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2008.12.28

大栂から忍橋・富士見峠・織戸峠をひと巡り

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(大栂東尾根<イデン沢780m圏二俣中間尾根>上部にて)

とうとうこの私も西丹沢というか世附の連荘をするようになってしまいました。(^^ゞ

今回は菰釣山南東面のイデン沢をめぐる山稜で唯一歩き残していたイデン沢780m圏二俣中間尾根たる大栂の東尾根と、富士見峠から織戸峠への径路を歩くのが目的。道志側のサガセ西沢から大栂に出て、大栂を起点に周回コースを組んで歩いてきました。

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(ブナ沢 大西沢中間尾根にて)

今回は車で来たんですけど林道が荒れていてゲートまで来れず、手前からのスタート。ゲートに着いたらまずは前月も歩いたブナ沢 大西沢の中間尾根に取り付き登り始めます。

中間尾根の方は一月前に歩いたのですが、朝日を浴びながらスズタケの中をゆるゆる歩ける気持ちの良い尾根に変わりはありません。ただ違うことと云えば今回の方が空気が澄んで展望がきいたことでしょう。

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(海面の様子までわかる・菰釣山より)

着いた菰釣山でも周囲の展望が良好なのは当たり前。でも先月との違いは↑↑海の見え方。海面の焼けたところとそうでないところの境界の辺りは海面の波まで見えているようで、それが海を見慣れていない私には印象的でした。

そんな光景をしばらく楽しんだらさっそく大栂へ。こちらへ「降りる」のは初めてでしたが、朝と云うこともあって初めてのような感じで歩けました。こちらからだと海が山の上に広がるように見えるので、なにか山稜の上にある湖のようにも見えて不思議な感じ。

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(大栂東尾根のひとこま)

山頂の水ノ木(西)側の植林が本当に惜しいと思う大栂へ登り返したら、ブナの美しい尾根を富士見峠方面へ降り、東尾根の分岐点で少々休憩。それから東尾根を下り始めます。

さすがに菰釣学術参考保護林に指定されているイデン沢流域の尾根だけにこちらもブナにイヌブナ、そしてモミなどの自然林が美しく、下りはじめのスズタケが枯れて歩きやすかったこともあってあとはこのまま楽に降りられるそうだなぁ

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(大栂東尾根・末端に近いところ)

と思っていたんですけどそれはやっぱり甘くて、下るにつれスズタケは復活していつのまにやら背丈の高さに。それでもスズは密ではないし、下道がそれなりに通っているのでそれを探りつつ下る感じ。

とはいえそんな箇所もそう長くは続かず、藪が薄くなると黒木主体になって、そろそろ林道が見えても良いんじゃないかなぁ、と思っていたら林道や忍橋が見えるようになり、まもなく尾根末端に。しかしその先は切れたっていたので尾根右側の降りられそうな斜面を探して、富士見林道に降り立ちました。

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(富士見林道より椿丸を望む)

一ヶ月の間に周囲の落葉も終わって明るくなった忍橋に寄ってから、今度は林道を歩いて富士見峠へ向かいます。ここは前に歩いたときもそう思ったんですけど、エアリアでの見た目よりもかなり長いような気が(笑)。まぁ登りと云うこともあるんでしょうけど。。。

林道が大栂の南東尾根を乗り越したところで尾根上の踏跡を拾い一くだりすると富士見峠です。今回は峠から林道に降り、東へ行った開けた広場でのんびりランチとなりました。風は通らなくてポカポカだし、座っていても富士が見えるのはやっぱり幸せですわ。(^^)

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(4mを越えるモミの巨木・織戸峠への径路にて)

休憩を終えたら今度は織戸峠を目指します。まずは開けた明るい富士見林道の続きをてくてく下り、とりあえず終点まで行ってみました。それから先がないことを確認してから終点手前にあったマーキングの所まで戻って、今度は織戸峠への径路に入ったんですけど、それがのっけから道筋がわからないのでとりあえず下の沢へ降りました。

