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2008.12.01

魅惑の菰釣山南東面・イデン沢を歩く

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(イデン沢<コモツリ沢・菰釣沢>上流部にて)

さてさて、紅葉の時期もそろそろ終わり、ダニも減って西丹沢のシーズンになってきましたネ。(^^)

ということでその林相から西丹沢の核心とも云うべき菰釣山の南東面において、歩いておかないことにはお話にならないのがイデン沢(コモツリ沢・菰釣沢)でしょう。今回(11/30)もまたまた道志側から入って歩いて来ました。

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(大西沢右岸尾根の様子)

今回は都留市駅からサガセ西沢沿いの林道の最後の民家(別荘?)を過ぎたところまで毎度のごとくタクシーで出ます(林道の状態がよくないので・・・¥7600ちょい)。でもそこから登山口のあるゲートまでは徒歩で20分程でした。

そして登りは登山道を歩くのではなく、かねてより気になっていた菰釣山へダイレクト?にあがれる大西沢右岸尾根を採りました。最初こそ植林ですが、しばらく行くと雑木林に変わってスズタケの中を朝日を浴びながらゆるゆる歩ける気持ちの良い尾根でした。こちらはイヌブナが多いのでブナ見が目的なら登山道の方がいいのでしょうが、こちらもなかなか捨てがたい雰囲気があります。

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(菰釣山山頂)

朝から雲一つない快晴ですから菰釣山の山頂は↑こんな感じ。当然ながら南アも見え見えでおそらくこの日最後となりそうな展望を楽しんだら、さっそく南東尾根(シキリ尾根)に入ります。

しかし南東尾根は何度歩いてもそのブナ達を見飽きることがありません。そんな素晴らしい林の中を歩いているとついそのまま南東尾根を行っちゃいそうになりますが(笑)、今回はイデン沢を歩くのが目的なので最初の南へ枝尾根が分かれる所からスズタケを分けつつイデン沢へ降りていきます。

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(菰釣山南東尾根からイデン沢へ降りるところ)

めぼしいブナをカメラに収めつつ降るとじきにイデン沢が近づきますが、沢自体が急で歩ける感じではないので一回高捲いてから沢に着地。おそらく1200m圏辺りでしょうか。

さすがにこの辺りでは水流はなく、渓は狭いながらも明るい雰囲気。あとはこのイデン沢を降りるだけです。

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(イデン沢に降り立ちました)

イデン沢はそもそも遡行自体の記録が見つからないし、釣りといってもそれができるのは主に沢の出合から中流に架かる忍橋までのようで、コモツリ沢とも云われる上流部はそう言う意味に於いてはほぼ価値のない所なのでしょう。

でも去年偶然にも菰釣山南東斜面の真価を知ってしまった今、まったく別の意味でのおもしろさがありそうな気がしたのでした。

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(イデン沢1000m圏二俣辺り)

実際に歩いてみると谷底なので立派なブナをたっぷり見られるわけではありませんが、しばらく降りて大ダルミからの枝沢を合わせ、1000m圏の二俣あたりになると水量も増えてぐっと沢らしくなり、シオジなどの渓畔林がなかなか美しいです。出てくる滝と云っても3、4mほどで、捲いたりそのまま降りたりビブラムでもさほどの難なく歩けました。

そしてその1000m圏からひと下りすると右岸側に水の湧くと云うより滲み出る岩があったのですが、その辺りからなぜか(本当に!)派手なマーキングが出てきてビックリするやら何とやら。

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(イデン沢・忍橋にほど近いところか)

マーキングが出てくると沢筋は広がり、雰囲気もよくなって歩きやすくなります。水量は当然ながら増えていきますが飛び石で渡る分には難のない程度。

結局マーキングは忍橋に着くまでポツポツと続いていましたが、いったい何のためなのでしょうねぇ?別の意味で気になります。

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(地蔵平への林道はまだ紅葉が見られた)

いろいろ偵察しながら降りたこともあって忍橋に着いた時点でちょうどお昼。林道を少し行った所にちょうどよいスペースがあったのでそこでランチと相成りました。

しかにこの辺りは林道端だというのに山側を見上げればブナをはじめ立派な木々が散見される自然林で、とても林道端とは思えない雰囲気。とにかくこの辺りも素敵なところです。

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(地蔵平・ちょっとすっきりした?)

ランチを摂り終えたら次は林道を歩いて地蔵平へ向かいます。

意外やこの林道では紅葉がまだ残っていて、そんな木々を愛でながらの楽しい道のり。一年半ぶりの地蔵平は周囲が幾分かすっきりしているようでした。そうそう、去年林道で見かけた「菰釣学術参考保護林」の看板はなぜか撤去されていました。

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(道志歩道・上部は意外に雑木林が多い)

周囲を散策して地蔵堂に参拝してもまだ13時。これなら二本杉峠を越えても行程には十二分に余裕があります。

ただ道志歩道の入口というか取付を確認したことがなかったので、すぐに見つかるかどうか不安だったんですけど、実際には地蔵堂から林道をちょっと下った所から明瞭に伸びていて、取付自体は見落としようのないものでした。

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(道志歩道・こんな所もありました)

さてこの道志歩道、地蔵平や二本杉峠のあの植林に覆われた雰囲気から植林の多い見所のない道だろうと思っていました。んが、確かに下部は終始植林でしたが、中程からは紅葉の残る雑木林が多くなりなかなかの雰囲気。

雑木林になると道が若干荒れて、小さな崩落地があったり、狭いバンドをへつったりしますが、慎重に行けば大丈夫でしょう。しかし一番驚いたのがその歩きやすさ。さすがに昔ながらの峠みちといった感じでしょうか。意外やここもなかなか楽しかったです。

