小金沢より楢ノ木尾根周回
(エンマゴヤ沢左岸尾根上部にて)
楢ノ木尾根の北面は葛野川・日川における一連のダム工事が始まる以前に小金沢へかなり通っていたこともあり、以前から気になっていたのですが、その交通の不便さと流域のかなりの広範囲に亘って広がるカラマツ植林に今ひとつ食指が動かないままでいました。
でも二週間前に大樺尾根(大樺ノ頭北尾根)を歩いた時、確かに林相的な妙味は少ないもののけっこう楽しめたこともあって今回もまたこちらに。深城を起点にエンマゴヤ沢左岸尾根を登路にとり唐松立(1597m)へ上がり、楢ノ木尾根を東へ大峰まで足を延ばしてから北尾根を降りる周回コースで歩いてきました。
(エンマゴヤ沢より・・・右手がエンマゴヤ沢左岸尾根)
今回はba_sobuさんのお車で深城の跡地に出来た小金沢公園へ出てからのスタート。深城までの道中はガスが濃くどうなることかと思っていましたが歩き出す頃にはすっかり晴れ上がり、12月半ばとは思えない程の暖かさの中、小金沢林道をてくてく歩きます。
シンナシ沢、スバノ沢を越えて次の明瞭な沢がエンマゴヤ沢でその右手(西)の尾根が今回歩く予定のエンマゴヤ沢左岸尾根。ここまで小一時間程でした。
(エンマゴヤ沢左岸尾根中部にて)
林道は左岸尾根末端の805m峰南鞍部を通っていて、そこは高い切り通しになっているので取付くのはかなりしんどい。なのでエンマゴヤ沢の左岸についていた階段が尾根上にある送電塔の巡視路だと思って入ってみたら、やはりというか堰堤までの道のようでしばらくいった先で途切れてしまったので、適当な枝尾根を捉えて尾根に取り付きました。
尾根に取付けばあとは上がるだけなのですがそこは急峻な小金沢側の宿命か、登るにつれ尾根は徐々に傾斜を増していき、やがて露岩も現れ左岸尾根に上がるまでがこの日一番大変な行程でした。
(左岸尾根1255m峰附近にて・奥はおそらく白草ノ頭)
取付から一時間かかって何とか尾根上に上がって一安心。でも尾根はツガや灌木の茂る痩せた露岩の尾根のアップダウンが続いてスムーズには行かせてくれません。そんな小ピークをいくつか過ぎるとようやく藪から解放されて、イヌブナの目立つスッキリとした自然林の中を登るようになります。
でもそんな林も長くは続かず、まもなくお馴染みとなる??カラマツ植林に。でも暫くは手入れの入った林で一面小笹の快適な広尾根。振り返ると長峰に牛ノ寝、そして飛龍の姿。右手には大峰・泣坂ノ頭の顕著なコンビが間近に見えて、特に泣坂ノ頭の姿が意外に端正で新鮮に見えます。1255m峰を過ぎするとまもなく右手から送電線巡視路が合わさり、ひと登りで送電塔(深城線30号)に出ました。
(最後の送電塔を過ぎるとスズタケが深くなる)
ここまで来ると楢ノ木尾根が間近に見えてあと一頑張りといった所。でも巡視路はここから尾根を外れて延びており、尾根上はカラマツ植林の許スズタケが高々と茂っています。とはいえもうここを行くしかないので、さっそく突入してみると下道はなく、なかなか前へ行かせてくれません。
しかし、上がるにつれ尾根が痩せてくると徐々に下道が現れ歩きやすくなってきました。そして尾根の左手がブナ・ミズナラの美しい自然林になるとまもなく楢ノ木尾根と合流。そこは予想通り楢ノ木尾根の下降で一番のポイントとなる分岐でした。(今は道標あり)
(楢ノ木尾根・・・唐松立の手前辺り)
ここまでくれば送電塔の立つ唐松立までは一投足。でもこの間の北面の自然林・・・特にダケカンバが見事で、尾根の明るさと相俟ってなかなかの雰囲気。富士も何とか見えて合流地点から20分程で唐松立に着きました。
目の前には大樺ノ頭が見えるのでなおも先へ行きたくなってしまいますが、今回はここまで。周囲が曇り始めていたものの送電塔ですから下は平坦な草地だし、北に南に展望はきわめて良好。ヨウダラ尾根を見下ろし、右手には左の雁ヶ腹摺りよりも立派に見える大樺ノ頭。そして左手の権現、扇山がこれまた意外に立派で、権現扇より標高の高い手前の泣坂ノ頭、大峰よりも大きく見せているのが不思議。なぜだろう??
(本日ここまで・左は雁ヶ腹摺山、右は大樺ノ頭)
休憩中に周囲は曇ってしまいましたが、一時間程のんびりしたら来た道を戻ります。北面の素敵な自然林も左岸尾根との分岐からしばらく下るまで。あとは小刻みなアップダウンを繰り返して泣坂ノタルに降り立ちました。
ここから泣坂と呼ばれる泣坂ノ頭(地形図で大峰と誤称されているピークです。念のため)への登り返し。登り自体はさほどの距離ではないのですが、下りと決めた体には少々しんどいです。えっちら登って周囲にちょっとだけ自然林が復活すると泣坂ノ頭に着き、少し休んだら大峰へ向かいます。
(こりが泣坂でございます)
古びた祠の建つ大峰も時間が遅いせいか誰もおらず、ここでで改めて大休止したら一つ隣のピークに寄って北尾根の下降に移りました。
北尾根も以前とはあまり変わりがなく最初は灌木の煩い急降下で始まり、深城ダムの尾根を右に分けてしばらく下ると尾根上は密かに楽しみにしていた防火帯に変わります。
(大峰北尾根の防火帯)
防火帯に変わればあとはそれを辿るだけで、フカフカの落ち葉を踏みながら、足でかき分けながらルンルン気分で歩ける楽しい道のり。惜しむらくは曇っていたことだけでしたが、多くを望むのは贅沢というものですね。
以前は尾根下部(910mの尾根分岐)に来ると防火帯にススキが茂って防火帯が藪化していたのですが、それもキレイに刈られて快適・・・ではなく尾根下部はこの辺りらしくかなり急になるので実はここからが一番神経を遣う所。小金沢側の下降はコレが一番のネックというか厳しさですね。それをなんとかこなすと小金沢公園の裏手にぴったり降り立ち、フィナーレでした。
(北尾根末端部はかなり急・ふかしろ湖の水面が見える)
思いもかけない形で実現した山歩きを終え、のんびりお茶しながらこの日の山歩きを思い起こし心も体もゆったりさせていく・・・車はこういう余裕があるのが良いですね。まぁそれには下山ポイントが静かであることが第一条件だけど、朝から夕方までこの日一日を通して良いリズムで過ごすことが出来ました。ba_sobuさん、いつもほんとうにありがとう、です。(^^)
・・・・・☆
ということでこの日のREPはこちらをご覧くださいませ。<(_ _)>
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