« 2006年11月 | トップページ | 2007年1月 »

2006.12.31

カイキ尾根と鷹ノ巣山中尾根

B061231a
(鷹ノ巣山中尾根1400m附近より・右奥は鷹ノ巣山)

私の山歩きは尾根歩きがメインとはいえ、よほど林相が良いとかでない限り歩きたくなる尾根というのはそれなりの規模や長さが必要というか、そうでないと基本的には目につかないわけですが、あまり気にしない規模の尾根でもなまじ古書なんかで尾根の名前がついていたりするとやはり歩きたくなってしまいます。(^^ゞ

鷹ノ巣山周辺にもそんな尾根がいくつかあって、3年前の歩き納めに歩いた鷹ノ巣山の北尾根たるキリンボ尾根なんかはまさにそれ。ということで12/30はその第二弾??そして2006年の歩き納めとして鷹ノ巣谷流域のカイキ尾根(鷹ノ巣谷水ノ戸沢左岸尾根)と鷹ノ巣山中尾根(金左小屋窪 水ノ戸沢中間尾根)を歩いてきました。

B061231b
(カイキ尾根分岐附近の緩斜面・Part1)

ちなみにカイキ尾根・中尾根ともに用意をして鷹ノ巣谷を遡行すれば取付の状態はともかく、さほどの難なくそして安全に尾根末端まで行けます。でも沢は御法度の私ですので今回は一度稲村岩尾根の登山道を上がってからカイキ尾根を下降、そして中尾根を登り返して鷹ノ巣山へ向かうというキリンボ尾根の時と同様、徒労と云うよりしょうもないとしか云いようのないコースを組んでみました(笑)。

ということで閑散とした二番バスで日原に入り、まずは稲村岩尾根の登山道へ。先の大雨のせいか巳ノ戸沢も結構な流量で寒いながらも道中を楽しませてくれます。

B061231j
(カイキ尾根分岐附近の緩斜面・Part2)

沢沿いの快適な道から巳ノ戸林道の分岐で沢から離れて稲村岩のコルに上がれば、あとはカイキ尾根の分岐まで尾根を詰めればいいだけ。雑木林に時おり植林帯を交える尾根道をえっちらおっちら登っていき、周囲にブナやミズナラの巨木も目立つ自然林に変わると1320m圏の尾根の分岐で、ここで尾根を探すため緩くなった左手の斜面を適当に降りはじめました。

いつもは通りがかるだけのこの辺りも林の美しい良い所ですね。スズタケが枯れたお陰でどこでも歩けるし、山肌を覆う裸木の美しさに目を奪われ、そしてふと上を見上げると木々と雲一つない青い空がそれこそ一幅の絵のようでしばし見とれてしまいます。

B061231c
(カイキ尾根の中ほど)

カイキ尾根を見つけてさっそく降りはじめると、尾根は暫くは自然林でしたが、やがて尾根の左手が植林に変わりその間を行く感じ。右手に中尾根を見ながら登り返しが面倒だなぁと思いつつなおも降りていきます。

そして左手の植林が切れると眼下に金左小屋窪の流れが見えるようになり、そろそろ末端のことというかどうやって沢へ降り立とうかと考えなければいけない頃。とりあえず1030m圏の分岐を右にとると尾根は痩せ、右手に水ノ戸沢の流れも見えてきました。

B061231d
(水ノ戸沢に降り立った所)

でも、末端近くになっても流れの近さと尾根の高さとのギャップが怖くてこのまま尾根を末端まで行く気になれず、一度1030m圏の分岐附近まで戻ってから水ノ戸沢へ降りる枝尾根を拾って強引に水ノ戸沢へ降りました。しかし、これとて常時落石のあるガレた急斜面の下降を強いられる、かなり宜しくないというか危険な作業でした。

降り立った水ノ戸沢はワサビ田跡があり(950m圏辺りか)、日陰ながらも休憩できる雰囲気だったことにホッとして、ここでようやく??凍結の始まった沢をぼんやり眺めながらパンをかじって休憩。休憩を終えたら対岸のこれまたガレた中尾根の枝尾根に取付きます。

