(カンマンボロンと洞ノ岩の空洞)
さて秋の飯豊スペシャル山行も無事終わり、これからは徐々に寒くなってホームの山山の季節になってきました。それでも今年の紅葉の遅れの具合から近場の見頃はまだ少し先のようなので、今週(10/20)はちょっと高いところ・・・奥秩父の瑞牆山でした。
今回は刊行されたばかりの筆まかせさんこと松浦隆康さんの「バリエーションルートを楽しむ」に載っていた瑞牆山西尾根にあるカンマンボロン経由で上がるつもりで、まずはタクシーで取付のあるみずがき大橋へ向かったのですが。。。
(みずがき大橋・ここが登山口)
あの・・・ボク自身瑞牆山荘からみずがき山自然公園を通って小川山林道を結ぶ林道が出来ていることを全く知らずに、タクシーを天鳥川沿いのダートの林道(ヘルシーランドへ向かう道)に入れてしまった。まずこれが第一の間違い。まぁこれは新しいエアリア地形図やを見せてもらい間違いに気がついて、少しの歩きで登山口であるみずがき大橋に到着。さっそく遊歩道を歩き出しました。
カラマツ植林の中方々に延びる遊歩道の中で沢に沿うようにそして上へ上がるような道を選んで行き、「この道は登山道ではありません」という標識を見るとここで道は細い山道に変わりますが道筋はしっかりしています。じきに沢に沿っていた道が尾根へ向け登りに変わるとさすがは瑞牆山だなぁと思わせる様々な形の巨岩を見るようになり、やがてとある分岐点に出ます。
(尾根北面はこんな感じ・間違い岩峰より)
その分岐の双方向には赤スプレーで「↑カ」と「ミ↑(瑞牆??)」と描かれていたので「カ」がおそらくカンマンボロンだろうと思い込んでカの道へ入って行くと、道はひと登りで巨岩の基部に出てその基部を西へ回り込むように登ると西尾根の鞍部に上がりました。
カンマンボロンはドコよ~??と思いつつ尾根を西へ行くと、上がれそうな岩コブがあったので何とか這い上がると↑そこはほぼ360度開けたところで、瑞牆の岩塔群が並んで聳えておりなかなか壮観な風景が広がっています。
(道中は黒木の中に紅葉を見る感じ)
とはいえ、ここはここでたいへん良いところだけど明らかにカンマンボロンじゃないよ。ということでなぜかここで本のコピーが出てきて(笑)それよく見てみると今歩いたのは本で書かれたX印のルートだったことが判明してこれが第二の間違い。あの「カ」のスプレーは単に間違いなのかそれとも別の意味があるのか。。。とにかくここは引きこまれないようにご注意ください。
実際の分岐はそのスプレーの描かれた分岐から「ミ」の道を奥(東)へ少し行くと記述通りに根が岩を抱えたコメツガが居て、そこがカンマンボロンへの本当の分岐。さっそく急な踏み跡をたどり岩の基部に出たところで右へ行くと例のブナの巨樹も発見。そこから上へ少し行き見上げるととこれまた迫力のある洞ノ岩の空洞が目を引きます。
(登山道合流点手前にある枝尾根の鞍部より)
ところがここまで来ても肝心のカンマンボロンがよくわからない。とりあえずすぐ左手に岩に挟まれた人の通れそうな狭い隙間があったのでそこを入ってみると、すぐ先が狭いながらもちょっとしたテラスになっていて周囲が開け、そして先程の空洞も先程以上の迫力で迫ってくるちょっと良いところでした。
暫くは景色を楽しんだり写真を撮ったりしたものの、じゃぁカンマンボロンはどこよ?ということで再び捜したんですけど、あれっ後のってもしかして・・・とその後の岩壁をよ~く見てみると、あっ これがそうなのっ!って感じでようやくカンマンボロンとご対面(笑)。ふぅ、ずいぶんと時間がかかったな。でもお陰でいろんな所を見られて楽しかったからまぁいいや。
