« 鍋割山越え、箒杉沢から丹沢山へ | トップページ | 雪化粧した冬の滝谷へ »

2014.12.11

玄倉川上流域のブナ林を愛でる

B1411211a
(棚沢ノ頭南西尾根・弁当沢ノ頭への下りしな)

さすがに寒波が来た後の朝は寒い。とはいえ、それでも下がマイナス8℃ほどと予想よりは下がらず、暖かい小屋で温かい朝食を取った後なら普段の格好で歩けます。

小屋は丹沢山の山頂にあるので、まずは朝日に紅く染まりつつある富士をしばらく眺めてからスタート。蛭ヶ岳方面へ向かうと、途中で朝日が上がってきて、すると身体が一気に暖まってあとはすいすい。

B1411211b
(不動ノ峰・雪がうっすら残る)

途中で霧氷がある!と思って近づくと前日の溶け残りでガッカリでしたが、冬の朝は空気が澄んで展望は良いし、少々寒い以外は快適です。久しぶりに見た不動ノ峰の休憩舎も改修されて綺麗になってましたね。歩き始めて間もないのに結構休んでしまいました(笑)。

結局小一時間ほどかかってようやく棚沢ノ頭に着いたら、ここで主脈縦走路とはお別れ。ユーシンの道標に従い、南西尾根の道を下り始めます。

B1411211c
(尾根の行く先を見下ろしながら下り始めます)

B1411211d
(これはこれは・・・)

のっけは痩せ尾根が続きましたけど、じきに尾根が広がってくると待望のブナ林のお出まし。

場所が場所だけに樹勢の弱さが気になりますけど、コレはなかなか素敵な林ですよ!

B1411211e
(なんとも・・・)

B1411211f
(素敵な林ですよお!)

今回は泊まりな訳ですから、美味しそうな所をあちこち彷徨いながら歩ける余裕がある幸せ。日帰りだとこうはいきませんからね!

そんな自然林は弁当沢ノ頭の北鞍部辺りまで続いて、弁当沢ノ頭への登り返しが始まると、尾根東側が植林に変わって、山頂もそんな暗い一角だったのが少々惜しいかも。

B1411211g
(弁当沢ノ頭附近は東側の植林が惜しい)

B1411211h
(熊木沢出合・蛭ヶ岳の姿が凜々しい)

弁当沢ノ頭を過ぎるとしばらくは雑木林が続いたものの、植林帯に入るとあとは痩せ尾根の急降下が続いて、ひたすらに下るだけ。小一時間ほどで熊木沢の出合に出ました。

熊木沢の出合は初めてでしたけど、下流側にはもう熊木ダムが見えてるんですね。そしてここから見える蛭ヶ岳の凜々しい姿も魅力的。南尾根も一度は歩きたいところです。

B1411211i
(小虎杖沢左岸尾根・こちらも素敵な林が続く)

さて小屋泊まりだとこの時点でも9時。まだまだ遊べますので、お次は対岸の尾根(小虎杖沢左岸尾根)に取り付きます。

のっけはさすがに急で歩きづらいですが、それをこなすと尾根が緩んで、ここも臼ヶ岳南尾根(朝日向尾根)の一角を思わせる素敵な林が現れたのには狂喜してしまいました。

B1411211j
(5m弱なブナのおおもの)

そして登るにつれ木々は立派になり、じきに現れた5m弱のブナのおおものさんに驚き、すでに瀕死ながらも5mオーバーのモミのおおものさんにまた驚く道のりは、初めてだったこともありこの日のハイライト。

そんな木々を愛でつつ行くと尾根が再び急になり、それをこなすと臼ヶ岳南尾根と合流。すぐ先が1196m峰(コイタゾーリノ頭・小虎杖ノ頭)でした。

B141211k
(こちらは5mオーバーのモミのおおもの)

B1411211l
(1196m峰<小虎杖ノ頭>附近はさすがのブナ林)

臼ヶ岳南尾根はなんと9年ぶりでした。1196m峰は鹿柵が少々残念ですけど、相変わらずブナの美しい広がりが続いて、歩いていて楽しくなりますね。

そのまま北の鞍部へ下り始めると、優美なカーブを描く斜面にブナの美林が続く、その光景に言葉が出ません。

B141211m
(北鞍部の水晶平も素晴らしい)

B1411211n
(これはたまらん)

そして「水晶平」とも言われる北鞍部の広がりに出た所でそのピークを迎えます。

9年前の再訪の記事で「丹沢の別天地」と書いた場所(←クリックすると当時の記事が出ます)は、9年ぶりに訪れてもやはり別天地でした。ただ惜しむらくはこの辺りのブナも樹勢が明らかに落ちていたこと。こればかりはもうしょうがないんですけどね。。。

B1411211o
(臼ヶ岳山頂附近)

B1411211p
(こちら側から望む蛭ヶ岳もそそります)