B061231e
(急登を終えてようやく尾根が緩む・中尾根1170m圏辺りか)

こちらも当然急なものの落石がないのが救いで、滑落に気をつけながら慎重に尾根を詰めていき、やがて主尾根と思しき尾根と合流。そこからひと登りでようやく尾根が緩んで広がり、一息つけました。

ここまで来ればあとは自然林の許緩やかな尾根歩きで、当然ながらスズタケも枯れていて楽に歩けます。こちらはブナよりもイヌブナが多く、アセビの混ざる庭園のような所もありなかなか面白いです。

B061231f
(イヌブナが多い・中尾根の中ほど)

やがてキュンキュンと啼くシカを自然と追い込みながら行く感じになり、1400m附近の緩斜面を過ぎた辺りから、アレレ?一度伐られたか林が若くなって驚きました。そして石尾根へ向けての最後の登りになると周囲はスズタケに埋もれるようになりますが下道は広くてしっかりとしており、漸くというかあっけなく石尾根の稜線の飛び出しました。

石尾根に出たのはもう13時前で快晴なものの周囲はもやっており展望は今ひとつ。さっそく鷹ノ巣山へ向かいます。道中、逆光のせいか南アの雪面が反射してその姿を普段よりも大きく見せていたのが印象的でした。

B061231g
(石尾根に出た所・正面は鷹ノ巣山)

ということで鷹ノ巣山に着いたのは13時過ぎ。すでに歩き出しから5時間以上かかっており、それでもキリンボ尾根を歩いた時よりはちょっと早かったです。まぁコース取りのしょうもなさではどっちもどっちといった所でしょうけど(笑)。

山頂は人もまばらでしたがさすがに年末年始、泊まりの方が多いですね~。羨ましいな。。。

B061231h
(六ツ石山山頂にて)

B061231i
(狩倉山からの下りしな・正面は御前山)

山頂でのんびりしたら、あとはかなり久しぶり(5年ぶりぐらい)に石尾根を辿って奥多摩駅まで下りました。下山を始めたのが14時過ぎと云うこともあり、人っ子一人いない本当に静かな道のり。もう何度も云っていますけど、ひとり歩きながら日差しがだんだんと傾いていくのを見るのは寂しくもあるけど、その様子は歩き納めには相応しいよう気もするのです。

・・・・・☆

ということでこの日のREPはこちらをご覧くださいませ。<(_ _)>
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2006.12.24

大淵谷から鬼ヶ岳、王岳川へ

B061225a
(鬼ヶ岳より王岳と南アの山山)

大石から大石峠へ登る時、登山道の入口に古びた看板があるのはご存じのことと思いますが、その中身をよ~く見ている人は意外に少ないのではないでしょうか。

↓はその看板の画像の一部。それによると昔は大淵谷からも金山や十二ヶ岳へ行けたようで、今回(12/23)はその道の確認と、御坂の主稜線歩き、そして王岳北側を流れる王岳川の様子を見ながら芦川側の上九一色へ抜けました。

B061225b
(大石峠への登山口にある看板には・・・)

今年は暖かい暖かいといわれていますが、家を出て大月行きの電車に乗るまではあったかいな~と思っていました。その車中ではかずさんとの遭遇(!)もあり、大月駅に降りると意外やこれが結構寒い。あせあせ富士急に乗りかえると行けば行く程寒くなり、河口湖に降りると建物や看板、標識等々周囲のあらゆるものにみんな霜がついている有様。わかっちゃいるもののさすがにコチラは寒いですワ。

でもこれだけ寒いと云うことは天気がよいということで、朝焼けに染まった富士を眺めつつバスで大石へ向かいます。

B061225c
(大淵谷、最奥の堰堤附近・奥は金山)

ペンションの手前でバスを降ろしてもらいさっそく歩き出すと、若彦トンネルはもう完成していて開通間近を思わせる様子。20分程歩くと大石峠の登山口に着きますが、今回はここを直進です。

