« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »

2007.08.31

低山のお花は今年も・・・

B070831a
(れんげしょうま・今年も少ない。。。)

ここ一月ほどまったく別のブログのような山の記録が続いてしまいましたが、八月も下旬に入ってようやく近場の低山に戻って参りました~。(^^ゞ

と言うことでこの時期といえば御坂か南大菩薩のどちらかというパターンなんですけど、まずは森の妖精レンゲショウマに逢いたかったので、久しぶりに御坂の主稜筋をお花見がてら歩いてきました。

B070831b
(ブナハバチの影響で林が明るい。黒岳への道すがら)

一時の暑さはないものの、やはり今の時期下から歩く気があまりしないので河口湖駅から三ツ峠入口へバスで出てからのスタート。本当はもっと楽をして天下茶屋まで行きたかったところなのですが、バスの時間がちょっと遅すぎます。

でも高山を歩いた直後って山歩きがなぜか楽なんですよね。この日も快調で歩き出しから一時間とかからず御坂峠に到着。でも峠直前から徐々に花が出てくるのに少ないな~と思っていたら、峠の周辺もやはり少ない。

B070831c
(再展開した思われるブナの葉)

峠から黒岳へ向かってもお花の状況は変わらず、どの花も少なくてホーンとに淋しい状況。おそらく7月の天候不順の影響がが大きいのでしょう。そしてこの辺りはブナの美しいところでもあるのですが、以前掲示板でかずさんから報告があった通りブナの大半がブナハバチにやられており、林は盛夏とは思えない明るさです。

それでも丸坊主になったブナは少なく覚悟していたよりはマシな状況で、おそらく丸坊主になったと思しきブナからは新しい葉が展開しており、この時期に新緑というのもなんか妙ですね。でもこの新しい葉っぱはいつ頃黄葉するのでしょう。春先の葉とおそらくズレる気はするのですが、コレも今後がちょっと気になります。

B070831d
(黒岳山頂附近にて)

花はカイフウロとオクモモジハグマがふたり気を吐く感じ?ヤマハッカやママコナもたくさん咲いているけど例年とは比べものにならないし、道端に普通に見られるはずのレンゲショウマやタムラソウもポツポツ。オオバギボウシに至っては花をほとんど見かけません。今年は大ハズレでしょう。でもトリカブトやレイジンソウ、サラシナショウマなどの秋の花も咲き始めており、登るにつれ種類が徐々に増えていきます。

ブナとツガに覆われた昼なお暗い黒岳山頂手前の分岐附近もやはり明るく、その林からパッと明るくなった所が黒岳の山頂。お花はそれなりにあるもののやっぱりちょっとさみしい。。。山頂の周りを埋めるユウガギクもようやく咲き始めといったところで今週末頃から見頃になりそうです。

B070831e
(さらしなしょうま&あさぎまだら)

展望台を往復してから主稜線をなおも西へ向かうと、破風山や中藤山への登り返しがちょっとしんどいのにこの日はホント楽ちんな感じで登れてしまったのも高山効果??花が少ない分、自分のペースでスイスイ歩けてコレはコレで非常に気持ちのよいモノですね。

そんなわけで11時過ぎには大石峠に着いてしまい、ここで日影を捜してランチ。でもここの草原のお花も例年どころか去年と比べてもかなり淋しい状況で、大ぶりのコオニユリが殊の外目立つ感じ。

B070831f
(大石峠も花が少ない)

そんなお花の少なさとは対象的に休憩を終えても歩きはまだまだ快調で、大石峠から節刀ヶ岳への登りもすいすい。節刀ヶ岳は寄りませんでしたが、マツムシソウ(大石峠附近にほとんどなかったので撮り損ねた)とコバギボウシに逢いたかったので雪頭ヶ岳には寄りましたです。(^^ゞ

鬼ヶ岳に戻って、さて下山はどうしよう。この日は吉田の火祭りがあるのでただでさえ乱れるバスの事を考えると根場へ降りるのは論外。芦川へ降りるにしても鍵掛峠まで抜けても良いけど鶯宿ではお酒が買えないので、ここは二年ぶりに鬼ヶ岳北尾根を下ることにしました。

B070831g
(たむらそう&きあげは)

さっそく鬼ヶ岳西峰??へ向かってから北尾根を下りはじめると、最近になって測量が入ったのか尾根上は少し刈り払われた様子でマーキングもついていました。んが、そんな歩きやすい道のりも1502m峰附近までで、その先はマーキングがなくなり、尾根も広がって道形は判然としません。ということで結局地形判断のスキルを要する状況に変わりなしと言ったところです。

でも今回北尾根を歩いてビックリしたのは↓このリョウブ。いったいどなたの仕業でしょう。糞は見かけなかったもののコレは気がかりですね。

B070831h
(コレってもしや・・・鬼ヶ岳北尾根にて)

下りも快調そのもの至ってスムーズで、鬼ヶ岳から一時間ほどで中芦川入沢の堰堤に降り立てばあとは林道を歩いてオートキャンプ場を抜け、芦川へ向かう段取り。30分ほどで中芦川の役場に出てもバスの時間にまだまだ余裕があったので新井原の沢妻亭まで頑張って、今回初めて沢妻亭に寄ってビールとおそばで〆ました。

ちなみにおそばは美味しゅうございましたがお店が16:30閉店なのがちょっと残念かな?ってお店がバス利用者の事なんて考えているわけ無いので(笑・冬場は14時閉店だし)コレはもうしょうがないか。でもそのあと酒屋さんのある新井原のバス停まで足を延ばして芦川のほとりでバスを待っていたんですけど、ここは川の風が吹き抜ける本当に気持ちのよい所です。お花は今年も残念でしたけど、それでも御坂は良いところだなぁと改めて感じつつまったりバスを待つのも山行きの楽しみの一つ、なんですよね。(^^)

・・・・・☆

◆ 2007.08.26 (Sun)  晴 時々 曇
河口湖駅 07:18→ 三ツ峠入口BS 07:45/07:50- 御坂峠 08:45- 黒岳 09:30/09:45- 中藤山 10:35- 大石峠 11:10/12:05- 金山 13:00- 鬼ヶ岳 13:20- 雪頭ヶ岳 13:35- 鬼ヶ岳 13:50- 水ノ沢山南鞍部 14:25- 堰堤 14:45- 中芦川 15:10- 新井原 15:30
 