すると対岸には径路らしきものが見えたので対岸に渡ってそれを辿ると、道は植林の中を狭いながらも何とか判別できるように通っている感じ。そんな道中驚いたのが周囲がほぼ植林で暗くなっている中、4mを超えるブナやモミがなにか曰くありげに残されていたこと。その貫禄からして造林当時の樵たちもさすがにこれらは伐れなかったのでしょう。

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(織戸峠にて)

それなりに追えた径路も織戸峠北の枝尾根を前にした枝沢でとうとう消失。ここは斜面に取り付いて尾根上に上がると再び径路を見つけました。それはまもなく尾根を左(南)に外れましたが、そのまま織戸峠へ行くのでしょう。

こちらは尾根をそのまま詰めて稜線に上がり、それから南へ少しくだって織戸峠に出ました。標識が峠の周囲にあちこち好き勝手につけられているのはちょっと煩いですが、まぁご愛敬としておきましょうか。

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(大栂への登りしな)

林道から織戸峠へ出るのに意外に時間がかかってしまい、この時点ですでに14時を回っていました。先のことを考えるともう早急に帰らなければいけない時間。休憩もそこそこに大栂への登り返しを始めます。

登りだしは立派なブナ、モミも散見される素敵な自然林。でも尾根が急になると尾根左(西)側が植林になってしまい、道も藪のないそちら側につけられているのであとはその中を淡々と登っていくだけでした。

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(大栂より菰釣山)

織戸峠から一時間程で大栂に上がればこれでこの日の周回は無事完了。先の菰釣山はまだちょっと遠く見えるけど、ここからは明るい自然林の中を歩けるのでホッとします。そして逆光の富士を見ながら、この日の行程をひとり反芻しながら暮れなずむ尾根を登っていき、ようやく菰釣山に戻ったらもう日没直前。

山頂で休憩がてらお日さまが富士の脇へ完全に隠れるのを見届けたら、急に寒くなったので慌てて下山を始めます。夕日に焼ける今倉山や檜洞丸のキリっとした姿を眺めつつあとはすいすい。それでもゲートに着く頃には辺りはもう真っ暗になっていました。

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(夕暮れの菰釣山山頂)

今週は晴れが続いたおかげで藪こぎの後はさすがに全身埃だらけになってしまいましたが、これもまたよし。まぁ濡れるよりは遙かにマシですしネ。そしてこの界隈は南面なので風に吹かれることもほとんどなく、好天にも恵まれて、今回も尾根歩きに径路探しと魅惑の西丹沢を存分に楽しむことができたのでした。

・・・・・☆

◆ 2008.12.27 (Sat)   快晴
サガセ西沢林道ゲート 07:45- 菰釣山 09:20/09:35- 大栂 10:10/10:20- 忍橋 11:45- 富士見峠 12:15/13:10- 織戸峠 14:10- 大栂 15:30- 菰釣山 16:15/16:25- 西沢ゲート 17:05
 

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2008.12.21

樅ノ木沢西沢を繞る尾根・黒木を愛でる

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(樅ノ木沢ノ頭南尾根上部にて)

さてさて、ここのところ定期的に雨や雪が降ってくれているのでスズタケの埃も立たず、キレイに保たれてある意味ヤブ日和が続きます。そうなると自然と雪のない、標高が低めな西丹沢になっちゃいますネ。

ということで今回(12/20)はバス利用の西丹沢にチャレンジ!ということで道志側の御正橋から甲相国境稜線のブナノ丸に上がり、西沢 樅ノ木沢中間尾根たる樅ノ木沢ノ頭南尾根を下降。そして樅ノ木橋から樅ノ木沢ノ頭南尾根西隣の樅ノ木沢 西沢右岸尾根を辿って国境稜線へ登り返し、稜線を高指山まで縦走。平野へ降りるコースを組んで歩いてきました。

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(樅ノ木沢ノ頭というか油沢ノ頭というか1306m峰)

前にこちらでみなさんで利用しましょう!と宣っておきながら(笑)青根・道志へ向かうバスに乗ったのは二年半以上ぶりのこと。しかし三ヶ木から月夜野行きのバスにハイカーが10名程乗っていたのには驚きました。12月だというのに。そして月夜野から長又行きに乗り継いだのも毎度のごとく私一人・・・ではありませんでした。