植林に覆われた林道を淡々と行くと金堀山から流れる名奥川を渡り、林道はまもなく右岸に移りました。この辺りから地形図の記述と違って林道は荒れだし、つぎつぎ現れる堰堤を捲きつつずっと大淵谷の右岸を行きます。

B061225d
(いちおう富士も・・・鬼ヶ岳より)

「地形図に書かれている最奥の堰堤」を過ぎると道は突然良くなり堰堤も新しいものになりました。でもここまで来るといい加減林道歩きに飽きてきて、早く山道になれよ~と思いつつなおも林道を行くと最奥の堰堤でようやくジ・エンド。大石からここまで70分程でした。

山道はカラマツ植林の許その先へ自然に延びており、真新しいマーキングを追いつつ左岸に移ってしばらくは左岸側を行く感じ。そして最奥の二俣で一度中間の尾根に上がり、再び左岸をトラバースするようになるとあっけなく十二ヶ岳~金山の稜線に出てしまいました。途中シモバシラの撮影大会もあったのにここまで二時間かかっておらず、大石からの最短コースでしょう。ここにも今年の6月にはなかったマーキングがついていました。

B061225e
(御坂主稜・鍵掛峠へのみちすがら)

何の手応えもなくあっけなく上に上がってしまったことに驚きつつ、金山に上がって鬼ヶ岳へ向かいます。もう雲一つない快晴ですから富士はもちろん南アや八ツも見え見え。期待していた北アは雲がかかっていてダメでしたが文句なんてある訳がありません。(^^)

鬼ヶ岳も時間が早いせいか誰もいなかったのですが、展望を楽しんでいたら意外に風があって体が冷え切ってしまったのでランチは北尾根の分かれる西のピークで取り、なおも主稜を西へ行きます。主稜は花の絶えない盛夏も良いけど、明るく展望が楽しめる今の時期もやっぱり捨てがたい。ルンルン気分で鍵掛峠へ降り尾股山への尾根が分かれている吉沢山へ登り返します。

B061225f
(吉沢山と1372m峰の最低鞍部にて)

遠くにあった王岳の姿が近づくと吉沢山に着き(標識の類なし)さっそく北へ下りはじめます。ひと下りして現れる露岩を右(東)へ慎重に慎重に捲けば、かなり急なものの後は鞍部へ下るだけ。最初は見下ろしていた「アシビ」ともいわれる1372m峰を見上げるようになると最低鞍部に降り立ちました。

この鞍部から左(西)へ流れるのが王岳川で左岸の尾根を伝ってから河床におり、しばらくは枯れた河床のゴーロ歩き。やがて水流があらわれ、左岸側に植林が現れると道形も明瞭になり、その道が突然右折して右岸へ渡ると林道に出ました。

B061225g
(王岳川上流部の様子)

このままこの林道を歩いても良かったのですが、地形図を見るとかなりの遠回りなので林道が一度沢に近づいた所で林道から離れてもう一度左岸に移るとこちらにも明瞭な道が延びていました。この道もしばらく降りると右岸に移って地形図通りに先の林道と合流。合流すればあとは上九一色までお気楽に車道を歩けば良いだけです。

とはいえそのまま歩いたのでは遠回りだし、R358は交通量が多くて楽しくないのでいろいろショートカットしながら上九一色の役場(今は合併したので正確には出張所)へ向かいました。

B061225h
(王岳川左岸の破線路は明瞭)

小一時間ほどでたどり着いた上九一色の出張所は日帰り温泉施設もあるのですが湯冷めが怖いので今回はパス。一息ついたら出張所の広場で着替えて、巨大な屏風のような御坂の主稜線をボーっと眺めながら甲府へ向かう市営バスを待っていました。

んが、バスの時間になってもなぜかバスは来ず、早く来ないかな~とその後も呑気に10分程待った所で気がついたのです。
 
 
23日って祝日だった・・・_| ̄|○
 
 
 
B061225i
(右より横沢頭、王岳と吉沢山北尾根の稜線・上九一色出張所より)

