« 六年ぶりに飛龍山へ | トップページ | ブナ、大規模な虫食い発生 »

2007.06.27

浅草岳、今年の夏山初日

B070619a
(山頂までもう少し)

入広瀬(魚沼市って何だよ!)に入ると国道は只見線と沿うようになり懐かしい気持ちが一気にこみ上げてきた。そして右手に大白川駅を見ると峠みちに変わりタニウツギが見事だった六十里越を越える。田子倉湖に降り、まだまだ健在だった田子倉駅の姿をちらと見やれば只見の市街地へはあと少しだ。

じきに只見の市街地に入ると国道の奥には蒲生岳の傾いだ鋭鋒や只見川を挟んだ対岸に聳える鷲ヶ倉山が目に入りこれまた懐かしい。蒲生の手前で入叶津へ向かいまもなく浅草岳の登山口に到着。広い駐車場には県外ナンバーの車が意外に多く驚いた。

B070619b
(沼ノ平の笹沼)

歩き出す所で太陽が出てくれたのは嬉しいのだが、ちょっとというかかかなり暑い。さっそく山道に入ると鬱蒼とした緑と根曲がりの木々が出迎えてくれる。

途中でツルアジサイの絡んだ大ブナを見かけたがうまくカメラに収まっただろうか。サンカヨウの実を見かけて気分もちょっとだけ高まる。やがて道が尾根上に上がるとそこが沼ノ平への分岐になる山杉ノ神。沼ノ平の方へはロープが張られているが(公のアナウンスでは通行止)道はしっかり延びていた。

B070619d
(沼ノ平の一コマ・Part1)

ロープを越えて沼ノ平へ向かうと今までと違い、幹をスッキリと延ばしたブナが多くなる。日差しが入ると木々や下草の緑が輝いて殊の外見事だ。そしてブナ林を抜ければ今が盛りのタニウツギがピンクの花を咲かせている。

じきに小三本沢に降り立つ。対岸は斜面一帯が崩れているものの河床は広く飛び石で難なく徒渉。ここで行く先の道を少し捜したがすぐに見つかった。ここからがいわゆる沼ノ平の一角で、道は低木に覆われた湿地帯と立派なブナ林を交互に交えながら行く感じ。すぐ先の笹沼は道から見えたので汀まで降りてみたが他の沼は枝道を拾わなければ行けないようだ。

B070619c
(沼ノ平の一コマ・Part2)

花は終わりかけのユキツバキぐらいかと思っていたら、道の中程でウラジロヨウラクが現れてしばらく撮影大会。その先の風穴は見落としてしまい、気がついたら再び小三本沢(安沢出合)に降り立っていた。徒渉点で一休みしたらここから稜線へ向け登り返すのだが、すぐ先でサンカヨウの花を見つけてくれた。こいつは上にも居そうだがとりあえず保険でカメラに収めておく。

ここからの登りはさすがに急だ。しかしここもブナが美しく、木々を愛でながら行けるのでさほど苦にはならない。途中で道を外れてしまい小沢を登ってしまったが運良く登山道に復帰。そして辺りが開けたところから沼ノ平を見下ろすようになるとまもなく山杉ノ神で一度別れた尾根道と合流した。

B070619f
(小三本沢上部の雪渓)

ここまで来ればあとは山頂を目指す段取りだが先はまだ長い。ムシカリやナナカマドが咲く明るい尾根上から左に見えるのはおそらく朝日岳。右には小三本沢の大滝がチラチラ見える。しばらく行くと花も賑やかになり、オオイワカガミ?にマイヅルソウ、ツクバネソウにコミヤマカタバミ、ツバメオモト。浅草岳は七年ぶりだったがそれなりに花の名前を覚えた今は昔とでは道の見え方が全く違うのが歩いていて良くわかる。

なおも上がると今度はショウジョウバカマに終わりかけながらムラサキヤシオ、すぐ隣に咲いていたマルバマンサクは見つけてもらえなかったらおそらく気がつかなかっただろう。サンカヨウはこの辺りではなんとまだ蕾で、あそこで撮っておいて本当に良かった。そして道脇にタムシバの白い花びらが散乱しているのを見かけると雪が現れるようになった。

B070619e
(本日のお花・たむしば・・・丸五年ぶりでした)

しばらく行くと小三本沢源流部の雪渓に飛び出した。残雪は予想よりも少ない印象だがそれでもたっぷり。沢の先には避難小屋も見える。夏道は避難小屋のある対岸へ渡るが、今回は自然と?雪渓を詰めていく形になっていた。

