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2006.08.21

不帰岳から不帰嶮へ 3

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(不帰の嶮と天狗、白馬鑓を振り返る・唐松岳附近より)

三日目も朝から好天。前夜は快適に眠れ快調そのもの。戸隠あたりから出る日の出を見ながら、そしてちょこまか撤収するテント組の様子を見ながらオベントを食べて、気分良く出発します。

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(天狗小屋の朝・雲海の奥に焼山、火打、妙高が見える)

天狗ノ頭を越えると後立山の稜線が、そして黒部を挟んで劔や立山はもちろんその奥には槍穂も見えるし、思いもかけずタカネイバラなんかも見つけちゃって気分はなおも良くなり、ひと下りでもう一つの「不帰」不帰の嶮のはじまりでもある天狗ノ大下りに差し掛かります。

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(天狗ノ頭より五龍、鹿島槍、後立山の稜線を望む)

高い所へはほとんど行かないせいか、この手の難所の名前はよく聞くものの実はその内容というか行程はまったく知らなかったりします。だからと云ってまぁこれは毎度の事なんだけど、ガイドを持参するとか、前もってガイドを読んで頭に入れておくという事は全くしません。要は地図を見れば岩稜が続くという事はわかるし、アップダウンが多いというのもわかる。でもこの手の岩稜は地図だけではイマイチイメージが掴めず、実際に現物を目の当たりにしないとどうしようもないところがある。

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(不帰キレットを見おろす)

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(天狗ノ大下りを見上げる)

天狗ノ大下りは高度感のあるザレた急降下が続いて、下りの苦手な自分にはちょっとしんどいですが、ここは自分の事よりも先行者がいたので、落石とかそちらの方に気を遣いました。

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(不帰一峰の下りしなより二峰の姿)

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(不帰二峰より一峰、キレットを見おろす)

キレットで先行者をほどんど抜かさせてもらえば、ここからが不帰の嶮の核心部。唐松岳から来た人が下ってくるのを待って登り返します。実際に登ってみると高度感はもちろんあるけど、足がかりの少ない箇所や狭いバンド状をへつる箇所などには鎖があるし、基本に忠実であるなら難しいものでは決してなく、むしろアップダウンが続くので体力勝負といった印象です。

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(二峰上部の登りはこんな感じ)

そして二峰に上がれば難所はあっけなく終わりで、あとは唐松岳まで雲上散歩。ちょっとした浮遊感が心地よく、そして楽しいです。(^^) 前日は天気が良すぎて歩いているときは雲海をほとんど見られなかったので尚更でしょうか。こういう高山の稜線歩きはやはり一味違いますね。

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(唐松岳山頂にて)

唐松岳からは五龍の巨体が一番目を引くところでしょうけど、ここから八方へ下山なので「劔さん黒部さん、さよ~なら~」の思いの方が強かったかな。唐松岳や小屋周辺もハイカーがぽつぽつといましたが、いざ八方へ下りはじめると次々に登りのハイカーとすれ違います。

雲海の効果もあったかも知れないけど丸山ケルンのあたりもなかなか良いところでした。白馬や不帰そしてちょっとそそられた立派な五龍の姿を目に焼き付け、まだ下りはじめると雲海の中にそして樹林帯に入ります。

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(丸山ケルンにて)

樹林帯に入ると再びお花が多くなって楽しいのですが、人も多くなって些か閉口気味。しかし下はもっと凄いんですね。八方池に降り立ったら周囲は観光客で溢れかえっていてもうもうビックリ。八方が観光地である事をこの時はじめて知りました(笑)。

あとはもうひたすらに下ってすぐにリフトに乗ったのですが、今の時期のリフトは気持ちいいわ~。一番下のもゴンドラじゃなくて普通のリフトだったら文句なしだったんだけど、この感想は冬場の事を全く考えていないですね。

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(八方尾根は樹林帯に入るとお花畑が続く)

んで下山したら温泉で汗を流し、駅前のおそば屋さん(テキトーに入った割には結構んまかった)に入って生ビールとおそばと天丼で〆。白馬駅に戻ると丁度よく特急がやって来て、席も余裕で確保。おかげで帰省のピークなのにスムースかつ快適に帰京する事が出来ました。(^^)

