« 三条新橋~黒川山 8の字めぐり | トップページ | 下部の山上集落を訪ねる 2 »

2008.01.21

下部の山上集落を訪ねる 1

B080121a
(三ツ沢峠への道すがらにあった神社)

三方分山から御坂主稜を外れて蛾ヶ岳へ延びる芦川南稜の周辺を歩いていると、次第に気になってくるのが芦川南稜の南斜面に点在する旧下部(しもべ)町の山上集落とそれらを結ぶ破線路の事。

とはいえそれを日帰りで一気に繋げて歩くとなるとちょっと長いし、日の長い時期ならそれも問題ないんだろうけど今度は藪が出て道探しに苦労しそう。ということでかねてよりどうやって歩こうか思案していたのですが、精進湖に泊まれば日の短い今の時期でも余裕を持って歩けるんじゃないかと言う事にふと気がついて、先週末(01/19)になってようやく実現に漕ぎつけました。

B080121b
(朝の精進湖)

さすがに朝の精進湖は標高が高い事もあり寒い寒い。夜明けの富士(残念ながら朝焼けは見られなかった模様)を狙って湖畔に並ぶカメラマンを尻目にそんな富士には目もくれずさっそく精進峠への道を登りはじめます。

登山口にあった古い案内板には精進峠ではなく三ツ沢峠となっていましたが、これは峠の名前にはよくある事ですね。道自体は道標こそ少ないものの至って明瞭で、雪も全くなく急な道をすいすい。40分ほどで精進峠に到着しました。

B080121c
(精進峠から三ツ沢への道、上部は道形なし)

精進峠で一休みしてからまだ残っていた「<下部町」道標の従ってさっそく三ツ沢へ下りはじめたのですが、下りだしこそあった道形はすぐに消滅。周囲を捜してもそれらしきモノはなく、左手の沢は崩れているので右手にトラバースしながら適当に下っていきます。エアリアの「荒廃」という言葉はボク的には大したことないと思っているのですが、ここに関して言えばその通りでした(笑)。

それでも下って行くにつれ次第に道形らしきものが現れ、1051mの沢が合わさる手前辺りでカラマツ植林が切れるとようやく道形もハッキリします。しかし1051mの沢が合わさる辺りは地形図と実際の地形が違っているので、もし登りにとられる奇特な方がいらっしゃたらご注意のほどを。

B080121d
(三ツ沢の様子)

やがて水流が現れると恩賜林の境界標が現れ、三ツ沢をパスして三ツ沢峠(の近く)へ延々とトラバースする破線路が分かれます。試しにこの道も辿ってみたのですが道は細く、ちょっと崩れかけていてなんかイヤらしい感じ。ただ道自体は恩石標を追う感じで延びている?ようでわかりやすいのかも。そしてその分岐を過ぎなおも下り、左手にワサビ田跡?を見るとあっけなく三ツ沢の集落に降り立ちました。

空き家の多い集落を通ってお次は三ツ沢峠へ向かう道に入ります。ここで再び登り返しのはじまりで、実際には道は地形図の破線とは違って、せっせと登って尾根上に上がった所あったのがトップ画像の神社。(これも地形図の神社とは違う)

B080121e
(三ツ沢峠にて)

神社からは道は尾根上を行くようになり、植林を抜け気持ちのよい雑木道に変わります。梢越しに南アの雄姿も見えて気分も上々。しかし三ツ沢への下りしなに分かれたトラバース道の合流点がわからず、しばらく捜索したのですが結局わからないまま三ツ沢峠に到着。

峠には三方分山からの明瞭な登山道が来ており、大八坂(はっさか)まではこの道を辿る段取りです。この道、精進湖・四尾連湖ハイキングルートと銘打っており、三方分山へは藪の残る稜線を避けて行けるいわばメインルート。

B080121f
(反木川を越えるとようやく日差しが差し込む)

峠から反木川へ下っても気持ちのよい落ち葉道は続いて、石仏があったり八坂の大ミズナラを鑑賞したりしてなかなか楽しい道のり。そして反木川(と言ってもすでに涸れている)に降り立つとヌクド峠からの道と合わせるのですが、ここにはホダ場と放置された小屋があって、近くにはなんと水道も引かれています(!・林道が近いとはいえ山中なのに)。ここは昔なんだったのでしょうか?

