« 山もお花も盛夏の装い | トップページ | 金山・・・静かなる花の山 »

2006.07.24

芦川側から御坂の山へ

B060724a
(御坂主稜線・・・吉沢山辺りだったような気がする)

さて、今年の春に上九一色村の北部と甲府市が合併したお陰で甲府市営バス(旧中道町営バス)の路線が上九一色まで延伸され、芦川中流下流域の山々も山行きのプランに入れらるようになりました。

そんなわけで今回は長らく懸案となっていた、王岳より御坂主稜を西に行った1430m圏ピークから北西へ烏帽子山を経て寺川と王岳川の合流点まで延びる尾根(あーややこしっ・笑)を登路にとり、王岳、鍵掛峠と歩いてこれまた長らくの懸案だった芦川側の鍵掛峠みちを降りて鶯宿に出るという、芦川側からの登降にこだわったコースを組んで歩いてみました。

B060724b
(烏帽子山の尾根下部はアカマツ林下の灌木帯)

甲府市営バスは4月の桃見の時に乗り逃したニガい苦い思い出があるので、今回は万全を期して身延線の南甲府駅からタクシーで始発の市立甲府病院に出ました(¥900)。ちなみに土曜の朝のせいか??南甲府駅にタクシーはおらず電話で呼び出しましたが5分程できたので時間は超余裕。市立病院までの車中の様子を見た感じでも駅から歩いてもバスの時間には充分に間に合うと思いますし、冬ならば寒いけど南アや周囲の山山を眺めながら行くのはちょっとオツかも知れませんヨ。

んで、二年ぶりに乗った市営バスは新しい車(もちろんライトバンには変わりなし)になっており乗り心地も上々。そして一番気になっていた中道橋での山梨交通バスとの接続ですけど、現状の運用では絶望的と云って差し支えないでしょう。確実に捉えたいのであればここは市立病院から乗るべきだと思います。

B060724c
(今日のお花 その1・きんれいか)

単に寝不足なのか車の乗り心地が良すぎるのかはわからないけど結局終点まで寝てしまい、炎天下の中寝ぼけ眼をこすりながらのスタート。本郷の集落を越えて寺川沿いの道に入ると、行く先の尾根や御坂主稜が見えるハズなのに上はガスってほとんど見えない状態。

じきに通る王岳橋で王岳川を渡れば、もう目的の烏帽子山の尾根の末端部なのですが、やはりというかわかっちゃいるが末端部はアカマツ林下の灌木のジャングルになっていて、人のやる気を削ぐには充分な様子(笑)。それでも気をとり直して尾根に取り付きました。

B060724d
(烏帽子山の尾根上部にて)

下は晴れていたので藪も乾いていましたが間もなくガスの中に入ると濡れだして、こちらもすぐにびしょ濡れ。尾根上には登山道だった?とも思えるような明瞭な道筋が通っていましたが灌木倒木に埋もれており、実際にはその脇をつかず離れずで行く感じ。その上次第にバラ藪も出てきて行く手を阻みます。

そんな状態なのですぐに上がるだろうと思っていた尾根を横切るR358へ上がるにも30分以上かかり、そこから先も暫くは灌木の藪が続きました。しかしそんな藪も尾根の形状らしくなると半分が雑木林になり、やがて全面雑木林になると藪も消えてまもなく烏帽子山の山頂につきます。

B060724e
(カイフウロ、ホツツジも咲き始めた)

烏帽子山は尾根南面が伐採跡になっており、普段なら周囲の展望を楽しめるのでしょうが今回はX。主稜線や釈迦ヶ岳(芦川北稜のぢゃないよ)の方がどう見えるのかが気になっていたので残念でした。

尾根も烏帽子山より先は藪も少なく格段に歩きやすくなり、雰囲気も悪くありません。おかげでスイスイ行けて主稜の登山道までは45分ほど。

B060724f
(今日のお花 その2・しもつけそう)

主稜に上がればあとは王岳を目指すだけなのでもう一仕事ありますが、気は楽です。展望はもちろんきかないけど、時折ブナ自然林を交える素敵な道のり。んが、お花の方がヤマブキショウマにツルシロガネソウ、終わりかけのシモツケが目につくぐらいで意外に少ない。