水晶平の広い鞍部を心ゆくまで彷徨ったら、そのまま臼ヶ岳までひとがんばり。見上げる臼ヶ岳は結構高く見えましたけど、実際歩くと急なこともあってすいすい登れて、お昼前に到着できました。

お昼前ながら場所も頃合いも良いので、この日は臼ヶ岳でランチ。蛭ヶ岳を眺めながらいただくのもオツなものです。

B1411211q
(ユーシン歩道<金山谷ノ頭南尾根>・終始痩せ尾根が続く)

ランチを終えたら、お次は主稜を西へ金山谷ノ頭まで行き、その南尾根を通るユーシン歩道を下る段取り。

そのユーシン歩道を下りだしてまず驚いたのが、今まで歩いた尾根と違って、ひたすらに痩せ尾根が続くこと。

B1411211r
(ブナだって・・・)

B1411211s
(そこそこ楽しめますヨ♪)

なので基本はアセビの茂る露岩・岩屑混じりの稜線が続きますが、それでもブナの素敵な林が広がる箇所もあって楽しい限り。ユーシン歩道自体は今は当然廃道ですけど、当時の道形もぼちぼち認められます。

あと尾根の規模が規模なので最初からひたすらに下るのかと思っていたら、1280m峰辺りまではアップダウンもあって、下りと言うよりは縦走感覚ですね。

B1411211t
(下り一辺倒だと思い込んだ所にギャップが現れる)

ということで1280m峰を過ぎれば、あとは下り一辺倒・・・と思い込んでいたら、途中にちょっとしたギャップがあるのも丹沢らしいアクセント。

そのギャップから登り返せば、後は本当に下りが続いて、やがてユーシン沢(友信沢)と檜洞(桶棚沢)の出合に降り立ちました。

B1411211u
(桶棚沢<檜洞>に降り立ちました)

ここまで来れば後はユーシンへ下るだけなのですが、周囲を見回してもその先の道がどうもよくわかりません。なのでここでエアリアを広げてみると、道は一旦右岸(同角山稜側)の尾根へ高巻くようなので、その辺りを探してみると・・・

なんとザレの急斜面にトラロープが垂れ下がっており、どうやらコレを登るようですネ(笑)。

B1411211v
(コレを登ってきました・笑)

幸いにも登りだったのでトラロープに頼らず登れましたが、下りは厳しいです。ちなみに個人的なクセでこの手の残置ロープは全く信用していません。なのでこのトラロープの強度は確認してませんので、悪しからず。

そして尾根上から沢へ下る箇所も、ロープの張られたマーキングの続く道筋を下るのではなく、沢筋をそのまま下った方がよほど安全だと思うのですが。。。

B1411211w
(こんな所があるのは致し方ない・・・か)

ということで、道の始まりからしてこんな状態なので、高巻きを終えてからのトラバース道も当然↑↑こんな箇所がぼちぼち。これって本当に登山道だったの?と思いながら歩いていると、古い道標も複数残っていて、やっぱりこの道は登山道だったんだなあ・・・と(笑)。

まぁ丹沢方面の廃道ではこの手の道は珍しくないので、この手の道を歩き慣れている人であれば問題ないレベルだとは思います。

B1411211x
(ユーシンロッジ・9年ぶりでした)

ということでユーシン沢の出合から40分ほどでこれまた9年ぶりとなるユーシンロッジに到着。建物は外壁が若干傷んできているようですけど、中は綺麗そうです。でも、もちろん中には入れないので入口のベンチで休憩していると、先ほどまでは風花程度だった雪が本格的に降ってきたので、雨山峠越えはとりやめて、玄倉へ下ったのでした。

今回は休みが出来て急遽組んだコースでしたけど、久しぶりに丹沢のブナ林を十二分に堪能できた上に、最後のユーシン歩道も丹沢らしい良いアクセントでした。丹沢もこうやって歩くと本当に楽しいですね。今回は玄倉に下ったこともあって、丹沢湖の奥に見えた世附の山山がちょっと懐かしかったです。寒くなるとそろそろ世附の季節ですね。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.12.06 (Sat)   晴 後 曇 一時 雪
丹沢山 06:30- 棚沢ノ頭 07:20/07:25- 弁当沢ノ頭 08:10- 熊木沢出合 09:00/09:10- 1196m峰(小虎杖ノ頭)10:20- 臼ヶ岳 11:25/11:40- 金山谷ノ頭 12:20- 1280m峰 12:55- ユーシン沢(友信沢)出合 13:30- ユーシンロッジ 14:10/14:30- 玄倉ダム 15:15- 林道ゲート 15:55- 玄倉 16:30
 

|

« 鍋割山越え、箒杉沢から丹沢山へ | トップページ | 雪化粧した冬の滝谷へ »