御正橋でバスを降り、雲一つない青い空に似合わない、というか今の時期とは考えられないほどの意外な暖かさに驚きつつさっそくブナノ丸へ向かいます。雪はブナノ丸直下でその名残をわずかに残すのみ。ブナノ丸に上がったら、富士に南アに八ツにと展望のよくなった甲相国境稜線を西へ向かいます。

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(モミやツガの黒木が多い・樅ノ木沢ノ頭南尾根)

エアリアで樅ノ木沢ノ頭とされている1306m峰への登りにさしかかる手前の小さなピークに「樅ノ木沢ノ頭」と書かれた道標があったのには何か理由があるのでしょうか?それはともかく1306m峰へ登り返してから少し戻った所から南へ派生しているのが樅ノ木沢ノ頭の南尾根。意外やマーキングが複数ありましたが、さっそくスズタケの中を下り始めます。

最初は明るい雑木の許、スズはそれなりに深いものの下道があるようなのでそれを探りながら降りる感じ。それがじきにモミやツガが目立つ黒木主体の林に変わったのですが、それは丹沢初心者の私でも珍しくない光景だと今はわかります。でもなおも下っても黒木並木は続いて、ふとお隣は樅ノ木沢だったなー、と気がつきました。これは言い得て妙じゃなくて、樅ノ木沢の由来自体が周辺の林相から来ているのでしょうね。

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(南尾根下部もヤブは薄くなるがこんな感じ)

じきに立派なツガの巨樹を見ると尾根の分岐がある1120m圏にでて、ここからひと下りすると突然という感じでスズタケが薄くなって再びマーキングが出てきましたが、そこにはビリ沢歩道の文字が・・・。この樅ノ木沢ノ頭の南尾根を通る径路がビリ沢歩道なのかなぁ?でもビリ沢って西丸の方の沢だよな。。。

それはともかくこの辺りからはヤブも薄くなり、踏跡も明瞭になって歩きやすくなります。黒木に覆われた1004m峰を越えても黒木はなおも続いて、というより下れば下る程その木々が立派になっていく様子がこの尾根の一つの見所でしょう。3m級の木々も多くなかなか見事です。(^^)

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(西沢 樅ノ木沢出合にて)

そんな自然林から植林が混ざりだすと尾根末端は間近。末端近くで明瞭な道筋が尾根を乗り越していたのでちょっと西へ辿ってみたのですが、西沢を渡ると林道のような感じになって対岸の尾根へ上がっていました。これはおそらくですけどこのあと登り返す予定の対岸の尾根(樅ノ木沢 西沢右岸尾根)を通る樅ノ木林道につながっているのでしょう。

調査が終わったら尾根末端の西沢と樅ノ木沢本谷の出合に着地。白砂の明るい、そして緩やかな流れの樅ノ木沢の素敵な様子(石組み風の堰堤がとにかく惜しい・景観をちょっとは考えたんだろうけど)に軽く感動を覚えつつ、今度は樅ノ木橋を目指して沢を下り始めます。

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(樅ノ木橋にて)

沢床が広いのでまずは右岸を行き、それに行き詰まると左岸へ。その左岸の斜面には沢を高捲くように径路が延びていて、それを辿ろうとしたんですけどスズタケに灌木が茂って歩きづらくなったのでまたまた沢歩き。すると広いナメがこれまた素敵でこのまま・・・と思ったら滝に阻まれましたが、もう先には樅ノ木橋が見えていました。

ここで左岸に移り、スズの斜面をよじ登ると先ほどの径路に出て、樅ノ木橋に到着。ランチ場はココしかなかったんですけど、日当たりのいい明るく小広いところで助かりました。人が来るわけないのでおかげでのんびりさせて頂きました。

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(西丸と北東尾根を見上げる・樅ノ木沢 西沢右岸尾根中部より)

そおいや6年半前、私自身の初めての西丹沢も水ノ木に降り、菰釣橋でランチをして、そのあと金山沢と水ノ木沢の中間尾根を登り返したダニまみれの山行きでした(笑)。菰釣橋の現在の様子も気になりますけど今回の所は往復するだけの余裕がないので、それは諦めて休憩を終えたらこれからまた登り返しです。樅ノ木橋を渡った対岸の植林尾根が目的の樅ノ木沢 西沢右岸尾根なのでさっそく尾根に取り付き再スタート。