高いところは木曽駒以来丸4年ぶりでしたが、やはり高いところには高いところの良さがありますね。今回歩いてみてそれを久しぶりに思い出させてくれた、そんな思いです。とにかく天候に恵まれた事が一番。そして今年の大雪に恵まれた??事。あと急遽実行した山行きだったけど、今年はどこへでも行けるように前もっていろいろ調べておいたのが結果、大吉と出ました。

ここまでうまく行く事は滅多にないけど、高いところも年に一度くらいは行ってもいいかな、今回歩いてからそう思うようになりました。

・・・・・☆

◆ 2006.08.16 (Wed)  晴 一時 霧
天狗山荘 05:30- 天狗ノ頭 05:50- 不帰キレット 06:50- 不帰一峰 07:15- 不帰二峰 07:55- 不帰三峰 08:10/08:20- 唐松岳 08:40/09:10- 丸山ケルン 09:55- 八方池 10:50- 八方池山荘 11:25→ 八方 12:00

八方リフト通し券 ¥1400
第二湯の郷 ¥500
第二湯の郷~白馬駅 タクシー(迎車) ¥1090
 

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コメント

akioさん、こんにちわ。
最後の高山が1977年なんて・・・ボクがまだガキんちょの頃ですよ!おっしゃるとおり山小屋や装備や登山者は様変わりといった感じになるのでしょうね。やっぱり当時は若い人が目立ったのかなぁ。。。

akioさんが普段はどの範囲までの山を歩かれているかはわかりませんが、事情が許せばこういう高いところとか、全く別の所の山を歩くというのは、いろいろな意味で楽しいと思いますし、普段歩いている山のまた別の楽しさや魅力に気づく事もある。

ボクも年に一度とは言わずに何度か歩きたい気持ちもあるんですけど、土日祭の休みだとやはり混雑がねぇ。。。それを考えるとどうしても勇気が出ないのですが、今回歩いてみてその勇気が少しはついたのかも知れません。

投稿: komado | 2006.08.26 12:33

かずさん、こんにちわ。
ホント、おっしゃるとおり余韻が今でも残っています。(^^)

こういうところ行くときは尚更、お花と静けさは狙っていくものなのですが本当にツイていましたよ。お盆にこれだけお花を楽しめたのですから。7月から8月頭までの本来の良い時期には長い休みなんて取れない。天気と合わせて神の御業に近かったかも。

でも普段だったらお盆はかずさんがテント担いで遠出でボクは近場の山歩きというパターンなのに、今年は完全に逆でしたね(笑)。

投稿: komado | 2006.08.26 12:23

リブルさん、おはようございます。
さすがに人里(って言い方はかなりおかしいけど)と近い小屋だと、オプションもあるんですね!イワナと骨酒かぁ~。これは是非頼んでみなければ。。。(^^)(^^)

祖母谷温泉に泊まりたいなと思ったのは、その様子を見たからなのはもちろんなのですが、祖父谷の橋でおかみさんらしき方やゲートでのスタッフ(顔が似ていたような気もするので息子さん??)と少しですがいろいろとお話しをさせてもっらったからなのです。

野湯の方は歩きしなちょっと覗いてみましたが、家族づれの方が楽しそうに入っていましたヨ。当日はかなり暑かったし、なんで目の前の温泉を通り過ぎて、しんどそうな所をわざわざ登んなきゃいけないんだろ~、って思いながら歩いていました(笑)。

投稿: komado | 2006.08.26 10:49

Hgさん、おはようございます。今頃は奥多摩のどこかを歩かれている頃でしょうか。
もちろん雨の時や霧の時の山も良いものですが、今回は晴れてくれたからこそ、ここまで全開に楽しめたのだと思います。

> 余計な概念にとらわれず山を楽しめるのではござりませぬか?^^;

いや~、それはホントですね。(^^)
先月の金山も今回も山歩きの基本というか原点というか・・・うまく云えないんですけど、何かそんなものも感じました。以前は東北や高いところも年に数回程度は行っていたんですけど、家の事情に職場が変わって平日の休みが取れなくなってしまったのが大きかった。人が多いのはどうしてもダメなので。。。

