錦繍の南ア銀座通りを歩く
(早朝の黒戸尾根を見下ろす)
さて2日目(10/09)は甲斐駒にあがってから仙丈ヶ岳へ向かう行程。間に北沢峠を挟んでいるので稜線漫歩とは言い難いし、人が多そうでもあるけど紅葉と展望、そして前日大荒れだった山頂附近の様子がどうなっているのかがかなり楽しみです。(^^)
山肌の紅葉と相俟って周囲が鮮やかに朝焼けの色に染まる中、七丈小屋をスタート。風はまだ強く吹いていましたが前日のような強さではなく、そのお陰か気温は高めで助かりました。
(八合目より)
テンバを過ぎてひと登りした所で日の出を迎えてなおも気分良くせっせと詰めていきますが、やはり高い所はちょっとしんどい。ペースをゆるめて一歩一歩ゆるゆる行くことにします。
やがて周囲のダケカンバがなくなると展望がひらけて、鳳凰越しの富士に、奥秩父、八ツ。そして白くなった北アは乗鞍から後立山の方までともうどこも見え見え状態。途中、そんな北アを狙って撮っている人もいました。
(甲斐駒山頂直下だと思う)
八合目を過ぎると巨岩の間を縫うように行くようになり、梯子や鎖場も難なくこなしてなおも行くと、をを!前日の名残であろうハイマツや草木についた霧氷がちらほら出てきます。実は霧氷を見るのも本当に久しぶりのことで「よく残ってくれたよっ!」とおもわず叫んでしまいました。
じきに北岳も見えるようになり、そんな中をルンルン気分で行き甲斐駒神社の本社に参拝すれば山頂はもうすぐ先。山頂に着くとすでに10名程のハイカーがいましたが、これは少ない方だと下りだしてからよ~くわかりました(笑)。
(直登コースより駒津峰を見下ろす)
そしてここで行く先の仙丈ヶ岳や南部の山山ともご対面。こちらや中アは白くなかったけど、奥の御嶽や白山はさすがに白くなっていました。
そんな爽快さにここでもう少しのんびりしたかったのですが、ここから仙丈へは稜線漫歩の類ではなく、一度大きく下って登り返す感じなので適当な所で泣く泣く切り上げざるを得ません。そして行ったことのなかった摩利支天へ向かうつもりでさっそく下りはじめたら・・・。
(仙水峠への下りしなより)
何と間違えて直登コースを下ってしまい、それに気がついたのはかなり下ってしまった後のこと。もう登り返すのはしんどいので諦めてそのまま下りましたが、ここでふと駒津峰の方を見るとすごい数の人人人。これだけ人がいれば直登コースの方も途切れず登ってくるわけで、ここは石を落とさないよう慎重に下りました。
そしてようやく直登捲き道分岐に降りたらここからが人出の最高潮で、ハイカーで溢れかえる駒津峰で少し休んでいる間にも次から次へとハイカーが上がってきます。さすがは甲斐駒。でもそこから振り返った美しい山姿はやはりさすがは甲斐駒だったのです。(^^)
(仙水峠附近より仙丈ヶ岳)
尾根伝いの道は以前歩いたことがあるので、今回は仙水峠へ降りて駒仙小屋(いつの間にか長衛小屋から名前が変わっていたのですね!)に出る道をとりました。紅葉は仙水峠へ降りるまでが最高潮で、ダケカンバやカラマツの黄色にナナカマドの赤も鮮やか。そして双児山の山腹は黒木の緑とダケカンバの黄色がこれまたいい感じ。
あれだけたくさんいた人もはじめてだった駒仙小屋への道に入るとぱったり。この道、沢の水量は豊富だし意外やなかなかの雰囲気。狙い通りに河原でのんびりランチもとれてもう言うことナシです。
(森林限界を超えた所)
そしてテントの花が咲く駒仙小屋を通り抜け林道に上がると、ここから仙丈へ向けての登り返しのはじまり。ひと登りで北沢峠への捲道と合わせると、今度は仙丈の下山組に次々とすれ違います。こちらも人出は多いんだけど甲斐駒の方に比べれば若干少ない感じ。
黒木越しの紅葉を楽しみながら二合目・五合目と順調に上がり、そこからひと登りするとようやく森林限界に出ます。ここでハイマツの緑に覆われた、なんともたおやかな稜線が目に入るのですが、この瞬間に今の今まで心の中でうじうじうじうじ持ちつづけていた「飯豊に行きたかったよぉ」という気持ちが氷解していったのです。
(山頂はもうすぐ)
ここからは下山者もほとんどいなくなり、ボク好みのゆるゆる稜線歩き。ここまで上がっても北岳はまだ巨きいし、その脇の富士は頂部にだけ雪をつけたなんか締まりのない姿でちょっとユーモラス。間ノ岳・塩見の奥に見える荒川や赤石もやはり大きかった。
そして小仙丈のカールを見て、その先の仙丈のカールが近づいてくるともう山頂は間近。カールの底に立つ仙丈小屋を確認して山頂に上がります。
