秋めく林を愛でに天祖山へ
(旧日原林道のひとこま)
さてさて先週の土曜は久しぶりの奥多摩も青梅線がストップしたおかげで出鼻をちょっとだけくじかれてしまいましたが、秋分の日(09/23)は短めではありますがしっかりと予定通り歩いてきましたよ。(^^)
ということで日原で自然林と言えばまず挙げられるのが天祖山ではないでしょうか。今回はちょうど2年前と同様に旧日原林道(しつこいようだが下の車道の事ではない)をたどり、それから5年ぶりに大ブナ尾根を登って天祖山を訪れました。
(旧日原林道・中小屋沢の辺り)
雲一つない晴れの上にお彼岸の飛び石連休中ということもあって日原行きのバスは大盛況。毎度のごとく川苔橋でその半分を降ろして、東日原に着いて歩き出すも稲村岩尾根の登山道を過ぎれば歩く人はもうまばら。結局八丁橋へ向かうのは毎度のごとく私ひとりきり。
意外にも林道は八丁橋で通行止めになっており、これは台風の影響でしょうか?少し休憩したらすぐに表参道に入ります。
(旧日原林道・名栗小屋跡)
少し登ると日差しが入って周囲の自然林の緑が一斉に輝く様子は何度見ても得も言われぬ見事な光景ですね。お花も少ないながらシロヨメナにホトトギス。ホトトギスは今年初見でしたがこちらで見られるとは思ってもいませんでした。
尾根に上がりひと登りすると立派なブナの林立するハタゴヤの水場に出ます。雨続きのせい水量は充分。顔を洗ってから表参道と別れて今は水源林巡視路となっている旧日原林道に入ります。
(大ブナ別れ)
二年ぶりの旧道。入るとさっそくカツラの香りが漂ってこれは歓迎されたのでしょうか??道自体は前に入った改修もなんかこなれた感じで思いの外荒れていなかったのは意外でした。ただ桟道は濡れている上に妙に柔らかかったりしてちょっと恐怖?かも。植林も若干混じりますが雰囲気の良い道です。
そして二年前は見落とした中小屋沢先(西隣)の崩落地を捲く高捲き道も今回は難なく見つかり、というかなぜに前に見落としたのだろうという感じで伸びていたのには思わず笑ってしまいましたが、ここも改修されたお陰か初訪の頃に比べると道はしっかりしていました。
(オノオレカンバ&アキノキリンソウ・大ブナ尾根にて)
高捲きを終えると全編ほぼ植林の松尾尾根をぐるりと乗り越し、名栗小屋跡に着けば大ブナ別(わかさ)れはもうすぐ先。この辺りから曇ってきたのは惜しかったのですが、広々とした別れで休憩を取り、今回はそのまま大ブナ尾根を詰めていきます。
尾根をひと登りすると植林帯に入るのですがこの植林帯が今回お花の一番多かったところで、ヒヨドリバナにアキノキリンソウ、ホソエノアザミ、大量に枯れだしているのはもしかするとヨツバヒヨドリかも。去年降りた七跳尾根の植林帯も同じようにお花が多くて驚いたのですが、これはさすがに東京都の水道水源林のお陰か。植林も手入れがしっかりされていて日差しが良好なお陰なのでしょうね。日原でお花を見るなら植林帯!なのかも(笑)。
(大ブナ尾根上部)
そんな植林帯を抜けるとようやく自然林の始まり。こちらのブナもブナハバチの影響はなく、ミズナラ・ブナなどの立派な木々を愛でつつ広い尾根を左右にのんびりシグザグしながら歩くのは楽しいです。これで日差しがあったら文句なしなんだけどなぁ。惜しいわ。
以前は残っていた尾根上部のスズタケもすっかりなくなり、一頃の不気味な感じが一変。雰囲気が良くなりましたね。そんな中をルンルン気分で歩いているとあっけなく表参道と合流。今回は会所を素通りして山頂で休憩しました。
(天祖山山頂)
山頂には誰もおらず、休憩中に単独のハイカーが通りがかっただけ。ガスっているせいか休憩しててもちょっと寒いくらいでTシャツ一枚で歩けるのはそろそろおしまいなのかも。