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2007.08.27

北アの「北アの展望台」へ 6

B070827a
(黒部湖の朝・平ノ小屋より)

さすがに前日の疲れが残っていたか、みんなが起きだした5時過ぎには目が覚めたもののどうも起きあがる気がしません。結局6時近くまでうだうだしてから起きて、小屋の前のベンチで↑の黒部湖をボーっと眺めながら朝食を取ります。

でも昨日のうちに平ノ小屋まで足を延ばしたお陰で、今日は渡しの時間を気にすることなく動けるので本当に気が楽です。んで朝食を終えて6時半ちょい前に出発。小屋食の人はすでにあらかた出発していました。

B070827b
(黒部ダムへの道のりも相変わらず・・・)

この辺りからようやくブナなどの広葉樹が現れて暫くは黒木と混交する感じでしたが、下るにつれ広葉樹が多くなり歩いていてもホッとします。黒部湖の青い湖面を見ながら、立派なブナをめでながら歩けるなかなか素敵な道のりですネ。

しかし、暫くは↑こんな箇所もありましたけど、奥黒部から渡しへの道のように連続することはなかったのでまぁ良いアクセントだったと言えなくもないかも。

B070827c
(でもブナの美しいところも多い)

B070827d
(ロッジくろよんが見えてもまだ先は長い)

それでも淡々と湖岸沿いの道を歩いているとさすがに単調に感じるようになってきましたが、行く先に黒部ダムの堰堤にくろよんロッジが見えてくると周囲の様子も少し変わって、この辺りから一番バスで来たと思われる登山者とすれ違うようになります。

タンボ沢の広い河原で見えた針ノ木岳のその近さに驚きながら先を行くと、そのすぐ先がくロッジくろよん。ここからはもう舗装された遊歩道でまもなく観光客で溢れかえる黒部ダムに到着しました。

B070827e
(黒部ダムはさすがに観光客が多い)

B070827f
(また来ますネ・黒部ダムより)

とはいえトロリーの乗り場は左岸側にあるのでしばらくは観光放水を見ながら、下の廊下の方を見下ろしながら、そして観光客の中をかいくぐりながらダムの堰堤歩き。10分ほどでレストハウスのある左岸側に到着してフト上流側を見てみると、なんと↑ここから赤牛や水晶が見えるんですね。

山頂部にガスがかかっていたのはちょっと残念でしたけど、今回お世話になった山々に心より感謝をして、帰路につきました。

 
 
おしまい。(^^)
 
 
・・・・・☆

◆ 2007.08.17 (Fri)  晴
平ノ小屋 06:25- 中ノ谷 06:50- ロッジくろよん 09:20- 黒部ダム(トロリー乗場)09:55

トロリーバス(黒部ダム~扇沢・荷物料込) ¥1710
バス(扇沢~大町温泉郷) ¥990
大町温泉薬師の湯 ¥600
バス(大町温泉郷~信濃大町駅) ¥510
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.08.25

北アの「北アの展望台」へ 5

B070825a
(黒部湖に立山と後立山の山々・読売新道の下りしな)

赤牛岳に着くと、山頂ではなんと先客さんが一人休んでいてビックリ。歩いていて先に人は見えなかったのに。。。というか山の中の人間ってやっぱりちっちゃいから見えなかったのでしょうね。

しばらくは展望を楽しみつつ体を落ち着かせてから、ここでお昼のオベントタイム。今回は行程が長いのでオベントを朝昼と三俣小屋で作ってもらったのですが、量が若干少なめなものの朝は結構美味しく、それがまた気分良く歩けた遠因だったかも??

B070825b
(赤牛岳山頂)

今度のお昼のオベンにはなんとスコッチエッグが入っているのに狂喜して(笑)・・・って自炊形態の山行きで縁遠いのが野菜、そして揚げ物の類となると思うんですけど、野菜なら担げばまぁいいけど、揚げ物はそうはいかないから非常に貴重なんですね。

んでそんなお昼も美味しく頂いていると、あとから5名ほどがやってきて思い思いに滞在して、みんないなくなったら10時半。名残惜しいですがそろそろおいとまの時間。来た道を振り返り、今まで歩いて、そして眺めてきた山々に挨拶してから読売新道を下りはじめます。

B070825c
(赤牛より来た道を振り返る)

読売新道は長いだのしんどいだのと良く言われているのですが、それは読売新道の尾根にプラスして最低でも赤牛~水晶の尾根歩きがあるからなのでは?とかねがね思っていました。

というか読売新道の尾根だけ見れば、あのリーチで1400m程の標高差の尾根はそんなに珍しい規模の尾根ではないですよね。実際目の当たりにしてもやはり結構短いなとう言う印象。

B070825d
(同じく、薬師岳の巨体)

さっそく下りはじめると最初はザレた急降下で少々気を遣いますが、それをこなせばあとは比較的歩きやすく、黒部湖を見下ろしながら、そして振り返ると赤牛から上の廊下に落ちる口元ノタル沢の斜面が壮観です。

読売新道は赤牛岳山頂の8/8から下るにつれ標識が7/8、6/8・・・と少なくなってくるのでペース判断がわかりやすいのかも??6/8のあたりが森林限界のようでそれを過ぎると周囲には木々が徐々に現れ、お花畑を通り、やがて高木の樹林帯に入りました。

B070825e
(6/8附近より赤牛を振り返る)

B070825f
(4/8・ここで中間点??)

