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2006.11.08

塩沢から日原へ、錦繍の山旅

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(ヨモギ尾根登山道1587m峰南東尾根を絡む辺り)

この連休、お山は一日だけにするつもりだったのですが、連休最終日でもある5日の予報がな~んかやたらに良くなって来ちゃって、これはやっぱお山へ行かなきゃ・・・ということで紅葉の見頃な標高1400m~1000mが長く続いて自然林の多い所・・・の条件でほとんど泥縄で思いついたのが今回のルートでした。

連休最終日、しかも日曜なので日原行きのバスが30分遅れることを考えても、朝7時頃の奥多摩駅は正直閑散しすぎで、鴨沢行きの二番バスも乗客はわずか数名というまるで真冬のような状況だったのにはビックリ。当然終点の鴨沢西まで乗っていたのは私ひとりで、朝日が燦々と差し込む山肌を眺めながら気分良くスタートします。

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(奥甚助尾根の姿を見ると奥甚助クボはもうすぐ)

青梅街道をお祭まで歩いたら後山林道に入り、あとは塩沢橋までえっちらおっちら。周囲の木々も山肌も色づきはじめて気分は良いのですが、やはり林道歩きは苦手で片倉橋を過ぎた辺りから徐々にしんどくなってきました。

それでも塩沢橋へは9時前に着いてボクにしては結構早いペース。右の枝道を終点まで行くとヨモギ尾根の登山口があり、さっそく山道に入ります。

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(奥甚助クボへの道すがら)

すぐ現れる分岐を右に採ると、ここから道は塩沢を高捲き気味に沿いながら奥へと行きます。分岐からワサビ沢(奥後山南東尾根と1587m峰南東尾根の間の沢)までは植林も多く、時折梢越しに見える山肌を見ながら淡々と行く感じ。

そして小屋跡と思しき平地のあるワサビ沢を越え最後の植林帯を抜けると、道は1587m峰南東尾根を絡みだし、待望の自然林がはじまります。

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(奥甚助クボの様子)

この辺りまで来るともう結構色づいていて、ミズナラやブナ、サワグルミにシオジなどはまだまだ緑も残る中、カエデが紅くそして鮮やかに染まり、それらが一斉にきらめき輝いている中を歩くだけでももう声も出ないというのに、谷側からは風と一緒にカツラの甘く濃密な香気が吹き上げて、紅葉にそして香気に酔っぱらっちゃってもうもうフラフラ。

奥甚助への道に入っても夢見心地というか単に呆けながら歩いて、対岸にこれまたいい感じに染まった奥甚助尾根の姿が見えると間もなく奥甚助クボに降り立ちました。

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(奥甚助尾根下部にて)

ここもさすがに冬の時とは違い、柔らかな日差しが降り注ぎ緑も残って優しい雰囲気。沢の流れをボーっと眺めながらパンを食べたら、対岸に渡って奥甚助尾根に取り付きます。

急斜面をひと登りすると、さすがに南向きの尾根。こちらも光輝く紅葉黄葉の出迎えを受け、気分良く東へトラバース。主尾根に乗ればあとは石尾根目指して急な尾根をえっちら登る段取り。

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(奥甚助尾根上部は落葉している)

でもさすがに急な尾根です。登るにつれ鮮やかな紅葉も登るにつれくすみだし、葉は少なくなり、そして右手に七ツ石山を見る頃にはもうほとんど落葉して裸木の続くサクサクの落ち葉道に変わっていました。

そして周囲がカラマツ林に変わるとまもなく石尾根南面の捲き道に出て、ひと登りで石尾根に飛び出します。そのすぐ先はもう五十人平のヘリポートで、雲取山も間近に見えるのですが、今回はその先の奥多摩小屋まで。ベンチで休憩したら来た道を戻ります。

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(ブナ坂付近にて・奥は七ツ石山)

石尾根はカラマツの黄葉も終盤に入っており、そろそろ冬の装い。ここで初めてハイカーとすれ違うようになります。パーティこそ無かったけど、ひとりふたりとポツポツと途切れずに通りがかるのはさすがに石尾根といった所でしょうか。

展望の方はすでにモヤって富士も見えなかったけど、あの開放感はやっぱり魅力的。ブナ坂に降りたら左折して唐松谷林道に入ります。

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(唐松谷に降りた所)

唐松谷林道を歩くのはおそらく丸三年ぶりの事。唐松谷に降りるまでは紅葉は望めないだろうと思っていたのに紅いカエデの類がまだ残っていて、紅葉を楽しめたのは意外でした。

そして唐松谷に降り立ち橋を渡ると再び周囲に日差しが降り注ぐようになり、これまた再び錦繍の道のりが始まり。西日の色に染まった紅葉は淋しげだけど、寒い冬を直後に控えている「秋」という季節を象徴しているようでもあり、これも大好きです。下るにつれ徐々に鮮やかになり、対岸にイモリ谷を見下ろす頃が一番の盛りでした。

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(唐松谷林道・・・どの辺りだっただろう??)

