« 大淵谷から鬼ヶ岳、王岳川へ | トップページ | 歩き初めはなんと・・・ »

2006.12.31

カイキ尾根と鷹ノ巣山中尾根

B061231a
(鷹ノ巣山中尾根1400m附近より・右奥は鷹ノ巣山)

私の山歩きは尾根歩きがメインとはいえ、よほど林相が良いとかでない限り歩きたくなる尾根というのはそれなりの規模や長さが必要というか、そうでないと基本的には目につかないわけですが、あまり気にしない規模の尾根でもなまじ古書なんかで尾根の名前がついていたりするとやはり歩きたくなってしまいます。(^^ゞ

鷹ノ巣山周辺にもそんな尾根がいくつかあって、3年前の歩き納めに歩いた鷹ノ巣山の北尾根たるキリンボ尾根なんかはまさにそれ。ということで12/30はその第二弾??そして2006年の歩き納めとして鷹ノ巣谷流域のカイキ尾根(鷹ノ巣谷水ノ戸沢左岸尾根)と鷹ノ巣山中尾根(金左小屋窪 水ノ戸沢中間尾根)を歩いてきました。

B061231b
(カイキ尾根分岐附近の緩斜面・Part1)

ちなみにカイキ尾根・中尾根ともに用意をして鷹ノ巣谷を遡行すれば取付の状態はともかく、さほどの難なくそして安全に尾根末端まで行けます。でも沢は御法度の私ですので今回は一度稲村岩尾根の登山道を上がってからカイキ尾根を下降、そして中尾根を登り返して鷹ノ巣山へ向かうというキリンボ尾根の時と同様、徒労と云うよりしょうもないとしか云いようのないコースを組んでみました(笑)。

ということで閑散とした二番バスで日原に入り、まずは稲村岩尾根の登山道へ。先の大雨のせいか巳ノ戸沢も結構な流量で寒いながらも道中を楽しませてくれます。

B061231j
(カイキ尾根分岐附近の緩斜面・Part2)

沢沿いの快適な道から巳ノ戸林道の分岐で沢から離れて稲村岩のコルに上がれば、あとはカイキ尾根の分岐まで尾根を詰めればいいだけ。雑木林に時おり植林帯を交える尾根道をえっちらおっちら登っていき、周囲にブナやミズナラの巨木も目立つ自然林に変わると1320m圏の尾根の分岐で、ここで尾根を探すため緩くなった左手の斜面を適当に降りはじめました。

いつもは通りがかるだけのこの辺りも林の美しい良い所ですね。スズタケが枯れたお陰でどこでも歩けるし、山肌を覆う裸木の美しさに目を奪われ、そしてふと上を見上げると木々と雲一つない青い空がそれこそ一幅の絵のようでしばし見とれてしまいます。

B061231c
(カイキ尾根の中ほど)

カイキ尾根を見つけてさっそく降りはじめると、尾根は暫くは自然林でしたが、やがて尾根の左手が植林に変わりその間を行く感じ。右手に中尾根を見ながら登り返しが面倒だなぁと思いつつなおも降りていきます。

そして左手の植林が切れると眼下に金左小屋窪の流れが見えるようになり、そろそろ末端のことというかどうやって沢へ降り立とうかと考えなければいけない頃。とりあえず1030m圏の分岐を右にとると尾根は痩せ、右手に水ノ戸沢の流れも見えてきました。

B061231d
(水ノ戸沢に降り立った所)

でも、末端近くになっても流れの近さと尾根の高さとのギャップが怖くてこのまま尾根を末端まで行く気になれず、一度1030m圏の分岐附近まで戻ってから水ノ戸沢へ降りる枝尾根を拾って強引に水ノ戸沢へ降りました。しかし、これとて常時落石のあるガレた急斜面の下降を強いられる、かなり宜しくないというか危険な作業でした。

降り立った水ノ戸沢はワサビ田跡があり(950m圏辺りか)、日陰ながらも休憩できる雰囲気だったことにホッとして、ここでようやく??凍結の始まった沢をぼんやり眺めながらパンをかじって休憩。休憩を終えたら対岸のこれまたガレた中尾根の枝尾根に取付きます。

B061231e
(急登を終えてようやく尾根が緩む・中尾根1170m圏辺りか)

こちらも当然急なものの落石がないのが救いで、滑落に気をつけながら慎重に尾根を詰めていき、やがて主尾根と思しき尾根と合流。そこからひと登りでようやく尾根が緩んで広がり、一息つけました。

ここまで来ればあとは自然林の許緩やかな尾根歩きで、当然ながらスズタケも枯れていて楽に歩けます。こちらはブナよりもイヌブナが多く、アセビの混ざる庭園のような所もありなかなか面白いです。

B061231f
(イヌブナが多い・中尾根の中ほど)