林はオオシラビソやコメツガなど黒木が主の自然林。樹林帯はやはり見所が少ないのかもと思っていたら、道中はなんとネズコ(クロベ)の立派な大木がポツポツと、それも途切れずに続いてコレはちょっと嬉しい驚き。

最初は幹周り3mほどのでも(ってこれでもかなり立派!)いちいちカメラに収めていたのですが、それぐらいのが次から次へと当たり前のように現れるんで終いにはその程度のは見るだけになっていました。いや~読売新道、樹林帯でも見所ありますね。というかこういう感じが黒部の特長なのでしょうか。

B070825g
(樹林帯に入るとネズコの大木が多くて驚いた)

結局赤牛から3時間ちょいで奥黒部ヒュッテに到着。ここまで来れば周囲にはブナが現れるのだろうと思っていたら結局下まで全編黒木の尾根でした。すぐに小屋脇の新鮮な水にありつき大休止、したいところだけどあんまり休むと先を行きたくなくなるのでほどほどにして平ノ小屋へ向けラストスパート・・・

と言いたいところだったのですが実は今回ここからが一番大変なところで、道中は下界のような暑さの中、水平道にありがちな桟道・梯子による高捲き下捲きの応酬でこれがエラくて本当に堪えました。

B070825h
(平ノ渡への道のりは桟道梯子による高捲きの応酬)

最後はヘロヘロしながら何とか渡しの下降点にたどり着き、腹は減ったし船の時間に余裕があったのでここで荷物を広げて早くも夕食(笑)。あとの待ち時間は奥黒部ヒュッテから前後した方と話していたらあっという間でした。

渡しは定時前に湖畔の桟橋(ってたいそうなモノでもない)に降りてないと運休になるので17時ちょい前には桟橋に降りたのですが、平発の定時になっても船の来る様子が全くありません。

B070825i
(ようやく船がやってきた!)

こういう「船は本当に来るのだろうか」という不安を持ちつつ待っているひとときって本当にイヤな時間です。イライラしながら待って、こちらの(針ノ木沢側)定時になってようやくエンジン音が聞こえたときには安堵感からか疲れがどっと出てきました。

渡し船は「丸に平」のはっぴを着た平ノ小屋のシブい主人が操舵しており、短い時間でしたが船に乗るのも不思議とゆったりした気分になれてなかなか良いものですね。おかげでヘロヘロになりながらも上々のフィナーレでした。

B070825j
(本日のお宿は平ノ小屋)

平ノ小屋は黒部川沿いにあるせいか、山小屋と言うよりは釣り宿と言った風情でそれが新鮮でしたし、なにより黒部川の小屋にはお風呂がある。ここは温泉じゃないし石鹸も使えないので汗を流す程度ですけど、山行きのあとに汗を流せて湯船に浸かれることがどれだけ幸せなことか!

小屋は新しくてキレイだし、宿泊者も10名ほど。なので至って快適で、小屋の夕食中(マツタケのみそ汁が出たらしい)に表でビールを飲んだら、あとはすぐに寝てしまいました。
 
 
・・・つづく。(^^)
 
 
・・・・・☆

◆ 2007.08.16 (Thu)  (快晴に近い)晴
三俣山荘 03:45- 鷲羽岳 04:45/05:15- ワリモ北分岐 05:55- 水晶小屋 06:25- 水晶岳 07:05/07:20- 温泉沢ノ頭 07:55/08:15- 赤牛岳 09:55/10:30- 雨量計(5/8) 11:35- 3/8 12:20- 奥黒部ヒュッテ 13:40/14:00- 平ノ渡(針ノ木谷) 15:50/17:15→ 平ノ小屋 17:30

ポカリスエット(500mlPET・水晶小屋) ¥500
平ノ小屋 素泊り ¥5500
ビール(ショート缶・2本) ¥1200
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.08.23

北アの「北アの展望台」へ 4

B070823a_2
(今回の目的は赤牛岳。2818m峰附近より)

四日目(08/16)は今回の山行きのメインでもある赤牛越えの日。当初の予定では少しでも距離を短くしたかったので三俣小屋から黒部源流~岩苔乗越のルート行くつもりだったのですが、前日に鷲羽岳に登れなかったのでまずは鷲羽岳に寄らなければいけません。

一日の行程が長くなるのはやっぱりイヤだけど、どうせ寄らなければいけないんなら鷲羽の山頂で日の出を迎えるものいいかも、と思ってこの日は3時に起きて45分には出発。小屋から外に出ると妙に暖かくて気持ちが悪い・・・おそらく15、6度はゆうにあったと思います。

B070823b
(鷲羽岳からのご来光)

さっそくヘッデンをつけて歩き出すと、行く先の鷲羽にはまだガスがかかっていて心配になってしまいましたが、急な斜面をせっせと登っているといつしか晴れてきて、同時に周囲も明るくなってきます。そして周囲の山々が見えるようになると右手に鷲羽池を見て間もなく山頂に到着。当然ながら一番乗りで、ここで朝のオベントをたべつつ日の出を待ちました。

こうやって実際に夜明けから日の出の光景を目にするのはやっぱり・・・いいですね。これは泊まりじゃないとお目にかかれないものの一つでしょう。とはいえ、今回は先が長いので早々のんびりとはしてられません。後ろ髪引かれつつお次の水晶岳を目指します。

B070823c
(鷲羽越えればお次は水晶だ!)

この日の行程ではお花はあまり期待していなかったんですけど意外や意外、昨日までに見かけたお花にプラスしてチチマギキョウやイワツメクサ、タカネシオガマにシコタンソウ(はじめて見ました!)などなど岩場や風衝地の花も咲いていて、花の種類が一番多かったのは皮肉でしょうか。

でも朝早いし、お盆のピークを過ぎたせいか稜線の登山道は本当に静かで、天気はいいし、ただただ歩いているだけなのにこの気持ちよさはいったい。。。

B070823d
(今までとは違い、道中は岩・風衝地の花が多かった)

ワリモ北分岐を過ぎると間もなく水晶小屋泊まりの人がやって来たのでちょっと立ち話したら、前の晩の泊まりは何と25人とのこと(ちなみに水晶の定員は30人)。これなら水晶泊まりでもよかったじゃ~ん、とも思ったけどなんせ今までの行程が非常に気持ちよかったので、話を聞いても「まっいいか」って感じでした。

ごく普通のペースで歩いているのに鷲羽岳から一時間ちょいで水晶小屋に到着。小屋は例の一件(合掌)の影響か??なんと建て替えられており本当に綺麗です。そして背の低い建物ながらも二階が寝所になっており、定員以内ならけっこう快適にすごせるのでは?と思います。