こちらは植林のモミとヒノキに分けられた中、スズタケも生える暗い尾根。普段だったらガッカリするところなのでしょうけど、この日は気温が上がって結構暑くなっており、日差しの入らない真っ暗な尾根はこの日に限って言えば却って歓迎でした(笑)。とはいえ登っても登っても植林がなかなか切れてくれません。

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(右岸尾根上部の藪はそれほどでもない)

それにこちらの方はスズタケ自体が枯れ始めている感じで先の樅ノ木沢ノ頭南尾根よりも歩きやすいのに、なぜかマーキングが見当たらないのはあちらが曲がりなりにもビリ沢歩道と云われる??径路だったからなのでしょうか。

それでも尾根が国境稜線へ向けて急になると植林はようやく切れて、かわりに岩がちになり、スズタケもそれなりに茂ってきますが、それも歩きの良いアクセントと言った程度。お陰で歩みはスムーズで2時間とかからずに国境稜線に上がってしまいました。

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(御正体山の巨体・甲相国境稜線より)

あとは平野へ向け帰路につきますが、先ほどの中間尾根を意外に早く登れたので時間的に高指山までは行けそうです。

ブナの美しい稜線の先に逆ので富士が見えるロケーションは新鮮だし、右には御正体山の巨体が聳え、そして左には懐かしの西丸や世附川流域の山々が見えます。そおいや御正体山も久しく訪れていない事を思い出しました。

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(高指山への道すがら)

そして富士岬平や高指山からは山行きのフィナーレに↓↓↓こんな光景が待っていました!

夕暮れの逆光の富士もこうやってみるとなかなかのものですね。そんな光景を飽きることなくボーッと眺めてから平野へチンタラと下ったのでした。

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(高指山より)

さて、今回久し振りに平野から高速バスで帰ってみました。下山途中にケータイで予約できるというのも時代ですねぇ・・・というか何を今更というか、利用するのが遅すぎですね(笑)。

帰りは速いし、ゆっくり眠れるし、それに平野から相模湖まで1150円という富士急の大月~河口湖間の料金とほとんど変わらないその驚異的とも云える安さも魅力的です。おかげでちょっと変化をつけて魅惑の西丹沢の山歩きを楽しむことができました。(^^)(^^)(^^)

・・・・・☆

◆ 2008.12.20 (Sat)   晴
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 御正橋 08:30- 前ノ岳 09:25- ブナノ丸 09:40/09:50- 樅ノ木沢ノ頭 10:20- 1004m峰 11:05- 西沢 樅ノ木沢出合 11:35- 樅ノ木橋 11:50/12:15- 甲相国境稜線 13:55- 大棚ノ頭 14:40- 高指山 15:35/15:45- 平野 16:25
 

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2008.12.11

初冬の石尾根をのんびりと

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(石尾根縦走路、城山附近にて・Part1)

ここへ来て12月らしくない暖かい日が続きますね。前の晩の雨から天気が回復することが予想されたので10日はなぜかお山に行ってました(笑)。本当は別の所の予定だったんですけど、前の晩の雨がしっかり降ったので薮は避けて、今度こそ回復途上の展望をのんびりと楽しもうと9月以来となる鷹ノ巣山に変更。あとは六ツ石山まで縦走してから10年以上ぶりぐらいにハンノキ尾根を降り、むかしみちを歩いて奥多摩駅に出ました。

ここのところ鷹ノ巣というと稲村岩尾根ばかりなので、今回の登路は毛色を変えて久し振りとなるネズミザス尾根。平日なのでバスは中日原で降りたのですが、ここでバスを降りたのもかなり久し振りのことだと思います。

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(ネズミザス尾根上部にて)

雲一つない青空に聳える稲村岩をカメラに収めてから日原川におり、お次の鷹ノ巣谷を渡る橋へ向かうと、なんと橋が朽ち始め、しかも傾いていてここの通過はちょっとスリリングでした。

