御坂の主稜線、ようやく完歩
(常葉川 反木川中間尾根・尾根下部は芽吹きがはじまっていた)
ボクは「稜線を繋げる」ということにあまり熱心ではないというか、無頓着な方なのでそういうの目当てで歩くことは滅多にないのですが、今回歩いた天子山塊とのジャンクションでもある中之倉峠からパノラマ台の間は交通の不便さもあって御坂主稜筋の中でも最後まで歩けないでいた所でした。
ということで先週の日曜(04/08)は下部側の古関から常葉川 反木川中間尾根を延々と辿って中之倉峠~パノラマ台に上がり、これまた長らく懸案となっていながら放置していた烏帽子山、城山と辿って精進へ下るコースを組んで歩いてきました。
(中間尾根920m圏峰北脇にあった、もと水力発電用の貯水槽か?)
土曜は寝坊してしまい、今回の山行きも日曜になってしまったので古関へは甲斐常葉駅から吉田行きのバスで出たのですが、今回はボクの他にハイカーがいてビックリ。でもバスの車中はその方とお話していたせいか古関まではあっという間で、バス停から道路脇の桜が満開だったR300を本栖方面へしばらくいった所からさっそく尾根に取り付きます。
意外にスッキリした斜面をせっせと登って常葉川 反木川中間尾根の尾根上に上がるとそこには古関の集落からと来た思われる明瞭な道筋が延びていました。それからしばらくは植林が続きますが、晴れていたせいかすでに暑くなっており普段は嫌っている植林も日差しの入らないその暗い木陰が涼しくてちょっとホッとします。でも登るにつれ植林は徐々に雑木林に変わり、芽吹きはじめた灌木は日に当たって輝き、落ち葉の地面一面にタチツボスミレが咲いて、ミツバツツジにウグイスカグラも咲き始めて春本番の様子。
(950m峰の下りしなより1036m峰)
半端な所にある△898.2mは四等点(御坂は半端な所にある四等点が多い)ではなく三等点でした。そしてそこからひと登りして上がる920m圏峰の手前では明瞭な道が南から北へ乗り越しており、ちょっと気になったので周囲を探索してみると、920m圏峰のすぐ北に今は使われていないコンクリの水槽らしきものがありました。これは何だろう??と思って地形図を見てみると疑問はすぐに氷解。どうやら本栖湖から水を引いて、ここの貯水槽から反木川の発電所に水を落としていたようです。
雑木の歩きやすい道のりも、その先の1000m圏峰を境にして尾根南側が皆伐後の灌木帯に変わり、尾根上も灌木の藪が被るようになって一気に歩きづらくなります。ここから950m峰の南鞍部までが今回の行程で一番藪の濃い箇所でした。
(△1131.4m峰附近だったと思う)
灌木帯を抜け、1036m峰への登り返しに入るとまた歩きやすい雑木の道になりほっと一息。その先も灌木が薄く被る箇所があるもののほとんど気にならず、対岸の梢越しに見えるはずの雨ヶ岳から毛無山~大ガレノ頭の稜線はガスっていて姿を見せてくれません。晴れているというのに。。。
そしてこの日二度目の三角点峰となる△1131.4m峰に上がると目の前にはおそらく富士が見えるのでしょうが、これも雲に埋もれて見えません。ここから南の尾根に巻き込まれずに東の鞍部へ急降下する箇所がこの日の行程で一番わかりづらい箇所でしょう。
(中之倉峠にある石柱)
1123m峰から緩く下って登り返した黒木のどうでも良い小ピークが実は御坂と天子の主稜線を分けるジャンクションピークで、その本当に小ピーク然とした様子にちょっとだけガッカリ。ここで南へ降りると中之倉峠なのですが、まずは御坂の主稜線をきっちりトレースするため(笑)稜線伝いに東の鞍部に降りてから南の捲き道を戻って峠へ向かいました。
んが、峠に出る手前の本栖へ降りるであろう明瞭な道が分かれている所に「甲斐の山山」に記述されていた↑の石柱があったとは知らずにそのまま峠に行ったら下部側に明瞭な道が下っているだけ。あれ~??と思いつつ半ば焦りながらしばらく周囲を捜索して、ようやく件の石柱を発見しました。要は最初に見かけた時、パッと見だたの境界石標にしか見えなかったのでそのまま通り過ぎていたのでした。
(中之倉峠を過ぎると自然林が現れる)
ここから梢越しに本栖湖の湖面を見ながら(本栖湖を間近に見るなんて何年ぶりだろう!)、そして尾根の北側がミズナラ・ブナの素敵な自然林に変わり、道筋もしっかりします。ただその道は尾根のピークを南に北に捲きながら延びているので今回はそちらを通らず、徹底的に尾根通しで歩く事につとめました。
途中スズタケの被る箇所が二箇所ほどありましたが道筋は明瞭なのでさほどの事はなく、なかなか立派なミズナラやブナの木々を愛でながら行くと、ようやく三方分山からの登山道と合流。とりあえず最高点の1328m峰に上がってから、すぐ南のパノラマ台に向かいます。
(富士もちょこっと顔を出してくれた・パノラマ台より)
パノラマ台に着く頃にはもう13時を回っていたせいか、広い展望台には一人いるだけで静かだったのには驚きましたが、雲の切れ間から富士が姿を見せてくれたのにはもっと驚きました。今回は諦めていたのでこれは嬉しかった。そして王岳の方を見てみると、あれ?全然白くない!そお云えば今までの道のりも、雪が全くなかったなぁ(笑)。
奇跡的に??姿を見せてくれた富士も間もなく雲に隠れてしまったので結局ちょっと休憩しただけで下山開始。烏帽子山へ向かいましたが、こちらも思いの外自然林の続く美しい道のり。烏帽子山から城山への尾根を拾うと道は薄くなるものの、尾根を外さなければ問題ありません。そして本栖への分岐を直進するように行くと痩せた露岩の尾根に変わり、溶岩の石組が目を引くのろし台跡の先が城山の山頂でした。
(黒木と苔と溶岩の道・東海自然歩道にて)
ここで最後の展望を楽しんでなおも降りると、道はR139じゃなくて東海自然歩道の方に降りるのですね。せっかく自然歩道の方に降りたのですから、精進へは自然歩道を歩いて向かうことにして歩き出すと、そこはさすがに樹海の中。黒木と苔と溶岩の暗い道の道中はすぐ脇を通るR139の車の音が妙に心強かったです(笑)。
今回でようやく御坂の主稜線が完全に繋がり、そして奥秩父は笠取山南の白沢峠から中之倉峠までも尾根伝いに繋がりました。今後は天子・・・先ずは目の前の「雨さん」なんだろけど、なかなか行きづらい山だからいつ歩けることやら。でも雨ヶ岳~中之倉峠は下りにとりたいなぁ。。。
・・・・・☆
ということでこの日のREPはこちらをご覧ださいませ。<(_ _)>
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コメント
いや~、あの辺り・・・特に本栖湖のまわりはなかなか良かったですね。林は良いし静かで、他の富士四湖とは明らかに違う本栖湖の佇まいもまた好ましい。お気に入りというのもわかるような気がします。
本栖からの富士は5000円でしたっけ?残念ながら今回は見る機会に恵まれなかったけど、次に訪れる時は是非見てみたいし、久しぶりに本栖の水も触りたい。そおいやバスで同乗していた方は本栖から△1247.3m(氏曰く中之倉山だそう)を回って古関に戻るコースのようでしたが、雨ヶ岳まで上がらなくても面白そうなコース取りが出来そうであれこれ考えています。
投稿: komado | 2007.04.13 19:23
お早うございます。
御坂の主稜がついに繋がったのですね。繋がるとなんか感慨深いものを感じますよね。komadoさんの今回歩いたコースと一部違いますが、私は烏帽子岳からパノラマ台を繋ぎ、パノラマ台から中之倉峠経由1247.3ピーク、仏峠へと歩きました。あちら方面は私のお気に入りスポットですので、komadoさんの歩いたコースを見て懐かしいやら・・・。
その私が歩いた時の話ですが、中之倉峠付近でカメラを持った若いお兄さんに遇いましたが、その方は《古いお札に使われている富士山がこの辺で70年くらい前に撮られたので、その雰囲気を味わうだけでも・・・。》と仰っていました。確かに富士山が奇麗ですよね。やや細長のスレンダーの富士山ですよね。
雨ヶ岳の北尾根は林相がとても奇麗でしたよ。何時ごろになるのかしら?楽しみですね(^^♪
投稿: フクシア | 2007.04.11 04:50