なおも下るとそんな紅葉に再び緑が混ざりだし、富田新道を合わせるとまもなく吊橋(唐松橋)に降り立ちます。日原川本谷や唐松谷、マミ谷の流れを見下ろしつつ橋を渡って日原林道に這い上がればあとは東日原までの長い林道歩きを残すのみ。

でもこのまま林道を行くのはしんどいし時間的な余裕もあったので、ちょっと寄り道。林道が鍛冶小屋窪を通る所から旧日原林道に上がり、大ブナ別(わかさ)れに出ました。

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(大ブナ別れへちょっと寄り道・(^^;;;)

朝方通りがかる事の多い大ブナ別レも、午後に入って訪れるのは本当に久しぶりのこと。西日のあたる風情もなかなか好ましい雰囲気ですね。そんな様子にこのままハタゴヤ廻りで八丁橋へ降りようかとも思ってしまいましたが、日没の事もあり、結局名栗小屋跡まで足を延ばしてから名栗沢橋に降りて、それから東日原へ向かいました。

しかし紅葉シーズンも後半に入ったこの日になってようやく終日晴れた日に巡り合わせ、今シーズンで一番紅葉を堪能できた一日になりました。日取りやコースを紅葉の盛りに合わせても、晴れてくれないと紅葉は満足できない部分がどうしてもできてしまう。そう言う意味でも今回は神様に、そしてお山に感謝感謝の一日でした。(^^)(^^)

・・・・・☆

ということでこの日のREPはこちらをご覧くださいませ。<(_ _)> 
 

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コメント

kuroさん、こんばんわ。リハビリ順調ですか?(^_-)
確かに唐松谷は遡行もそれなりに楽しめそうな所ですね。

>暖房から離れられなくなっちゃうなんて言ってられないんだよ(笑)

もうクリスマスですもんね。ボクはもう胃が痛くならないから(笑)雰囲気楽しめま~す。

投稿: komado | 2006.11.15 23:23

行きも帰りもバスは貸切だったね(*^^)v
この夏に唐松谷に行ったけど・・敗退だった
こんなに低いところも、紅葉なんだね、平地でも朝晩は寒いね
暖房から離れられなくなっちゃうなんて言ってられないんだよ(笑)

投稿: kuro | 2006.11.15 08:42

え~っ、ホントですかぁ?お話ししていたら結構すらすら出ていて、その話しぶりからは一朝一夕では無いような印象を受けたんですけど。(^^)

そおいやTVって本当に見なくなっちゃっていて、お山絡みの番組もほとんど見た事がないんですよ。深田百名山とか有名な所ばかりだし、もともとあまり興味が湧かないというか・・・これは過去に何度か云っていた事なんですけど、私自身が映像とか画像というメディアをほとんど信用していないせいかもしれません。

なので『さわやか自然百景』は気になったんですけど、ウチはハイビジョンが見られませ~ん。「5時に夢中」も今は大井競馬やってるから再放送が見られないし。木曜だけでいいから見たいなぁ。。。

投稿: komado | 2006.11.11 16:00

こんばんは~
いやいや、そんなことないです。カエデ類は、私も今秋のテーマなので、だいぶ勉強したりしてようやく解ってきました。ヒナウチワカエデの存在など唐松谷林道を歩いたあとに知りました。チドリノキはカエデ科なんですよね。存在は以前から知ってたのですが、あんなに綺麗に黄葉するなんてここを歩いて知ったんですよ!まだまだですよ。(-_-;)
もともと、植栽の花木や飼い鳥には興味がないものの、野生、自然の中の動植物は大好きでしたので、山に行くようになってからは益々ハマッテいろいろ調べたりしてます。

ネットでいろいろ調べることが多いですが、○HKハイビジョンで放送している『さわやか自然百景』は勉強になるしおもしろいですね。あっ!でも『5時に夢中』にはかなわない鴨!ですね(^_^)v

投稿: yamyam | 2006.11.10 22:08

yamyamさん、こんばんわ。
この日は尾根と沢筋どちらの紅葉にするかかなり悩んでいたのですが、結果正解でした。(^^)

奥甚助の分岐はあれはホントうまいですね。ボクとしてはああいうのが理想的かな。わかる人がわかればそれで充分なのですから。でも石尾根捲道側の方にはピンクのテープをぐるぐる捲きにして「奥甚助尾根」と書かれていたのにはちょっと。。。まぁ人の滅多に通らない捲道でしたので今回だけは勘弁してあげました。

コシアブラ今回確認できましたよ。やっぱりアレか!って感じ。でもチドリノキはわかりません。yamyamさんはかなりお詳しいですよね~。鳥もそうですし。カエデの類は個人的に今シーズンのテーマでもあるのです。

そおいや唐松谷林道の方はまだ改修中でした。あまり歩かれない道なのに結構マメに改修してくれて、あの道は高捲きもありますから正直有り難いですね。

投稿: komado | 2006.11.09 22:33

こんばんは~
塩沢と唐松谷ですか!紅葉満喫のいいルートですね。
奥甚助尾根、私も歩いてみたくなることがあるかな?と思って、先日ヨモギから塩沢ルートを下った際、入口はしっかり確認しておきました。komadoさんが書いているように、『わかる人にはわかる』、何気なく歩いていては見逃してしまいそうなところですね!

唐松谷林道、中流部は紅葉見事だったんでしょうね。コシアブラの白い葉を見ることは出来たのでしょうか?私が歩いた時は、上部の方でヤケに目に付く明るい黄色の葉がありました。たぶん、あれがコシアブラだったのだと思います。あと、唐松谷はチドリノキも多かったですよね。ここのは綺麗に黄色くなっていました。5日に下った曲ヶ谷沢もチドリノキ、かなりありましたが色付きはイマイチでした。

そういえば、歩道の工事はもう終わってましたか?私が歩いた時は唐松谷桟道付近の石組みを直してくれていました。ここの道もずいぶん歩きやすくなってましたよね!!

投稿: yamyam | 2006.11.08 23:04

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