さっそくネズミサス尾根に取り付き、初っぱなの露岩混じりの急斜面をこなして739m峰に上がれば、あとは難場もなく尾根をひたすらに登っていくだけ。初訪の折りはほぼガスだったので周囲を見ながら登れたのがちょっと嬉しかったです。

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(石尾根縦走路、城山附近にて・Part2)

植林が切れて自然林が現れるとじきにカラ沢尾根と合流。ここまで来ると鷹ノ巣ももう間近で、素敵な林の中を20分程でカラ沢ノ頭に到着しました。

ちょっと休んでから石尾根伝いに鷹ノ巣山を目指します。こらちも立派なブナやミズナラの木々が見られる明るい防火帯でゆるゆる歩ける幸せな道のり。ネズミザス尾根やカラ沢尾根に足りない自然林はこちらでカバーできるのです。(^^)

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(縦走路より日陰名栗峰と雲取山)

しかし気温が高いせいでしょう。今まで雲一つない青空だったのに雲がだんだん出てきて、楽しみにしていた富士はもう見えませんでした。でも雲の切れ間から真っ白に化粧直しをした姿を見せてくれた南アの山は塩見か?聖か?周りが見えないのでいまいち判断できません。

誰もいない鷹ノ巣山に着くともう日差しすらなく、それでも周囲が見える分9月の時よりはマシだけどちょっと期待はずれ。一人貧しい食事をしたためていると今度は南側からガスが上がるようになって思わずうーん。(-"-;)

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(鷹ノ巣山からの展望は・・・)

このあとの予定では七ツ石まで尾根伝いに歩くつもりだったんだけど、こんな天気じゃ歩く気もしない。じゃどうしようかなぁとしばらく考えていたら六ツ石山の南斜面はず~~っと歩いていないことを思い出して、それならハンノキ尾根があるな!と。

ということで下山路が決まったら腰を上げて、今度は下の捲き道を歩いて六ツ石山へ向かいます。

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(全般に亘ってスズタケが枯れ出していた・石尾根縦走路の捲道)

捲道を歩くのは丸二年ぶり。こちらも上の尾根道と同様に自然林の多いなかなか素敵な道なのですが、驚いたのは石尾根南面のこちら側もとうとうスズタケが枯れ始めていたことでした。北側の日原側に比べると南面の方はスズタケが比較的良好に残っていたのですが、こちらも時間の問題なのでしょうね。

あとスズタケが枯れ出したのとシンクロしているのかは不明ですけど、こちらはシカのフンにその姿も頻繁に見られました。特に六ツ石山周辺はフンがあちこちに落ちていて最盛期(2000~2003年くらい)の日原を想起させるような様相になっていたのにはビックリと云うより、驚愕と言った方が近いかも。

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(六ツ石山より石尾根と鷹ノ巣山)

こんな日ですから六ツ石山にも当然誰もおらず、振り返って鷹ノ巣の姿を一瞥してからそのまま南の防火帯を下ります。

ふかふかの落ち葉を踏みしめながら、蹴散らしながらゆるゆる降りていき、じきに水根への分岐となるトオノクボに着きます。ここで防火帯をなおもそのまま行くように降りるのがハンノキ尾根。この辺りはまだ何となく覚えていました。

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(トオノクボへの下りしな)

結局防火帯は尾根を右に分ける1180m圏まで続いて、それからは植林と雑木林に分けられた尾根を降りていく感じ。一くだりで左から水根からの水平路と合流します。下りしなふと落ち葉を見るとミズナラにコナラの混交する様子がわかってそれがちょっと新鮮で面白かったです。

岩こぶというよりは石庭のような雰囲気もある1041m峰(沖ノ指)にはまだT.Yuiさんのプレートが残っていて、これも個人的には懐かしかった。一昔前はそこかしこにあったのに、少なくなりましたね。

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(ハンノキ尾根下部の伐採跡より)

そして一面の伐採跡に出るとここで境への径路は尾根から外れるので、行ったことのないイソツネ山へ寄るためになおも尾根伝いに下ったのですが、途中には結構な露岩帯もあってそこは慎重に捲きました。

小笹の敷き詰められた広いイソツネ山に寄ったら来た道を戻り、途中からややトラバース気味行って径路に復帰。道も次第に明瞭になり、ススキの茂る中をずんずん下っていきます。