やがてキュンキュンと啼くシカを自然と追い込みながら行く感じになり、1400m附近の緩斜面を過ぎた辺りから、アレレ?一度伐られたか林が若くなって驚きました。そして石尾根へ向けての最後の登りになると周囲はスズタケに埋もれるようになりますが下道は広くてしっかりとしており、漸くというかあっけなく石尾根の稜線の飛び出しました。

石尾根に出たのはもう13時前で快晴なものの周囲はもやっており展望は今ひとつ。さっそく鷹ノ巣山へ向かいます。道中、逆光のせいか南アの雪面が反射してその姿を普段よりも大きく見せていたのが印象的でした。

B061231g
(石尾根に出た所・正面は鷹ノ巣山)

ということで鷹ノ巣山に着いたのは13時過ぎ。すでに歩き出しから5時間以上かかっており、それでもキリンボ尾根を歩いた時よりはちょっと早かったです。まぁコース取りのしょうもなさではどっちもどっちといった所でしょうけど(笑)。

山頂は人もまばらでしたがさすがに年末年始、泊まりの方が多いですね~。羨ましいな。。。

B061231h
(六ツ石山山頂にて)

B061231i
(狩倉山からの下りしな・正面は御前山)

山頂でのんびりしたら、あとはかなり久しぶり(5年ぶりぐらい)に石尾根を辿って奥多摩駅まで下りました。下山を始めたのが14時過ぎと云うこともあり、人っ子一人いない本当に静かな道のり。もう何度も云っていますけど、ひとり歩きながら日差しがだんだんと傾いていくのを見るのは寂しくもあるけど、その様子は歩き納めには相応しいよう気もするのです。

・・・・・☆

ということでこの日のREPはこちらをご覧くださいませ。<(_ _)>
 

|

« 大淵谷から鬼ヶ岳、王岳川へ | トップページ | 歩き初めはなんと・・・ »

【奥多摩 2006】」カテゴリの記事

コメント

リブルさん、こんばんわ。

> komadoさん、明けましておめでとうございます。

おめでとうございます。

ホント、こういう名前はどうやって成り立ったのだろう・・・というのはいつも心の中にあったりします。不思議ですよね。

とにかくこんな尾根、名前がついていなければおそらく歩いてなかっただろうし、気にもしなかったと思います。ここは宮内さんありがとうでしょう。(^^)

今年もどうぞ宜しくお願い致します。

投稿: komado | 2007.01.05 22:19

komadoさん、明けましておめでとうございます。

カイキ尾根って、快気尾根ならいいけど、怪奇尾根だったら嫌だな~。なんて正月から馬鹿な事言ってます。(^^;
本当はどんな字書くのですかね。面白そうだけど、宜しくない作業はやだなぁ。やっぱりkomadoさんだけが辿れる尾根ですね。

それでは、今年もよろしくお願いします。

投稿: リブル | 2007.01.02 20:20

yamyamさんこんにちは。
そしてあけましておめでとうございます。

あ~ワサビ田は「跡」ですから~。修正致しましたです。 ちなみに鷹ノ巣谷左岸には以前稲村岩の基部を捲くか、コルから降りて沢をちょい高巻く感じで径路が延びていたようです。おそらくワサビ田の作業道でしょう。ただこれも近年崩れまくって今は通れないようです。

まぁこの径路は端から考えていなかったんですけど、植林の方は確かにありましたね。稲村岩尾根の植林は確か二段になっていてそれは下の方だったかな。ちなみに上の方はトラばればカイキ尾根に出られるはずです。

ただ尾根末端の様子はわからなかったけど、カイキの方も決して良くないですので、行かれるのであれば用意をして鷹ノ巣谷を遡行される方が安全だし楽しいと思いますヨ。

ということで今年もどうぞ宜しくお願い致します。

投稿: komado | 2007.01.02 15:37

こんばんわ
稲村岩尾根のどの辺りだったか?左が植林で右に折り返すような所で、植林の中に向かうような道形がありますよね。どこまで続いてるのか興味深々でしたが、komadoさんが今回歩いたルートにその道は出会わないようですね?しかし、山葵田があるという事は、道もあるんですかね?沢沿いですかね?キりンボは読むからにアブナソウだから真似するのはやめようと思いますが、こちらは真似する鴨!!

本年は、『花のひかり』にお邪魔させていただいたおかげで、楽しく過ごすことができました。ありがとうございましたm(__)m

来年もお邪魔させていただきますのでよろしくお願いします。

それでは、komadoさん、皆様良いお年を!!!

投稿: yamyam | 2006.12.31 23:34

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: カイキ尾根と鷹ノ巣山中尾根:

« 大淵谷から鬼ヶ岳、王岳川へ | トップページ | 歩き初めはなんと・・・ »