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2006.11.05

倉沢はやっぱり静かでした

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(笙ノ岩山山頂にて)

11月に入って紅葉も1000m辺りの低い所までようやく降りてきました。そんな訳で低い所の紅葉はどこへ行こうかといろいろ考えていたのですが、日原でいの一番に浮かぶタワ尾根は今年に入って人が随分入っている印象なので、それなら・・・と浮かんだのは丸三年入っていない倉沢流域の山山。

ということで今回は笙ノ岩沢右岸尾根たる笙ノ岩山西尾根を登路にとって蕎麦粒山へ上がり、こちらも5年ぶりとなる棒杭尾根を下降、そしてこれまた久しぶりに尾根下部で塩地谷に沿って通っている巡視路を拾って魚留橋に降りるコースを組んで歩いてきました。

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(笙ノ岩山西尾根中部にて)

行きしなも久しぶりに8時前の臨時バスに合わせて奥多摩駅に出たのですが、紅葉に連休が重なってすんごい人出。普段は一足二足早く来ている事もあって、そんな様子をおのぼりさん気分で眺めていました。

それでも倉沢に降りたのは目論見通り私ひとり。ホッとして先ずは西尾根の取付がある笙ノ岩沢出合を目指して林道を歩きます。

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(鳥屋戸尾根にて)

20分程歩くと対岸に笙ノ岩沢出合を見るようになるのですが、笙ノ岩沢は出合から滝がかかっていて、周囲も迫っておりとりつくしまが全くない感じ。しょうがないので林道をなおも行き、取付けそうな箇所を見つけた所で倉沢に降りて飛び石で徒渉。西尾根に取り付きました。

西尾根は地形図通り、のっけから急登。尾根は急な上に露岩や岩屑が混じり、前日の雨もあって結構滑って歩きづらかったです。それでも植林は少なく、すぐに色づきはじめた雑木林に変わって、梢越しに紅葉黄葉に染まった山肌を見ながらグングン上がっていきます。

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(蕎麦粒山より川苔山方面)

当初はアセビ混じりで上が見づらかった尾根上も、やがてすっきりして何とも和やかな林に変わります。尾根左側に多いカエデの赤もなかなかの色づきで、そんな中をゆるゆる歩いているとあっけなく笙ノ岩山の山頂に飛び出しました。

行きのバスが盛況だったので誰かいるのかと思ったらこちらは完全な貸し切り。鳥屋戸尾根を歩いていても人の気配が全くなく嬉しい限り??で紅葉を木々をそして立派な川苔の姿を眺めながら歩いていたら、いつの間にやら松岩尾根に引きこまれていたのはご愛敬。これは分岐周辺のスズタケが枯れたせいです(笑)。

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(棒杭尾根上部にて)

蕎麦粒山の山頂についてようやくハイカーを見かけるようになりましたが、それでもこちらは少ないですね。川苔へ延びる防火帯をボーっと眺めながらのんびりランチをとります。

休憩の後は稜線南側の縦走路へは降りず、稜線伝いに棒杭ノ頭を目指しました。稜線はさすがに落葉していますが、北側の自然林が見事でついつい歩みも緩みがち。そしてたどり着いた棒杭ノ頭から棒杭尾根に入ります。

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(棒杭尾根より梢越しに山肌を見る)

まもなく縦走路を突っ切ると、ここからが棒杭尾根の良い所。ミズナラにブナの大木も多い自然林は紅葉も盛りでカエデの赤も多く、うろうろ歩いていても楽しい限り。でもそんな良い所も意外に短く(尾根が短いわけですから・・・)、あっけなく植林帯に入るとあとは電光形に急降下が始まりました。

グングン下り、やがて下の沢音が聞こえる頃になると、右へ戻るように延びている道が分かれている分岐に着きますが、この分かれている道が塩地谷に沿って続いている水源林巡視路。このまま直進して倉沢林道を降りるのでは物足りなすぎるので、ここで右折して巡視路に入ります。

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(塩地谷に降りた所)

巡視路はつい最近改修されたらしく非常にしっかりしていたのには驚きました。沢を一つ越えるとまもなく塩地谷に降り立ちます。ここまで降りると木々はまだ緑なのに周囲のシオジはすでにあらかた落葉を終えており、小屋跡と思しき広場は妙に明るくなっていました。

この先で塩地谷を渡ると道は登り勾配になり、周囲の林を愛でつつ茅尻沢を渡って桟道を越えると今度は下りに転じます。しかしこの後も濡れた下り勾配の桟道が続いて、これが結構な恐怖。濡れた木道桟道はマジで気を遣いますね。

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(塩地谷の水源林巡視路)

そんな桟道群を抜けるとようやく下の塩地谷を見下ろす余裕が出てきますが、まもなく植林帯に入り、林道の通る魚留橋に降り立ちました。棒杭ノ頭からここまで普通に下って休憩も込みでも一時間チョイの行程。あとは倉沢バス停までの気楽な林道歩きが残っているだけです。

棒杭尾根は上部の自然林が短いながらも素敵だし、もっと歩かれていい尾根だと思っているのですが、いかんせん短すぎます。でも今回のように塩路谷の巡視路と組み合わせる事によって棒杭尾根も味わいのある魅力的なルートになる、今回歩いてその思いを強くしました。倉沢もこうやって歩いてみるとなかなか楽しいですね。(^^)(^^)(^^)

