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2006.08.07

ちょっと早めな盛夏の南大菩薩

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(白谷ノ丸を振り返る・ハマイバ丸への行きしなより)

梅雨が明けて今までの涼しさから一転、暑い日が続きますね。こうなるとそろそろ低山のお花も盛りに入ってくるのですが、同じ盛夏でも時期によって咲く花が変わってくるし、身体は当然の事ながら一つしかないのでどこを歩こうかいろいろと迷ってしまうもの。

とにかく南大菩薩や御坂の山山に関して云えば、という点では8月上旬からお盆まで。そしてとなると秋の花が咲き揃い出すお盆から下旬にかけてといったところで、これが山行きの選択を大いに迷わせてくれるのです。(^^ゞ

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(こおにゆり と やなぎらん)

ということで悩みに悩んだ末に決めたのは3週前にも歩いた南大菩薩。今回(08/05)も例年通り白谷ノ丸から米背負峠までの南大菩薩の草原帯をくまなく??見られるコースをお花見しながらのんびり歩いてきました。

行きしなの車窓から見える周囲の山山は気温が高いせいかぼんやりと霞んでいかにも暑そうで、いささかゲンナリするような姿。それでもいざ歩き出して白谷ノ丸に上がると、気温が急上昇したせいでしょうか雲がつぎつぎとやって来て意外に涼しかったです。もちろん日が当たればもちろんかなり暑いけど(笑)。

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(白谷ノ丸附近はまだ寂しい)

白谷ノ丸は最盛期の事を考えるとまださみしい感じ、というか時期が少々早めと云うことを割り引いても今年は花が少ないと思います。それでもコウリンカにタチフウロ、シモツケ、ウスユキソウ、キリンソウ、シシウド、ハナチダケサシ、カイフウロ辺りが元気に咲いて、マツムシソウやこの日は諦めていたヒメヒゴタイ(!)、ワレモコウといった秋の花も咲き始めていました。

そして数の多いタムラソウやセイタカトウヒレンは蕾を膨らませてスタンバイ。かなり深くなった草むらの中をよく見てみるとタチコゴメグサにウメバチソウの蕾も可愛らしい。

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(紅白のたちふうろ に かいふうろ)

そして湯ノ沢峠に下ると車はたくさん停まっているものの、意外や人出はまばらで静かなもの。最盛期前だからでしょうか??水浴びしたかったので(ちなみに水場までの道も付け替えられていました)久しぶりに避難小屋を覗いてみると「湯の沢峠の花しるべ」なる小さいパンフが置かれていました。

パンフを貰って再び尾根に戻り、峠の草原を横切ります。峠附近も白谷ノ丸と同じ感じですが、こちらはシモツケソウが多くなって草原をうっすらとピンクに染めています。先月のハナチダケサシ満開の時と3週間違うだけで様相は随分変わるものですね。

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(しもつけそう満開・ハマイバ丸にて)

そういうわけでお花は先月より少し標高を上げて大蔵高丸を過ぎてからが本番でした。大蔵高丸を過ぎると花の密度が一気に濃くなり、前述のお花にトモエシオガマやオミナエシ、ヒメトラノオが加わり、満開のヨツバヒヨドリで埋まった草原が続くようになります。

そんなヨツバヒヨドリの草原もすごいのですが、今回狙っていたのがハマイバ丸のシモツケソウ。歩いていて満開なのはもうわかっていたけど、登山道脇も草原も一面ピンクに染まった様子はまさに圧巻の一言でした。

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(ハマイバ丸より下はよつばひよどりが満開)

ハマイバ丸を過ぎると草が繁茂して道をふさぐ箇所も出てきますが、日差しにじりじり灼かれながら、むっとした草いきれの立ちこめる中をかき分け歩くのも、今の季節ならではで決して嫌いではありません。というか結構ルンルン気分だったりしますけど、この日は草が完全に乾いていたから快適だったのかも。

でも、晴れてさえいれば草露に濡れるもの結構気持ちが良いものです。今の時期なら濡れたって服はすぐ乾くし。というかこの時期は濡れることの方がちょっと多かったように思います。

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(こうりんか と 逢えると思ってなかったかせんそう)

そんな楽しい草原歩きも天下石に着くとおしまい(ってこの書き方は3週前と一緒だ~・笑)で、より緑の濃くなった自然林の尾根を下りきると米背負峠で今回の稜線歩きもここでおしまい。峠からは去年と同様に米背負沢沿いの道を下りました。

まず一番気になっていた林道の進捗が止まっているのか??すぐに降り立つ水場の辺りに変化がなかったことにビックリし、そして本当にホッとしました。あとは手入れされていないのか草が繁茂して道をふさいでいたり、不明瞭な箇所も若干ありましたが、総じて云えばまだ登山道の格好はついていると思います。