そう、甲府市営バスは日祝運休なのでした(笑)。もう少し早く気がつけば上流の鶯宿から石和行きのバスを捕まえに行けたのですが、16時過ぎでは今から行っても間に合うか逃すかはかなりギリギリの線。それにもし逃したら鶯宿では本当に行き場がなくなるので、ここは本当に長い道のりだけど芦川沿いに下って身延線の芦川駅へ向かうのが無難な所でしょう・・・ということでここから実験クンの重い重い再スタート(笑)。

梯(かけはし)でR358から離れれば芦川沿いは上流部と同じように閑散としており、雰囲気もなかなか良かったのですが、間もなく日が暮れ真っ暗な車道をとぼとぼとぼとぼ・・・。でもふと見上げた星空が本当にキレイでねぇ。。。

B061225j
(日祝はお休みなのね~・笑)

結局上九の出張所から芦川駅までは14km弱、ちょうど二時間半の道のり。芦川沿いの道から開けた甲府盆地に出た時の夜景の素晴らしさにその労もちょっとだけ報われました。

まったくもって自分のミスなんだけど・・・お陰でこの日の楽しかった山行きの印象がずいぶんと薄れてしまった気がします。とにかく皆様におかれましては(特に公共交通機関利用者は)曜日祝日の確認を充分にしないとボクみたいになりますよ~、ということです。まぁお金さえあればタクシー呼ぶことでごくごく簡単に解決するんですけど(笑)。

・・・・・☆

ということでこの日のREPはこちらをご覧くださいませ。<(_ _)>
 

| | コメント (12) | トラックバック (0)

2006.12.17

小金沢より楢ノ木尾根周回

B061217a
(エンマゴヤ沢左岸尾根上部にて)

楢ノ木尾根の北面は葛野川・日川における一連のダム工事が始まる以前に小金沢へかなり通っていたこともあり、以前から気になっていたのですが、その交通の不便さと流域のかなりの広範囲に亘って広がるカラマツ植林に今ひとつ食指が動かないままでいました。

でも二週間前に大樺尾根(大樺ノ頭北尾根)を歩いた時、確かに林相的な妙味は少ないもののけっこう楽しめたこともあって今回もまたこちらに。深城を起点にエンマゴヤ沢左岸尾根を登路にとり唐松立(1597m)へ上がり、楢ノ木尾根を東へ大峰まで足を延ばしてから北尾根を降りる周回コースで歩いてきました。

B061217b
(エンマゴヤ沢より・・・右手がエンマゴヤ沢左岸尾根)

今回はba_sobuさんのお車で深城の跡地に出来た小金沢公園へ出てからのスタート。深城までの道中はガスが濃くどうなることかと思っていましたが歩き出す頃にはすっかり晴れ上がり、12月半ばとは思えない程の暖かさの中、小金沢林道をてくてく歩きます。

シンナシ沢、スバノ沢を越えて次の明瞭な沢がエンマゴヤ沢でその右手(西)の尾根が今回歩く予定のエンマゴヤ沢左岸尾根。ここまで小一時間程でした。

B061217j
(エンマゴヤ沢左岸尾根中部にて)

林道は左岸尾根末端の805m峰南鞍部を通っていて、そこは高い切り通しになっているので取付くのはかなりしんどい。なのでエンマゴヤ沢の左岸についていた階段が尾根上にある送電塔の巡視路だと思って入ってみたら、やはりというか堰堤までの道のようでしばらくいった先で途切れてしまったので、適当な枝尾根を捉えて尾根に取り付きました。

尾根に取付けばあとは上がるだけなのですがそこは急峻な小金沢側の宿命か、登るにつれ尾根は徐々に傾斜を増していき、やがて露岩も現れ左岸尾根に上がるまでがこの日一番大変な行程でした。

B061217c
(左岸尾根1255m峰附近にて・奥はおそらく白草ノ頭)