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(境への下りしな)

そして趣のある境の集落を縫うように降り、むかしみちの通る所まで降りたところで境橋のバスの時間を確認すると次のバスは40分後。ここまで来たのだから歩いたことのないむかしみちでも歩いてみようか、ということ歩いてみました。

実際に歩いてみるとなかなか風光明媚ですね。青梅街道と比べると当然遠回りですけど趣はこちらの方が全然あるし、それよりなにより道中みかける鉄橋などの橋脚、トンネルなど昔に小河内と氷川を結んでいた廃線跡のアイテムが随所にあり、それがヲタ心をちょこっと刺激して(笑)それも楽しかったです。

・・・・・☆

◆ 2008.12.10 (Wed)   晴 後 曇
奥多摩駅 08:10→ 中日原 08:35- 739m峰 09:05- カラ沢尾根合流 10:20- カラ沢ノ頭 10:40- 鷹ノ巣山 11:30/12:10- 六ツ石山 13:30/13:40- トオノクボ 14:00- 1041m峰(沖ノ指)14:30- イソツネ山 15:00- 境 15:45- 奥多摩駅 16:40
 

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2008.12.08

滝子山はまだまだ・・・

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(滝子沢左俣左岸尾根を見上げる・大鹿林道より)

12月に入ってようやく冬らしく寒くなってきましたね。そうなれば今まで不安定だった南関東の天気も安定して山日和が続きます。先の土曜(12/05)もそんな一日でしたね。

今回は久し振りに滝子沢左俣左岸尾根を登路に採り、檜平に上がって滝子山へ。そしてズミ沢コースを下るコースをのんびり気ままに歩いて来ました。

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(朝の滝子山)

駅からのスタートだと朝早くから歩き出せていいですね。ちょっと寒いけど澄み切った空気の中を歩く訳ですから気分が悪いわけありません。登路は滝子沢左岸尾根なので白野までR20を歩くのかと思ったら、なんと南尾根(寂ショウ尾根・南稜)へ行くではないですか。

寂ショウ園から山道に入りせっせと登っていると、梢越しに見えるのは壁のようにそそり立つ、滝子から浜立山の稜線。その大きさに改めて驚いているとまもなく大鹿林道に出て、この林道を東へ下って左岸尾根へ向かいました。時間は少しかかるけどこういう行き方もあったか!

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(滝子沢左俣左岸尾根・中部はこんな岩場もあり)

さして期待していなかった林道歩き。でも好天のもと周囲の展望を楽しみながら、そして目の前に葉を落として裸木の尾根と化した左岸尾根の大きさにまた驚いて、と新たな発見の多い道のりだったのはこれまた意外でした。

権現橋を渡り、左岸尾根を乗り越したところで尾根に取り付けば後は尾根を詰めるだけ。周囲に敷き詰められた落ち葉の絨毯を踏みしめせっせせっせと登っていきます。

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(滝子沢右俣ズサアラ沢ツメの緩斜面・Part1)

前は盛夏に歩いたこともあって尾根はずいぶんと違った印象、というよりは途中に滝子らしい岩場を交えたところなどは完全に忘れていたと言った方が正しいのかも。

登って登って、ふと振り返ると真っ白な富士が見えるようになると尾根が広がり、そして急になってそろそろ合流点は間近。とりあえず桧平で休む事にしているので尾根を合流点まで詰めるのではなく、ここから桧平に向け東へトラバースを開始します。

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(ズサアラ沢ツメの緩斜面・Part2)

トラバースは滝子沢右俣(ズサアラ沢)のツメを横切るのですが、そこはもう檜平の自然林の一角。広々とした緩斜面には素敵な林が広がっていて、好天と相まってここをゆるゆると歩くのがなんとも気持ちの良いもので・・・(^^)(^^)(^^)

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(檜平より)

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(なんともつ鍋ができて・・・)

歩き出しから4時間近くかけてようやく檜平に到着。富士もまだまだ見えています。

そうこうしていると大きな梨やらもつ鍋やらうどんやらが出てきて、ちょっと寒いけど楽しいひととき。こういう風にゆっくりと過ごせたのって本当に久しぶりの事でした。

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(滝子山への道すがら)

