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2012.01.24

バリエーションハイキング

Bp1110094
新ハイキング社刊  ISBN:9784915184383  ¥1,995

改めて思いかえしてみると松浦さんの本って4年ぶりだったんですね。正直そんなに経っていたとは思ってもいませんでした。(^^ゞ

ということでこちらでは説明不要でしょうけど、新ハイキング誌での記事でもお馴染みな松浦隆康さんの三冊目となる「一般登山道では得られない 山の楽しみ、心の安らぎ バリエーションハイキング 100コース・266ルート」が01/20にようやく発売されました。

おそらく訪れた事のある人なら一発でわかるであろう王岳南尾根の岩峰である吉澤巖(吉沢岩)からの表紙写真が象徴するように、今回は奥多摩・丹沢・中央線沿線など首都圏の西側の山域にほぼ集中しており、それ故に前の二冊よりもより深く掘り下げられている印象。個人的には例えば峰谷川左岸の径路などは全く頭になかったもので、読んでいてハッとさせられることも今回はかなり多かったです。(^^ゞ

そして4年空いたせいでしょうか今回驚いたのがそのボリューム。その分値段も少々上がっていますが、三冊目という事もあって松浦さんの本の一つの持ち味??でもあるガイドとしても読み物としても読めるという一種アンビバレントな完成度(結果としてそうなったのでしょうけど)もより上がっていて、ある程度経験を積んだハイカーの皆様には読んでいるだけでワクワクする本になっています。(^^)

・・・・・☆

近年は情報化が進んだ事もあって本当にバリエーションをするハイカーが増えて、バリエーションハイキングという言葉も完全に定着した感じですね。それはそれで本当に素晴らしいことですし、長年FYAMAで孤独な作業を続けてきた(笑)ボクにとっては感慨も一入なんですけど、先にも挙げた情報化やGPSなどの普及によって以前だったらバリエーションをできない技量レベル(心身共に)のハイカーがなんとなくできてしまう環境になってしまった昨今、それに伴って遭難事故が徐々に増えているような気がしています。

もちろん人口が増えればそれに伴って一定の割合で遭難・事故も増えるものなのでしょうけど、果たしてそれだけなのでしょうか・・・と。毎年毎年しつこいぐらいに記事上でも注意を喚起していた秩父の熊倉山では残念ながら昨年も起きてしまいましたし、それよりなにより昨年は丹沢方面でバリエーション絡みの遭難が続出した大変痛ましい一年でもありました。今後は絶対にこんな事があってはならないし、自分自身も例年にも増して心して山歩きをしていこうと思っております。

すべての土地には所有者や管理者がおられますので、私たちは歩かせていただくといった謙虚な気持ちを持ち続けることが大切です。(この本を読んで歩かれる方へ、より) 

この一文を読んで「何かが違うんだけど、その<何か>がアホな私には皆目見当がつかない」といった長年悩みまくっていた個人的な疑問が少しだけ解けたような気がしました。詳しくは言えませんけど(笑)例えれば同じ所を歩いてもほんとうに危なっかしく見える人と、そうでない人の差はどこにあるのか、とかね。う~む。。。
 

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つれづれ」カテゴリの記事

コメント

新ハイキングさま。

わざわざこちらまでお越し頂き恐縮です。
そう言う事でしたか。お話聞くと出版不況と言われて久しい業界の現況を垣間見るようで少々淋しい話でもありますね。

ここは本屋さんやamazonに「もっとよこせ」と言えば配本が増えるかも知れませんネ。(^^)

投稿: komado | 2012.01.31 19:14

本屋さんで品薄だったとのこと。ご迷惑をおかけしましたことお詫び申し上げます。
取次(本の問屋さん)が、紙の雑誌や書籍販売に対して弱気になっているのでしょうか、委託販売部数を絞る傾向があるようで、以前に比べて初期委託部数をだいぶ絞られてしまった結果だと思います。
印刷部数は以前と遜色なく刷りましたのでご安心ください。
書店でも「電話注文で取り寄せてください」と指示していただければ、書店から注文後翌日には取次向けに発送しています。
良い本は多くの方に読んでいただきたいと願っていますので、お仲間の方にもご紹介いただければ幸いです。

投稿: 新ハイキング社 | 2012.01.31 12:43

いっきさん、

本が少ないのは刷り数が少ない、というよりもしかすると記事の訂正があったからかも知れません。あくまで勝手な推測ですけど。。。(^^;;;

> これは単純に 怖がって居るかどうかじゃないかな??

