御坂主稜もそろそろ秋の気配
(吉澤巖<中央>と王岳<右隣 奥>を望む・根場より)
しかし8月に入ってからのこの天気の不安定さというのはいったいなんなんでしょう。まぁ今年はスペシャルな遠出がなかったから大した影響ないと自分勝手に思っていたんですけど(笑)、その後も悪すぎ。今年は夏から秋へのお花の変化を楽しむつもりでいたのに気がつけばなんと二十日ぶりの山行きになっていました。
ということで土曜日(09/06)はどこへ行こうかかなり迷ったんですけど、結局御坂へ。王岳から鬼ヶ岳・節刀ヶ岳を越え、大石峠まで御坂主稜を秋の花を愛でつつ歩いてきました。
(西入沢の道沿いには こうしんやまはっか)
今回は根場(ねんば)スタートで以前下ったことのある王岳ダイレクトルートでもある西入川ルートを登りにとりました。記憶では西入川の林道終点から山道のようなイメージだったのですが、実際にはなんと林道が延長されており、一度終点まで行ってから本来の取り付け(ケルンあり)へ戻るというテイタラク。
その上沢の堰堤を見ながら沢沿いを行くところも今は草ボウボウ。その中の道を慎重に追いながら行き、道がなんとなく覚えのある尾根上に上がってようやく一安心。しかし鬼ヶ岳北尾根の道(と今はもういえない)もそうだけど、道標もなく、定期的に手入れさえしていない道にエアリア(山と高原地図)で赤線なんか入れて良いんでしょうかね?非常にまじめな話。あとは王岳へ向けひたすらに登るだけです。
(やまとりかぶと・咲き始め)
そこからは道もしっかりしており、カラマツ林のトラバースに入るとコウシンヤマハッカのお花畑と言うよりは見ようによっちゃぁただの藪道(笑・バラヤブもなにげに仕込まれてるし)を行き、王岳の南尾根に上がれば山頂までは一頭足。
しかしブナの美林が続くこの南尾根の一角のブナがブナハバチに食われているのではなく、すでに立ち枯れていたのにはただただ唖然呆然。もしかするとこの辺りは去年以前からハバチにやられていたでしょうかね???
(ブナハバチの影響??立ち枯れブナが目立つ箇所が点在する)
咲き始めの色鮮やかなヤマトリカブトが出てくるとまもなく王岳山頂で少々の休憩の後、主稜を東へ行きます。カイフウロにアキノキリンソウ、ハナイカリ、シオガマギク、ハンカイシオガマ、オクモミジハグマ、シロヨメナなど。夏の花もまだ咲き残っているもののメインはすでに秋の花。
天気も思いの外いいので気分良く歩いていたのですがと鍵掛ピーク附近では再び↑↑↑のような箇所にぶち当たりました。この附近のブナはすでにほとんど枯れており、まだ葉っぱを再展開させて何とか生きている木も↓↓↓のように幹にキノコが生えだしていて、おそらく来年は全滅かと。。。(-"-;)
(なんとか生きてる木にもキノコが・・・)
下りきった鍵掛峠の辺りも小規模ながらそんなところがあって暗澹たる気分になってしまいます。
しかし峠から鬼ヶ岳へ向かうとそう言う木がほとんど見られなくなり、そして花も徐々に増えてきたのが救い。アズマレイジンソウにタムラソウ、コウシンヤマハッカ、ホソエノアザミ、ミヤマママコナ、タカオヒゴタイ。そしてレンゲショウマもまだ残っていておそらく今年最後だろうなと思いつつじっくり愛でておきました(笑)。
(王岳へ伸びる主稜線を振り返る)
(まつむしそう満開・雪頭ヶ岳にて)
鬼ヶ岳に上がったら少し息を整えてすぐに雪頭ヶ岳へ。こちらの草原はちょうどマツムシソウが満開。ただそれに見とれて危うくウメバチソウを見落とすところでした。
鬼ヶ岳に戻り、満開のテンニンソウで埋もれる金山を越え、節刀ヶ岳に着いたところでとうとう雨が降ってきましたが、その先も樹林帯を通るし結局そのまま先を行きます(笑)。
(金山の辺りは満開のてんにんそう)
この先もテンニンソウや咲き始めのサラシナショウマが見事でしたが、王岳の辺りに比べるとトリカブトは少なめ。これはこの辺りがモミやカラマツの植林帯が多いせいでしょうね。
