ブナ美しき、菰釣山~屏風岩山
(シキリ尾根上部のブナ林・Part1)
しかし先週一週間の暖かさは一体何なんでしょう!先週の月曜はまだつぼみの堅かった桜がやっと開花したなと思ったらあっという間に満開。これじゃ先週見そびれたミツマタはちょっとマズそうだな~と思ったんですけど、ミツマタと絡めた丹沢の藪尾根はダニが多いから今を逃すともう涼しくなるまでお預けになってしまう。
ので、日曜(04/01)は晴れそうだし、これがラストチャンスだと思い行ってきました。今回は菰釣山南東尾根たるシキリ尾根を下降して一旦地蔵平へ降り、屏風岩山西尾根を登り返し東尾根を下降してミツマタ見物という毎度ながらの愚かしいコースどりでした。(^^ゞ
(菰釣山避難小屋・・・真新しい)
んで、今回は谷村町駅から道志はサガセ西沢のゲートまでタクシーを張り込んで(7000円ほど)のスタート。初めての菰釣山、こんな形で楽するのはちょっと失礼かと思ったんですけど、今回のコース取りはこれがあってはじめて成立するものなので今回はどうぞご勘弁くださいましといった所でしょうか。
ゲートでタクシーを降りると四月になったばかりだというのに明らかに暖かい風が通り抜け、暑くなりそうだなと思いながら歩き出しますが、もう目の前に甲相国境稜線が間近に見えており(笑)こんなに楽して良いのだろうかと改めて思ってしまいます。
(菰釣山山頂にて)
なかなか好ましいブナ沢沿いの道から30分ほどで国境稜線に上がれば、あとは行く先に聳える菰釣山を目指す段取り。途中のきれいな避難小屋でちょっと涼んで先を行くと、尾根も周囲の山肌もまぁまぁみごとなブナの裸木たちで地面にはブナの実の殻が大量に散乱しています。そんな様子にワクワクしながら登っていくとあっけなく菰釣山の山頂に着いてしまいました。
想像よりも遙かに小さく狭かった山頂からは展望も利き、富士も大きな姿を見せてくれます。でも個人的には5年前に歩いた西丸東丸に水ノ木沢と樅ノ木沢の中間尾根の姿が眼下に見えて懐かしかったです。あとすぐ南にある三角点は今回は訳あって寄らないでおきました。
(菰釣山より)
休憩を終えたら今回のメインディッシュのはじまり。東へ少し戻ってからシキリ尾根の下降に移ります。
のっけはモミ(シカに囓られていない)にブナの混ざる落ち着いた雰囲気。尾根上は当然スズタケが被りますが下道は意外に明瞭で、雨後の乾いたスズタケはキレイで気分良く漕ぎながら下っていく感じ。
(ミキリ尾根のブナ林・Part2)
そしてモミ切れるとブナ主体の自然林に変わるのですが、飛び抜けた巨樹こそいないけど太いブナの揃ったこの林はとにもかくにも圧倒の一言、素晴らし過ぎます。噂には聞いていたけど菰釣ってこんな森を持っていたのですね。大栂の辺りもこんな感じなのかな?と思いつつそんな木々を愛でていると歩みは自然と遅くなってしまいます。
でも枝尾根を分けるシキリ沢の源頭ピークに降りるとそんなブナ林もおしまいで、植林の中を下ると一旦林道におり、しばらく林道を下ってから再び尾根に入ります。
(ミキリ尾根にはこんなモミ林も散見された)
再び尾根に入ってももう植林であとは淡々と下るだけ。尾根右(南)側が広大な伐採跡になっており、大栂から富士見峠を通る尾根を眺めながら降りているとここでミツマタが出てきましたが、残念ながら花はもう盛りを過ぎていました。
伐採跡が途切れるとじきに林道に降り立ち、地蔵平へ向かいます。しかしこの林道がヤシャブシにキブシ、フサザクラにダンコウバイの花々に芽吹きがはじまりなんとも素敵な道のり。そして地蔵平の手前ではマメザクラともう麓は春本番の様相です。
(地蔵平の地蔵堂)
そして初訪以来二年ぶりとなる地蔵平に着いたら、先ずは地蔵堂に挨拶して木陰で涼みながら休憩。ここで時計を見たらなんとまだ10時半。予想よりかなり早く着いてしまいました。ということでお昼は屏風岩山でとることにして、さっそく西尾根に取付きます。
登りだしの植林を抜けると伐採跡が現れ、ここでさっき下ってきた菰釣・シキリ尾根を一望してから大ブナの立つピークに登ると、ここから再び自然林との再会。
(下ってきた菰釣山、シキリ尾根を振り返る・屏風岩山西尾根下部にて)