・・・・・☆

ということでこの日のREPはこちらをご覧くださいませ。<(_ _)>
 

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【奥多摩 2006】」カテゴリの記事

コメント

え~っ、ホントっすかぁ??
くれぐれも防火帯で練習しないでくださいね~(笑)。

投稿: komado | 2006.11.09 20:19

了解しました。ゴルフクラブ二本持って行ってきま~す(^_^)v

投稿: yamyam | 2006.11.08 23:10

高橋さん、こんばんわ。
奥武蔵というか都県界尾根方面が続いていますね。(^^)
あちらの方は川苔にしろ有間山にしろ久しく訪れておりません。でも標高的には紅葉の見頃でしょうから、楽しまれた様子よくわかります。

ボクの方は同じ標高を狙ったものの沢筋でした。そちらでも良かったのかも知れませんね。BBSの方でも云ったんですけど、もう少し涼しくなったら川苔あたりから行ってみたくなりました。

そおいや倉沢橋のお話し、ボクも倉沢で降りる時は必ず覗きますよ。倉沢橋はたしか東京都で一番高い橋だと聞いた事があります。下に降りた事はないけど、あの高度感を知る人は意外に少ないかも知れませんね。

投稿: komado | 2006.11.08 22:38

mineraさん、こんばんわ。
げげ・・・見られていましたか。(^^;;;
まさかあのバスにいらっしゃったとは驚きです。

朝の盛況ぶりからあの時は一台目には乗れないなとは思っていたので、車掌さんに「後ろでしょ」ってアクションしていたのですが。。。

でも変なコトしなくて良かったです(笑)。ボクの方はもちろんわかりませんが、その時はどうぞ宜しくお願いしますネ。

投稿: komado | 2006.11.08 22:31

材木小屋と四軒小屋尾根が秋に入ってから混雑気味。紅葉の時期は避け、11月3日に、有馬山方面から塩路谷に入いりました。今年の春に谷を遡行しているときに、突然右手の尾根からおじさんが声をかけてきたので、棒杭尾根から降りてくる道があるらしいことが解っていたので、試して見ました。その後も、komadoさんと同じ道(遡行のとき高巻に使いました)で降りてみました。確かに登攀価値はあまりないですよね。でもそこから上部の落ち着きと味わいのあるルートが好きです。多分今の時期は最高と思います。但し、最後の詰め(一杯水)の部分が杉林でつや消しなのですが・・・。
さて、5日は、やはり寝坊したので、バラ尾根から有馬山へ。有馬山の稜線は、緑の熊笹と鮮やかな紅葉の対比が良くて、good。皆様ご存知かも知れませんが、ご紹介したいのが日向沢の峰の手前で稜線を横切る東電管理道です。左に行くと県界尾根の50号鉄塔へ、右に行くと52・53号へと県界尾根北面の山腹を横切り、蕎麦粒山からの尾根に続きます。短かくて狭い道ですが、誰にも会わず安全で緊張感なく静かな森の紅葉が楽しめますよ・・・。説明を省きますが、道から外れた踏み跡がお勧めです。
無駄話1-塩路谷隣の長尾谷の詰めの部分で、絶対に熊穴と勝手に思っているところがあります。そこの前を通らないと上に行けないのですが、熊に会いたければ、きっとそこがお勧めです。
無駄話2-倉沢・日原川出会いのマイモーズの谷を覗いたことがありますか。金玉が縮みますよ。下に降りてみたことがあるのですが、きっと今の時期は恐怖が紅葉の美しさを倍化させていると思います。

投稿: 高橋 良明 | 2006.11.07 22:01

こんにちは
実はその日(3日)は棒杭尾根を登路としていました。
そして14時50分日原発1号バスに乗車していたのですが、
倉沢で若い男性が2号バスに乗ったので、もしかしたらkomadoさんではと思って、レポをじーっと待ってました。
やはりkomadoさんでしたね!
これで日原でお会いしてもお声がかけられます。
棒杭尾根は確かに素晴らしいです。
もう少し距離が長ければもっといいですよね。
途中の看板がある分岐はやはり塩地谷へのびり道だったのですね。

私も奥多摩駅の混雑にはうんざりでしたが、倉沢から棒杭尾根では全く人に会わずに静かで心が落ち着きました。

投稿: minera | 2006.11.07 00:13

確かに日原でクロスケに遭遇する事はあるけど、こちらは動ける範囲が広いのか、よほどの事がないと遭遇するという事は無いと思っています。

だから「おそらく」大丈夫だと思いますよ。心配でしたらそれなりの準備をして楽しんでくださ~い。(^^)

個人的には日原よりも石尾根南面の方が回数はともかくとして確率で云えば断然上です。

投稿: komado | 2006.11.05 22:40

あっ!!倉沢だ!

こんばんは~
倉沢周辺はまだ入ったことがないので、ク〇スケの心配がなくなった頃に攻めようと思ってたんですよね!ここもク〇スケが多いと聞いていたもので躊躇してました(-_-;)

山歩きの記録倉庫から引っ張り出した資料を参考にして(笑)、シオジ谷周辺や棒杭尾根etc・・・歩こうと思っています。

投稿: yamyam | 2006.11.05 21:14

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