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2007.06.28

ブナ、大規模な虫食い発生

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(哀れ、ブナの古木がまるはだか・・・米背負峠附近にて)

ここのところ諸般の事情で更新が遅れに遅れていますけど、ようやっと先週末のお話しができます。(^^;;; えっと週初めにウチの掲示板でも触れましたが、先週は23日(土)に久しぶりに南大菩薩を縦走してきました。午後出勤で・・・(^^;;;

今回はちらほら咲きはじめた夏のお花の様子見が目的でした。そんな訳で湯ノ沢峠から天下石までの草原をお花見しながらちんたらと歩いてその先の米背負峠へ降りたところ、辺り一面緑に覆われている中とあるブナの古木が↑なんか芽吹きのような色をしていたので、最初は「この木はもう弱っているのかなぁ??」と思っていたんですけど、ふと辺りを見まわしてみると周囲のブナもみんな同じように丸裸なっていてちょっと様子がおかしいゾ。

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(ブナの葉喰われたあとのまつり)

遠目で見た感じ、枝にくっつく感じで葉の葉脈が残っているのでどうやら虫食いのようなんですけど、肝心の虫はいないし、周囲のブナはみんな立派な高木なので近づけるわけもなく、しょうがなし先を行くと現れるブナ現れるブナみんなやられており、見た感じその半分近くが丸裸の状態。

そして滝子山に着くとようやくブナの低木が見つかったのでさっそく近づいてみるとやはり虫食いのようで、周囲のブナは多かれ少なかれみんな葉っぱを喰われていました。そして初狩へ向け下山を始めると・・・いましたいました。木にビッシリついて葉っぱを喰んでいます。↓下の画像。どうやらコイツが犯人のようです・・・

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(こやつがおそらくブナハバチの幼虫)

・・・ということでこりゃ大変だわ!とウチやHgさんのBBSでお聞きしたところ、どうやらブナハバチという蜂の幼虫が大発生しているようです。いろいろ調べてみると葉っぱが全て喰われても枯死することはないようですけど、決して好ましいことではないハズですし、今まで南関東の山々でこういう事ってあったのでしょうかねぇ??

それにこの現象、今回確認できた南大菩薩だけでなく泉水谷でも見かけたという情報も上がってきており、すでに大菩薩連嶺全域に波及している可能性も考えられます。となるとこれは大菩薩だけの話ではなく尾根で繋がっている御坂であるとか奥多摩・奥秩父など他の山域の状況もかなり気がかりになってきました。

とにかく「花のひかり」を見てくださる皆さまにおかれましては、山を歩かれた際今しばらくブナの様子を気にかけてもらえれば・・・と思っております。

・・・・・☆

◆ 2007.06.23 (Sat)  晴 のち 曇
湯ノ沢峠 13:30- 大蔵高丸 13:50- ハマイバ丸 14:20- 米背負峠 15:05- 大谷ヶ丸 15:25- 滝子山 16:15/16:35- 初狩駅 18:25
 
・・・・・☆・・・・・☆

2007.07.07・・・zippさんより彼の虫は当初挙げていたブナアオシャチホコではなく、ブナハバチではないか?というご指摘があり、本記事を一部加筆修正いたしました。
 

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2007.06.27

浅草岳、今年の夏山初日

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(山頂までもう少し)

入広瀬(魚沼市って何だよ!)に入ると国道は只見線と沿うようになり懐かしい気持ちが一気にこみ上げてきた。そして右手に大白川駅を見ると峠みちに変わりタニウツギが見事だった六十里越を越える。田子倉湖に降り、まだまだ健在だった田子倉駅の姿をちらと見やれば只見の市街地へはあと少しだ。

じきに只見の市街地に入ると国道の奥には蒲生岳の傾いだ鋭鋒や只見川を挟んだ対岸に聳える鷲ヶ倉山が目に入りこれまた懐かしい。蒲生の手前で入叶津へ向かいまもなく浅草岳の登山口に到着。広い駐車場には県外ナンバーの車が意外に多く驚いた。

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(沼ノ平の笹沼)

