を撮りつつ登って登ってようやく甲相国境尾根に飛び出すと、すぐ下が城ヶ尾峠。まっさらな雪面にはまだ自分の足跡しかありません。峠にはテーブルベンチはあるし頃合いも良いのでこちらでランチと相成りました。
(こちらはミズナラ・赤沢左俣930m圏二俣中間尾根のひことま)
ランチを終えたら1084m峰を目指し地蔵平方面へ向かいます。こちらの捲道は二年前に旧東海自然歩道を歩いて以来ですが、道の状態は悪くなってないけど良くもなっていない感じ。でもここから見る赤沢の斜面のブナは変わらずに美しいです。というかこの捲道を歩いたからこそ今回赤沢の枝尾根をくまなく歩いている訳なのですが・・・(^^ゞ
道が城ヶ尾山からの尾根に上がるとまもなく尾根を右(西)に外れるので、ここで尾根伝いにやや薄くなったスズの中に入れば、そこは自然林に囲まれた1084m峰の広い広い平頂です。スズタケが適度に残っているので周囲を好き勝手に動き回れる訳ではないけど、ここはこんなに素敵な所だったのか!というのが正直な感想。たとえ地蔵平へ下るだけの道のりだったとしてもここは寄る価値のあるピークですね。
(1084m峰のひことま・Part1)
そんな林を愛でながら南東尾根に入ると一旦スズが濃くなりますが、アレっ?という感じで藪自体がなくなると、そこは藪のないこれまた気持ちの良い自然林の広尾根が現れて唖然とするやら嬉しいやら。
そんな広尾根の中を彷徨うように降りていくと、だいだい中間点辺りで旧東海自然歩道が横切り、やがて行く先にスズタケの壁が見えてきました。
(1084m峰のひことま・Part2)
が、良く周りを見てみると意外や切り開きがあって、そこからは明瞭な道筋が伸びていたのにはビックリ。こうなればあとは素敵な林を愛でつつお気楽に降りるだけ・・・だと思っていたら、尾根の右側に植林が現れると道は尾根を右に外れてその植林の方へ行ってしまいました。
地形図を見てみるとこの道は地蔵平からバケモノ沢左岸に沿って延びている廃林道へ出るような気がしていますが、さぁどうでしょう。それはともかくこちらは道がなくなってもなおも尾根通し。スズの中をわしわし降り、赤沢の沢音が聞こえてくると尾根も急になりましたがそこはスズタケのお陰で安全に降りられ、難なく赤沢に降り立つとそのすぐ下が赤沢とバケモノ沢の出合でした。
(1084m峰南東尾根・中間では広々とした所も)
ここからはバケモノ沢~戸沢と沢歩きの始まり。水晶沢との出合までは先月も歩いたので、その先が楽しみでしたが難のある所はほとんどなく、先月はその落ち口の上に降り立った大界木山南尾根と南東尾根を分ける枝沢との出合(890m圏)の滝は、下から見ると20mを超えるどころか実際は10mほどの高さだったりして・・・(笑)。
そして次に現れた二段の滝はビブラムでへつるにはしんどいので高捲いたのですが、高捲いた上に明瞭な道があって一瞬ビックリ!と思ったらそれは旧東海自然歩道だと言うことにすぐに気がつき・・・上から見るとその捲いた滝のこともあぁ!あの滝だったのか!と思い出したのでした。
(戸沢・大界木山南尾根と南東尾根を分ける枝沢の出合にかかる滝)
道中ほぼ全般に亘って藪の被る旧東海自然歩道の中で唯一のランチ場とも云えるその歩道が突っ切る所には、前には気がつかなかった「水昌沢」の標識がありましたけど、これは当然大間違いですのでご注意のほどを。今回この歩道を何度となく突っ切りましたけどマーキングが増えましたね。ボクがこの歩道を歩いた二年前は古ぼけた、しかも役に立たないようなマーキングが道中四つか五つ見かけただけなのに。。。
歩道からしばらく行くとこれまた先月降り立った戸沢の970m圏二俣に出ますが、なんと本谷は水のない方。でも少し上がると再び水流が現れ、ようやく最奥の1000m圏二俣に到着。一息ついたらその中間の尾根に取り付きました。
(戸沢・旧東海自然歩道を過ぎた辺り)
この尾根も最初こそスズタケにアセビの煩い趣に欠ける痩せ尾根という感じでしたが、国境尾根が近づいてくるととようやく待望の自然林が現れて、国境尾根に飛び出す短い間でしたけどこちらもなかなかの雰囲気でした。
稜線に飛び出したら時間も時間なのでお遊びはほぼおしまい。あとはへろへろモロクボ沢ノ頭に上がり、へろへろ畦ヶ丸を越えて西丹沢へ向かいました。
(戸沢1000m圏二俣中間尾根にて)
前回の戸沢源流部遊びが雪のために中途半端で終わってしまったので、今回は西丹沢のもう一つの核心である赤沢・戸沢の濃密なブナ自然林に酔いしれることができ・・・というか泥酔してしまうぐらいに思う存分に堪能できた大満足の一日でした。おかげでいまだに二日酔いですわ(笑)。とにかく興味は尽きない魅惑の西丹沢、次はどこを歩きましょうかねぇ。(^^)(^^)
・・・・・☆
◆ 2009.02.21 (Sat) 晴(ほぼ快晴)
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 下善の木 08:25- 水晶橋 08:55- 城ヶ尾峠 09:35- 赤沢920m圏二俣 10:25/10:35- 城ヶ尾峠 11:40/12:05- 1084m峰 12:20/12:30- 赤沢出合 13:00- 戸沢・旧東海自然歩道横切る 13:35- 戸沢1000m圏二俣 14:05- モロクボ沢ノ頭 14:40- 畦ヶ丸 15:05- 善六ノタワ 15:30- 下棚沢出合 16:00- 西丹沢(西沢出合)16:35
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