B070823e
(水晶小屋・建て替わってキレイでした)

ここで念のためペットボトルの飲み物を買ってから水晶岳へ。緩やかな尾根道から山頂直下の岩峰群をまきまきして40分ほどで山頂に着きました。

着いた山頂はなんと独り占め。いいですねぇ。水晶岳の位置が位置なだけにぐるりと360度・北アの名だたる山々を欲しいままです。(^^)(^^)(^^)

B070823f
(槍穂に鷲羽岳方面・水晶岳より)

B070823g
(同じく穂高に鷲羽、焼岳乗鞍御嶽と笠ヶ岳方面)

B070823h
(同じく雲ノ平と黒部五郎、中央奥には白山も見える)

B070823i
(同じく赤牛岳方面、中央奥に劔立山、右奥は白馬岳)

しばらく展望を楽しんだら人がやってきたのでおいとまして、お隣の三角点峰の三角点をカメラに収めて赤牛岳を目指します。もうこれより先(北)には人の姿は見えません。

この先も温泉沢ノ頭までは雪田があったり稜線東沢側の斜面・・・ここもすごく惹かれるものがありました・・・にお花畑があったりと見所もそれなりあって飽きさせないし

B070823j
(稜線の東沢側はカール状になっていて花も多い)

B070823k
(水晶岳を振り返る・温泉沢ノ頭附近より)

ふと振り返って見えた↑水晶岳の姿もなかなかのもの。遠くから見える水晶の姿は今ひとつパッとしないなぁという印象だっただけにこれは意外でした。

そして黒部側の遙か下に高天原山荘の赤い屋根が見えるようになるとじきに温泉谷ノ頭に着きます。ここで高天原から二人上がってきましたけど、この高天原に下る尾根はかなり急ですね。このルートは登りはもちろんしんどいけど個人的には下りがちょっとイヤかもです。

B070823l
(赤牛と後立山の山々・温泉沢ノ頭より)

温泉谷ノ頭を過ぎると人っ子一人いないことには変わりありませんが、なお一層静かになったような感じもしたけど単に雰囲気に浸っていただけかも。足下の地面が白っぽい色から赤っぽい色(って云い方が稚拙だなぁ。。。)に変わるとを赤牛岳はもう目前です。
 
 
・・・つづく。(^^)
 
 
・・・・・☆

◆ 2007.08.16 (Thu)  (快晴に近い)晴
三俣山荘 03:45- 鷲羽岳 04:45/05:15- ワリモ北分岐 05:55- 水晶小屋 06:25- 水晶岳 07:05/07:20- 温泉沢ノ頭 07:55/08:15- 赤牛岳 09:55/10:30-・・・・・
 

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2007.08.21

北アの「北アの展望台」へ 3

B070821a
(黒部五郎のカールを往く)

さて三日目(08/15)は翌日が長い行程なのでまったりモードの一日。それでも周囲が起きだしたので4時過ぎには起床してしまい、表に出て暗闇の中から徐々に姿を現す黒部五郎とカールを見ながらのんびり朝食をとります。

そして次々と黒部五郎へ向かう人たちを見送り、一段落ついたところで私も出発。すでに5時半になっていました。

B070821b
(カールを渡り終えると本格的な登りに)

黒部五郎へは稜線を辿るのとカールを行く二つの道があるのですが、あまのじゃくな私でもここは当然カールの方でした。

ということでカールの道は今までの稜線歩きとは趣を異にして、まずは高木の被る稜線の北側を捲きながら小さい沢をいくつも越えて行く感じ。やがて高木帯を抜けると今までとは違う開放感に満ちたカール歩き(厳密に言うとチト違うが)に変わります。

B070821c
(黒部五郎岳山頂より・左・薬師岳、中央・劔岳と立山)

周囲にはコバイケイソウやハクサンイチゲが満開やや過ぎでしたが見応えがあり、そんな中をゆるゆる歩けるだけでもう幸せです。やがて五郎沢の左俣と右俣を分ける丘を越えると、ここからが厳密に言う五郎のカール??

そして目の前に黒部五郎の岩塊が近づいてくると、ツメが間近だというのが俄に信じがたい流れの豊かな右俣を渡ります。ここでカール北面の斜面に取り付いて、ようやく山頂へ向けての登りのはじまり。

B070821d
(中ノ俣岳の稜線を見おろす)

コバイケイソウの咲き乱れる斜面をせっせと詰めて尾根上に上がると、ここで西側の展望が一気に開けて、まずは今までよりも存在感を一層際だたせた薬師岳が目に入ります。そして見下ろす感じで延びる中ノ俣岳への稜線の緩やかさも惹かれるモノがあるし、西側に目をやると雲海の上に白山が浮かんでいる。

そんな展望に思わず見とれてしまいましたが、黒部五郎の山頂はもう少し先。尾根を西へ行くとまもなく中ノ俣への分岐を過ぎ、一頑張りで山頂に到着です。

B070821e
(黒部五郎のカールを見おろす・左奥は三俣蓮華)

山頂からの展望はもちろん申し分ないんですけど、今日も昨日と同様というかすでに南側からガスが来ており、御嶽や乗鞍はあたりはもうガスが湧きはじめていました。

それでも山頂で一時間ほど滞在してしまい、その間小屋への戻りはどうしようかと考えていたんですけど、結局来た道を戻る事に。でも私がピストンするなんて本当に珍しいことで、それだけカールの様子に惹かれたのかも。

B070821f
(黒部五郎小舎に戻ってきました)

帰路は人も少なくなり、のんびりと歩いて黒部五郎小舎に戻ったのは一時間半後のこと。ハイカーを送り出して閑散としていた小屋前で今度はのんびりランチです(笑)。早朝はしっかり見えていたカールや山頂にももうガスがかかりはじめており、見えなくなっていました。

ランチを終えたら今度は昨日降りたゴーロの道をヘロヘロ登り返して三俣山荘へ向かいます。

B070821g
(三俣蓮華の登りしなより、日本庭園と祖父岳、鷲羽岳)

B070821h
(三俣蓮華の捲き道は花が多い・ミヤマキンポウゲ)

結局この辺りも昨日と同様ガスの中でしたが、黒部側ではガスがたまに切れてくれたりして昨日よりはマシだったかも。三俣蓮華の北を捲く捲道の分岐まで戻ったら、今度は三俣蓮華の山頂をパスしてこの捲道に入ってみました。

のっけから黒部側の斜面はミヤマキンポウゲの黄色に白いのはハクサンイチゲかミヤマセンキュウ?(セリ科のお花)で埋まって見事なんですけど、花の種類を確認するために斜面には立ち入ることはさすがにできません。時折ガスが晴れて雲の平の広尾根も姿を見せてくれて、こちらも雰囲気の良いいい道ですネ。

B070821i
(三俣蓮華の捲き道にて・おそらくミヤマセンキュウ??)

