北アの「北アの展望台」へ 2
(樅沢岳と西鎌尾根の緩やかな稜線・鏡平山荘より)
二日目(08/14)は朝食を4時半にとり、5時ちょい前に出発。食事付きだと用意も後片づけも必要ないから本当に楽です。まだ薄暗いけど空には雲一つなく今日もいい天気のよう。ぐっすり眠れたこともあって爽快な気分で歩き出せるのはほんとうに素晴らしいことですネ!(笑)
昨日歩いた林道を20分ほど歩くと小池新道の登山口で、ここから山道に変わってしばらくはミソガワソウ(気にしてからは初めて見た思う)を見ながらの広い河原歩き。振り返るとドーム状の岩山だけが朝日を浴びて輝いていたので何の山?と思っていたらどうやら焼岳のようです。
(弓折岳分岐より笠ヶ岳方面)
歩き出しから一時間ほどで秩父沢に到着。少し休憩していると後から来た人に「アレは槍ヶ岳」と言われて、槍穂はこんなに近いんだなぁと改めて気がついた私はやっぱりおのぼりさんですわ。
でもその槍穂の稜線のお陰でこの道はずっと日影が続いて一番標高を稼ぐ箇所でもあるし、暑い時期は有り難い道です。シシウドヶ原で一度日差しが当たるようになったけど、鏡平らへトラバースするとまた日影に入り、強烈な日差しの差し込む日向に出たと思ったらそこが鏡池でした。
(はくさんいちげと・・・)
もう8時近いというのにすぐ先の鏡平小屋の周りは人で溢れかえっており、そそくさと通り過ぎて弓折岳への登りに差し掛かったのですがこの日はこの登りが一番きつかった。暑いし風はないし、その上低山ハイカーの悲しさかこの標高になるとはやりちょっとしんどい。
途中、逃げたつもりが自ら袋小路に入ってしまい人様のカメラの餌食になっていた(笑)ノウサギを撮影したり、花を愛でたり、徐々に広がる展望を楽しみながら登っていき、ようやく尾根上に上がるとそこが弓折岳の分岐。日差しは相変わらすだけど爽やかな風が通っていたので、少々休憩。休憩中もハイカーが次々と通っていきます。
(双六小屋への向かいしな。左・双六岳、小屋の奥は鷲羽岳)
さて、ここからが良すぎる天気のもと周囲の山山をそして足下の花をめでながらの本格的な稜線歩きのはじまり。相変わらず人は多いし南や西方向からガスが近づいてくるようにも見えるけど、気分が悪いわけありません。
ルンルン気分で小刻みなアップダウンをこなし、行く先に双六小屋が目にはいるようになると道は尾根を外れて、すぐに小屋・・・と思ったらここから小屋までが意外に長かった。それでも分岐から小一時間ほどでハイカーで溢れる双六小屋に到着です。
(双六岳の登りはじめはくっきり見えていたのに・・・)
ここでランチにしようと思っていたんだけど日影もテーブルもすでにみんな埋まっており、用足しなどしながら空くのを待ってテーブルでランチ。ここでようやく姿を見せてくれた裏銀座の稜線をボーっと眺めていました。
でもここはジャンクションでもあるせいか相変わらずハイカーが次次とやって来るので長居も顰蹙でしょうから適当なところで切り上げて、双六岳へ向かいました。
(双六山頂につく頃にはガスがかかり・・・)
しかしここの登りがこんなに急だったとは意外でしたが、もう高度に慣れたのか?これまた意外にスムーズに登れて、花の多いらしい捲道には目もくれずずんずん登っていきます。
そして急な登りから開放されると、だだっ広い尾根をゆるゆる行って双六岳の山頂に着きましたが、もう北東方向以外からガスが近づいており、登りしなは見えた槍ヶ岳や笠ヶ岳はもうガスの中。
(丸山への登りしなにはとうとうこちらにも・・・)
そんな山頂でちょっと休んで三俣蓮華へ向かうと人も一気に少なくなり、ハクサンイチゲにコバイケイソウも咲いてなかなか良い雰囲気なのですが、とうとうこちらも西側からガスがやってきてあっという間に覆われてしまいました。
ということで丸山も三俣蓮華もガスの中。まぁ今回の行程的にあまり痛くはないし、涼しいからいいか。黒部五郎からの道との合流点が三俣蓮華の山頂だと思っていたら、山頂はそこから東へ緩く行ったピークでした。
(黄色が映えていたミヤマタンポポ)
三角点だけカメラに収めて来た道を戻れば、あとはさきの分岐を直進して黒部五郎小舎へ下るだけ。でも黒部五郎の小屋って結構低い所にあって(標高2300mほど)丸々500m下るんですね。
でもこの道にはお花が結構あって、特に北の黒部側は緩いカール状の斜面に白い花黄色い花が一面に咲いていたんですけど、ガスっているし遠目ではよく解りません。あれはハクサンイチゲ??ミヤマダイコンソウは終わりかけていたから黄色いのはミヤマキンバイかミヤマキンポウゲ??