それでも今回みたいに頭を使って??何とか行ければなぁ、と思うようになりました。

投稿: komado | 2006.08.26 10:39

最近ずっと毎回読むのを楽しみにしています。”高いところは4年ぶり”と書かれていたので、さて、長~いブランクのある小生はどんなものかと、古い山日記をひもといてみると、アルプスと名の付くところへ最後に行ったのは1977年でした。
正直、komadoさんの文章を読んでいると、ふつふつと行きたくなってきました。来年の梅雨明けは。。。と思っています。
山小屋や装備や登山者は30年で変わっているでしょうが、花や木や自然はおそらく変わっていないでしょうね。今から楽しみにしているところです。

投稿: akio | 2006.08.25 20:45

1~3まで見たけど、すごいね~。
ハクサンコザクラなどの花の群落なんか超羨ましいよ~。
komadoちゃんの行くとこにはなぜ花が多いの?

天気もばっちりで迫力ある写真が撮れてるじゃ~ん。
今回の山行はまさに大吉でしたね。

まだ余韻が残ってるでしょ?

投稿: かず | 2006.08.25 00:16

komadoさん、こんにちは。
祖母谷温泉に泊まることがあったら、ぜひ、岩魚は注文してください。こんな大きな岩魚は滅多にない、と思うような大きさの岩魚が出てくると思います。ちなみに骨酒も美味いですよ。すべて別注ですので、早めに到着して注文しておく必要があります。

ああ、またあの広い露天風呂に入りたいなぁ~~~。
時間があったら、川そばの野湯もいいですよ。源泉は90度以上あるので、川の水入れないと火傷しそうになったりしますけど。(^^;

投稿: リブル | 2006.08.24 21:48

こんばんわ~、たまにはこちらに^^;
北アレポ2と3、拝見しました。
花といい、稜線の雰囲気といい、ええ~感じですね。
不帰キレット周辺の岩稜の感じも良く出ていますね~。
天気に恵まれたこともあり、ホントに気持ちよさそう(^^)

>高いところも年に一度くらいは行ってもいいかな
ええわ、ええわ~、年に一度と言わずぜひ^^;

御坂や菩薩と違い、余計な概念にとらわれず山を楽しめるのではござりませぬか?^^;

投稿: Hg | 2006.08.23 23:46

タカさん、こんばんわ。
今回はおっしゃるとおりゴージャスでしたね。(^^ゞ

山小屋には泊まるわ、レストランで食事はとるは、ボクにしては非常に贅沢な山行きでもありました。記事の方では触れていませんが、実は行きがけの能登も指定が取れなかったのでグリーン車だったのです。

列車は489系しかも国鉄時代そのままの古いシートでしたが、子供の頃からずっと見ていて憧れていたシートで過ごした一夜は、決して快適とは云えなかったけど、感慨一入でした。

投稿: komado | 2006.08.23 20:49

リブルさん、こんばんわ。
祖母谷への道の扱いは以前からずっと同じだったのですか!7月半ばに大雨があったのでその影響かと思っていたのですが、心配して何か損しちゃいました(笑)。

でも無事に歩けたわけですから文句云っちゃ行けませんね。リブルさんが唐松から下られた記録は覚えていましたが、清水尾根も下られていたのですね。

祖母谷温泉は通りがかっただけですけど、その雰囲気から次の機会には是非泊まってみたいと思いました。今回のメインは清水尾根でしたが、黒部の下見という意味も実はあったのです。劔もそうだし、下の廊下もそう。周囲には温泉が沢山あって何か迷いそう。(^^;;;

投稿: komado | 2006.08.23 20:42

今回は、ゴージャスですね。

投稿: たか | 2006.08.22 06:47

komadoさん、こんにちは。
祖母谷温泉から白馬へ登っちゃうとはさすがkomadoさんですね。私は下りしか歩いてませんが、十分に辛かったですよ。特に下部は蒸し暑かったですし。避難小屋は確かにきれいでした。水場がすぐ横だったのもいいですね。ちなみに数年前から祖母谷温泉へは通行止めの表示ですね。温泉に泊まると観光客が少なくて良いかも。

しかし、いいお天気の上に花もたくさんで最高でしたね。不帰キレット歩いた時は雨でとても花なんて観賞している暇はありませんでした。その上連休だったからテン場は人だらけでしたし。当然眺めなんかもあるわけないし。

やっぱり、こんな所にkomadoさんのお人柄と普段の行いの良さが出るんでしょうね。(^^)

投稿: リブル | 2006.08.21 23:23

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