そんなわけで休憩もそこそこに切り上げて、今度は表参道をそのまま下山します。
(この辺りは色づき始めていた・天祖山表参道にて)
表参道も上部では少ないながらもタカオヒゴタイ、ヤマトリカブト、ヤマクワガタとお花が見られました。こちらでも鷹ノ巣の時と同様に木々がフライング気味に色づき始めたところもあり、こちらもすでに秋の雰囲気。
一時間ほどでハタゴヤの水場に戻ったら今回はそのまま八丁橋へ下るのではなく、これまた久しぶりに孫惣谷右岸の巡視路に入ってみました。
(孫惣谷右岸の巡視路)
こちらの道もさして荒れたところはなく、20分ほどで採石事務所下の十兵衛窪の出合に到着。孫惣谷は台風の後のせいかなかなかの水量で見事で、しばらく周囲の渓畔林見物をかねて散策。それから孫惣谷林道に這い上がります。
林道に上がればあとは東日原を目指すだけでここでお目当てのフジアザミ探し・・・となったわけですがこちらにもたくさんいるんですね!林道端だとありがたみにはかけるけど思いもよらない出逢いもあったりして、ほくほく気分で東日原へ向かいました。(^^)(^^)(^^)
(帰りの林道はふじあざみを見ながら)
そうそう、東日原に着いて驚いたのが鈴が普段より多く、そして大きく鳴っていることでした。あの一件ってやっぱり衝撃だったんですねぇ。。。でも個人的には少々騒ぎ過ぎじゃないかなぁとも思っています。クロスケがどうのこうの言うよりも、おそらくご本人さまが今後書かれるであろう手記の方が私には興味あります。当時の状況がわかりますからネ。必要以上に不安がったり煽ったりするよりもそちらを知る方がよほど有意義だと思うのです。
・・・・・☆
◆ 2008.09.22 (Teu) 晴 後 曇
奥多摩駅 07:25→ 東日原 07:50- 八丁橋 08:35- ハタゴヤ 09:20- 名栗小屋跡 10:05- 大ブナ別れ 10:20/10:35- 表参道合流 11:50- 天祖山 12:05/12:35- ハタゴヤ 13:40- 採石事務所下 14:00/14:15- おろせ橋(八丁橋)14:50- 東日原 15:35
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コメント
あら、あの方ではなかったですか。
でもメッシュのベストの方は東日原で見かけた覚えがあります。(^^)
そうするとおそらくあの方か。。。とにかく今後ともどうぞよろしくお願いしますです。
投稿: komado | 2008.10.01 18:34
やっぱり黄色のバンダナはKomadoさんでしたか。声をかければよかったですね。komadoさんと先行されたのは別の方です。小生はストレッチをしたりBSでモタモタしていたらKomadoさんは写真を1枚撮られて先行されたのを覚えています。ちなみに小生は水色の帽子とTシャツでメッシュのベストでした。今度どこかでお目にかかるのを楽しみにしています。
投稿: AKIO | 2008.09.30 21:33
こんばんわ~。
ba_sobuさん、こちらこそありがとう。まだ完調ではありませんが最近は山行きを楽しむ心の余裕ができたと思います。(^^)
そしてAKIOさん!ビックリです。
バスはお客さんが多くて正直全く覚えていないのですが、大栗尾根と聞いてピンときました。あの便のハイカーで東日原から小川谷橋へ向かったのはボクと先行していた(そして小川谷へ行かれた)単独の方だけでしたので、もしかするとその先行されていた方がAKIOさんではないでしょうか?