(八ヶ岳も白いものが・合流点近くより)
んで本来の道に戻ればあとは黒木の中、尾根の南側を捲くように付けられていて、まばらに色づく紅葉を愛でたり風光明媚な巨岩を見たりしながら登っていくと、枝尾根の鞍部出て右脇には富士がひょっこりと顔を出しています。そして梢越しながら上部にボチボチ見えていた細長い岩頭は大ヤスリ岩だったことがここでようやくわかりました。
ここまで来ればもう登山道との合流地点も推測できて、なおも急になった道を一頑張りすると大ヤスリ岩の基部に出ます。ここは西側の展望がひらけてこの日はじめてとなる八ヶ岳とのご対面で高い所はさすがに白くなっていました。
(登山道合流点より大ヤスリ岩を見上げる)
その基部を東へ行くと富士見山荘からの登山道と合流しますが、登山道に出た途端まぁまぁなんとすごい人人人。天気は良いし紅葉も見頃だしそこそこの時間で登れるし深田百名山だし・・・まぁこれだけの人出も納得ではあるんですけど、想像よりも遙かに多くてそういう山に慣れていない身にはただただとまどうばかり。
結局渋滞したりのんびり休憩したりして(笑)山頂までは思いの外時間がかかってようやく到着。到着が遅れたお陰で山頂も人で溢れていましたがこれでもマシな方なのでしょう。でも好天もあって展望は本当に素晴らしく、人気があるのは当然っちゃぁ当然なワケなんですよね。(^^)
(瑞牆山頂より大ヤスリ岩を見下ろす)
(同じく・小川山)
(同じく・金峰山、カラマツが多い)
でも混んだ山頂でランチをとる気はしなかったので先程の展望の良い大ヤスリ岩の基部まで戻ってから八ヶ岳をおかずに?ランチ。そしてランチを終えればあとは瑞牆山荘へ下るだけです。その下りは急な分だけ紅葉を愛でつつもすいすい行けます。
それでもヤナギ坂の登り返しが下りと決めた体には少々しんどかったりもしましたが、富士見山荘を過ぎるとミズナラ主体の自然林に変わって瑞牆山荘までがもう一つのハイライト。紅葉には少し早かったのですが、というか近年マトモに色づかない状況を考えると下手な紅葉より色の抜けかけた明るい緑の方がいっそ美しい。そしてそれが西日に当たって殊の外美しく、その夕日に向かって下るのは偶然とはいえ最高のフィナーレでした。
(富士見平より下は見頃までもう少し)
瑞牆山荘に着いたらもう16時を過ぎていたので韮崎駅直通のバスは終わっており、あとは増富温泉止まりの終バスしかありません。心も体も落ち着くとバスがやってきて、さっそく乗り込むと運転手さんが「韮崎まで行かれる方は手を挙げてくださ~い」と言ったので手を挙げたら、なんと「5人以上挙がっていますので韮崎駅まで行きまーす」とのこと。ラッキー!!これで一時間は早く帰れる。しかしこの路線がこんなシステムになっていたとはまったく知らなかったです。
そんなわけで直通とわかればあとは・・・ということで発車時間の短い間にビールを買い込み(笑)バスは出発。車中は運転手さんの興味深い話に耳を峙てながら聞いたり、ビール片手に甲斐駒のシルエットを眺めたりと至福のひとときでした。(^^)
・・・・・☆
◆ 2007.10.20 (Sat) 晴
みずがき大橋 08:20-(道間違い30分ロス)- 本当の分岐 09:41- カンマンボロン 09:55/10:15- 枝尾根の鞍部 11:25/11:35- 登山道合流 12:15- 瑞牆山 12:45/13:05-(途中休憩50分)- 天鳥川 14:50- 富士見山荘 15:20/15:30- 瑞牆山荘 16:05
韮崎駅~ヘルシーランド タクシー ¥9000程
発泡酒(ロング缶・瑞牆山荘) ¥350
瑞牆山荘~韮崎駅(山梨峡北交通) ¥2000