« 神に選ばれし唄い手 | トップページ | 菰釣山南東面・重厚な林を歩く »

2007.12.11

三ツドッケ・長らくご無沙汰でした

B071211a
(茅尻沢左岸尾根末端部の緩斜面)

もともとこの辺りは三ツドッケよりその下にある一杯水避難小屋の方に愛着があった上に、例の違法伐採おじさんの件もあって(苦笑)三ツドッケの山頂に上がったのはおそらく「花のひかり」をはじめて以来初めてのことだと思います。

まぁあの件も立件されて随分経ったので、今更ながらどんな様子になったのか見てこようと日曜(12/09)に4年ぶりに訪れました。

B071211b
(塩地谷の水源林巡視路にて)

とはいえヨコスズ尾根の往復では行程的にあんまりなので、今回は倉沢スタートでまずは倉沢林道をてくてく歩いて魚留橋を目指します。今回は倉沢で降りたのは私だけでしたが、最近は日原行きのバスに乗るたび倉沢に必ず停まるようになっていまして、これは明らかに松浦さんの本の影響なのでしょうネ。

冬らしいピンと張りつめた冷たい空気の中を歩くのは気分も引き締まり決して嫌いではありません。しかも前の晩雨が降ったらしく空気が澄んでいて、それが気分をより良くさせてくれます。

B071211c
(塩地谷 小ガッコー沢出合附近にて)

魚留橋に出たらさっそく塩地谷の巡視路に入り、ひと登りして道が水平に変わるとその先は落葉したお陰で姿を現した滝を見ながらの楽しい道のり。ルンルン気分で茅尻沢を渡り1388m峰南東尾根というか茅尻沢左岸尾根末端の緩斜面に上がって一休み。

この辺りも林の美しい和める広がりで午前中は日差しも燦々と入り、パンを頬張りつつ休んでいるともうここ止めたくなってしまうような気持ちのよいところ。それでも先はまだ長いので休憩はほどほどにして、ここから棒杭尾根へ登っていく巡視路と別れて沢歩きのはじまり。すぐ先が滝になっているのでまずは右岸尾根を上がって高捲きます。

B071211d
(こんな滝を見ながら歩きます)

再び沢床に降りるとまもなく小ガッコー沢との出合で、ここが目的の1388m峰東尾根の末端部でもあるのですが、左手の斜面は切り立っていて取り付くしまが全くありません。

しょうがないので左斜面を注意しつつなおも先を行くも取り付く適所がなかなかなく、棒杭谷の出合(両岸の迫った左が塩地谷)を過ぎ、次の8m滝を左から捲き終えると(990m圏)ようやく左斜面が緩んで、少し休憩してから尾根に取り付きました。

B071211e
(1388m峰東尾根はこんな感じ)

傾斜が緩んだとはいってもそれは今までに比べての話で尾根は時折岩場を交える急登の連続。黒木の許アセビ茂る中をせっせと詰めてやがて主尾根と合流と言っても合わさった主尾根もただの急斜面だったりして(笑)。

それでも周囲の開けた所が二箇所があって塩地谷をめぐる山肌をチェックできた(落葉を終えた今の時期だし)のが嬉しかったです。そして一旦小ピークに上がって登り返すとようやく1388m峰に到着。ただちに一杯水へ向かいます。

B071211f
(三ツドッケ山頂)

一杯水避難小屋で少し休憩してから三ツドッケの山頂へ登ると・・・あぐあぐ、なんでしょうこりは。伐採おじさんが全てを伐りきる前に出頭したせいか??山頂の北西側には木が残っていましたが、あとは遮るものなし、なすごい展望。

んが、周囲を見るとあのおじさんは伐採したままその木を放置してたんですね。これがかなり見苦しいというか汚らしいというかかなり杜撰なやり方。日原側はおそらく都が整理したようでスッキリしていましたが、秩父側はおそらく当時のままなのでしょう。

B071211g
(三ツドッケより蕎麦粒・川苔・本仁田方面)

でもこれが違法の元に行われた事を示すにはむしろこのままの方が象徴的でいいのかも知れない、と今この記事を書いていて思いつきました。

しかし下から2時間から3時間弱で登れてこれだけの展望が楽しめる山にしては人はまばらで、冬のお昼過ぎとは云え今のところは穴場になるのかな?というか今後エアリアとか雑誌とかガイドがこの山をどう扱うのかがちょっと見物ではありますね。意地悪な見方だけど(笑)。