そして反木川を越えると南斜面に変わりようやく日差しが常時差し込むようになりました。

B080121g
(林道に出れば大八坂はもうすぐ)

なおも気分良く歩いていると道はじきに林道に上がってしまい、あれあれ?道は大八坂を通るんじゃないんだと気がついてもあとの祭り。分岐点を捜すのも面倒なのでそのまま展望の良い林道を行く事にしました。

大八坂は想像通りの急斜面に張り付く明るい山上集落で、周囲を見てみると富士も本当に頂上の辺りだけ顔を出していました。ここで一つ目の道祖神を見つけ参拝したら、今度は御弟子(みでし)へ向かいます。

B080121h
(林道は雑木林も多くそう悪い雰囲気ではない)

とはいえ大八坂から御弟子までは林道を歩くだけ。展望はいいし、斜面の林も植林ほどほど雑木林が多くて雰囲気は決して悪くありません。

それに今回新しい地形図(市川大門)では林道の全貌がきちんと記されていたので助かりました。途中林道を外れて山道を歩ける所もあるのですが今回は行程が長いのでパス。でも上から見る限り道筋が見えるところもあるので道はそれなりに残っているようです。

B080121i
(御弟子の様子)

とはいえもともと林道嫌いでもあるしそんな林道歩きに飽きてきた頃、ようやく御弟子に着きます。ここも大八坂と同じような雰囲気で開放感のある気持ちのよいところです。

さてさて、かねてより御弟子を一度訪れてみたいと思っていた理由の一つが↓の道祖神。詳しくは云いませんが(笑)気になる方は「上折門 双体道祖神」でググって見てくださいねっ。(;^_^A アセアセ・・・

B080121j
(左は上折門の、右は御弟子の?詳しくは云いませんよ~ ^^;;;)

目的の道祖神に挨拶したらお次はこの日のメインディッシュであり、かつ今は廃村になっている上折門と下折門へ向かいます。
 
 
・・・つづく。(^^)
 
 
・・・・・☆

この日のREPはこちらをご覧くださいませ。(^^) 
 

|

« 三条新橋~黒川山 8の字めぐり | トップページ | 下部の山上集落を訪ねる 2 »

【御坂・天子・富士 2008】」カテゴリの記事

コメント

ba_sobuさん、こんばんわ。

桃や桜の事を聞いて、こういう山上や山間の集落は春が一番華やぐことを思い出しました。たしかにそうやって人の住みかを同定する事もできるそうですね。

今回はまず一気に歩きたかったから花粉のない今の時期になってしまいましたけど、次からは山ののぼりしな下りしなにもっと丁寧に訪れてあげたいと思っています。花の咲く時期、葉の開く時期、紅葉の時期。そおいやこの辺りは冬か早春にしか訪れてなかったことに気がつきました。

今度はいのちの息吹をもっと感じられる時がいいかなぁ。。。

投稿: komado | 2008.01.23 22:43

ゴン太さん、こんばんわ。

ホントあの辺りを歩けば八坂などの山上集落は絶対に気になる存在ですよね。ボクは歩き始めて間もなくからあの辺りの集落を繋げて歩いてみたいと思うようになっていました。でも道の事情はわからないし、そもそもなかなか足を伸ばせるところでもない。だからどうやって歩こうか、実行に至るまでホントにいろいろ考えていたんです。

藤井本では八坂について「・・・一瞬、現代のシャングリラを垣間見る・・・」と書かれていて、実際の光景はそれも決してオーバーな表現ではない、というかうまいなぁ、というか実際訪れてみてボク自身頷けるものだったのです。

投稿: komado | 2008.01.23 22:34

早く 続きを読みたいです。

去年の春、近くを歩いたとき、穏やかな山並みを眺めていると、山の中腹にポツンポツンと桜や桃が固まって咲いているところありました。あのあたり もしかしたら廃屋やもと畑があったのではないかと・・・

ひとけのない山の中に、石垣の組まれた段々の地形や小さな祠にであうと、昔のようすを思い想像力がかき立てられます

Komadoさんだから こういう歩き方で出来るのでしょうね。(^-^)
せめてその片鱗でも覗けたらなぁ。

投稿: ba_sobu | 2008.01.23 11:31

>三方分山から御坂主稜を外れて蛾ヶ岳へ延びる芦川南稜の周辺を歩いていると、次第に気になってくるのが芦川南稜の南斜面に点在する旧下部(しもべ)町の山上集落

ああ、そうそう! 私も蛾ヶ岳~三方分山を歩いたとき、あの山上の集落がすごぉく気になってました。

山のとんがりばかりに拘らず、こういう歩きも好いですよね(って私のスキルじゃこの破線は無理ですけど…)

1/19に歩かれたってことは金曜の夜に精進湖にお泊まりだったのですか? わりと近くを歩いていたようですね。なんとなく近くにkomadoさんがいる気がしたんですよ(笑)、いやホントに。。。

投稿: ゴン太 | 2008.01.21 23:12

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 下部の山上集落を訪ねる 1:

« 三条新橋~黒川山 8の字めぐり | トップページ | 下部の山上集落を訪ねる 2 »