取付から一時間かかって何とか尾根上に上がって一安心。でも尾根はツガや灌木の茂る痩せた露岩の尾根のアップダウンが続いてスムーズには行かせてくれません。そんな小ピークをいくつか過ぎるとようやく藪から解放されて、イヌブナの目立つスッキリとした自然林の中を登るようになります。

でもそんな林も長くは続かず、まもなくお馴染みとなる??カラマツ植林に。でも暫くは手入れの入った林で一面小笹の快適な広尾根。振り返ると長峰に牛ノ寝、そして飛龍の姿。右手には大峰・泣坂ノ頭の顕著なコンビが間近に見えて、特に泣坂ノ頭の姿が意外に端正で新鮮に見えます。1255m峰を過ぎするとまもなく右手から送電線巡視路が合わさり、ひと登りで送電塔(深城線30号)に出ました。

B061217d
(最後の送電塔を過ぎるとスズタケが深くなる)

ここまで来ると楢ノ木尾根が間近に見えてあと一頑張りといった所。でも巡視路はここから尾根を外れて延びており、尾根上はカラマツ植林の許スズタケが高々と茂っています。とはいえもうここを行くしかないので、さっそく突入してみると下道はなく、なかなか前へ行かせてくれません。

しかし、上がるにつれ尾根が痩せてくると徐々に下道が現れ歩きやすくなってきました。そして尾根の左手がブナ・ミズナラの美しい自然林になるとまもなく楢ノ木尾根と合流。そこは予想通り楢ノ木尾根の下降で一番のポイントとなる分岐でした。(今は道標あり)

B061217e
(楢ノ木尾根・・・唐松立の手前辺り)

ここまでくれば送電塔の立つ唐松立までは一投足。でもこの間の北面の自然林・・・特にダケカンバが見事で、尾根の明るさと相俟ってなかなかの雰囲気。富士も何とか見えて合流地点から20分程で唐松立に着きました。

目の前には大樺ノ頭が見えるのでなおも先へ行きたくなってしまいますが、今回はここまで。周囲が曇り始めていたものの送電塔ですから下は平坦な草地だし、北に南に展望はきわめて良好。ヨウダラ尾根を見下ろし、右手には左の雁ヶ腹摺りよりも立派に見える大樺ノ頭。そして左手の権現、扇山がこれまた意外に立派で、権現扇より標高の高い手前の泣坂ノ頭、大峰よりも大きく見せているのが不思議。なぜだろう??

B061217f
(本日ここまで・左は雁ヶ腹摺山、右は大樺ノ頭)

休憩中に周囲は曇ってしまいましたが、一時間程のんびりしたら来た道を戻ります。北面の素敵な自然林も左岸尾根との分岐からしばらく下るまで。あとは小刻みなアップダウンを繰り返して泣坂ノタルに降り立ちました。

ここから泣坂と呼ばれる泣坂ノ頭(地形図で大峰と誤称されているピークです。念のため)への登り返し。登り自体はさほどの距離ではないのですが、下りと決めた体には少々しんどいです。えっちら登って周囲にちょっとだけ自然林が復活すると泣坂ノ頭に着き、少し休んだら大峰へ向かいます。

B061217g
(こりが泣坂でございます)

古びた祠の建つ大峰も時間が遅いせいか誰もおらず、ここでで改めて大休止したら一つ隣のピークに寄って北尾根の下降に移りました。

北尾根も以前とはあまり変わりがなく最初は灌木の煩い急降下で始まり、深城ダムの尾根を右に分けてしばらく下ると尾根上は密かに楽しみにしていた防火帯に変わります。

B061217h
(大峰北尾根の防火帯)

防火帯に変わればあとはそれを辿るだけで、フカフカの落ち葉を踏みながら、足でかき分けながらルンルン気分で歩ける楽しい道のり。惜しむらくは曇っていたことだけでしたが、多くを望むのは贅沢というものですね。

以前は尾根下部(910mの尾根分岐)に来ると防火帯にススキが茂って防火帯が藪化していたのですが、それもキレイに刈られて快適・・・ではなく尾根下部はこの辺りらしくかなり急になるので実はここからが一番神経を遣う所。小金沢側の下降はコレが一番のネックというか厳しさですね。それをなんとかこなすと小金沢公園の裏手にぴったり降り立ち、フィナーレでした。