歩き出す所で太陽が出てくれたのは嬉しいのだが、ちょっとというかかかなり暑い。さっそく山道に入ると鬱蒼とした緑と根曲がりの木々が出迎えてくれる。

途中でツルアジサイの絡んだ大ブナを見かけたがうまくカメラに収まっただろうか。サンカヨウの実を見かけて気分もちょっとだけ高まる。やがて道が尾根上に上がるとそこが沼ノ平への分岐になる山杉ノ神。沼ノ平の方へはロープが張られているが(公のアナウンスでは通行止)道はしっかり延びていた。

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(沼ノ平の一コマ・Part1)

ロープを越えて沼ノ平へ向かうと今までと違い、幹をスッキリと延ばしたブナが多くなる。日差しが入ると木々や下草の緑が輝いて殊の外見事だ。そしてブナ林を抜ければ今が盛りのタニウツギがピンクの花を咲かせている。

じきに小三本沢に降り立つ。対岸は斜面一帯が崩れているものの河床は広く飛び石で難なく徒渉。ここで行く先の道を少し捜したがすぐに見つかった。ここからがいわゆる沼ノ平の一角で、道は低木に覆われた湿地帯と立派なブナ林を交互に交えながら行く感じ。すぐ先の笹沼は道から見えたので汀まで降りてみたが他の沼は枝道を拾わなければ行けないようだ。

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(沼ノ平の一コマ・Part2)

花は終わりかけのユキツバキぐらいかと思っていたら、道の中程でウラジロヨウラクが現れてしばらく撮影大会。その先の風穴は見落としてしまい、気がついたら再び小三本沢(安沢出合)に降り立っていた。徒渉点で一休みしたらここから稜線へ向け登り返すのだが、すぐ先でサンカヨウの花を見つけてくれた。こいつは上にも居そうだがとりあえず保険でカメラに収めておく。

ここからの登りはさすがに急だ。しかしここもブナが美しく、木々を愛でながら行けるのでさほど苦にはならない。途中で道を外れてしまい小沢を登ってしまったが運良く登山道に復帰。そして辺りが開けたところから沼ノ平を見下ろすようになるとまもなく山杉ノ神で一度別れた尾根道と合流した。

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(小三本沢上部の雪渓)

ここまで来ればあとは山頂を目指す段取りだが先はまだ長い。ムシカリやナナカマドが咲く明るい尾根上から左に見えるのはおそらく朝日岳。右には小三本沢の大滝がチラチラ見える。しばらく行くと花も賑やかになり、オオイワカガミ?にマイヅルソウ、ツクバネソウにコミヤマカタバミ、ツバメオモト。浅草岳は七年ぶりだったがそれなりに花の名前を覚えた今は昔とでは道の見え方が全く違うのが歩いていて良くわかる。

なおも上がると今度はショウジョウバカマに終わりかけながらムラサキヤシオ、すぐ隣に咲いていたマルバマンサクは見つけてもらえなかったらおそらく気がつかなかっただろう。サンカヨウはこの辺りではなんとまだ蕾で、あそこで撮っておいて本当に良かった。そして道脇にタムシバの白い花びらが散乱しているのを見かけると雪が現れるようになった。

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(本日のお花・たむしば・・・丸五年ぶりでした)

しばらく行くと小三本沢源流部の雪渓に飛び出した。残雪は予想よりも少ない印象だがそれでもたっぷり。沢の先には避難小屋も見える。夏道は避難小屋のある対岸へ渡るが、今回は自然と?雪渓を詰めていく形になっていた。

青空に次々と流れる雲を見上げながらせっせと詰めていく。そして振り返る。涼風が雪面を通り抜けて、気分は爽快。お腹が減っていることも忘れて夢中で詰めていく。

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(山頂附近より守門岳)

一旦夏道に入るとやっと逢えたよ、なシラネアオイにオオバキスミレ、カタクリも何とか間に合った。そしてアカモノや赤にピンク、白のイワカガミが道脇を埋めており、そんな花を愛でながら行くとやっとこ山頂についた。

山頂にはベニサラサドウダンが咲き始めていたが、虫が多いので東の鞍部に降りてようやくの大休止。少々風が強いが天気が良いので気分も良い。山頂に着いて今まで見えていた山が次々と確定できるようになったのが面白い。

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(山頂附近より鬼ヶ面山の稜線と毛猛山<奥>)