(カールの奥には馬の背・鋸・八ツ・・・仙丈ヶ岳山頂より)
山頂には小屋泊まりの人がひとりいただけで連休最終日ということもあって本当に静かでした。山頂では展望を楽しむというより、ただただボーっとしていたのでしょう。
ここで翌日下る地蔵尾根の姿を確認。やっぱり長いねぇ。。。そして下のカールに立つ仙丈小屋がかげってきたのを見計らって小屋へ向かいました。
(本日のお宿・仙丈小屋)
噂には聞いてきましたが、建物は新しくキレイで快適な小屋でした。
さっそく中に入って受付を済ませ、奥の自炊スペース??に行くとなんとそこにはゴン太さんがいて思わず絶叫。もしかして・・・と思って翌日の予定を訊いたらやはり地蔵尾根でした(笑)。
この日の宿泊者は10名程。夜中にふと目が覚めて表に出たら、立待の月明かりがカールを照らして幻想的でした。明るいお陰で☆はいまひとつだったけど、それでも下界とは比べものになりません。雲一つなく明日もいい天気になりそうです。
・・・つづく。(^^)
・・・・・☆
◆ 2006.10.09 (Mon) 快晴
七丈小屋 05:25- 八合目 06:14- 甲斐駒ヶ岳 07:25/07:45- 駒津峰 09:00- 仙水峠 09:50/10:00-(途中休憩60分)- 北沢駒仙小屋 11:35- 二合目 12:10- 大滝頭五合目 13:00- 小仙丈岳 14:00/14:10- 仙丈ヶ岳 15:00/15:40- 仙丈小屋 15:55
仙丈小屋 寝具無素泊 ¥3500
缶ビール ¥600
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コメント
kuroさん、ゴン太さん、こんばんわ。
そうそう、仙塩尾根も稜線歩きと言うにはしんど過ぎますね。700mのアップダウン、駒仙丈よりはらくそうだけど、仙丈から見たあの撓みはやはりちょっと腰が引けるな。
そおいや熊ノ平もこちらから両俣に降りればその日のウチに帰京できるんですよね。ゴン太さんから歩かれたコースを聞いた時、思いつきました。これは歩くかも知れません。とにかくまたご一緒機会がありましたら宜しくお願い致しますネ。(^^)
投稿: komado | 2006.10.16 22:48
あはは、kuroさん、この日その馬鹿尾根も歩いちゃったゴン太です(笑)。
仙丈小屋では、ほんとに、なんでまた、よりによってこんなところで会っちゃうの!? とびっくりでしたが、たのしいひとときと、楽しい尾根歩きでした。
またいつかどこかでお会いしたいですね。
投稿: ゴン太 | 2006.10.16 08:10
地蔵尾根って赤の点線だよ、わくわく♪
私は仙丈から、あの馬鹿尾根の仙塩尾根を歩いて泣いたのだっ!(笑)
投稿: kuro | 2006.10.15 08:52
リブルさん、こんばんわ。
黒戸尾根は確かにしんどいけどいろいろ変化があって、歩いて楽しい尾根だとボクも思いました。だからこそきつい割にはそれなりに人が入るのだろうし、日帰りにチャレンジする気持ちもわかるようになりました。
地蔵は絶対登りにとりたくないけど、黒戸はまた登ってもいいかな、そう思っています。
投稿: komado | 2006.10.14 22:17
ba_sobuさ~ん、ボクのウデじゃあの写真は撮れませ~ん。
撮るには暗い上にカールも大きいから、あのスケール感はおそらくだせない。でも本当に明るい月明かりでした。あれならライト無くても歩けるでしょう。
今回はあの光景を見ただけで仙丈小屋に泊まった価値がありましたよ。(^^)
投稿: komado | 2006.10.14 22:13
komadoさん、こんにちは。
転身して南アルプスは良かったですね。ずいぶん前に黒戸尾根は下山したことがありますが、ハシゴなんかが連続して楽しいですよね。私もずいぶん前から登ってみたいと思っているのですが、いまだに足が向いていないです。
投稿: リブル | 2006.10.14 19:41
「立待の月明かりがカールを照らして幻想的でした」
って・・・こういう景色 見てみたい・・・・。
写真は????・・無理ですよね。
komadoさんの記憶の画像 こじあけてみたいな・・・(笑)
それにしてもゴン太さんと遭遇なんて、なんという!!!
続編たのしみです。
投稿: ba_sobu | 2006.10.14 16:52