これは標高が低いせいだろうと思っていたのですが、王岳でランチをとりなおも稜線を東に行っても、シモツケソウにキンレイカ、カイフウロ、ハナチダケサシ・・・と種類こそ増えましたが、やはり思いの外。先週の南大菩薩の時は単純に遅れているだけなのだろうと思っていましたけど、もしかすると・・・この不純な天気が続くと3年前(2003)の再来があるかも・・・ってボクの思い過ごしで終わって欲しいのだが。。。

B060724g
(鍵掛峠みち・・・鍵掛峠直下附近)

そんな心配がしばらく頭の中にあったのですが、そんな思いを別の意味で吹き飛ばしてくれたのが下りの鍵掛峠みちでした。とにかく下り始めの急な沢筋をトラバリながら下っていくところ。根場側の大ブナが見られる自然林とは違うけど、こちらも下草のみどりが眩しい素敵な道。少々しっとりした雰囲気なのもまた良かったりします。

そして地味だけどヤマアジサイが満開の中、大岩をいくつも見ながら下っていき、傾斜が緩むと枯れたスズタケが現れほっと一息。ここから再び日差しが入るようになると周囲の緑が輝いて、緑に染まりそうというかなんとも形容しがたい光景に声も出ません。

B060724h
(鍵掛峠みちの上部はこんな大岩が多い)

しかしこの先が大雨の度に荒れているのか道標がボロボロだったり、沢を渡る箇所で若干不明瞭だったりしますが、マーキングを追えば難なく降りられると思います。林道までは鍵掛峠から一時間弱といったところでしょうか。

林道に降りればあとは鶯宿を目指すだけで、懐かしい尾股山の山稜を眺めたり、長らく気になっていたグリーンロッジはユーシンよりもきれいそうだゾと思ったりしながら歩いてバスの始発である鶯宿まではこれまた一時間弱の道のり。

あとはバスの時間までバス停横の鶯宿諏訪神社(ここの階段にある大ケヤキも見物かも)で休んでいたのですが、芦川は何もないところだけど本当に良いところです。今回改めて思いました。同じ御坂の山でも郡内側から行くのとではその山行きの印象も全く違うものになる。不思議ですね。石和の方が不便になって行きにとりづらくなってしまったけど、もう少し涼しくなったら石和駅~山梨県立博物館間の徒歩の実験君を兼ねて芦川からの御坂の山、歩いてみたいです。

・・・・・☆

ということでこの日のREPはこちらをご覧くださいませ。<(_ _)>
 

|

« 山もお花も盛夏の装い | トップページ | 金山・・・静かなる花の山 »

【御坂・天子・富士 2006】」カテゴリの記事

コメント

鶯宿からの帰りのバスも御坂西小までは貸し切りで、あとはポツポツ乗客がありました。あのバスも甲府吉田線の補完をちょっとはしているみたいです(笑)。

でも鍵掛峠みちはなかなかでした。尾根を伝うことが多いせいか少し乾いた印象のある若彦路(大石峠みち)と様子が違うところも歩いて良かったと思わせてくれるものでした。

個人的にはグリーンロッジも結構イけそうだし、ここ泊の山行きなんかもちょっと計画立ててます。あとは芦川村からは外れるけど、阿難坂(中道・女坂)が残っています。迦葉坂と合わせて一気に歩いてみたい気もしています。

投稿: komado | 2006.07.28 23:33

甲府市営バスは貸切りだったようですが、鴬宿から石和行きのバスは誰か乗ってましたか?

鍵掛峠から鶯宿の峠道はいいですよね。私でも下れたので、みなさんにも是非お薦めしたい道です。まちがっても、鶯宿からのバスは混まないし、渋滞も100%ないので、あのバスもみんなで利用してあげてほしい(笑)。

去年の夏、komadoさんに勧められて以来、芦川村のファンになったのですが、この記事読んでたら、また芦川村に行きたくなってしまいました。

投稿: ゴン太(芦川ファン) | 2006.07.26 21:44

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 芦川側から御坂の山へ:

« 山もお花も盛夏の装い | トップページ | 金山・・・静かなる花の山 »