B070821j
(鷲羽岳はすでにガスに覆われていた)

道中ムシトリスミレも初めて見かけて、こいつはしっかりカメラに収めましたヨ。(^^)

そして花々をめでつつなおも東へ行くとなんと再び晴れてきて、まだ残っていた雪渓を渡るとそこはもう三俣山荘のテンバ。まだ13時ぐらいなのにテントがいっぱい張られて埋まりかけています。

B070821k
(本日のお宿は三俣山荘)

そのテンバからひと下りすると本日のお宿である三俣山荘に到着。本当はそのまま鷲羽岳を往復しようと思っていたんですけど、すでにガスがかかっており泣く泣く断念。これで翌日の仕事が増えてしまいました~(笑)。

利用者の多い三俣山荘もお盆を過ぎたせいでしょうか、結局一人一畳以上のスペースを確保できて至って快適に過ごすことができました。早く着いてもこういう小屋は話し相手が自然とできるし、「ある程度の人出であれば」こういう小屋ライフもなかなか楽しいモノですね。
 
 
・・・つづく。(^^)
 
 
・・・・・☆

◆ 2007.08.15 (Wed)  晴 時々 霧
黒部五郎小舎 05:30- 黒部五郎岳 07:30/08:25- 黒部五郎小舎 09:50/10:35- 捲道分岐 11:50/12:05- 三俣山荘 13:15

三俣山荘 一泊朝昼弁当付 ¥7900
ビール(ロング缶) ¥800
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.08.19

北アの「北アの展望台」へ 2

B070819a
(樅沢岳と西鎌尾根の緩やかな稜線・鏡平山荘より)

二日目(08/14)は朝食を4時半にとり、5時ちょい前に出発。食事付きだと用意も後片づけも必要ないから本当に楽です。まだ薄暗いけど空には雲一つなく今日もいい天気のよう。ぐっすり眠れたこともあって爽快な気分で歩き出せるのはほんとうに素晴らしいことですネ!(笑)

昨日歩いた林道を20分ほど歩くと小池新道の登山口で、ここから山道に変わってしばらくはミソガワソウ(気にしてからは初めて見た思う)を見ながらの広い河原歩き。振り返るとドーム状の岩山だけが朝日を浴びて輝いていたので何の山?と思っていたらどうやら焼岳のようです。

B070819b
(弓折岳分岐より笠ヶ岳方面)

歩き出しから一時間ほどで秩父沢に到着。少し休憩していると後から来た人に「アレは槍ヶ岳」と言われて、槍穂はこんなに近いんだなぁと改めて気がついた私はやっぱりおのぼりさんですわ。

でもその槍穂の稜線のお陰でこの道はずっと日影が続いて一番標高を稼ぐ箇所でもあるし、暑い時期は有り難い道です。シシウドヶ原で一度日差しが当たるようになったけど、鏡平らへトラバースするとまた日影に入り、強烈な日差しの差し込む日向に出たと思ったらそこが鏡池でした。

B070819c
(はくさんいちげと・・・)

もう8時近いというのにすぐ先の鏡平小屋の周りは人で溢れかえっており、そそくさと通り過ぎて弓折岳への登りに差し掛かったのですがこの日はこの登りが一番きつかった。暑いし風はないし、その上低山ハイカーの悲しさかこの標高になるとはやりちょっとしんどい。

途中、逃げたつもりが自ら袋小路に入ってしまい人様のカメラの餌食になっていた(笑)ノウサギを撮影したり、花を愛でたり、徐々に広がる展望を楽しみながら登っていき、ようやく尾根上に上がるとそこが弓折岳の分岐。日差しは相変わらすだけど爽やかな風が通っていたので、少々休憩。休憩中もハイカーが次々と通っていきます。

B070819d
(双六小屋への向かいしな。左・双六岳、小屋の奥は鷲羽岳)

さて、ここからが良すぎる天気のもと周囲の山山をそして足下の花をめでながらの本格的な稜線歩きのはじまり。相変わらず人は多いし南や西方向からガスが近づいてくるようにも見えるけど、気分が悪いわけありません。

ルンルン気分で小刻みなアップダウンをこなし、行く先に双六小屋が目にはいるようになると道は尾根を外れて、すぐに小屋・・・と思ったらここから小屋までが意外に長かった。それでも分岐から小一時間ほどでハイカーで溢れる双六小屋に到着です。

B070819e
(双六岳の登りはじめはくっきり見えていたのに・・・)

ここでランチにしようと思っていたんだけど日影もテーブルもすでにみんな埋まっており、用足しなどしながら空くのを待ってテーブルでランチ。ここでようやく姿を見せてくれた裏銀座の稜線をボーっと眺めていました。

でもここはジャンクションでもあるせいか相変わらずハイカーが次次とやって来るので長居も顰蹙でしょうから適当なところで切り上げて、双六岳へ向かいました。

B070819f
(双六山頂につく頃にはガスがかかり・・・)

しかしここの登りがこんなに急だったとは意外でしたが、もう高度に慣れたのか?これまた意外にスムーズに登れて、花の多いらしい捲道には目もくれずずんずん登っていきます。

そして急な登りから開放されると、だだっ広い尾根をゆるゆる行って双六岳の山頂に着きましたが、もう北東方向以外からガスが近づいており、登りしなは見えた槍ヶ岳や笠ヶ岳はもうガスの中。

B070819g
(丸山への登りしなにはとうとうこちらにも・・・)