大石峠への下りは雨が降ったと思えばガスが出て、時折晴れ間が差し込むめまぐるしいほどの天気の変化。でもその中を歩いているとドラマティックでそれも良いですね。(^^)
(さらしなしょうま も咲き始め)
(大石峠は満開のゆうがぎく)
大石峠に下ると周囲は再び晴れており、草原の花はほとんど終わっているもののの低い草地は一面満開のユウガギク。黒岳もそうだし個人的にはこの花も御坂のイメージが強い花です。
峠への下りしな傘はささなかったものの下半身はずぶ濡れになったので、だれもいないことを良いことにズボンを乾かしつつしばし休憩。今回も前回と同様大石ではなく芦川側の上芦川へ下りました。
(上芦川への下りしな)
芦川側の峠みちはおそらく5年ぶりだったと思います。こちらの方は大石側とは違って雑木林の好ましい道のりで短いながらもなかなか素敵な道です。レンゲショウマもまだ残ってたし。それに若彦トンネルの工事とも無縁で変わったところは見られませんでした。
んで上芦川へ降りたあとは時間にも余裕があるので芦川村唯一の酒屋のある新井原まで足を伸ばしました。相変わらずロング缶は「辛いの」しかないのが不満ですが(笑)、こんな所で贅沢も言ってられません。そうそう前から気になっていたんですけど、この店(丸川亭)特製の焼き肉のたれ、ちょっと興味あるんですけどどなたか買われた方いますか?感想および人柱さんをマジで募集中です。小家族だと買う勇気もなかなかでなくて・・・(笑)。
・・・・・☆
◆ 2008.09.06 (Sat) 晴 時々 曇 一時 雨
河口湖駅 07:38→ 根場民宿BS 08:10- 取付 08:45- 王岳 09:45/10:00- 鍵掛峠 11:00/11:30- 鬼ヶ岳 12:30- 雪頭ヶ岳 12:40/12:55- 節刀ヶ岳 13:40/13:50- 大石峠 14:40/15:00- 上芦川 16:00- 新井原 16:10
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コメント
ゴン太さん、ba_sobuさん、こんばんわ。
ほんと王岳周辺のブナはかなりショックでした。ある意味丹沢ならわかるんですけどね。あちらの方はまめに通ってないのでよくわからないんですけど、特に王岳南尾根の枯れている辺りのブナは以前から樹勢が弱いような気がしてはいたんです。
本当に原因は何なんでしょうね。原因の一つとしては去年以前からあの辺りにハバチが発生していた可能性もあるのかなぁ、と。とはいえハバチの発生メカニズムがわかるのもおそらくかなり先のことだろうし。。。とにかくこんなことが他所に広がらないことを祈るのみです。
投稿: komado | 2008.09.09 21:04
王岳のぶなの立ち枯れ わたしも7月に見たとき
あまりの景色に 泣きそうになりましたよ、
投稿: ba_sobu | 2008.09.08 23:43
komadoさん、こんばんは~。
連続で芦川でしたか~。
今回は新井原の酒屋さんに寄られたのですね。あそこのビールの銘柄は私も何とかして欲しいと思っています(笑)。まぁ、あんな田舎の酒屋さんなのに日曜でも営業しているので贅沢は言えませんけど…。
焼き肉のたれ、私も興味あります。私は一人なのでkomadoさんよりも、もっと使い切れないでしょうが、お肉の方をたっぷり用意してくれれば、人柱になってもいいですよぉ(笑)。
と冗談はさておき、御坂のブナの立ち枯れはショックですね。ブナの立ち枯れなんて丹沢だけでじゅうぶんだと思っていたのですが、原因は空気汚染だけではなくて、温暖化や生態系のバランスの崩れからくる虫害などもあるのですね。
今のペースで温暖化が進むと2100年には白神山地のブナ林も消えてしまうそうで、ほんとに私たちが少しずつでも出来ることをすべきですね。
投稿: ゴン太 | 2008.09.08 23:19