あ~それは違うんですよ。実際の見た目ではなくてわかりやすく云うとネット上での見た目。

あんまり詳しい事言うと誰のこと言ってるのか特定されちゃうので(笑)、詳しい事はいつかお会いした時にお話ししますけど、たまに見かける度にどう考えても何かが違うというかおかしいんです。

少なくともボクがリンクしている所とか奥多摩関係の方々では決してありませんのでご安心の程を。m(_ _)m

投稿: komado | 2012.01.30 23:00

かずさん、

そうそう生出山はボクも惹かれました。あちらはバスがちょっとしんどくなっちゃいましたけど、一度は歩きたいと思っています。

> 事故って予測不能だから事故なのでしょうね。

う~ん。でもかずさんのは偶発的と言える数少ない事故だと思いますよ。みんな熊に襲われたとかそう言う事故だったら、ボクもここまで言いません。(^^)

ただその他のことが予測不能かと言えばボクはそうは思えないんですよね。むしろ過信していたとか逆に気を抜いていたからとか。だからすでにテクニカルな話ではなくメンタルな部分が重要だなと思っているんですよ。

投稿: komado | 2012.01.30 22:52

なるしまさん、

松浦さんの本は結構前から出る出るって聞いていたので余計そう思うのかも知れませんネ。

遭難事故の話はちょっとエラソーですね。(^^ゞそのうちお話しする機会があるかも知れませんが、今回ばかりは書かずにはいられなかったのです。

投稿: komado | 2012.01.30 22:44

yamaさん、

ホントamazon見ても一時的に在庫切れとか。でももしかすると新ハイのサイトでも告知のあった「吉沢岩」がキチンと訂正されるかも知れないから、もう少々待たれた方が良いかもしれませんヨ。

松浦さんの記事の魅力はガイドが詳しいとか言うよりも仰るとおりボクもそのコース取りだと思います。情報が少ないとか単に難しいだけでない、どれも趣のありそうな/あるコースですよね。そこが今までの数少ないこの手の本との違いではないのかなぁ、と。

投稿: komado | 2012.01.30 22:41

ようやく僕も手に入れました。
どこもかしこも売り切れで
刷った冊数がかなり少なかったのでしょうかね??

>例えれば同じ所を歩いてもほんとうに危なっかしく見える人と、そうでない人の差はどこにあるのか、とかね。う~む。。。

これは単純に 怖がって居るかどうかじゃないかな??
山を始めた初心者の様子と被りますよね??

僕もちょっとバランスが必要な場所はおっかなびっくり
山で骨折してからというもの 体のバランスと
骨折した時の恐怖が重なって 苦手ですね 汗。

僕も書き込みに 大いに思い当たる節があるので
身を引き締めて 気をつけたいと思います。

投稿: いっき | 2012.01.30 21:20

1/28土曜日に、小仏城山山行の帰りに高尾駅前の本屋さんに立ち寄ったら一冊だけ本棚に並んでいたので、すぐに手に取って周囲にライバルがいないかキョロキョロ確認しました。
え?売り切れ~?今回購入できたのはラッキーだったのかも~?
何で値段高いの~?と思ったら、前二冊よりも増量してたので納得価格でした。

九鬼山馬立山と猿焼山生出山のコースは、さっそく行きたくなってしまいます。今は貧乏だから無理だけど、ここに行けるよう努力しよう!と思います。

ここのブログでその存在を知った鹿鳴ノ滝も載ってますね~。滝上の斜面で迷ったことがあるんだけど、そのうち踏み跡が付きそうだな…。

丹沢で事故があったとは知りませんでした。
そういえば、2010年僕も事故に遭った一人なのでした。
熊に襲われたのも、バリエーションルートの高柄山北稜だったからね。
熊の住みかを歩かせてもらっているという謙虚な気持ちが身にしみてくる今日この頃です。