B061217i
(北尾根末端部はかなり急・ふかしろ湖の水面が見える)

思いもかけない形で実現した山歩きを終え、のんびりお茶しながらこの日の山歩きを思い起こし心も体もゆったりさせていく・・・車はこういう余裕があるのが良いですね。まぁそれには下山ポイントが静かであることが第一条件だけど、朝から夕方までこの日一日を通して良いリズムで過ごすことが出来ました。ba_sobuさん、いつもほんとうにありがとう、です。(^^)

・・・・・☆

ということでこの日のREPはこちらをご覧くださいませ。<(_ _)>
 

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2006.12.12

ちょっくら伊豆ヶ岳へ・・・

B061212a
(伊豆ヶ岳東尾根上部にて)

さてさて・・・冷たい雨が降った土曜(12/09)は山行きが潰れて某所で飲み会になってしまい、翌日曜(12/10)もさすがに早起きは出来ず、目が覚めたのは8時過ぎでした。こうなると予定していた日原方面はさすがに無理で、さてどうしようかと10分ほど考えてヒネり出したのが、本当に久しぶりとなる奥武蔵の伊豆ヶ岳。

ということで今回は長らく忘れていたけど(笑)長らく懸案でもあった伊豆ヶ岳東尾根を登路に訪れてみました。

B061212b
(東尾根542m峰附近にて)

家を9時半に出て西吾野駅11時の歩き出し。でもさすがに標高の低い山域だけあってこの時間でも歩き出す人が結構いました。雨後の澄んだ空気のお陰か周囲の山も麓の集落も何か輝いているように見えて気分も上々。さっそく尾根末端を目指します。

R299から天目指峠を行く県道に入り、東尾根の末端までは駅から30分ほどの道のり。さっそく尾根に取付くとアレチウリの大藪地帯があったものの、さほどの労なく尾根上に上がります。

B061212c
(尾根上部には立派なツガも)

尾根上は予想通りの暗い植林尾根、趣にも乏しく淡々と歩くだけ。でもよく見てみると大きなモミがポツポツと残されていたり、ちょっとした鞍部にもそれを乗り越す道筋がついていたのは興味深かったです。

378m峰を過ぎてしばらく行くと左手から明瞭な道筋が合わさったのには驚きましたが、植林はまだまだ続き、542m峰を越え、670m峰への登りに差し掛かるとようやく雑木林が現れてホッとしました。

B061212d
(山頂直下の急登。トラロープがフィックスされていた)

しかし670mを過ぎてからがこの尾根の本領で、まもなくスズタケが出てきたり、灌木の被る露岩の痩せ尾根になったり、梢越しながら展望も楽しめたりと変化に富んで、なかなか楽しい道のり。終始趣のない植林尾根がそのまま続くものだろうと思っていたので、これは意外で、本当に嬉しかったです。

そして左に捲き道のある770m圏を直登すると、あとは山頂直下の登りの残すのみ。ここは巨岩の姿がちらつくかなり急な斜面で、当然道も左へ捲いていましたが、ここまで尾根を忠実に歩いて来たのでもちろん直登。途中にはトラロープもフィックスされていて、慎重に登るとあっけなく伊豆ヶ岳の山頂に飛び出しました。

B061212e
(伊豆ヶ岳山頂にて)

山頂に着いたのが13時半過ぎとなれば、人はまばらで本当に静かでした。展望は平野部はさすがにクッキリ、そして普段は見下ろすことの方が多い有馬も武川も武甲も頼もしい姿を見せてくれます。

そんな中、のんびりランチをとってしまえばもう14時半。日の短い時期なので今回はおとなしく男坂を下って正丸駅へ向かいました。道中↓の男坂鎖場上の岩頭から見えた正丸峠方面のたおやかな稜線が今回一番印象的な光景でした。今まで忘れていたんだか覚えようともしなかったのか、植林多過ぎだけど私にとっては魅惑的な姿でもあるのです。