【前道志・道志・丹沢】」カテゴリの記事

コメント

はっぴーさん、

みやま山荘は本当に快適でした。スタッフもハイカーもいい人ばかりだし、食事良くても展望イマイチのイメージでしたけど、思いがけず夜景を楽しめたし。平日だったのも大正解でした。たぶんお次は蛭っぽい?けど??食事の話を聞くと素泊まりの方が良いかなと思っています。ありがとうございます。

ブログの方拝見しました。紅葉の水晶平に緑の箒杉沢が新鮮というかこういうイメージなのかと。自分は大半が冬ばかりですので尚更です。

あとあの地図の件ですけど(笑)、マークは実質登山道化しなければ、時が経てば落ち着くと思います。ただあの地図の前にも「本」があって「ネット」があって、こうなるのは残念ながら情報化の現実だと思っています。

なので自分が以前から心がけているのは、一度ネットに出てしまえばもうそれは情報化してしまうので、キモは「出さない・匂わせない」ことが肝要かと。個人的には特にお花でしょうか。貴重で人気のあるお花を、場所をある程度伏せているとは言え、これ見よがしに公開するのは個人的にかなり疑問を感じております。

投稿: komado | 2014.12.20 11:05

komadoさん

チョット目を離していたら、丹沢泊まりで こんなとこ
いらしていたんですね(^^)

私も10/11と10/29に、この辺を歩きましたが
12月だと、また雰囲気がガラッと違いますね。
水晶平への登り返し尾根は同じ尾根かしら?

登山詳細図が出てから、丹沢のVルートに
過剰な?マーキングが目立ってきた気がしています。
(周りでも同意見あり)
最近はヒミツにしておきたい所は控えめ表現を心がけ
ルートの掲載も思案中です。

「みやま山荘」、私も9月初めに泊まりましたが
食事は良かったでしょう?
冬はサイコロステーキが出るとか聞いています。
ちなみに、他に食事が良いのは鍋割山荘で、
塔はカレー、蛭はレトルトカレーとのウワサです。

投稿: はっぴー | 2014.12.19 10:03

kbさん、

今回は平日の泊まりなので初日は表尾根とか戸沢の方から上がることも考えたんですけど、やっぱりですね、何となく足が向かずにこうなりました。

kbさんもおっしゃってますけど、6日は塔ノ岳や東の方は雪が降ったみたいですね。こちらの方は一時的に曇っただけで基本的に晴れだったので結果としては良かったのでしょうか。7日午後の曇りがちょっとだけ残念でしたけど、それを望むのは贅沢すぎるなと思えるような山行きでした。

投稿: komado | 2014.12.14 22:36

一日目鍋割山からそのまま縦走路を行くかと思ったらさすがにkomadoさんですね。
そんな軟なコースでは無く一度沢まで降り又上り返して丹沢山へ。
木々の葉が落ちて小屋からの夜景が綺麗に見えますね。
二日目はどのコースかと期待していましたが想像とは全く
違ってまた沢に降りう臼ヶ岳へ登り返し。旧道からユーシンへ。
 縦横無尽に丹沢を歩かれ冬の木々を楽しんでいられますね。 
6日は私も大山三峰に居ましたが午前中の青空から雪に変わったのは吃驚でした。
大山三峰のコースも尾根がどんどん痩せて来て丹沢の崩壊が進んでいるような感じですね。 

投稿: kb | 2014.12.13 10:07

AKIOさん、

お話聞いていると丹沢は地質が脆いこともあって登山道の変移が激しいですね。特に沢道は。ちなみに手持ちの91年のでも蛭ヶ岳の南尾根は実線。10年くらい前まではまだ山頂にユーシン方面の道標がありました。

南尾根は徒労感が強そうでどうも足がむきませんが、今回ので現実的になってきました。あと今回は泊まりだったお陰で美味しそうな所を見つけてしまったので、そこは機会を見つけて歩こうかな~と思っております♪

投稿: komado | 2014.12.12 18:45

Komadoさん、こんばんは。

ほんとうに良い林相ですね。おかげさまで、これからの楽しみが増えました。(笑)

手持ちの古い丹沢の資料を出してきて、このレポを読みながら眺めていると楽しいです。

1977年のエアリアでもユーシン尾根は破線の登山道で、桧洞/ユーシン沢出合から下流はやはり右岸側をからんでいます。また、蛭ヶ岳南尾根はなんと赤実線でした。おそらく、玄倉方面からの登拝路だったのでしょう。

現代登山全集(創元新社)でも、熊木沢は東沢を詰めて中丿沢乗越に出るのが一般ルートとして解説されていますが、今では東沢を詰める人は年に何人いるのだろうかと思います。

登山ルートも時代と共に変わっていきますが、昔のルートを辿って想像を働かせるのも面白いですね。

投稿: AKIO | 2014.12.11 21:47

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15040/60785606

この記事へのトラックバック一覧です: 玄倉川上流域のブナ林を愛でる:

« 鍋割山越え、箒杉沢から丹沢山へ | トップページ | 雪化粧した冬の滝谷へ »