熊鈴つけてりゃ回避できたのかな~?
でもまさかあんなところにいるなんて思わなかったし。
事故って予測不能だから事故なのでしょうね。

最近、忘れかけていたけど、komadoちゃんの文章読んで、思い出す良いきっかけになりました。あんがとさ~ん。

投稿: かず | 2012.01.30 19:32

延び延びになっていた本、やっと出たのですね。
それにしても、もう品切れなんて・・。
KOMADOさんの言葉を肝に銘じて
愉しく歩いていきたいなあっておもいます。

投稿: なるしま | 2012.01.29 19:36

こんばんわ。komadoさん。
このブログを山行のため大いに参考にさせていただいています。年1度程度感謝の気持ちから投稿していますが、このところ度々お邪魔してすみません。
新たな松浦本をご紹介いただきありがとうございます。早速注文しましたが品切れとのことで、楽しみはあと少しお預けです。新ハイキングなどへの寄稿が主なのでしょうが、松浦さんの案内にはkomadoさん同様本当にお世話になってます。案内どおりに歩いてみるとコース取りのすばらしさに感嘆させられます。
そのうちいつか松浦さんやkomadoさんたちのグループと巡り会いたいものですが、まあ気ままなバリエーション同志、静かな山歩きを楽しみましょう。ご紹介ありがとう。ではまた。

投稿: yama | 2012.01.27 21:03

TY生さん、こんばんわ。
ようこそいらっしゃいました。(^^)

あの・・・もしかしたらボクの勘違いかも知れないんですけど、TY・・・と聞くとTYAが浮かぶんですけど、もしかして関係者の方でしょうか?もし違いましたら笑ってスルーしてもらえると嬉しいです。m(_ _)m

ボクは決して達人ではありませんが、ご理解いただきありがとうございます。ちなみにハインリッヒの法則について質問を頂いたので、こちらでも説明しておきますと、

~~~1件の重大な事故の背景には「29件の軽微な事故」と「300件のヒヤリ・ハット」がある~~~

というもので、基本的に労働災害の分野から出てきたものですが、これは山の遭難・事故でも同じ事だと思っているのです。
http://www.anzenkun.nishio-rent.co.jp/anzen/139.htm

投稿: komado | 2012.01.27 19:08

komadoさんは、山から無事に帰るためにも真摯であることが大切と述べられ、小生もなるほどと納得しました。松浦さんは謙虚と書かれているようですが、共に相通じるものを感じました。お二人とも我々山仲間の間では山の達人であり、その言葉には重みがあります。山での事故を減らすためにも、どの人も、山に入るときは真摯と謙虚を自分の足枷にしてほしいものと思いました。感想です。

投稿: TY生 | 2012.01.26 16:05

> 老婆心ながらくれぐれも気を付けられて

kbさん、ありがとうございます。
あの・・・あまり信用されないかも知れないんですけど(笑)昔から山行きで最大の仕事は何事もなく無事に帰ること、をモットーにしているんですよ。(^^)

でもどんなに優れた人でも人間である以上必ずミスはするものですし、そもそも重大な遭難/事故というのはハインリッヒの法則じゃないけど、偶然ではなくやっぱり「積み重ね」で、キツ云い方をさせてもらうとそれは「必然」でもあって、今までの山行きに対する「様々な意味での心がけ」だったりするものがそういう時に一気に表出するものだと思っている、というかそう確信しています。

だからこそ普段の心がけというのが非常に重要で、それは単に「気をつける」というだけではなく、自らの未熟さを正当化することなく、不断の努力で知識やスキルを身体化することかなぁ、と。なんかエラソーに言ってしまいましたが(笑)ボクはですね、例えばこういう山行きをしているとネット上でいろいろ知ったかぶったり事情通ぶったり、自分を良く見せよう大きく見せよう、ボク自身もそうだけどそう言う傾向って少なからずあって、それはネット上ならいくらでも大ボラ吹いても良いと思ってるんです。そおいやネットならバレないと思い込んでいる人は素人ですよ。実はネットほど人となりが滲み出て丸裸になってしまう怖ろしいメディアは他にないのですから。

ちょっと脱線しましたけどそんな人でも実際に山には入る時だけは真摯であって欲しい、そう願ってやみません。今回こういう事を書いたのは実は自分自身にプレッシャーをかける意味もあったのです。足枷のような。そのために自分のブログを使ってどうもすみませんです。m(_ _)m

投稿: komado | 2012.01.24 23:50

komadoさん 相変わらず元気に歩かれている様で楽しみに読ませて頂いています。
松浦本の3冊目が発売されたんですね。早速本屋に行き見てみないと。
私も松浦本やkomadoさんの様な方達のHPを参考にして歩く事がありますが自信が無いので
山仲間といつも一緒です。バリルート歩きは人に会うことが少ないのでやっぱり良いですね。
komadoさんの様には歩けませんが地図を見ながら歩かれたコースを追っていくのを
楽しみにしています。
他のHPでバリルートでの事故が紹介されていましたので老婆心ながらくれぐれも気を付けられて
歩かれんことを。

投稿: kb | 2012.01.24 21:53

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