B061212f
(男坂の岩場より、正丸峠の稜線。左は二子山、奥は堂平山)

今回思いもかけず??奥武蔵のこちらの方を歩く機会に恵まれましたが、伊豆ヶ岳東尾根の意外な(失礼だな)面白さもあって短いながらも充実した山行きになりました。この辺りはお寝坊用になってしまいそうだけど、これからも趣のない植林尾根だろう決めつけないで、ボチボチ歩こうと思います。(^^)(^^)

・・・・・☆

ということでこの日のREPはこちらをご覧くださいませ。<(_ _)>
 

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2006.12.04

雁ヶ腹摺山、南から北へ

B061204a
(吹切尾根上部にて)

今年の秋口に大久保山(大菩薩の方のネ)の鉄塔から中双里の立派な姿を見たら、ここも久しく訪れていなかったことに気がついて、土曜(12/02)は3年ぶりに訪問しました。今回は中双里にこれまた3年ぶりとなる雁ヶ腹摺山と長らく懸案となっていた大樺ノ頭から北へ派生する尾根・・・大樺尾根(大樺尾)の下降を絡めて歩いてきました。

エアリアが改訂されてから中双里の表記が消されてしまったので(エアリア改訂でマイナーな地名山名をあらかた抹殺したのはちょっと酷いんでない?)、中双里とはどこにある山なのか?と言いますと、雁ヶ腹摺山から南へ派生する吹切尾根上の吹切峰(1522m)から南西へ延びる支尾根上にある1356m峰のことです。

B061204b
(中双里の尾根中腹にはスズタケの被る箇所もある)

前回は野分沢を遡ってから中双里へ登りましたが、今回は初訪の折りと同様中双里の尾根の末端近くから取り付いて尾根通しのルート。ルート自体は最初の野分沢を渡る桟橋が朽ちかけている程度で、余計なマーキングもほとんどなく、これといった変化はありません。

紅葉は麓でもほとんど終わっており、尾根上は雲一つない快晴の許、雑木林の木々を愛でながら落ち葉を踏んでいく感じで、少々寒い気候と相俟ってもうそれは完全に冬の姿でした。

B061204j
(中双里の広い頂稜)

そんな尾根を淡々と行くと1250m圏から尾根が広がり、ここからが中双里のハイライトといえる所。尾根の中心はスズタケが被るので、左側の雑木林に逃げてゆるゆる詰めていきます。落ち葉をサクサク言わせながら広尾根をさまよう感じで歩くのはやっぱり気持ちが良いですね。

そして一度尾根が痩せ、緩く登り返すと中双里の山頂で、山頂附近の雰囲気は今ひとつなれど今度は小笹の敷き詰められた広尾根歩きが待っています。

B061204c
(中双里から大ケヤキダルへ下る所・向かいは吹切尾根)

でもそんな道のりも中双里から10分程で出る奈良子林道まで。今回はそのまま尾根を詰めるのではなく、東の吹切尾根にある野分ノ峰へ寄って(三角点を写真に収めたかったのです)から吹切尾根を詰める段取り。

野分ノ峰から吹切峰の南鞍部までは藪っぽく、気になっていた明瞭な道筋はその南鞍部から合わさる?ようですね。その道筋を合わせればあとはようやくその姿を現してくれた雁ヶ腹摺山を目指すのみ。

B061204d
(白谷ノ丸と黒岳・奈良子林道に出た所より)

吹切峰からは素敵な自然林とカラマツ植林を交えたスズタケの刈り払い道。だた三年の間に周囲のスズタケが育ってきており、下道はかなり明瞭なれどスズタケが道に被る箇所もあってこのままだと旧に復するのかなぁ・・・といった感じ。

そんなスズタケ帯を抜けると、また小笹の敷き詰められた素敵な緩斜面に変わり、間もなく大峠からの登山道と合流しました。

B061204e
(吹切峰附近にて)