そんな山頂でちょっと休んで三俣蓮華へ向かうと人も一気に少なくなり、ハクサンイチゲにコバイケイソウも咲いてなかなか良い雰囲気なのですが、とうとうこちらも西側からガスがやってきてあっという間に覆われてしまいました。

ということで丸山も三俣蓮華もガスの中。まぁ今回の行程的にあまり痛くはないし、涼しいからいいか。黒部五郎からの道との合流点が三俣蓮華の山頂だと思っていたら、山頂はそこから東へ緩く行ったピークでした。

B070819h
(黄色が映えていたミヤマタンポポ)

三角点だけカメラに収めて来た道を戻れば、あとはさきの分岐を直進して黒部五郎小舎へ下るだけ。でも黒部五郎の小屋って結構低い所にあって(標高2300mほど)丸々500m下るんですね。

でもこの道にはお花が結構あって、特に北の黒部側は緩いカール状の斜面に白い花黄色い花が一面に咲いていたんですけど、ガスっているし遠目ではよく解りません。あれはハクサンイチゲ??ミヤマダイコンソウは終わりかけていたから黄色いのはミヤマキンバイかミヤマキンポウゲ??

B070819i
(この辺りはチングルマ見事・黒部五郎小舎への下りしな)

そこからもうひと下りすると今度は一面チングルマの咲いている箇所に飛び出してこれまた嬉しい誤算。チングルマは今までほとんど終わっていたので、この辺りは遅くまで雪の残る所なのでしょう。

そんなチングルマの花園を過ぎると、道はゴーロで埋まった細い溝の中を急降下。でも急であれば土の道より却って歩きやすく、遙か下に見えた小屋もあっという間に近づいて、下りきると本日のお宿黒部五郎小舎に到着しました。

B070819j
(本日のお宿は黒部五郎小舎)

ここは広々とした草原の中に建っていて本当に良いところですね。小屋のベンチからは黒部五郎のカールが見えて、それがより一層そこの雰囲気を良くしているというか天国感を与えているのかも。

前日まではかなり混雑したらしい小屋もこの日は一人ふとん一枚のスペースが確保されたのはラッキーでした。話し相手にも恵まれ、流星や天の川も見えてこの日も佳き一夜を過ごすことができました。
 
 
・・・つづく。(^^)
 
 
・・・・・☆

◆ 2007.08.14 (Teu)  晴 のち 霧
わさび平小屋 04:55- 秩父沢 05:55- 鏡平山荘 07:45- 弓折岳分岐 08:40/08:50- 双六小屋 09:45/10:25- 双六岳 11:20/11:30- 三俣蓮華岳 12:45- 捲道分岐 13:10- 黒部五郎小舎 14:00

トイレ(双六小屋) ¥100
黒部五郎小舎 素泊り ¥5500
ビール(ショート缶) ¥550
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.08.18

北アの「北アの展望台」へ 1

B070818a
(笠ヶ岳から抜戸岳の稜線が見える・新穂高温泉より)

我ながらいろいろあって・・・今年は今までとは様子がかなり違います。ということで今回もhomeの山をほったらかしてawayの山・・・なんと去年に続いての北ア行きでした。(^^;;;

お盆の休みも野暮用がちょこちょこあって13日になってようやく出発。とはいえ今はお盆の休み中なので青春18きっぷを使って移動に丸一日かけられる余裕があります。普段より少し遅めの中央線の鈍行に乗ってまずは松本へ向かいました。

B070818b
(笠新道の入口にて)

近年は通過してばかりだった松本も駅に降りるのは久しぶりのこと。駅構内がすっかり変わってビックリでしたが、一歩表に出れば暑くてもカラッと乾いた空気はやはり松本のもの。バスの時間に余裕があるのでちょっと辺りを散策してからバスターミナルへ。やっぱ松本は良い町だなぁ。。。

んであとは高山行きの特急バスで観光客でごった返す平湯に出て、ここでバスを乗り換え新穂高温泉へ。こちらは下山を終えた大勢のハイカーがバスを待っており、華やかな雰囲気。行く先を見上げればすでに笠ヶ岳の稜線が見えており、日差しがガンガンで暑いけどその気にさせてくれます。

B070818c
(本日のお宿はわさび平小屋)

とはいえこの日の行程はわさび平小屋までの一時間ほどの林道歩きのみ。新穂高の標高だって1000mは超えているのに暑くて暑くてすぐに汗が噴き出します。途中で通りがかった風穴から出る冷気がホントに天然クーラーで、行程は短かったけどコレと笠新道入口の水場に救われた感じです。

結局一時間ぴったしでわさび平小屋に到着。お盆の混雑に対応できるように避難小屋装備(笑)で来ているのにこの日はなんと二食付き・・・要は初日からパッキングを崩したくなかったのです。(^^;;; あと受付の時に「混雑が予想されます」と言われた割にはひとり一畳以上のスペースがあってホッとしました。

B070818d
(山中若しくは下山中なら即買うけどなぁ・・・)

それにここは小屋自体がキレイだし、麓の小屋のせいかなんとお風呂もあって(!)快適すぎるくらい。明日も天気が良さそうだし、翌日からの本格的な歩きに備えて早めに就寝しました。
 
 
・・・つづく。(^^)
 
 
・・・・・☆

◆ 2007.08.13 (Mon)  晴
新穂高温泉 14:15- 中崎橋 14:55- 笠新道入口 15:05- わさび平小屋 15:15

松本駅~平湯温泉(特急バス) ¥2300
平湯温泉~新穂高温泉(濃飛バス) ¥870
わさび平小屋 一泊二食弁当付 ¥8500
生ビール ¥700
 

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2007.08.09

朝日連峰まったり縦走 その3

B070809a
(奥の以東岳が・・・一瞬にして消える)

さて、前の晩は寝不足だった上にお酒もけっこう飲んじゃったものだから、この夜はきちんと熟睡できたみたいで・・・とはいえ外は大荒れだった音がなんとなく聞こえたような覚えがあるけど・・・翌朝は4時に管理人さんが起きだしてみんな起床。外はガスっているけど雨はどうやら止んでいるみたい。