(この辺りはチングルマ見事・黒部五郎小舎への下りしな)
そこからもうひと下りすると今度は一面チングルマの咲いている箇所に飛び出してこれまた嬉しい誤算。チングルマは今までほとんど終わっていたので、この辺りは遅くまで雪の残る所なのでしょう。
そんなチングルマの花園を過ぎると、道はゴーロで埋まった細い溝の中を急降下。でも急であれば土の道より却って歩きやすく、遙か下に見えた小屋もあっという間に近づいて、下りきると本日のお宿黒部五郎小舎に到着しました。
(本日のお宿は黒部五郎小舎)
ここは広々とした草原の中に建っていて本当に良いところですね。小屋のベンチからは黒部五郎のカールが見えて、それがより一層そこの雰囲気を良くしているというか天国感を与えているのかも。
前日まではかなり混雑したらしい小屋もこの日は一人ふとん一枚のスペースが確保されたのはラッキーでした。話し相手にも恵まれ、流星や天の川も見えてこの日も佳き一夜を過ごすことができました。
・・・つづく。(^^)
・・・・・☆
◆ 2007.08.14 (Teu) 晴 のち 霧
わさび平小屋 04:55- 秩父沢 05:55- 鏡平山荘 07:45- 弓折岳分岐 08:40/08:50- 双六小屋 09:45/10:25- 双六岳 11:20/11:30- 三俣蓮華岳 12:45- 捲道分岐 13:10- 黒部五郎小舎 14:00
トイレ(双六小屋) ¥100
黒部五郎小舎 素泊り ¥5500
ビール(ショート缶) ¥550
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コメント
茄子さん、こんばんわ。
茄子さんに言われてハッとしたんですけど、今回泊まった&通りがかった小屋は木の壁の小屋が確かに多かったです。というか双六小屋系統はみんなそうでした。まぁ営業小屋のことはよくわからないのですけど、新しい避難小屋ではサイディングボードを使ったものが多いように思います。
ボードを使っても一応景観には気を遣っていると思うのですが、木のサイディングの小屋は周囲の景観になじむような気がしますね。でも黒部五郎の小屋のロケーションはほーんと素敵でした(^^)。
投稿: komado | 2007.08.20 21:52
ケムンパスさん、こんばんわ。
ホント8月は梅雨明けからず~~っと好天が続いたお陰でボクもその余禄に預かれた山行きでした。
そうそう今後はケムンパスさんの予想通りですけど、泊まった小屋は二つとも「ブーッ!」なんですよん(^^)。あはは。
投稿: komado | 2007.08.20 21:40
komadoさん、ご無沙汰してます。楽しそうなところ歩かれてますね。
ところで黒部五郎小舎、たしか新築でしたよね。
どんな小屋かと思ってましたが、臙脂が風景に馴染んでますね。
この屋根や壁などの外観は木製でしょうか?
投稿: 茄子 | 2007.08.20 17:25
2日目拝見いたしました。
しかし良い天気で良かったですねえ。写真はどれも綺麗ですけど、ハクサンイチゲの写真は素晴らしいです。
最終日のとある小屋、
水晶小屋か奥黒部ヒュッテ、というのは間違いないと思うんですけど、最終日のご帰宅時間から見て水晶小屋とみました。
人のコース予想ばかりしていて悲しい(笑)。
私はテント泊で2、3日山へ入っていると、下山後に無性に食べたくなるのがいつも野菜炒めなんです。野菜は体に必要だということなんでしょうね。
続き楽しみにしています。
投稿: ケムンパス | 2007.08.20 00:40