長い休憩を終えたら、ようやく滝子山へ向かいます。

自然林の中を一時間程歩いて山頂に。もう日が傾きかけている時間ですけど山頂からの展望は充分。とはいえ時間が時間なのでしばらく楽しんだらもう下山しなければいけません。

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(滝子山より南大菩薩の稜線と雁ヶ腹摺山)

下りに採ったずみ沢コース。傾いた日差しを浴びつつ歩く道のりはもの寂しいけど、じわじわと心に沁みこむものがある。

そして近年は花の時期に歩くことが多いせいか暗いことが多くて、西日がこんなに入って明るかったっけ?と思うこともしばしば。お陰で滝見もきちんとできて、こちらもたいへん楽しい道のりでした。

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(ズミ沢コースのナメ滝)

自分にとって通い慣れているはずの滝子山。今回初めての所はほとんどなかったのに、実際は新たな発見の連続で歩いている自分自身が驚いてました。でも本当のところは自分自身知ったつもりになっているだけで、まだ大して知らなかったりするのかもしれません。

とにかく滝子山はまだまだ深い山でした。そんな機会をつくってくれたタカさん、ほんとうにありがとうございました。

・・・・・☆

◆ 2008.12.06 (Sat)   快晴
笹子駅 07:10- 檜平 11:35/13:10- 滝子山 14:05/14:15- 道証地蔵 16:20- 笹子駅 17:10(今回は行程の都合上かなりおおざっぱです・^^;;;)
 

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2008.12.01

魅惑の菰釣山南東面・イデン沢を歩く

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(イデン沢<コモツリ沢・菰釣沢>上流部にて)

さてさて、紅葉の時期もそろそろ終わり、ダニも減って西丹沢のシーズンになってきましたネ。(^^)

ということでその林相から西丹沢の核心とも云うべき菰釣山の南東面において、歩いておかないことにはお話にならないのがイデン沢(コモツリ沢・菰釣沢)でしょう。今回(11/30)もまたまた道志側から入って歩いて来ました。

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(大西沢右岸尾根の様子)

今回は都留市駅からサガセ西沢沿いの林道の最後の民家(別荘?)を過ぎたところまで毎度のごとくタクシーで出ます(林道の状態がよくないので・・・¥7600ちょい)。でもそこから登山口のあるゲートまでは徒歩で20分程でした。

そして登りは登山道を歩くのではなく、かねてより気になっていた菰釣山へダイレクト?にあがれる大西沢右岸尾根を採りました。最初こそ植林ですが、しばらく行くと雑木林に変わってスズタケの中を朝日を浴びながらゆるゆる歩ける気持ちの良い尾根でした。こちらはイヌブナが多いのでブナ見が目的なら登山道の方がいいのでしょうが、こちらもなかなか捨てがたい雰囲気があります。

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(菰釣山山頂)

朝から雲一つない快晴ですから菰釣山の山頂は↑こんな感じ。当然ながら南アも見え見えでおそらくこの日最後となりそうな展望を楽しんだら、さっそく南東尾根(シキリ尾根)に入ります。

しかし南東尾根は何度歩いてもそのブナ達を見飽きることがありません。そんな素晴らしい林の中を歩いているとついそのまま南東尾根を行っちゃいそうになりますが(笑)、今回はイデン沢を歩くのが目的なので最初の南へ枝尾根が分かれる所からスズタケを分けつつイデン沢へ降りていきます。

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(菰釣山南東尾根からイデン沢へ降りるところ)

めぼしいブナをカメラに収めつつ降るとじきにイデン沢が近づきますが、沢自体が急で歩ける感じではないので一回高捲いてから沢に着地。おそらく1200m圏辺りでしょうか。

さすがにこの辺りでは水流はなく、渓は狭いながらも明るい雰囲気。あとはこのイデン沢を降りるだけです。

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(イデン沢に降り立ちました)

イデン沢はそもそも遡行自体の記録が見つからないし、釣りといってもそれができるのは主に沢の出合から中流に架かる忍橋までのようで、コモツリ沢とも云われる上流部はそう言う意味に於いてはほぼ価値のない所なのでしょう。