昨日、酒盛りをしたため用意をしながら食べなかった夕食がそのまま朝食で(笑)、朝から多めのカレーはけっこうヘビーでしたがしっかりお腹に収めます。そして余裕があるのを良いことにのろのろ準備をしていたらいつの間やらみんな出発しており、管理人さんに見送られながら5時半に出発。安達さん、皆様本当にお世話になりました~<(_ _)><(_ _)>。

B070809b
(以東岳山頂)

狐穴庭園の分岐から以東方向へ向かうとすぐに雪渓が現れ、横切ると間もなく稜線上に出ます。うぅ・・・まだ風が強い、しかも時折雨もぱらつき・・・とはいえ風は昨日のような強さではないので合羽着ている身では却って涼しいかも。

でもここから以東への登りは緩い稜線をゆるゆる歩けて本当に気持ちのよいところなのに、ガスって先もほとんど見えない状況では下を見ながら淡々と歩くだけ。晴れていればまったく問題のない尾根も三方境から北は砂礫の箇所が多く、ガスっていると下り(南下)はちょっと気を遣うでしょうね。

B070809c
(オツボ峰へのくだりしな)

ゆるい中先峰を越えてしばらく行くとここで初めて以東からのパーティと遭遇。話を聞くと昨晩の以東小屋は30人とのことで、昨日狐穴で打ち止めにしたのはやはり正解だったよう、というか今回の山行きはこの辺りの判断がスゲー当たっていて気持ちいいです(笑)。

先の見えない中いつになったら以東へ着くのだろうと思いながら歩いていると、やがてガスの中ボーっと現れた松虫岩で以東が近いことがようやくわかって、そこから20分程で以東岳に到着。とはいえ山頂もガスに風では休めないので、とりあえずすぐ下にある以東小屋へ向かいました。

B070809d
(オツボ峰附近はオオバギボウシが盛り)

小屋では管理人さんが掃除&下山の準備中でしたが休憩したいと言ったら快く入れてくれ、中で管理人さんとお話ししながらちょっとコーヒータイム。おおむね立派に建て替わってしまった朝日の小屋にあって、トイレこそ新しくなっていたけど、以前と変わらぬこぢんまりさが却って心地よかったりします。でもここで30人は・・・かなりしんどいわ。

小屋から再び以東岳に登り返し、オツボ峰へ向かうとあれれ・・・ガスが突然切れたのでふと振り返ると、なんと以東岳と以東沢の雪渓が姿を現しているのでビックリ。というかあまりに突然のことでカメラを取り出すのがワンテンポ遅れてしまい、レンズが出た頃には以東はもうガスの中。。。結局これがこの日最初で最後の以東の姿でした。

B070809e
(大鳥小屋から大鳥池を望む)

とはいえ、それからしばらくはガスが切れたりして行く先の尾根が時々姿を見せてくるのはいいアクセント。オツボ峰の辺りはオオバギボウシが盛りで、咲き始めたタカネマツムシソウのマクロ撮りに挑戦するもやっぱり風が。。。あとヒメサユリの咲いている箇所がまだいくつかあったのは嬉しい誤算。

そんなお花畑も矯木帯にはいるととうとうおしまいで、道はまもなく立派なブナ林に変わり、じきに大鳥小屋に到着。まだ10時半前なので表のベンチでランチにしようとしたら雨が降り出したので慌てて小屋のお世話になりました。

B070809f
(ブナが美しい泡滝ダムへの道すがら)

ランチをとってのんびり休憩しても泡滝のバスの時間(14:25)にはまだ余裕があったのですが、雨も止んで明るくなったので小屋をおいとまして再び歩き出します。

泡滝までは今までとはうって変わってブナにサワグルミ、トチなどの木々が美しい沢沿いの緩い道。道端にはエゾアジサイの青い花が咲いて目を楽しませてくれます。そうそうこの花もボクにとっては「北の花」。そしてここで今までの思い通りに写せなかった鬱憤を晴らすようにブナなどの大木の木々を撮りまくりながら下りました(笑)。

B070809g
(最初の吊橋・七ツ滝沢橋)

のんびり歩きのペースが良かったみたいで14時ちょい前に林道の終点でもある泡滝ダムに出ると、なんとと道がキレイに舗装されていてビックリ!と思ったら舗装されていたのは林道終点の駐車スペースだけで先を行けばやはりダートでした。

泡滝のバス停はそこから5分ほど下ったあり、ここで今回の山歩きはおしまい。一息ついて着替えをしたらちょうどバスの発車時間で、結局乗客は私ひとり。運ちゃんと話しながらバスは東大鳥川を下っていき、大鳥の朝日屋さんでバス代を払う為(車内で料金を払うのでない)一度下車、宿のおかみさんに料金を払ったら再びバスに乗り込み上田沢へ向かいます。

B070809h
(泡滝ダムのバス停はこんな感じ)

上田沢に着く頃には空もすっかり晴れ上がりちょっと複雑な気分。ここで鶴岡行きの路線バスに乗り換えるのですが、そのまま鶴岡に出ても16時の「いなほ」には間に合わないので途中のかたくり温泉ぼんぼで一浴してからあとのバスで鶴岡へでました。

そのバスの車窓からはこの山行きで一度も見ることのできなかった鳥海山がその姿をやっと見せてくれ、それはあっという間に終わってしまったこの山行きがフィナーレであることを心の底から諒解した一瞬でもあったのでした。
 
 
また歩きたいな朝日連峰。でもその前に飯豊へいかなきゃネ。。。
 
 
・・・・・☆

◆ 2007.07.29 (Mon)  曇 時々 雨 のち 晴 
狐穴小屋 05:30- 以東岳(以東小屋)07:30/08:15- オツボ峰 09:05- 大鳥小屋 10:25/11:35- 七ツ滝沢橋 12:45- 冷水沢 13:10- 泡滝ダムBS 14:05
 
大鳥小屋 休憩料 ¥200
泡滝ダム~上田沢(会員バス) ¥2000
上田沢~ぼんぼ(あさひ交通) ¥720
かたくり温泉ぼんぼ 入浴料 ¥350
ビール(ロング缶) ¥350
ぼんぼ~鶴岡駅(あさひ交通) ¥650
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.05

