大栂から忍橋・富士見峠・織戸峠をひと巡り
(大栂東尾根<イデン沢780m圏二俣中間尾根>上部にて)
とうとうこの私も西丹沢というか世附の連荘をするようになってしまいました。(^^ゞ
今回は菰釣山南東面のイデン沢をめぐる山稜で唯一歩き残していたイデン沢780m圏二俣中間尾根たる大栂の東尾根と、富士見峠から織戸峠への径路を歩くのが目的。道志側のサガセ西沢から大栂に出て、大栂を起点に周回コースを組んで歩いてきました。
(ブナ沢 大西沢中間尾根にて)
今回は車で来たんですけど林道が荒れていてゲートまで来れず、手前からのスタート。ゲートに着いたらまずは前月も歩いたブナ沢 大西沢の中間尾根に取り付き登り始めます。
中間尾根の方は一月前に歩いたのですが、朝日を浴びながらスズタケの中をゆるゆる歩ける気持ちの良い尾根に変わりはありません。ただ違うことと云えば今回の方が空気が澄んで展望がきいたことでしょう。
(海面の様子までわかる・菰釣山より)
着いた菰釣山でも周囲の展望が良好なのは当たり前。でも先月との違いは↑↑海の見え方。海面の焼けたところとそうでないところの境界の辺りは海面の波まで見えているようで、それが海を見慣れていない私には印象的でした。
そんな光景をしばらく楽しんだらさっそく大栂へ。こちらへ「降りる」のは初めてでしたが、朝と云うこともあって初めてのような感じで歩けました。こちらからだと海が山の上に広がるように見えるので、なにか山稜の上にある湖のようにも見えて不思議な感じ。
(大栂東尾根のひとこま)
山頂の水ノ木(西)側の植林が本当に惜しいと思う大栂へ登り返したら、ブナの美しい尾根を富士見峠方面へ降り、東尾根の分岐点で少々休憩。それから東尾根を下り始めます。
さすがに菰釣学術参考保護林に指定されているイデン沢流域の尾根だけにこちらもブナにイヌブナ、そしてモミなどの自然林が美しく、下りはじめのスズタケが枯れて歩きやすかったこともあってあとはこのまま楽に降りられるそうだなぁ
(大栂東尾根・末端に近いところ)
と思っていたんですけどそれはやっぱり甘くて、下るにつれスズタケは復活していつのまにやら背丈の高さに。それでもスズは密ではないし、下道がそれなりに通っているのでそれを探りつつ下る感じ。
とはいえそんな箇所もそう長くは続かず、藪が薄くなると黒木主体になって、そろそろ林道が見えても良いんじゃないかなぁ、と思っていたら林道や忍橋が見えるようになり、まもなく尾根末端に。しかしその先は切れたっていたので尾根右側の降りられそうな斜面を探して、富士見林道に降り立ちました。
(富士見林道より椿丸を望む)
一ヶ月の間に周囲の落葉も終わって明るくなった忍橋に寄ってから、今度は林道を歩いて富士見峠へ向かいます。ここは前に歩いたときもそう思ったんですけど、エアリアでの見た目よりもかなり長いような気が(笑)。まぁ登りと云うこともあるんでしょうけど。。。
林道が大栂の南東尾根を乗り越したところで尾根上の踏跡を拾い一くだりすると富士見峠です。今回は峠から林道に降り、東へ行った開けた広場でのんびりランチとなりました。風は通らなくてポカポカだし、座っていても富士が見えるのはやっぱり幸せですわ。(^^)
(4mを越えるモミの巨木・織戸峠への径路にて)
休憩を終えたら今度は織戸峠を目指します。まずは開けた明るい富士見林道の続きをてくてく下り、とりあえず終点まで行ってみました。それから先がないことを確認してから終点手前にあったマーキングの所まで戻って、今度は織戸峠への径路に入ったんですけど、それがのっけから道筋がわからないのでとりあえず下の沢へ降りました。
すると対岸には径路らしきものが見えたので対岸に渡ってそれを辿ると、道は植林の中を狭いながらも何とか判別できるように通っている感じ。そんな道中驚いたのが周囲がほぼ植林で暗くなっている中、4mを超えるブナやモミがなにか曰くありげに残されていたこと。その貫禄からして造林当時の樵たちもさすがにこれらは伐れなかったのでしょう。
(織戸峠にて)
それなりに追えた径路も織戸峠北の枝尾根を前にした枝沢でとうとう消失。ここは斜面に取り付いて尾根上に上がると再び径路を見つけました。それはまもなく尾根を左(南)に外れましたが、そのまま織戸峠へ行くのでしょう。
こちらは尾根をそのまま詰めて稜線に上がり、それから南へ少しくだって織戸峠に出ました。標識が峠の周囲にあちこち好き勝手につけられているのはちょっと煩いですが、まぁご愛敬としておきましょうか。
(大栂への登りしな)
林道から織戸峠へ出るのに意外に時間がかかってしまい、この時点ですでに14時を回っていました。先のことを考えるともう早急に帰らなければいけない時間。休憩もそこそこに大栂への登り返しを始めます。
登りだしは立派なブナ、モミも散見される素敵な自然林。でも尾根が急になると尾根左(西)側が植林になってしまい、道も藪のないそちら側につけられているのであとはその中を淡々と登っていくだけでした。
(大栂より菰釣山)
織戸峠から一時間程で大栂に上がればこれでこの日の周回は無事完了。先の菰釣山はまだちょっと遠く見えるけど、ここからは明るい自然林の中を歩けるのでホッとします。そして逆光の富士を見ながら、この日の行程をひとり反芻しながら暮れなずむ尾根を登っていき、ようやく菰釣山に戻ったらもう日没直前。
山頂で休憩がてらお日さまが富士の脇へ完全に隠れるのを見届けたら、急に寒くなったので慌てて下山を始めます。夕日に焼ける今倉山や檜洞丸のキリっとした姿を眺めつつあとはすいすい。それでもゲートに着く頃には辺りはもう真っ暗になっていました。
(夕暮れの菰釣山山頂)
今週は晴れが続いたおかげで藪こぎの後はさすがに全身埃だらけになってしまいましたが、これもまたよし。まぁ濡れるよりは遙かにマシですしネ。そしてこの界隈は南面なので風に吹かれることもほとんどなく、好天にも恵まれて、今回も尾根歩きに径路探しと魅惑の西丹沢を存分に楽しむことができたのでした。
・・・・・☆
◆ 2008.12.27 (Sat) 快晴
サガセ西沢林道ゲート 07:45- 菰釣山 09:20/09:35- 大栂 10:10/10:20- 忍橋 11:45- 富士見峠 12:15/13:10- 織戸峠 14:10- 大栂 15:30- 菰釣山 16:15/16:25- 西沢ゲート 17:05
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