でも去年偶然にも菰釣山南東斜面の真価を知ってしまった今、まったく別の意味でのおもしろさがありそうな気がしたのでした。

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(イデン沢1000m圏二俣辺り)

実際に歩いてみると谷底なので立派なブナをたっぷり見られるわけではありませんが、しばらく降りて大ダルミからの枝沢を合わせ、1000m圏の二俣あたりになると水量も増えてぐっと沢らしくなり、シオジなどの渓畔林がなかなか美しいです。出てくる滝と云っても3、4mほどで、捲いたりそのまま降りたりビブラムでもさほどの難なく歩けました。

そしてその1000m圏からひと下りすると右岸側に水の湧くと云うより滲み出る岩があったのですが、その辺りからなぜか(本当に!)派手なマーキングが出てきてビックリするやら何とやら。

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(イデン沢・忍橋にほど近いところか)

マーキングが出てくると沢筋は広がり、雰囲気もよくなって歩きやすくなります。水量は当然ながら増えていきますが飛び石で渡る分には難のない程度。

結局マーキングは忍橋に着くまでポツポツと続いていましたが、いったい何のためなのでしょうねぇ?別の意味で気になります。

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(地蔵平への林道はまだ紅葉が見られた)

いろいろ偵察しながら降りたこともあって忍橋に着いた時点でちょうどお昼。林道を少し行った所にちょうどよいスペースがあったのでそこでランチと相成りました。

しかにこの辺りは林道端だというのに山側を見上げればブナをはじめ立派な木々が散見される自然林で、とても林道端とは思えない雰囲気。とにかくこの辺りも素敵なところです。

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(地蔵平・ちょっとすっきりした?)

ランチを摂り終えたら次は林道を歩いて地蔵平へ向かいます。

意外やこの林道では紅葉がまだ残っていて、そんな木々を愛でながらの楽しい道のり。一年半ぶりの地蔵平は周囲が幾分かすっきりしているようでした。そうそう、去年林道で見かけた「菰釣学術参考保護林」の看板はなぜか撤去されていました。

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(道志歩道・上部は意外に雑木林が多い)

周囲を散策して地蔵堂に参拝してもまだ13時。これなら二本杉峠を越えても行程には十二分に余裕があります。

ただ道志歩道の入口というか取付を確認したことがなかったので、すぐに見つかるかどうか不安だったんですけど、実際には地蔵堂から林道をちょっと下った所から明瞭に伸びていて、取付自体は見落としようのないものでした。

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(道志歩道・こんな所もありました)

さてこの道志歩道、地蔵平や二本杉峠のあの植林に覆われた雰囲気から植林の多い見所のない道だろうと思っていました。んが、確かに下部は終始植林でしたが、中程からは紅葉の残る雑木林が多くなりなかなかの雰囲気。

雑木林になると道が若干荒れて、小さな崩落地があったり、狭いバンドをへつったりしますが、慎重に行けば大丈夫でしょう。しかし一番驚いたのがその歩きやすさ。さすがに昔ながらの峠みちといった感じでしょうか。意外やここもなかなか楽しかったです。

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(最後に大栂、菰釣山を振り返る)

しかし二本杉峠から中川側は植林ばかり。でも道自体は登山道と云うこともあり歩きやすくてゆっくり歩いても30分ちょいで細川橋へ降りてしまいました。

でもでも・・・こちらは向かいの戸沢ノ頭や大杉山の、まだ名残の紅葉も見られる山肌が、晴天と澄んだ空気のお陰もあるんでしょうけど、とにかく美しかった。ただただボーッと見とれていました。西丹沢はやっぱり楽しいネ、そう思いながらほくほく気分で帰路についたのでした。

・・・・☆

◆ 2008.11.30 (Sun)   快晴
サガセ西沢ゲート 08:15- 1206m峰 08:50- 菰釣山 09:25/09:35- イデン沢降り立つ 10:00- 1010m圏二俣 11:00- 忍橋 11:55/12:20- 地蔵平 13:00- 二本杉峠 14:15- 細川橋 14:50
 

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