当日私はは仰るとおり黄色いバンダナに緑系のTシャツを着ていましたのでもう間違えございませんです(笑)。
中断歩道あまり荒れていないようホッとしました。そうそうハンギョウ尾根はボクも土曜日久しぶりにおりました。モノレールができて雰囲気は変わってしまいましたが、ミズナラの疎林が素敵で何度歩いても良い尾根ですね。
投稿: komado | 2008.09.30 19:22
Komadoさん、こんばんは。いつも楽しみに読ませていただいています。23日は小生も同じ電車、バスでした。Komadoさんは黄色っぽいバンダナを巻いた長身の方ではありませんか?(間違っていたらごめんなさい。)このサイトから、Komadoさんじゃないかな?と思っていましたが、想像していたより若そうな人だったので。小生はバスではバンダナの人の後に座っていました。小生は、大栗尾根ーハナド岩ーハンギョウ尾根ー中段歩道で日原に戻り3時前のバスに乗りました。中段歩道は所々くずれているところもありましたが、歩くのに支障をきたすほどではありませんでした。ただ、木片に修理内容を書いたのがそこここに見られましたので、補修工事が始まると思われます。奥多摩は携帯電話が通じないところが多いと思っていましたが、ハナド岩からは家にメールを送ることができたのには驚きました。今度お見かけしたら声をお掛けしたいと思っています。
投稿: AKIO | 2008.09.29 19:32
komadoさんらしい 山のレポ、楽しませていただきました。どうもありがとう。
リブルさんに、
山野井通信: みてみました。こちらも良かった
ありがとうございました。
投稿: ba_sobu | 2008.09.29 16:46
ををををを~~!!リブルさんありがとう。
早速拝見しましたが、あれだけの大怪我をしながら「生きている熊に触れられるなんて感動」なんて・・・本当にあまたの修羅場をくぐってきた人なんですねぇ。。。
投稿: komado | 2008.09.27 19:52
鈴の件は同感です。鳥なども逃げていってしまって声が聞けなくなってしまいますね。
ちなみに、本人から25日にこんなメッセージが発信されているようです。リンク切れの場合はタイトルで検索してください。
山野井通信:
http://www.evernew.co.jp/outdoor/yasushi/yasushi4.htm
投稿: リブル | 2008.09.27 19:41
ケムンパスさん、こんばんわ。
あの件についてはおそらく書かれるであろう(というか是非とも書いて欲しい!)ご本人さまの手記が出てからでないと状況もわからないし何とも云えないところなのですが、今のところボクの勝手な想像ではボクもケムンパスさんと同じ思いです。
走りやさんは早く移動しますからね。そこいらの気配の感じ方というのは歩きに比べるとスポイルされるのはある意味当然かと。あと鈴にラジオはボクも以前使ったことがありますし、チリンチリンと風情を感じるもので決して否定をするものではありません。というか人が使う分にはむしろ推奨しています(笑)。では今はなぜに使わないかと言えば、あれは結局ヘッドフォンで音楽を聴きながら歩いているのと同じではないかと。音が鳴るからおおかたの動物は逃げるかもしれないけど、その音のせいで周囲の気配はわからなくなる。ボクにとってはそちらの方がよほど恐怖だし、五感の一部をスポイルしているので山歩きの楽しみを奪われているようで。。。
そもそもクロスケが住めないような山には興味ないですし。あっそうそう。ボクは以前鈴を使った故にクロスケと面罵した経験があります(笑)。
投稿: komado | 2008.09.27 19:14
例の事故の直後に榧ノ木尾根とは、さすがkomadoさんです。走らなければ熊に喰われる恐れは無いと、身をもって示していただけたものと賞賛いたします。
私もkomadoさんの1週間ほど前に鷹ノ巣へ登ったのですが、千本ツツジの頂上で座って休憩中、いきなり背後にドカドカッと地響きがして驚いて振り向くと、ランナーが駆け上がったところでした。走る足音でもカーブとかちょっとした高低差で意外と聞こえないものなので、熊でなくともビックリしますね。
投稿: ケムンパス | 2008.09.25 22:44