とはいえ時間が時間なのでもうあまりのんびりもできない。リミットの15時になったら下山開始。山頂に戻って中崎尾根(只見尾根)を下り始める。

ひと下りで先程休んだ鞍部からへの捲道を合わせれば、東西非対称山稜の東側の典型といった感じの急峻な尾根の直滑降。道は急な尾根を捲きながら降りる感じで結構歩きづらい。というか以前登りにとったときはスムーズに歩けた印象だったので余計に意外だった。

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(中崎尾根の下りしな)

尾根が急なお陰で田子倉湖がもう足下に見えているのに降りても降りてもなかなか近づかない。周囲に高木がないので日差しがまともに当たるけど、尾根上を涼しい風が通り抜け、歩いていて至って快適だったのには正直助かった。

降りて降りて田子倉湖が近づいてくるとようやくブナ林に入り少しホッとする。同時に道も歩きやすくなってスイスイ降りられる。下り始めから密かに心配していた幽ノ倉沢にはちゃんと橋が架けられてあって心配も杞憂に終わってくれた。橋を渡れば田子倉へは一投足だ。

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(下りしなより中崎尾根を望む)

まもなくだだっ広い田子倉の登山口に着くと、な、なんと!それとほぼ同時に入叶津からの車やって来て、ホッとする間もなく車中の人となった。

・・・・・☆

◆ 2007.06.16 (Sat)  晴 時々 曇
入叶津登山口 09:20- 山神ノ杉 10:10- 笹沼 10:45- 小三本沢(安沢出合) 11:20/11:30- 沼ノ平分岐 12:20- 小三本沢(避難小屋前) 13:35- 浅草岳 14:15/15:00- 剣ヶ峰 16:10- 幽ノ倉沢 17:00- 田子倉登山口 17:15
 
・・・・・☆・・・・・☆

あと久しぶりにリンクのお知らせです。月初めの飛龍山でお会いしたyamyamさんのブログ、yamyamの山歩き!を追加しました。

毎週のように長躯をサラリと歩かれ、そして植物や鳥類の造詣も深いバイタリティー豊かなyamyamさんの山歩きの記録。バリエーションの記録も多くそちら向けの参考にもなるでしょう。みなさま、ぜひご覧くださいませ。(^^)
 

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2007.06.06

六年ぶりに飛龍山へ

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(シャクナゲ咲き始めた・前飛龍附近にて)

ここのところ公私ともにバタバタ続きでお山へ行けず、さきの週末もちょっとヤバい雰囲気が漂っていたのですが、土曜(06/02)がうまいことぽっかりあいて、さぁどこへ行こうか・・・。

シロヤシオも良いけど前の週に見逃したイワカガミが見たい、あっそれなら・・・と浮かんだのが先月寝不足で行きそびれた飛龍山のこと。バラクチ尾根を歩いたとき以来丸六年間訪れていないのでじゃぁ行ってみようか、ということで歩いてきました。(^^)

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(北天ノタルへの道すがら)

土日の朝の丹波行きは時間が遅すぎてお話しにならないので、今回は素直に?奥多摩駅から後山林道の片倉橋までタクシーを張り込んで(¥5780)のスタート。

周囲の木々が朝日を浴びその空気まで緑に染まっているような林道を三条の湯へ向けてくてく歩いていると、まもなくここでHgさんに拾われて(!)終点までひとっ飛び。お陰で予定より40分ほどは早くなったでしょうか。すると妙な色気も出てきたのですがここはおとなしく普通に歩く所にして(笑)、Hgさんに運良く逢えたら嬉しいなと思っていたコイワザクラとキバナコマノツメのありかを聞き出しながら三条の湯へ向かいます。

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(奥秩父主脈稜線より飛龍山)

話によると先のお花は今回のルートでは期待薄なようですがとりあえず希望を持って(笑)、三条の湯で三条タルミへ経由で飛龍へ登るというHgさんと別れて北天ノタルへ向かう中ノ尾根の登山道に入ります。林道終点から三条の湯への渓畔林もそうだったけど、今の時期は新緑美しい自然林のもとを歩くだけで「山に来て良かったなぁ」と心底思える良い時期ですね。

