菰釣山南東面・重厚な林を歩く
(避難小屋から菰釣山への道すがら)
さてさて遅れ気味に進んだ紅葉もようやく終わり、ダニの多い西丹沢もあまり気にせずに歩ける時期になってきました。ということで先週末(12/15)は四月以来となる菰釣山南東面の周回をしてきました。
今回も道志側であるサガセ西沢のゲートから出発。ゲートまでの林道は4月の時に比べて若干荒れているようで、果たしてこのレベルでタクシーが入ってくれるのか・・・ちょっと??でしょうね。それでもこれが塩山だったら・・・(以下略・笑)。
(クッキリとした富士山も久しぶり・菰釣山より)
好天の予報に反してすぐ間近に見える相甲国境稜線には雲がかかり、あぁやっぱり丹沢は不安定だなぁ・・・とガッカリしたのもつかの間。稜線に上がって菰釣山へ向かうとガスは切れ、日差しも差し込んできたのでそれだけで喜んでいたら・・・
なんと山頂に着くと山頂周辺は↓霧氷がついていて、ビックリするやら嬉しいやら。その上見られるかどうかヤキモキしていた富士もくっきり見えてもうもう言うことなし。個人的には順光かつ立派な富士にお目にかかったのもかなり久しぶりのことでした。
(菰釣山頂周辺は霧氷ができていた)
山行き序盤にしてクライマックスのような光景に出会ってしまい、これからがメインなのに却って困ったな・・・と思いつつ南東尾根(シキリ尾根)を下りはじめましたが、やはりここは違いますね。
分岐こそマーキングがついていましたが幸いに道中は一切なく、あとはブナにモミなど個性豊かな幹に枝振りの木々を愛でながら下る感じ。大木ばかりでなくスズに負けじと若木も頑張っていて、鹿が増えてしまった山をメインに歩いている身にはそれがまた新鮮でもあります。
(菰釣山南東尾根のくだりしな)
そんな素敵な道のりはシキリ沢の源頭ピークである1000m圏峰で一旦お終い。前回は白水ノ沢へ落ち込む主尾根をそのまま降りましたが、今回は南へ分岐して末端部に823m峰のある枝尾根のシキリ沢右岸尾根を降りてみました。
しかししかし・・・ここからはもう主尾根と同様植林の続く趣に乏しい尾根だと思っていたのですが、尾根の東側こそ植林帯でしたけど西側は先程と変わることない自然林が広がっていてこれにはビックリ。
(シキリ沢右岸尾根で見かけたモミの巨樹)
途中で見かけた5m近い?モミをはじめ巨木も多く、いや~ハナからこちらの尾根を降りるべきだったと思ってしまう素晴らしさ。これには参りました。
そんな様子に一度940m圏で東の尾根に巻き込まれましたが、引き返して尾根を辿ってみれば尾根西側の自然林を共に歩いていく感じで、尾根の肩といった様子の823m峰からは西の枝尾根を降り間もなく林道に着地します。
(富士見峠に近づくと展望が広がる・屏風岩山と奥に檜洞丸)
ここから富士見峠まではこの林道を歩く段取りなのでさっそく歩き出すと、この林道が先程までと同様の素晴らしい自然林が広がっていてまたまたビックリ。この林道は確実に植林帯を通るだろうと思っていたのでこれも嬉しい誤算でした。
でもそんな様子に喜びながらも少々疑問を持っていたのですが、それも間もなく現れた「菰釣学術参考保護林」の看板でようやく納得。要は主にイデン沢(コモツリ沢・菰釣沢)の流域が学術参考保護林に指定されていたからこそ、南東尾根もシキリ沢右岸尾根もあれだけの林を見られたのですね。
(富士見峠にて・富士は念じてください・笑)
ということで保護林の範囲から外れれば林道端の林も当然の如く?植林に変わってまもなく大栂~富士見峠の尾根を乗り越します。富士見峠はここからひと下りした鞍部で、さっそく峠へ降りるとその名前の通りに富士を確認。そして峠の反対側には地蔵平へ下るであろう思いの外明瞭だった道筋と苔むした道標が残っていました。
峠は辺りの木々が育っていまひとつ暗いので結局林道上でランチ。車は来ないし明るくて開けているからまぁいいか。でもここで休憩中にご夫婦のハイカーが通りがかったのにはちょっと驚きました。やはり来る人は来るんですねぇ。。。
(大栂への登りしな)
ランチを終えれば後は大栂に上がって菰釣を目指すだけ、なのですがやはり登りですからねぇ。。。標高差はそんなにないにしろちょっとしんどいかも。こちらの尾根は元は登山道だったようですし今でもそれなりに歩かれているせいでしょうか、道筋は富士見峠からひと登りして飛び出した伐採跡の辺りを除いて基本的に明瞭で歩きやすいです。
というか当初は逆コースも考えていたので(笑)この歩きやすさを考えるとこのコースで正解でした。
(大栂山頂・バックは菰釣山)
そんな急な登りも1100m圏に上がると地形図通り緩んで、再び変わった自然林の中をゆるゆる行くと大栂に導かれます。大栂は小笹に敷き詰められた広い山頂は雰囲気があってなかなか佳いところです。
そして思いの外立派に聳える菰釣山に驚きつつも、一度大ダルミに下って登り返せば思ったよりは楽に行ける感じでしょうか。こちらもスズタケは被るものの下道は非常に明瞭。前回は敢えて寄らなかった三角点も今回は無事に逢えて、菰釣山の山頂に戻りました。
(大ダルミから菰釣山への登りしな)
さすがに霧氷は溶けてなくなり、西日の当たる山頂は朝とはまた違った佳い雰囲気。まだなんとか姿を見せてくれた富士を眺めつつしばらくボーっとしてたら、この日の行程が甦って疲れはあるけど良い気分に浸れます。新緑も花も紅葉ももちろん素晴らしいけど、今の時期の山はまた違った味わいがあって、と言うよりボクは今の時期の山が一番好きなのかもと思ったのでした。
しかし菰釣の南東面は凄いね。ボクは丹沢初心者ですけどここは西丹沢の核心なのでは?と思ってしまったほどです。というか丹沢のこのくらいの標高の所も昔はここと同じような感じだったのかなぁ、と歩いていてフト思ったりもしました。歩けば歩くほどズブスブ嵌る西丹沢。今回もやはりおそるべしだったのです。
・・・・・☆
ということでこの日のREPはこちらをご覧ください。(^^)
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