青空に次々と流れる雲を見上げながらせっせと詰めていく。そして振り返る。涼風が雪面を通り抜けて、気分は爽快。お腹が減っていることも忘れて夢中で詰めていく。

B070619g
(山頂附近より守門岳)

一旦夏道に入るとやっと逢えたよ、なシラネアオイにオオバキスミレ、カタクリも何とか間に合った。そしてアカモノや赤にピンク、白のイワカガミが道脇を埋めており、そんな花を愛でながら行くとやっとこ山頂についた。

山頂にはベニサラサドウダンが咲き始めていたが、虫が多いので東の鞍部に降りてようやくの大休止。少々風が強いが天気が良いので気分も良い。山頂に着いて今まで見えていた山が次々と確定できるようになったのが面白い。

B070619h
(山頂附近より鬼ヶ面山の稜線と毛猛山<奥>)

とはいえ時間が時間なのでもうあまりのんびりもできない。リミットの15時になったら下山開始。山頂に戻って中崎尾根(只見尾根)を下り始める。

ひと下りで先程休んだ鞍部からへの捲道を合わせれば、東西非対称山稜の東側の典型といった感じの急峻な尾根の直滑降。道は急な尾根を捲きながら降りる感じで結構歩きづらい。というか以前登りにとったときはスムーズに歩けた印象だったので余計に意外だった。

B070619j
(中崎尾根の下りしな)

尾根が急なお陰で田子倉湖がもう足下に見えているのに降りても降りてもなかなか近づかない。周囲に高木がないので日差しがまともに当たるけど、尾根上を涼しい風が通り抜け、歩いていて至って快適だったのには正直助かった。

降りて降りて田子倉湖が近づいてくるとようやくブナ林に入り少しホッとする。同時に道も歩きやすくなってスイスイ降りられる。下り始めから密かに心配していた幽ノ倉沢にはちゃんと橋が架けられてあって心配も杞憂に終わってくれた。橋を渡れば田子倉へは一投足だ。

B070619i
(下りしなより中崎尾根を望む)

まもなくだだっ広い田子倉の登山口に着くと、な、なんと!それとほぼ同時に入叶津からの車やって来て、ホッとする間もなく車中の人となった。

・・・・・☆

◆ 2007.06.16 (Sat)  晴 時々 曇
入叶津登山口 09:20- 山神ノ杉 10:10- 笹沼 10:45- 小三本沢(安沢出合) 11:20/11:30- 沼ノ平分岐 12:20- 小三本沢(避難小屋前) 13:35- 浅草岳 14:15/15:00- 剣ヶ峰 16:10- 幽ノ倉沢 17:00- 田子倉登山口 17:15
 
・・・・・☆・・・・・☆

あと久しぶりにリンクのお知らせです。月初めの飛龍山でお会いしたyamyamさんのブログ、yamyamの山歩き!を追加しました。

毎週のように長躯をサラリと歩かれ、そして植物や鳥類の造詣も深いバイタリティー豊かなyamyamさんの山歩きの記録。バリエーションの記録も多くそちら向けの参考にもなるでしょう。みなさま、ぜひご覧くださいませ。(^^)
 

|

« 六年ぶりに飛龍山へ | トップページ | ブナ、大規模な虫食い発生 »

【その他の山域 2007】」カテゴリの記事

コメント

ボクのデジはあの日みたいに明るければ、結構キレイに撮れるのですv(^^)。

でもあの山行きは本当に楽しかったですね。浅草を日帰り感覚で歩けたのが嬉しくて、そして何とも不思議でもありました。これもHgさんのおかげ、ほんとうに感謝です。そして引っ張り回しまくりおつきあい頂いたba_sobuさんにも感謝ですよ(^^)。ヒメサユリだけがちょっと心残りだったけど。また機会がありましたら宜しくお願いしますね。

投稿: komado | 2007.07.02 00:07

写真がどれも素晴らしいですね。
なかでも山頂から守門岳のがステキです!!!!

それに(下りしなより中崎尾根を望む)の一枚、
この景色 写真を撮るどころか、当日、振り返ることをしていなかったので、こうやって見せて頂けて感謝です。
下りてきた山がこんなに堂々としていたなんて、うれしさ倍増です。

投稿: ba_sobu | 2007.07.01 22:34

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 浅草岳、今年の夏山初日:

« 六年ぶりに飛龍山へ | トップページ | ブナ、大規模な虫食い発生 »