もう12月に入っているので大峠への林道も冬季閉鎖だろうと思っていたら、何と軽装のハイカーが降りてきてかなりガックリ。先週末は通れたようですけどもうすぐ冬季閉鎖に入るはずです。

大峠が使えれば山頂は結構な人出で、それを避けるように下の方でランチ。でも晴れてはいるものの売り物の??富士は↓うっすら見える程度でした。でも休憩を切り上げる頃にはあらかた下山を始めており、誰もいない山頂から北の楢ノ木尾根に入り大樺ノ頭へ向かいます。

B061204f
(雁ヶ腹摺山より・・・富士は念じてください・笑)

大樺ノ頭は訪れるたびにスッキリする感じで、最後まで残っていた北東側のスズタケもキレイに刈られて明るい山頂になっていました。ここから北へ延びる尾根が今回下る予定の大樺尾根。しかしその下の1660m圏で二ノ沢を挟んで左(西・北尾根)右(東・北東尾根)に分かれる両尾根共に「大樺尾根」と呼ばれているらしいので、今回は改訂前のエアリアで表記されていた左の北尾根を下ることにしました。

下りだしは小金沢シオジの森の遊歩道になっているせいか明瞭な道が通っており、スズタケも道上だけでなく尾根上を幅10mほどに渡ってキレイに刈り払われておりスイスイ歩けます。

B061204g
(大樺尾根1591m峰附近にて)

間もなく右へ北東尾根を分けても道は明瞭。1591m峰を過ぎ、その下の1530m圏の分岐で右へ延びる尾根が大樺尾根の主尾根のようなので、ここで左の尾根へ延びている道筋と分かれてスズタケ被る右の尾根に入りました。

右の尾根はのっけからカラマツ植林のもと余丈のスズタケが被り、下道もなく、これが本当に主尾根かよといった感じ。でも下るにつれ下道が徐々に明瞭になり後は楽に歩けそう・・・と思ったら間もなくその下道も尾根を左へ外れてしまい、結局もとの木阿弥。

B061204h
(大樺尾根の中~下部はスズタケが深い)

でもスズタケが深くても下りだから勢いで下れてまだマシかもですけど、これだけ深いと今度は地形判断が難しくなるからどっちもどっちといった所でしょうか。エアリアで表記されていた「大樺尾」は尾根が1420m圏の分岐(ここはわかりづらいかも)で右、そして1320m圏で左の枝尾根で末端、なので今回はその通りに下ってみました。

尾根下部には送電塔があり、そこからは巡視路が延びているはずなのになぜか見つけられず、結局そのまま尾根伝いに行ってから途中で左の沢筋へ下って、なんとか小金沢林道に降り立ちました。

B061204i
(とうとう湛水・・・右手が深城集落のあった所)

小金沢林道は急峻な谷筋にムリヤリつけられた林道ゆえ擁壁や岩壁が延々と続くので、実は林道に降りる所が一番難しいと思っていたのですが、実際その通りでした。今回降りた枝尾根はそのまま末端まで降りてもさほどの難なく林道に降りられますが、実際それはかなり珍しい方で、他の枝尾根というか楢ノ木尾根の北枝尾根群全体で云っても尾根末端はほぼ100%に近い確率で高い擁壁になっています。下りにとる人は(そんな人は滅多にいないでしょうけど)それを切り抜ける事のできるスキルが必須で、特に大樺尾根の下降はスズタケの深さと相俟って難度は高いでしょう。

でも、最後でこういう箇所があると山行きが本当に締まるんです。
あ~、おもしかった。(^^)(^^)(^^)


ちなみに下降点から竹の向までは当然林道歩き。大樺尾根を降りる気になったのもバス路線が竹の向まで延伸されたからです。所要時間はボクの足で下降点から深城経由、竹の向まで丸二時間。もう二週間前だったら小金沢の紅葉が盛りで林道歩きも楽しかっただろうなぁ。。。

・・・・・☆

ということでこの日のREPはこちらをご覧くださいませ。<(_ _)>
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

« 2006年11月 | トップページ | 2007年1月 »