
(金山うっすらと現る・天狗原山より)
久しぶりに青春18きっぷなんて買っちゃったので、これまた久しぶりのアウェイで頸城の金山(2245m)へ遠征してきました。ということで土曜(07/29)はホリデー快速から鈍行を乗り継ぎ南小谷へ出、貸し切りバスに揺られて小谷温泉へ。
バスの終点に建つ渋い山田旅館にもかなり惹かれるものがあるのですが、すぐ上で起きた県道崩落のため、妙高廻りでない限り登山口まで車で行けない状況(少なくともく8月半ばまでは)ではその行程を考えるともうチト上で泊まりたい。泣く泣く急遽造られた泥濘の道をひと登りで村営の雨飾荘に投宿。かけ流しの温泉で英気を養います。

(きぬがさそう・・・かなりご無沙汰)
翌日(07/30)は明るいながらも雲の広がる中、5時ジャストのスタート。十数年ぶりだった妙高小谷林道はすっかり舗装されて以前のワイルドな感じは全くなくなっていました。金山の登山口までは雨飾荘からぴったり一時間。車は一台だけでおふたりさんが準備中。
さっそく山道に入ると、先週に刈り払いが入ったらしくスッキリ歩きやすくなっている。期待に反してまもなく雨が降り出し、ガスに煙るブナ林の中を淡々と登ります。しかしこのブナ林・・・かなりのものです。

(中腹の沢道の8割方はまだ雪渓)
水場を過ぎるとすでに巨大化したミズバショウとオタカラコウの出迎えを受け、これまたブナの美しい痩せた尾根上に上がると、ミヤマママコナ、ハクサンオミナエシにソバナが現れて「らしく」なってきました。
登山道はここから尾根の左側を通っているのでわかりづらいんですけど実はその尾根の右側がすでにお花畑で、遠目から見てもクルマユリにニッコウキスゲ、おそらくイブキボウフウ?などのセリ科の類にナデシコの類と思われる花々で埋もれています。尾根が急なのでアクセスできずに眺めるだけなのが惜しい。

(みやまきんぽうげ咲く道)
再び尾根から外れて沢の中を行くようになるとシラネアオイにショウジョウバカマ、サンカヨウ(ToT)。沢はすぐに雪渓に変わって道を見落とさないように慎重に行きますが、雪渓は踏み抜きにさえ気をつければ涼しく、歩きやすくて快適ですね。
途中雪が切れると花のついたミズバショウに本当に久しぶりのキヌガサソウに涙涙。そして沢のツメはキヌガサソウにサンカヨウ、ニリンソウの咲く広場になっていました。

(しらねあおいがわかるでしょうか?)
その広場から尾根に上がるとミヤマキンボウゲが現れ、急な登りながらも一面お花畑の中を登るようになります。イブキボウフウ?、オオハナウド、イブキジャコウソウ、白花のヤマホタルブクロ、タカネニガナ、エゾカワラにシナノナデシコ、クルマユりなどなどなどなど・・・あまたの花がなぐさめてくれます。
しかし刈り払われているのは歩きやすくていいのですが、道脇の花々も平気で刈られているのはやはりその多さゆえなのでしょうか。

(黄色いスミレも久しぶり・おおばきすみれ)
急登をこなすと今度はこれまた立派な木の多いオオシラビソ林に変わり、林床にはマイヅルソウやゴゼンタチバナで一面埋まっています。金山はこのオオシラビソ林と登りだしのブナ林の様子も実は特筆ものでしょう。
下の様子が様子だったので上はどんな感じなのだろう と期待を膨らませつつ、オオシラビソ林を抜けるとそこはもう天狗原山(△2197.1m)の一角なのですが、なんと笹の被っていない斜面はどこも雪雪雪!!

(金山の手前辺りか・雪は例年に比べるとかなり多いらしい)
しかも周囲はガスっているし、こりゃもう一仕事だな~・・・と思い始めた途端、周囲のガスが徐々に晴れて行く先の金山がうっすらと姿を見せてくれました。
おかげで行くルートも何とか把握でき、あとは金山までルートを探しながらの雪渓歩き。気温が高いのでサクサク歩けてこれはこれで気持ちがよいです。(^^) でもそんな状態なので頂稜のお花はショウジョウバカマにシラネアオイ、オオバキスミレがメインで、お目当てのハクサンコザクラやシナノキンバイはまだまだ一部で咲き始め。おそらく盛りはお盆頃になるのでしょう。

(はくさんこざくらは咲き始め)
山頂につく頃には完全に晴れてくれたが、展望は裏金山が姿を現してくれたぐらいで今ひとつ。雨飾山方面の刈り払い道を一瞥して、山頂の少し下でのんびりランチ。久しぶりのアウェイのランチも貧しいながらも格別のものでした。
結局休憩中に通りがかったのは一人のみで、下山を始めたら朝の二人組と単独さんとすれ違い。この日あった人はこれで全てでした。あと地元の方だった単独氏からは雨飾山もいいよ~、と云われてしまったので(笑)次の機会は歩くことにしましょう。

(中腹のお花畑はこんな感じ)
今回は本当に珍しく往復ルートなので、帰りはお気楽なもの。雪渓をゴロゴロ転がったり、これも目当てだった天狗原山のお地蔵さんを捜索したり(結局見つからず。雪に埋もれていたか)しながら降りていきます。
そして行きがけはガスっていたオオシラビソ林も帰りは晴れており、素敵な林の雰囲気に浸ることができました。

(オオシラビソ林も凄い)
中腹のお花畑からは高妻山方面も見えましたが、やはり山頂部はガスで姿を現してくれなかったけど晴れただけでもう満足。キヌガサソウやサンカヨウには次は何年後に逢えるのだろうと思いながら、ちょっと後髪引かれる思いで下っていくと、あっけなくブナ林に出てしまいました。
こちらも日差しが入り、行きがけとは全く違う雰囲気。裏のお目当てを探しながら降りて行くもこれまた不発だったのは残念でしたが、とにかく林が良いので気分が悪いわけはありません。

(これが こきんれいか=はくさんおみなえし)
やがて林道に降り立てば、小谷温泉まではもう一頑張り。強い日差しにじりじり照らされながら歩いていると、雨飾山が一瞬だけ姿を見せてくれて、それが妙に嬉しかった。
そして小谷温泉まで一気に降りて、山田旅館で一浴。中も外観同様、木造のシブい造りで今度はここに泊まってみたいと思わせる雰囲気でした。

(下部のブナ林もこれまた凄い)
REPはないのでコースタイムなどなど。(^^;;;
◆ 2006.07.30 (Sun) 曇 のち 晴
雨飾荘 05:00- 金山登山口 06:00/06:10- 水場 07:00- 天狗原山 09:20- 金山 10:00/11:10-天狗原山 11:30- 金山登山口 13:40/13:50- 小谷温泉BS 15:20
雨飾荘 一泊三食一人割増 ¥9675
山田旅館入浴料 ¥500
小谷温泉~南小谷駅 タクシー(迎車) ¥5200弱
でした~。
やっぱり雪の多い山は自然が豊かでたのしいわぁ。また行きたいな。(^^)