朝日連峰まったり縦走 その2

B070803a
(イブキトラノオとニッコウキスゲのなびく道・南寒江山への登りしな)

小屋の一晩は至って快適だったんですけど、あの・・・この歳になってもいまだにお子ちゃま体質が抜けなくてねぇ・・・(笑)行く前の晩とか、山で一夜を過ごすときとか、夜行列車とかだといまだに興奮してあまり眠れないんですけど、今回もそうでした。

でもこの日は人が多かったし、予報が外れて「晴れてる!晴れてる!」って声が上がっていたので4時頃にはスッキリ目が覚め、ご来光には目もくれず一階でいそいそ朝ご飯をとってから出発。もう一度大朝日に登りました。

B070803b
(大朝日小屋の朝・正面は小朝日岳)

大朝日に上がると、昨日の夕方は見えなかった飯豊や吾妻、蔵王の山々、そして振り返ると北側には以東岳がくっきりとその姿を見せて、月山や栗駒山もぼんやり見えるという意外な好展望。天気はこのままハズれるんじゃないの~と思いながら、来た道を引き返して稜線を北へ行きます。

様子見を兼ねて一度金玉水に降りると、目論見通り残雪の脇にヒナザクラが咲き始めており嬉しい再会。水場で顔だけ洗って稜線に戻れば、お花をめでながらの気持ちのよい稜線歩きのはじまり。

B070803c
(以東岳まで見えたのは予想外・大朝日岳より)

道端には咲き残りのヒナウスユキソウとチングルマにヨツバシオガマ、ハクサンイチゲ、ミヤマリンドウ、ハクサンフロ、イワオトギリ、ミヤマアキノキリンソウ、コバイケイソウ、イワイチョウ、モミジカラマツ、ウサギギク、ハクサンシャクナゲ、ミヤマホツツジ、アオノツガザクラなどなど。

でもお花をのんびり愛でながら歩けたのは中岳を捲いて稜線に出るまで。鞍部へ下りはじめると風が一気に強くなり、吹き付けて来ます。これじゃぁ花はもう撮れないし、山稜を眺めながら先へ行くのがやっとといった感じ。でもその風に冷たさはもうなく、手袋なしで行けるのはやはり盛夏のお陰です。

B070803d
(西朝日への登りしな・左が三角点のある本峰)

そんなわけで「西朝日岳」とされるピークから西隣にある西朝日三角点の撮影は諦めて先を行くと、これまた久しぶりとなる大上戸~相模山の長い尾根との再会。足下の花もエゾシオガマにミヤマダイコンソウが出てきて先程とはちょっと違う雰囲気だ。アップダウンも緩くなり龍門山までは本当に気持ちよく歩けるイイところ。

龍門山に着く辺りから徐々に雲が出くると、行く先の以東と寒江の鞍部がガスりだして「もうこれまでか」と思ったけど、風が強いせいか、晴れたり曇ったり、ガスったりガスが抜けたりとこれがなかなかしぶとい!

B070803e
(龍門山への向かいしな・右はユーフン)

そして龍門山で日暮沢からの道を合わせて竜門小屋へ下り出すと再び晴れてきて、明るい草原に建つ竜門小屋に到着。こんな気持ちのよい日は表で休憩したいんだけど風は強いまま。しょうがなし小屋で休む事に。

噂通りここも建て替えられていて小屋の中は綺麗すぎるぐらい。管理人さんは草刈りに出たらしく不在で、しばらく小屋の中を見ていたら何かお腹が減ってきたので、ここで今朝二度目の朝食をとりました(笑)。

B070803f
(竜門小屋への下りしなより寒江三山?)

結局のんびりと・・・40分ぐらい休憩して再び出発。南寒江へ向け登りはじめると、ここからはハクサンイチゲをベースにイブキトラノオ、ニッコウキスゲ、ムカゴトラノオ、アオヤギソウ、クルマユリ、ハクサンシャジンとタカネマツムシソウは咲き始め、そしてある一角にイブキジャコウソウ、タカネナデシコも久しぶりに見る花です。

でも相変わらず風が強くて、それらの花をカメラに収めることができないのがちょっと惜しい。でも不思議と口惜しくはない。だってこんな気持ちのよい稜線を歩けるだけで十二分に満足なのですから。。。(^^)(^^)

B070803g
(以東の姿はこれが最後・北寒江への向かいしなより)

相変わらず強風に吹きつけられながらも気分良く南寒江を越え、寒江山に着く頃には雲がそしてガスがとうとう切れなくなり、天気は予報通り下り坂。それでも行く前の予報から見れば今まで本当に良く晴れてくれた、というのが正直な気持ちでした。

あとはガスった中を淡々と行き、11時前にこれまたキレイになった狐穴小屋に到着。鳥原小屋出発ならここでも格好は着くけど、今の時間なら以東を越えて大鳥へ降りても充分に余裕のある時間です。でもこの日の内に大鳥小屋まで降りてしまうのはあまりにもったいないし、以東小屋は小屋が小さい上に混むから土曜の宿泊は論外。

B070803h
(本日のお宿は狐穴小屋 ^^)

ということでやっぱりここで打ち止めかぁ・・・と思ったら雨が降り出し、じきに強い風と相俟って大荒れ状態に。当然ながらこれで宿泊決定!しかし今回は天気の読みが怖ろしく当たってます。。。

まもなく草刈りをしていた管理人さん(安達さん)も帰ってきて、この日の宿泊者は天気が荒れたこともあってわずか4名。管理人さんをはじめ皆さんにいろいろ佳くしてもらってホントに楽しく、そして有意義な一夜を過ごすことができました。
 
 
・・・つづく。(^^)
 
 
・・・・・☆

◆ 2007.07.28 (Sat)  晴 のち 雨
大朝日小屋 04:45- 大朝日岳 04:55/05:20- 西朝日岳分岐 06:55- 竜門小屋 07:55/08:45- 寒江山 09:50- 狐穴小屋 10:55
 
狐穴小屋 寝具無素泊(しかありません) ¥1500
ビール(ショート缶) ¥800
 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »