« 天狗岩から蛾ヶ岳へ | トップページ | 小金沢の閻魔さま »

2007.01.22

大滝峠~信玄平・・・魅惑の廃道歩き

B070122a
(水晶沢 戸沢中間尾根を行く)

年に数回ながら西丹沢へボチボチ入るようになると必ずと言っていい程気になってくるのが、大滝峠と信玄平を結ぶ今は廃道となった奥野歩道とも云われる旧東海自然歩道のこと。去年、セギノ沢 バケモノ沢中間尾根を歩いた時にその径路が通っているであろう甲相国境稜線南斜面のその自然林の多い良さげな様子を見て、ba_sobuさんと次はあそこを歩こうと決めていました。

ということで土曜(01/20)は約一年ぶりとなる西丹沢。道志側からの周回でその旧東海自然歩道の大滝峠~信玄平間をキッチリと歩いてきました。

B070122b
(お気楽に・・・旧東海自然歩道、大滝峠側入口)

今回はba_sobuさんの車で道志は室久保川側の横浜市野外活動センターへ出てからのスタート。エアリアの登山道はまずその活動センター内を通るのですが、道標もなく道がどう通っているのかわからなかったのでしばらくは右往左往。それでもなんとか登山道を見つけて行きましたが、今度は国境稜線に上がる手前で道を外してしまい忘路峠のすぐ東側へ上がってしまったのはご愛敬。(^^ゞ 稜線に上がればブナの美しい自然林の稜線を歩いて畦ヶ丸へ向かいます。

今回は畦ヶ丸の山頂へは寄らず、ただちに大滝峠へ。途中ヒミツの(ってほどでもないが)林に寄ってから大滝峠上の分岐を一瞥するとまもなく旧東海自然歩道の分岐に降り立ちました。

B070122c
(セギノ沢の枝沢を渡るところ)

さて、ここから信玄平までがこの日のメインディッシュとなる旧東海自然歩道。分岐にある看板から判断するとこの道が廃道になってからすでに15年近く経っており、奥多摩や多摩川流域に延びる東京都水道水源林の巡視路のように「廃道」と言いながら密かに改修されているような事は確実に望めません。

旧歩道に入るとさっそく崩れた斜面に傾いた桟道の歓迎を受けます、時折見かける古びた道標もそんな径路の雰囲気にぴったり。セギノ沢 バケモノ沢中間尾根までは植林があるので径路は比較的明瞭でした。

B070122d
(セギノ沢の手前辺りだったと思う)

B070122e
(水晶沢への下りしな)

セギノ沢 バケモノ沢中間尾根から待望の自然林に入ると同時にスズタケが道に被るようになります。径路は薄くなり、沢を横切る箇所はやはりというか荒れていましたがそれはもちろん想定内のお話。それより意外だったのが尾根を回り込む箇所でのスズタケの煩さで、スズタケが山側から谷側へ覆い被さり歩きづらいこと歩きづらいこと。しかし周囲のブナ林は大木も多くなかなか見ごたえがあります。新緑の頃も良さそうだけどダニがイヤだなぁ。。。

B070122f
(水晶沢 戸沢中間尾根のひとこま)

B070122g
(水晶沢 戸沢中間尾根のひとこま・Part2)

B070122h
(運良く、富士山も見えた)

去年の山行きでランチ場の確保が出来なかった教訓を生かして、今回はちょっと開けた戸沢のほとりでランチを取りました。(結果これは正解)戸沢から先を行っても状況は変わらないどころかスズタケはなおも濃くなるばかりで、倒木も絡んで歩みがはかどりません。その上スズタケで径路が消滅している箇所もあり、径路が微妙に上下する事もあって径路自体を見失うことも度々。今回は人海戦術に藪の中にあった道標のお陰で何とか探せましたが、独りだったら径路を探すのに時間を取られそうです。

B070122i
(戸沢から這い上がるところ)

B070122j
(戸沢 赤沢中間尾根のひとこま)

B070122k
(戸沢 赤沢中間尾根のひとこま・Part2)

個人的な予想では赤沢を回り込むあたりが一番荒れているのでは?と思っていましたが、沢自体は思ったより荒れておらず、こちらもスズタケが育っているお陰で径路を探す方が大変な作業でした。

B070122l
(赤沢の本谷?左俣・・・と言ったらいいのか・・・にて)

B070122m
(ここまで来れば信玄平まではもう少し)

それでも径路が城ヶ尾峠へ突き上げる赤沢の枝沢を渡るとスズタケもようやく薄くなり、信玄平まではあと少し。ここでパーティ一同 緊張がとけて安心したのか、信玄平直前の沢筋でヒヤリとした一件があったものの運良く無事に到着しました。大滝峠から信玄平まで二時間半もあれば充分だろう、の予想は大きく外れて実際は実働だけでも四時間以上かかっており(ちなみに'91エアリアでは赤実線で二時間)、結局信玄平にあった↓この注意書きは正しかったのです。

B070122n
(径路消滅 通行不能・信玄平にて)

大休止の後、信玄平から捲道(ブナ林が美しかった・・・)経由でヘロヘロ城ヶ尾峠へ登り返したらもう16時を回っており、この時間では大界木山をまわる余裕はありません。峠から直接水晶橋方面へ下りて、林道に出たら林道経由で浦安峠を越え活動センターへ。浦安峠を越える頃には日も暮れて、山歩きを終える頃には真っ暗になっていました。

旧東海自然歩道・・・もとは登山道だし、廃道とか云っても下道は明瞭だろうとタカをくくってナメていました。でもここも西丹沢の一角なんですね。美しい自然林の許、自然に還りつつある径路を歩くのはしんどかったけど、大変楽しい充実した一日でもありました。西丹沢って奥まっているにもかかわらず実は植林が多いんだけど、残された自然林は美しく、妙に魅惑的な山域ですね。そんな山を歩かせてもらえる幸せ。ba_sobuさんそしてダンナさま、今回はいつもにも増してほんとうにありがとう、です。

・・・・・☆

ということでこの日のREPはこちらをご覧くださいませ。<(_ _)>
 

|

« 天狗岩から蛾ヶ岳へ | トップページ | 小金沢の閻魔さま »

【前道志・道志・丹沢 2007】」カテゴリの記事

コメント

あぁ、アレからもうそんな経つんだ。。。
歳を食うと時の経つのがマジで早いよ~(笑)。

ホント、あの時はボクも実際に見たことなかったから良いきっかけになりました、アリガトね。でもうかうかしてるともうミツマタの花期になっちゃうよ。


> あの時は、一緒にお酒が飲めるようになるなんて

んだね~。かずさん、こちらこそ本当にヨロシクですよ。(^^)

投稿: komado | 2007.02.01 22:17

あはは~やっぱりね~。
そおいえば、このサイトに来るようになったのって、ミツマタのことおせえてくれたのがきっかけだったよね。
あれから4年ですか?
あの時は、一緒にお酒が飲めるようになるなんて思ってもいませんでした。
これからもよろぴくね~。


投稿: かず | 2007.01.30 22:37

いやぁあそこまでしんどかったとは思ってもいませんでしたよ。本当になめてた。西丹沢も何度か入っているとスズタケが枯れ出しているようにも思える所もあって、余計に意外でした。スズタケが順調ならばだけど、あと10年もすると下道も完全に消えそうです。

>「お~~~い!どこだ~?」みたいな?(笑)

そうそう!
怪しい所では二手に分かれて、行けそう?どう?とか言い合っていました。お陰で比較的楽に探せましたが、独りだったら大変でしたでしょうね。忘路峠・・・よみはわからないけど、ぼうじとうげとしかよめないような。。。

投稿: komado | 2007.01.24 22:48

うあ~!ついに行っちゃったのね~!
滝子山の旧道が5年でスズタケのやぶに変化してしまったのですから、15年もたてば当然といえば当然…。
スズタケの繁殖力のすごさには驚かされるというか、納得してかからないといけないですね。

苔の生えた指導標が、そそりますね~。
ゾクゾクしちゃうよ~。
忘れられた峠(忘路峠…名前がいいね。わすれじとうげ?)から、忘れられた道への旅…。
廃線跡を歩く旅にも似てるよね。規模が違うけど…。

以前、ミツマタを見に屏風岩山から権現に縦走したとき、大滝峠上からわかれる旧道がものすごく気になっていたのですよ。
人海戦術での道探しは、声を掛け合いながらでしたか?
「お~~~い!どこだ~?」みたいな?(笑)

投稿: かず | 2007.01.23 19:35

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大滝峠~信玄平・・・魅惑の廃道歩き:

» 大滝峠上~信玄平 [ 青空に雲が光る]
2007年 1月21日 (土) 曇 朽ちた道標と一年ぶりに再会した     ( [続きを読む]

受信: 2007.04.17 21:59

« 天狗岩から蛾ヶ岳へ | トップページ | 小金沢の閻魔さま »