こちらもこれまた立派なブナの多い素敵な尾根で、コケの着いていない樹皮のきれいなブナばかりだったのがシキリ尾根と対称的で面白かったです。でもこちらのモミは一部シカに囓られており将来が心配ではあります。
スズタケも被る箇所が少なくて歩きやすく、そんなブナ林を愛でながらゆるゆる登っていく感じ。でもそれも上部に上がった所で尾根の右手が植林になってしまい、それがちょっと残念でしたが、この標高でそれを云うのも結構贅沢な話かも知れませんね。
(西尾根中部にて)
そんな植林を合わせると一頑張りで見覚えのある屏風岩山の山頂に出ました。んが意外や山頂には誰もいません。当然の如く?自然林に覆われた西側の緩斜面でランチをとっているとハイカーの声がしますがポツポツといった程度でした。
ミキリ尾根の低い所のミツマタは盛りを過ぎていたので、ここで東尾根を下るのではなく一段高い所の群落がある二本杉峠廻りで降りるのもよさそうかな?と少し思いましたが、シキリ尾根や西尾根のブナ林でもうもうお腹いっぱいだったのでここは予定通り東尾根を下ることに。
(屏風岩山東尾根下部のミツマタは盛りを越えた)
東尾根下部のミツマタ群落は↑の通り盛りは過ぎて白っぽくなっていましたが、今年もその花をそして香りを楽しめたことに感謝して、大滝橋に降りました。結局ミツマタの盛りが過ぎていたのをみなさんわかっていたのでしょうか?帰りのバスにはハイカーの姿はそれなりにはいたものの、想像よりは遙かに少なかったです。
しかし今回のコース、本当はミツマタの人混みを避けるため苦し紛れに捻り出したコースなのに、実際はこんなに素敵なコースだったとは恐るべし西丹沢ですね。裸木の時期でもこれだけ楽しめたのだから新緑紅葉の時期はさぞ素晴らしいことでしょう。こおなってくると大栂~椿丸の辺りが俄然気になってきますね。(^^)
・・・・・☆
ということでこの日のREPはこちらをご覧くださいませ。<(_ _)>
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コメント
北岸さん、こんばんわ。ようこそいらっしゃいました。
さて屏風岩山西尾根の件。地蔵平の貯木場というのがどこかわからないんですけど、おそらく富士見峠への林道を分けた奥の平地だと思いますけどどうでしょうか?
ちなみにボクはそこの東斜面の入れそうなところを藪をかき分け適当に取り付きました。きちんと捜せば取り付きはあるのかもしれませんけど捜すのが面倒だったのでそうしたのでした。
ボクはそう言う取り付き方をよくするのであります。
投稿: komado | 2008.03.23 20:04
小生、丹沢特に西丹沢や南アルプスの深南部をうろついております。そして「花のひかり」を随分参考にさせていただいております。ありがとうございます。
さて、お教えいただきたいのは丹沢・地蔵平から屏風岩山西尾根への取り付き点・場所です。
旧貯木場辺りと思いますが、はっきりしませんのでよろしくお願いします。
投稿: 北岸正明 | 2008.03.21 14:41
いや~、13時くらいまではホントにいい天気でビックリでしたよ。でも最近の週末は週間予報では悪くて直前に良くなるパターンって感じですね。今週末もそんな感じだし。
ミキリ尾根はそう南東尾根のこと、一月に歩いた旧東海自然歩道の事もあったので藪は濃いだろうと思って久しぶりに気合い入れていったら、あらら拍子抜け。でもそのお陰で余裕を持ってあのブナ林を堪能できたのですから、仰るとおりホントなにが幸いになるかわからないですね。
でもその前の週末やお彼岸だったら両方楽しめたんだろうな~、っていうのはやっぱり贅沢ですね(笑)。
投稿: komado | 2007.04.07 21:41
晴れてるじゃ~ん!
コマドちゃんてやっぱり晴れ男なんだね~。
ミキリ尾根ってどこだろう?三角点に寄らなかったってことは、菰釣山の南東かな?
こういう尾根の名前って、どこで知るのですか~?
エアリアに載ってないし~。
それにしてもしびれるようなブナだね~。
やっぱし、西タンのブナタンはええね。
ミツマタのお花見は毎年恒例になってきたね。
去年と同じ場所で撮ってるので、笑ってしまいました。
盛りを過ぎたとはいえ、黄色い絨毯は見事です。
コース選びって、何が幸いになるかわからないですよね。
投稿: かず | 2007.04.06 19:31