B071211h
(横スズ尾根上部は雪がちらほら)

山頂でのんびり休憩というよりは附近の確認に時間を費やしていたら、周囲が曇って寒くなってきたのでそろそろ潮時のよう。来た道戻るのも面白くないので西廻りで一杯水に降りてからはヨコスズ尾根を下ります。

近年こそあまり頻繁には歩かなくなりましたが、ここは自然林が美しくいつ歩いても気持ちが良いですネ♪しかもうっすら積もった雪が見た目にも歩きにもいいアクセント。

B071211i
(滝入ノ峰からの下りしなより)

あとはそのまま下るのではなく、途中で滝入ノ峰にも寄ってざくざくと落ち葉のラッセルを楽しみ、旧日原小経由で東日原へ下りました~。

そうそう東日原の酒屋さん、最近雰囲気がちょっと変わりましたネ。(^^)

・・・・☆
 
◆ 2007.12.09 (Sun)  晴 時々 曇
奥多摩駅 08:32→ 倉沢 08:55- 魚留橋 09:35- 茅尻沢 10:05/10:15- 8m滝捲き終える 11:00- 1388m峰 11:55- 一杯水避難小屋 12:10/12:20- 三ツドッケ 12:35/13:35- 滝入ノ峰 14:35/14:45- 旧日原小 15:35- 東日原 15:40
 

|

« 神に選ばれし唄い手 | トップページ | 菰釣山南東面・重厚な林を歩く »

【奥多摩 2007】」カテゴリの記事

コメント

リブルさん、三ツドッケ行かれたこと無いんですか!

意外というよりリブルさんならわかると思いますけど、一昔前なら一杯水から上がるところだってスズが被っていて、あれじゃぁ登る人が少ないのも頷けたものですね。

それなら純粋な気持ちで楽しめるかも。今の時期の快晴の時なら朝早いバスに乗って一気に登るといいかもですよ(^^)。

投稿: komado | 2007.12.12 23:22

komadoさん、こんにちは。

何度も一杯水には行っているのに、三ツドッケって、実は登ったことないんですが、天気も最高だったようですごい眺望ですね。秋は空気が澄んでいるから、もちろんよく見えますけど、昔よりも空気がきれいになったような気がしませんか?

もう日影には雪があるようで、そろそろ軽アイゼンを出して、爪の錆を落とさなきゃですね...。

投稿: リブル | 2007.12.12 20:54

まぁ林道に比べたら遙かにマシ・・・と言いかけたけど、これって論理のすり替えでともすれば伐採おじさんの行為自体の正当化になりかねないのでやめておきます。

山頂の様子を今回見てみてyamyamさんが藤四郎と言っていたことを思い出しましたけどまさにその通りでしたね。コレってなんというか・・・たとえば自宅の周りを掃き掃除するのに普通はゴミを集めてちり取りに入れ捨てるものなのに、ゴミを隣人の所へ掃くだけで自宅周りだけを綺麗にするのと同じ事じゃないかなぁ、と。もう多くは云わないけどその所業がおじさんの思惑とかいろいろ象徴していると思うんですね。

ということで個人的には未だにしっくり来ない酉谷山と一緒で、これからも山頂は捲いて小屋の方へ寄る方が多いでしょう。しかしニアミスとは驚きました。ブログの方も拝見しましたけど実は元のプランも似たようなものだったのです(笑)。八丁橋打ち止めは個人的にはいいニュースかな。

投稿: komado | 2007.12.12 18:56

おはようございます。
同じ山で同じ場所からの取付だったようで・・・
軽が停まってたでしょ。あれが自分の足でした。
寝坊していつもより遅かったのですが、私のほうが早かったんですね。
一杯水避難小屋でも30分違い位だったようで、避難小屋を発つ時に大きなザックを背負ったおじいさんが登ってきた所でした。

三ツドッケの山頂、都側は水源林事務所で整理したようできれいでしたが、最初は酷いものでしたよ、木の伐り方は今の埼玉側に残っているのと同じで、カラマツなど倒れて他の木にもたれかかっているような状態でした。

経緯は兎も角、展望はいいですよね。


投稿: yamyam | 2007.12.12 07:48

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 三ツドッケ・長らくご無沙汰でした:

« 神に選ばれし唄い手 | トップページ | 菰釣山南東面・重厚な林を歩く »