時間に余裕もできたのでのんびり歩いて二時間程で北天ノタルへ到着。パンを囓ってたらちょっと遊びたくなったのでここで南面を捲く登山道と別れて稜線通しに歩いてみると、さっそくシャクナゲが出てきますが花はほとんどついていません。林床には今年最後と思われるイワウイチワにバイカオウレンがちょこっと。あとシカが増えているのかフンがかなり多いです。

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(飛龍山附近にて)

登り切ったピークは意外や北面が開けており、思いもかけずクリアになった大洞の谷や和名倉山の姿を拝めたのは久しぶりでかなり嬉しかったです。ここでようやく咲いたシャクナゲともご対面。でも陽当たりの良いところだけ花付きが良いのが不思議です。

しばらくは藪を分けながら稜線通しに歩いていたのですが、ふと稜線左下に登山道を見つけてしまったら何かバカらしくなってしまい、ここで登山道に降りてしまいました。すると今度はyamyamさんと遭遇。久しぶりだったし、こちらは超余裕の行程だったので20分近くお話ししてから飛龍山へ向かいました。

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(日当たりの良いところは花付きも良い・前飛龍の一コマ)

周囲のシラベが軒並み囓られて今後が心配な飛龍の山頂を越えると、再びシャクナゲが出てきますがこちらも花蕾は少なくちょっとガッカリ。でも前飛龍との分岐でもある飛龍権現に降りて禿岩へ寄ると、こちらは日当たりがいいせいかシャクナゲがいい感じで咲いています。う~ん。

誰もいない禿岩で今年初のイワカガミを見つけましたがまだほどんどが蕾です。するとここで三条ダルミから回ってきたHgさんが追いついてきて一言。「コイワザクラ、普通にいたよ~」ってウソでしょ~(笑)。orz

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(もう一つのお目当て・イワカガミは咲き始め)

気を取り直してお先に前飛龍へ向かうと、こちらは尾根が明るいせいかシャクナゲも花をたくさんつけていてようやく堪能できました。ただもう一つのお目当てであるイワカガミは大半が蕾で、前飛龍からミサカ尾根を少し下ったところでようやくまともに咲いた群落に逢えた感じ。シャクナゲもまだ蕾や膨らみかけたのが多く、今週末がおそらく盛りでしょう。

んで、あとは新緑に染まるミサカ尾根・天平尾根を辿って親川へ。丹波天平も久しぶりでしたがその広い山頂附近にはシカやイノシシが駆け回っており、もうここは彼らの公園のような感じですね(笑)。

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(公園のような丹波天平山頂)

親川へ下りきる前に着替えを済ませて青梅街道に降りると、アレ?バス停がない。この辺りは歩道が狭いしバス停捜すのに丹波側へ戻る気にもなれないので、安全なお祭まで足を延ばしてから帰りのバスを待っていると、バスの時間の直前にサヲラ峠から三条の湯に戻られたHgさんに再び拾われて奥多摩駅へ直行。お陰で後の約束を無事果たせたばかりか予定より一本前の電車に乗れました。

しかもその電車には丹波戻りのyamyamさんに拾われたシマダさんが登場してまたビックリ。実はyamyamさんと山で話していたとき丹波に車を停めてますので宜しかったら・・・と云われていたのでした。

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(今度はあずましゃくなげ九変化 ^^;;;・前飛龍にて)

とにかくこの日は山よりもその出会いの方の印象が強烈な一日でした。しかしそれより何より毎度毎度ワガママかつ勝手気ままに歩いているボクなんかの帰路まで心配してくださるお二方には感謝の言葉もありません。

またの機会もよろ・・・などと図々しい事はもちろん云いません(笑)。今回出会った方達だけでなく、このサイトを見てくださるみなさまとの遭遇も楽しみにしております。(^^)

・・・・・☆

◆ 2007.06.02 (Sat)  晴 後 曇
後山林道終点 08:20- 三条ノ湯 08:45- カンバ谷 09:50/10:00- 北天ノタル 10:35/10:45- 飛龍山 11:45- 禿岩 12:00/12:45- 前飛龍 13:25- 熊倉山 14:10- サヲラ峠 14:35- 丹波天平 15:00- 親川 16:00
 

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