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(米背負峠にて)

そしてこの道で目当てだったレンゲショウマはまだ蕾(ここのレンゲショウマは訪れるたびに減っていると思う)。でももう一つのお目当てだったタマガワホトトギスには何とか逢えて、山歩きを終わってみれば量こそ最盛期にはかなわないものの種類は結構あって、大満足の一日でした。シカの営巣地なんかもぼちぼち見かけるようになってそろそろヤバいかも・・・の思いは強くなっていますが、やはり南大菩薩はお花が多いですね。

あと、帰りの林道歩きは長くてヒマなので、↓のような企画を思いついてタマアジサイばかり撮っていました(笑)。御笑覧ください。(^^;;;;;

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(たまあじさい八変化・大蔵沢大鹿林道にて)

ちなみに今回はREPも恒例のお花のアルバムもないので、この日見かけた花の名前だけ挙げておきまーす。(^^;;;

ヨツバヒヨドリ、キオン、マルバダケブキ、シモツケ、コウリンカ、シモツケソウ、シシウド、ヒメトラノオ、ハナチダケサシ、ノアザミ、ノハラアザミ、ハナイカリ、タチフウロ(赤・白)、コオニユリ、オオバギボウシ、フジイバラ、ノコギリソウ、ウスユキソウ、ヤマハハコ、イワキンバイ、トモエソウ、オトギリソウ、トモエシオガマ、オトコヨモギ、クルマバナ、ニガナ、シロバナニガナ、タチコゴメグサ、ヤマオダマキ(黄・紫)、コウゾリナ、ヌスビトハギ、キリンソウ、イタドリ、キンレイカ、ネバリノギラン、ヤナギラン、カイフウロ、タカネグンナイフウロ、キンポウゲ、アキカラマツ、ヤハズハハコ、マツムシソウ、ヒメヒゴタイ、ヤマホタルブクロ、クガイソウ、キンミズヒキ、ツリガネニンジン、ミヤマヤブタバコ、フシグロセンノウ、ダイコンソウ、ミツモトソウ、オミナエシ、ワレモコウ、オカトラノオ、ヤブレガサ、ノブキ、カセンソウ、ヤマアジサイ、タマガワホトトギス、ソバナ、ヤマユリ、タマアジサイに同定できなかったセリ科の花に、表にできないお花(笑)を含めて計67種でした。
 

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【大菩薩・権現山稜 2006】」カテゴリの記事

コメント

> 時間が違うけど、まったく同じ場所で写真撮ってる~。

やっぱりそうなっちゃうでしょ~。(^^)かずさんとこやHgさんのところを見てもそんな感じですもんね。人が多くてこれだけ「濃い」ならわかるんだけど、南なんかあの人出でしたから・・・余計にビックリしたのです。

本当は某H氏S氏の縦貫のあのまとめ方に一番ビックリしなければいけないんだけど、なんか妙に慣れちゃってて。。。(笑)

投稿: komado | 2006.08.10 21:24

ププ~(笑)
時間が違うけど、まったく同じ場所で写真撮ってる~。
みんな大集合しちゃって、すごい1日だったね。
花の多いとこには人も集まるんだよ~。

投稿: かず | 2006.08.10 00:37

しかし5日は凄い日でしたね。
シマダさんとHgさんとかずさんの縦貫組にhillwalkerさん、tawaさん(温泉で会いました)の北??組。そしてボクとタカさんの南組。北の方はそれなりに人はいたでしょうけど、南の方は通しで10人そこそこといった感じでかなり静かだったので、この「濃さ」はハッキリ云って尋常じゃありませーん(笑)。

kuroさ~ん、ボクのはいい加減だから、正確を期すためにはもっとしっかりした人に聞いてね~(笑)。

ba_sobuさん、ホントは9変化にしたかったのですが、九つにしちゃうと何かヘンになっちゃう。それなら八つで良いだろう、と。(^^ゞ

投稿: komado | 2006.08.08 23:21

> ↓のような企画を思いついてタマアジサイばかり撮っていました(笑)

ゆっくり開花していくような・・・
力作ですね!!
最後の欄にはどういう絵柄がふさわしいのだろう???  (^_^)p

投稿: ba_sobu | 2006.08.08 22:13

ここで花の名前聞けばいいのかぁ~(笑)
それにしても、花 花 花だね♪

投稿: kuro | 2006.08.08 18:52

同じ日に同じ道歩いたんだね~
ぼくは奥多摩からちょっとだけ外れて・・・

投稿: 奥多摩大好き シマダ | 2006.08.08 00:16

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