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(最後に大栂、菰釣山を振り返る)

しかし二本杉峠から中川側は植林ばかり。でも道自体は登山道と云うこともあり歩きやすくてゆっくり歩いても30分ちょいで細川橋へ降りてしまいました。

でもでも・・・こちらは向かいの戸沢ノ頭や大杉山の、まだ名残の紅葉も見られる山肌が、晴天と澄んだ空気のお陰もあるんでしょうけど、とにかく美しかった。ただただボーッと見とれていました。西丹沢はやっぱり楽しいネ、そう思いながらほくほく気分で帰路についたのでした。

・・・・☆

◆ 2008.11.30 (Sun)   快晴
サガセ西沢ゲート 08:15- 1206m峰 08:50- 菰釣山 09:25/09:35- イデン沢降り立つ 10:00- 1010m圏二俣 11:00- 忍橋 11:55/12:20- 地蔵平 13:00- 二本杉峠 14:15- 細川橋 14:50
 

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コメント

mineraさん、こんばんわ。
こちらこそ大変ご無沙汰しておりました。(^^) って↑に続けてだ。。。(笑)

いいなぁ泊まりで西丹ですか。菰釣の避難小屋はキレイで一度は泊まってみたいけどボクはまた重荷を担げない身になってしまったのでしばらく先のことになってしまうから、なおさらうらやましいですよ。

今週末は寒くなるけど絶好の天気のようですね。まだ歩かれる前(ですよね?)なのに楽しげに歩かれている様子が浮かぶようです。素晴らしい山行きになるようお祈りしておりますネ。いってらっしゃ~い♪

投稿: komado | 2008.12.05 19:51

フクシアさん、こんばんわ。
こちらこそ大変ご無沙汰しておりました。(^^)

紅葉の時期に歩かれたのですね。ボクも春先に一頓挫なければこちらを歩いていたかもしれないけど、今秋はほぼ日原通い詰めだったので訪れることはできませんでした。でもお話を聞くとやっぱり一度は行かねばいけませんね。

この日は雨後間もないこともあってスズタケはキレイでした。おかげで泳ぐような感じで歩けて気持ちいいぐらい。でも晴れが続けば仰るとおりほこりまみれになっちゃうし、濡れていれば汚れてしまう。薮のあるときはいつもこんなコンディションで歩ければスズタケをもっと愛せるんですけどねぇ(笑)。

投稿: komado | 2008.12.05 19:45

ご無沙汰しております!
やはりダニ様の勢いが落ちるこの時期から
西丹沢ですね!
実は、今週末、会の例会でkomadoさんが今回歩かれた
コーストほぼ逆のコースで避難小屋泊まります!
ミキリ尾根で菰釣に向かいます。
私自身もこの山域は初心者なのですが、
わくわくして非常に楽しみしております!
目を閉じて、かつて人々が謳歌したこの山域を
感じ取ってきたいと思います。
それにしても富士急は渋い駅が多いですね!
家猫ポコニャンでも臨時駅長にして
有名にさせようかなあ!!

投稿: minera | 2008.12.04 13:54

こんばんわ。
《初めまして。》と言っても過言ではない程のお久しぶりかと思いますが。相変わらず渋い所を攻めていますね。

実は私も菰釣山からイデン沢に下り立ったのですよ。昨年11月中旬でしたが、紅葉も素晴しく、ブナも素晴しく、スズタケも素晴しく密度が高くて、誇り高き女に化しましたよ(^_-)-☆

菰釣山までは大西沢を詰めたのですが。所所凍っていましたが、菰釣山南東面は紅葉の盛で、同じ山域とは思えない程の差があって面白いですね。

投稿: フクシア | 2008.12.03 23:18

まぁ個人的には腰のこともあるし沢はもうやらないつもりではいるんですけど、やっぱりここはねぇ・・・どうしても一度は歩いておきたかったんです。とはいえ地図での見た目は結構緩いとはいえ、情報のほとんどない沢を丸腰ビブラムで降りるなんて実際の所はもってのほかでして(笑)悪い子なんですね。でも今回は林の面から云うとそうでもないんですけど、おかげでいろいろわかって歩いてよかったです。新緑や紅葉の時期も歩きたいけど、紅葉の時期はともかく新緑の時期はどうもねぇ。。。でも歩きたいな。

まぁ今度はどこか一緒に歩きましょうよ。前に歩いたとき取り付けを確認したイデン沢の右岸尾根というか大栂の北東尾根はそのために残してあるんですから。(^^)
 

投稿: komado | 2008.12.02 23:32

西丹沢って、植林が多い。それは西丹沢の歴史そのもの。かつての賑わいの源泉。賑わいっていっても今の世から見ればささやかなものにすぎないでしょうけど。森林軌道の痕跡や置きざられた集落跡などに、ふいに出くわしたりすると、時間が止まったような錯覚~ロマンを感じます。そしてブナミズナラの大木やゴワゴワな萱の原や三椏の株にも、同じ思いを寄せてしまいます。林道に出ればいつごろまで馬が荷を引いていたのだろうかとかおもったりね(^^) スッキリしていないところが魅惑の西丹沢、今回は素晴らしいお天気のモト、存分に歩かれよございました、今回なにかしらポイントが心に残り、もしそんなポイントをより深くきわめたいなもいちどとか思われることありましたらよかったらでいいですから・・・・・・。 今回は紅葉が残っていて美しさも味わえたなんて、ラッキーでした。 思うんですけど DANI君たちって 魅惑がより濃い(未知のはなぞのとか?)春夏秋の西丹沢を守っているのかも知れませんぜ。

知られざる西丹沢のようす、楽しく読ませていただきました 

投稿: ba_sobu | 2008.12.02 12:49

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